2023-04-05 24:47

#014 マネージャーの価値観

番組ホストで株式会社KabuK Style COO兼CTOの後藤秀宣が「マネージャーの価値観」についてお話しします。

<トークテーマ>

・価値観とは

・価値観で自分と会社のギャップをコントロールする

・価値観と業務のジレンマ

・問題の本質へのアプローチ

・マネージャーとしての価値観を磨いていく


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#EM問題集

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株式会社株区スタイルの後藤秀典です。この番組では、エンジニアリングチームで起きている問題について、技術、組織、ビジネスといった複数の観点で深掘りし、問題の正体へアプローチしていきます。
今回のテーマは、マネージャーの価値観、です。 価値観ってすごく抽象的なワードなんですけれども、一方で私自身、このマネージャーが価値観を持っているっていうことがその
マネージメントだとか、マネージメントにとどまらない色々な行動や考え方に対して、やっぱり下支えするすごく大事なものだと思っていて、これを持てるかどうかっていうことがマネージャーとしての成長したり成功したりするところのキーになっているんじゃないかなと思ったりもしているので、今日はそのことについて話してみたいなと思っています。
エンジニアリングマネージャーの問題集。 というわけで、マネージャーの価値観ということについて話そうと思っていて、私としては価値観という言葉よりも、何ですかね、真っていう言葉の方が何か合っているのかなと思ったりもしています。
真っていうのは何ですかね、人の真ん中にあるブレない何かみたいなもののことなんですけれども、何かその真、価値観を持っていることがすごく大事ですよっていう話で、とはいえ何かこの価値観って何なんですかっていうのをちょっと私なりに最初に言語化しておこうかなと思っています。
価値観っていうものって、そもそも何ですかね、誰でも一定持っているものかなとは思っています。
すべての人、あらゆる人が、何かその価値観に基づいて日々生活を送っていたりだとか、何かを選び取ったりだとかやっているということかなと思っています。
だから価値観っていうものが、何か人の言動や行動っていうものに反映されるというか、価値観をベースに日々送っているってわけですよね。
そういったものなので、人が発する発言だったりだとか、行う行動っていうのが、その価値観をベースに行われているっていうことでしょうし、
特に何かすごく大事なメッセージだとか、緊急を要するものだとか、多くの人に伝えなければいけないものだったり、行動を促すものだったりといったときに、
より価値観に裏付けされたようなメッセージだったり行動だったりすると、それが説得力や迫力を持って人に伝わったり伝播していくようなものだったりするのかなと思っています。
なので、そこまで含めると単に価値観がそれぞれだよねっていう話ではなくて、より強く人の行動に影響するような価値観というものがあるとは思っているという感じですね。
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とはいえ、価値観というものが例えば全ての人類のために全ての人々がより良く暮らせるようにしたいみたいな価値観だとすると、ちょっと抽象的すぎて全ての物事に当てはまってしまうかなとも思うんですよね。
そういうものって価値観とも言えるかもしれないんですけれども、日常的な行動一つをとった時に、その価値観に当てはまっているのかもしくは当てはまっていないのかっていうような判断ができなくなってくると思うんですよね。
できる場合もあると思うんですけれども、やっぱり抽象的すぎるものって判断に使えないというところがあるので、ここで話している価値観というのは、一定日常の行動の良し悪しを判断できる、区別できるようなタイプの具体性を持った価値観というものが大事ですし、よく機能する価値観なのかなと思っているところもあります。
ここまでが価値観の一般論みたいな私の考えなんですけれども、こういった価値観を何か自分の中で見出して持っておくと、自分自身はこういう価値観のもとに行動しているだとか、そういうものが明確になっていると人生のいろんな部分でも使えるんですけれども、
この番組で対象にしているエンジニアリングマネージャーとかマネージャーという仕事においても結構有効に機能すると思っています。
価値観を持っていることが大事なんですが、この価値観というのは必ずしも会社が求めているものだったりいうものと100%一致することってないかなと思っています。
本当にそれ自体は人によって微妙にニュアンスが違ってくる部分が普通にあるので、一つの言葉には収まらないような違いというのがたくさんあるのが普通だと思っています。
ただし、自分の価値観が何かというのを明確に認識することができていれば、自分が大事にしている部分はここ、会社が求めている部分の共通部分はここであり、それからギャップがあるのはここであるというのが明確になるので、
どんな行動を会社が求めていて、自分の信念のもとに行える部分はこういう形だというふうに、うまくギャップを埋めていくような考え方だったり行動も取りやすくなるのかなと思っています。
そういった意味でも、まず自分の価値観というものがあることによって、そういったギャップも認識できるようになるわけで、逆に自分の価値観が全くない状態だと、
盲目的に会社が求められるものをただ単に受け入れて行動してしまうとせざるを得ないというような形にもなってしまうかなと思うんですよね。
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それってひょっとすると会社からするとすごく都合のいい社員のように見えるかもしれないんですけれども、結局そういった人の行動って中身が伴っていないというか、説得力がなかったりしてしまうものなのかなと思うので、
これは私の意見なんですけれども、しっかりマネージャーとしては自分自身の価値観を持った上で、会社とのギャップも埋め合わせながら、コントロールしながら自分自身の理想を貫きつつ会社の期待も満たすというようなやり方がマネージャーとしてのあるべき姿なのかなと思っているところもあったりします。
この価値観云々みたいな話を今回しておるんですけれども、私がもう幼少の頃から自分自身の価値観をきっちり見出して持てているかというと、当然全くそんなことはないわけです。
あれこれ人生の経験を積んでいく中で、自分自身の価値観ってこういうものだなって、だんだんわかってきたみたいなものだったりします。
結構私は以前のエピソードでも触れているように、自分自身でも遅咲きな方かなと思っているので、自分自身の価値観みたいなのも割と人生の30代以降ぐらいで、これが自分だなというふうに結構はっきり認識できたみたいな感じだったりもします。
もちろんいろんな経験をもとに自分自身の価値観とか真というものが見えてきたんですけれども、その中で決定的に大きな自分自身が、これはこういう仕事はやりたくないなというか、これはこうあるべきだろうというふうにとても強く認識したっていう経験がありまして、
そこを境目に自分自身のキャリア自体も進む方向性を変えたっていうことがあったりしたので、ちょっとそのあたりのお話を今日は皆さんにシェアしたいなと思っています。
これはもう前々職よりも以前のお話になりまして、ちょっと年齢で言うといつぐらいだったか、30の中間過ぎたぐらいの時ですかね。私自身が自営業で仕事をしていた頃の話になります。
ありがたいことにいろいろな会社さんから仕事をもらって、ソフトウェア開発的な仕事をたくさんしていました。その中でソフトウェア開発と直接は呼べないような仕事もいろいろやっていまして、その一つに私のわりと近い親族が勤めている、会社からいただいている仕事がありました。
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これが建築関係の点検を行っている会社さんでして、その会社がその建築物の点検というものをいろいろなところから受け負って、点検をしてその結果を報告するというようなお仕事なわけですね。
この建築点検の中で、点検を行った物件のレポートというか納品物というんですかね。業務自体は旧来からずっと行われているものなので、もともとは紙ベースで行われていたんですが、ある時から納品物はExcelのレポートとJW CADのCADデータですね。
ここに物件の図面があって、そこに破損している箇所だとか、要注意事項がある箇所にマーキングだとかを入れたデータですね。こういったものをデータで納品するということが求められるようになってきておりまして、その会社としてもデータで納品するということに対応していました。
なので、私が当時受け負っていたのは、現場で建築士さんたちが点検してきた結果を、これは紙で点検してくるんですけれども、その紙の結果を何らかの形で納品するデータのところに起こして、納品物を作成するというような仕事だったわけですよ。
これ自体、普通に単純にやると、紙のデータ、マーキングしてあるものを見て、ひたすらそれをExcelとかJW CADに入力していくという仕事になるわけですけれども、我々ソフトウェアエンジニアなので、当然効率化できる余地はないかって考えますよね。
特に扱っているものが電子データとかソフトウェア上で処理するものなので、いかに効率的にできるか、できるんじゃないかと思いながら仕事をするわけです。
実際、やれる余地は結構ありまして、フォーマットの中に、例えば重複して、例えば物件の名前だとか、指摘箇所みたいなものとか、一つの情報がいろんな紙に記載されるものとかがあるので、そういったものって当然1回だけ入力して、それが必要な箇所に全部転記されるっていうふうになってればいいわけじゃないですか。
そういったところをシステムのほうで、システムのほうというか、私の受け負っている側で勝手にというか、ちょっとしたシステムみたいなものを作って、自動的に納品物のデータみたいなのが最小限の入力で生成できるようにするとか、いったことをやっていって、どんどん自動化を進めていきましたね。
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エクセルだけじゃなくて、JWCADのほうも多少自動的にインプットが生成されるような状態とかも作ったりしていました。なので、もともとエクセルやJWCADをある程度扱える人が入力すると、ちょっと1件の中身にもよるんですけれども、
1件を入力するのに、例えば1時間ぐらいかかるような感じだったとすると、最終的に僕が作ったシステムとかでその処理をすると、もう3分とか5分以内ぐらいでその1件の入力が終わってしまうというような状態に効率化をしてやっていました。
なので、ものすごく生産性という意味では10倍以上上がっている状態で、当然、いただくお金っていうのは同じように最初からいただいているので、言い方をするのもあれですけれども、儲かる仕事になっていたというような状態だったりします。
これ自体、ソフトウェアエンジニアリングの力を使ってやることを効率化して、DXとまだ言いませんけれども、テクノロジーを使って自分たちを豊かにとは言わないんですが、幸せにしていくみたいな一面だったりもするので、ある種いいことをしているような感じもしたんですけれども。
ただ、そういう仕事をやっていたんですけれども、それが10年ぐらいその仕事をいただいていましたかね。ずっとその感じでお金を稼がせていただいていたんですが、毎年その仕事があるわけですよ。
ある時から、すごくこれっておかしいことをやってるなというふうに思うようになったんですよね。何でかというと、そもそもその点検結果をデータ化して納品しているんですけれども、その納品したデータっていうのが全く利用されてないっぽいんですよね。
次の年もまたゼロから紙に、紙ベースの点検っていうのが行われて、またそれをデータとして入力して納品するということの繰り返しだったので、お金をいただけているのはいいんですけれども、果たしてこれで世の中って良くなってるんだろうかっていうところにすごく疑問を持つようになってしまって、
もう疑問が加速しすぎて、ある種僕の中では絶望のようなものすらも抱いてしまうぐらいになっていたんですよね。それってソフトウェアの力を使って、僕の身の回りのところだけは効率化して幸せになったんですけれども、
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この建築点検っていう業務だったりっていうところ、全体を見たときには本当にごく一部が効率化されているだけで、その全体自体が抱えている問題に対しては何もアプローチしていないなっていうふうに思ったわけですよ。
実際毎年同じ業務が、ほぼほぼ紙ベースの業務っていうところから変わらない状態のものが毎年行われていたわけなので、そこに対してアプローチしていかないと、自分のやってることの価値っていうのが全然高まっていかないんじゃないかっていうふうに思うようになったんですよね。
ただ、そういう考え方に至ったのはいいんですけれども、その業務をやっていると、さっきも話したように絶望みたいな気持ちになってきたっていうのは、なぜかというと、これは皆さんそれぞれの立場だったり、何をチャンスと見出すかとか、そういうところにも関係したりするんですが、その業務でいうと、
例えば地方公共団体とかが発注元だったりするわけですよね。そこからその建築点検会社が仕事を受け負って、さらに私が入力部分を受け負うみたいな構造になっていて、その業務自体を何とかしようとすると、地方公共団体さんのところまでアプローチして、業務のやり方変えましょうだとか、データの持ち方変えましょうだとか、
そこからやっていかないと変わらないわけじゃないですか。少なくとも。もっと先まで行かなきゃいけないかもしれないんですけれども。それって一定、もちろんやりがいはあるタイプの仕事のようにも思うんですけれども、じゃあ何ですかね。
1年とか2年頑張ったらそれが変わるのかっていうと、そういう世界でもなかったりするわけじゃないですか。結構いろんな実績だったり、人脈というか繋がりというか信頼関係とか、そういうものを築いてようやくそういった話ができる部分というのは、お役所だからという話ではなくて、ビジネスの世界一般にもあったりすると思っているので、
そう簡単にこっちの方がいいですってソフトウェアエンジニアが言ったら変わるようなものではないので。そう思った時に、これを自分自身はすごく課題だと感じているんだけれども、じゃあ10年とかそれ以上かけて自分自身が取り組む問題なのかっていうふうに考えた時には、僕の中での結論はNoとなったわけですよ。
もちろん世の中にはその問題にアプローチしている方もいらっしゃるので、この問題自体を大したことない問題とか、そういうふうに私が言いたいわけでは全くなくて、私のその時のただ一人のフリーランスエンジニアみたいな立ち位置だったりだとか、持っている人脈だとか、そういうものから照らした時には、私がアプローチする問題としてはあまり望ましい問題ではないなというふうに結論を出した。
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ということだったわけですよね。
ちょっと価値観の話から話がそれちゃったんですけれども、そのような形で、その問題に対しては自分が取り組むべき問題ではないとしたんですけれども、自分の中ではすごく大事な経験でして、自分自身がきちんと局所的な解決ではなくて、
本質的に問題となっている部分と思われるところにきちんと自分がアプローチできて、何らかの程度でその問題を解決しているっていう効力感というか、結果も伴ってほしいんですけれども、そういった形で動けることをしていきたいというふうにその時、結構明確に気づくことができたんですよね。
という経験があったので、その後、自分一人でやっているようなソフトウェア開発、フリーランスでは、なかなかやっぱり本質にアプローチすることって難しいじゃないですか。
もちろんそういうことができる方もいらっしゃると思うんですけれども、私は少なくともそういう状況ではなかったというところがあって、やはり何らかの会社に所属して、かつその会社が私が思うところでは本質的な問題に一定アプローチしているだろうといったところで、自分の力を発揮していくのがいいんじゃないかというふうに思って、そちらのほうにキャリアを変えたということにもつながっていたりもします。
グリーンにかけない転職裏話ラジオ、略してグリテンラジオは、転職アプリグリーンの運営メンバーが個人的一押し企業について語ったり、現場で感じる転職や中途採用のリアルについて話す音声番組です。
毎週月曜朝6時更新です。
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詳細はカタカナで、グリテンラジオと検索してチェックしてください。
では、ショートコメーシャルブレイクです。
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その価値観をもう一度言葉にしておくと、きちんと問題の本質にアプローチしているかどうかというところを大事にするということなんですが、
いろんな階層で本質というのがあるんですけれども、少なくともソフトウェアみたいなところに限ったとしても、
表面的に解決したり、売り上げだったり、数字を達成するためのやり方だったりもあるわけなんですけれども、
そこだけに目を向けるのではなくて、きちんとソフトウェアのあり方というか、アーキテクチャーみたいなところですね、
といったものが将来にわたっていい状態になるのかどうかといったところに、継続的に目を向け続けるような形でマネージャーとして振る舞っていたところがあって、
それは私自身の価値観に照らして、それがソフトウェアの本質であって、そこを良くしていかない限り、
ビジネスの継続性だとかいうところにも貢献していかないという思いがあったので、そこは外さないようにしながらやってきたというところはありますね。
先ほどのエピソードのような価値観からすると、ソフトウェアというレイヤーだけの話になるので小さなものなんですが、
もちろんそれだけが私の価値観というわけではないんですけれども、
一旦ソフトウェアというところではそういったところを持ちながら判断をして行動してきていたので、
それがマネージャーとしてものすごく会社全体から評価されたかというと、決してそうではなかった部分もあるとは思うんですけれども、
ただ、私自身の感覚としては、一定エンジニアのメンバーだとかからは、そういったマネージャーのほうが信頼できるというか、
いったふうに受け取っていただいていたのかなというふうにも思えているので、
それは私自身の会社からの評価でそう思われたではなくて、私自身が価値観をもとに行動した結果をそのように受け取っていただいたということだと思っています。
というところで、今回のテーマに戻るんですが、マネージャーとして価値観というか自分自身の真みたいなものを何とかして見出して、
それをもとに行動していくということが、いろいろな面で、すごく簡単な言い方をすると、良い方向につながっていくというふうに思っていて、
これは持ちたいといって簡単に持てるものではないかもしれないんですけれども、日々の振り返りだとか、自分自身が何を普段選んでいるのかだったり、
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考えることによって徐々に見出していけるものだと思っていますので、ぜひ聞いていただいている皆さんも、自分自身の価値観というのがこうだというのを少しずつ磨いてクリアにしていただいて、
それを日々のマネージメントとかに生かしていただけるといいんじゃないのかなと思います。
では、今日はマネージャーの価値観というテーマでお話しさせていただきました。
日常的に価値観、価値観って考えている方ってそんなに多くはないとは思うんですけれども、
たまに時間をとってそういったところに向き合っていただくのって結構貴重だったりするのかなと思っていますので、
この話がそういったことを考えるきっかけになるといいのかなと思ったりもしました。
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お相手は株式会社株区スタイル、COO兼CTOの後藤秀典でした。
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