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アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)』Dave H. Hoover/Adewale Oshineye

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#EM問題集


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サマリー

株式会社株区スタイルの後藤秀典さんは、エンジニアリングの知恵についてお話ししています。本の紹介では、アプレンティスシップパターンという書籍をご紹介し、学び方の実践について考えています。特に、カップを空にするというエピソードに注目し、新しいことを学ぶ際の姿勢やアンラーニングについて深く探求しています。熟練者とアプレンティスの境目って何なんだろうと考えたとき、アプレンティスとして常にカップを空にして新しいことをどんどん学んでいけば、いずれ熟練者になるのかと思いますが、そこはちょっと連続じゃない部分があるのかなと思っています。

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株式会社株区スタイルの後藤秀典です。
この番組では、エンジニアリング知恵目で起きている問題について、
技術、組織、ビジネスといった複数の観点に深掘りし、
問題の正体へアプローチしていきます。
今回のテーマは、カップを空にする、です。
何のことだって思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
実はこれ、書籍の紹介コーナーでして、
僕の好きな学びに関するテーマの本だと申します。
いろいろ語ってみたいと思っております。よろしくお願いします。
エンジニアリングマネージャーの問題集。
ということで今日はですね、また私のお気に入りの本を
紹介させていただこうと思っております。
アプレンティスシップパターンの紹介
紹介する本としては、アプレンティスシップパターン
都定制度に学ぶ熟練技術者の技と心得という本で、
オラエリさんから2010年に出版されている本ですね。
カテゴリーというかテーマとしては、どちらかというと
エンジニア向けの学び方というか、学び方の学び方みたいな、
そういった内容の本になっております。
これもあまりに何かコミュニティとかで紹介されているところ、
特に最近では見かけなくなっているので、改めてこの本の良さみたいなのを
語ってみたいなと思っています。
まずこの本なんですが、基本的にはこれぐらいの年代に
よく流行った形式といいますか、パターンランゲージのような形式で
書かれていまして、学び方というか、学ぶについても
よりエンジニアの中でも入門フェーズというか、
新しいことを学んでいくときにどううまく学ぶのかということに関する
いろいろなプラクティスですね、パターンの形式でまとめられている本になっています。
パターンが39個のパターンが掲載されているといった感じになっています。
そのパターンの中でも、都定制度みたいな、これはちょっと昔の時代にあった
より職人たちがどういうふうにものづくりをできるようにしていったのか、
その技を身につけるようなシステムを構築していたのかというところだったりするんですけれども、
そこに照らし合わせて、アプレンティスっていう一番入門レベルの人から
一番最上位が熟練技術者っていう形になってるんですが、その間にジャーニーマンっていうような
クラスがいて、熟練技術者まではまだ行ってないんだけれども、
よりアプレンティスとのコミュニケーションをたくさん持って技術を伝播していくような役割の人だったりするというような
カテゴリー分けがなされていて、そういったカテゴリーのもとにソフトウェアエンジニアというか
エンジニアに限らないとも思うんですけれども、学び方っていうのをどのフェーズでどういうことをやっていくと
いい学び方を身につけられるのか、みたいな話が書かれています。
基本内容は読んでいただきたいと思ってるんですけれども、一つだけ僕がこの本に関して強調したい、
ぜひお勧めしたいエピソードというのがあって、これは実はパターンに含まれてない
エピソードとして書かれているものがあります。一番最初に出てくるエピソードなんですね。
カップを空にするエピソード
それが何かというと、タイトルがカップを空にするというエピソードになっています。
このエピソードの概要をさらっとだけお話しすると、とあるお坊さんがいらっしゃって、すごく有名な方ですと、
いろいろなことを教わることができるお坊さんがいらっしゃいました。そのお坊さんのもとにある、
すごい熱心な修行僧が訪れて、いろいろ教えをこいたいと、必死に願って、毎日有名なお坊さんに対してリクエストをしているんですけれども、
なかなか教えてもらえないと。すごくやきもきしていたんですけれども、ある時、
その有名なお坊さんから悟された言葉が、お前の湯呑みにはすでにお茶がいっぱいだから、それ以上汲むことができないと。
そういったすごく単純な言葉で状況を表現されていたと。
これって分かりやすい例えのように思うんですけれども、僕としてはものすごく奥が深い話でもあるなと思っていて、
何か新しいことを学ぶときに、本当に初心に帰るというか、何も知らない状態であるかのように、
赤ちゃんのような、何でも吸収するような状態で学びに行くことって、やっぱりどんどん大人になっていくにつれて難しくなるなというふうにも思っていて、
そういった新しいものを学ぶときの勢いだとか、いかに学び取るかっていう意味での完全にカップが空になっている状態、
スポンジのように吸収できる状態っていうこと自体もすごく大事なことだと思っているし、
もう少し別の意味では、最近ちょっと流行ってるワードかもしれませんが、
新しいことを学ぶときに、今まで知ってるものをいかに捨てることができるのか、
アンラーニングっていうふうに言われてると思いますけれども、
これっていろんなことを経験すればするほど、ちょっと新しいものを見たときに、これまで知ってる自分の価値観だったりだとか、
法則だとか、そういうものをベースにどうしても新しいものを見てしまいがちになってしまうので、
いかに捨てれるかっていう、捨てる側の技術というか、アンラーニングする技術っていうんですかね、
そこ自体が非常に大事になってくるっていう、同じことを言ってるかもしれませんけれども、
そういった意味でも、そのカップを空にすると、カップが空になっているかということが大事なんだなというところも思っております。
そういった意味で、そういったお坊さんの話に例えられると、ありがたい話に聞こえるっていうだけかもしれませんけれども、
なんかこの話っていろんな場面に通ずるなと、僕は常々いろいろなことに当たるときに、
このカップを空にせよっていうような言葉を思い出して、自分に適応しながらやってきてるっていう部分もあったりするので、
熟練者の学び方
本当このエピソードだけでも、この本を買う価値はあるのかなというふうに僕は思ったりしています。
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というところまでが本当に簡単なこの本の紹介だったりするんですが、
今日実はお話ししたいことって、この本の紹介に加えて、
もう少し僕自身が学びに対して考えているところも補足したいなと思ったりしています。
その話に入る前に、もしこの学び方みたいなところ大好きな方がいっぱいいらっしゃると思うんですが、
アプレンティシップパターンと合わせて有名な本としては、
パターンランゲージの研究で有名なIva先生という方を中心にまとめられた
Learning Patternという本もあったりするので、
こちらもパターンランゲージ形式でまとめられている、
似たような作られ方の本だったりするんですが、
より広い範囲の学び方というところ、うまく学ぶときの道具箱というか、
そのような形でまとめられたパターン集だったりするので、
そういったものも手に取って、比べてみて同じような内容があるなとか、
いう見方をすると面白いかもしれませんね。
はい。
で、アプレンティシップパターン、基本的にはぜひ読んでいただきたい本だと思っていますし、
僕自身も新しいことを学ぼうとするときに、今でも参考に手に取ったりする本だったりします。
とはいえ、この本だけではちょっと物足りないなというか、
カバーされてないなって思う部分もあったりします。
で、それは何かっていうと、本のタイトル自体がアプレンティスにフォーカスしてるので、
都定制度でいう入門者ですね、
そういったフェーズでの学び方っていうところを中心に書かれていますので、
熟練者はじゃあどういう人なんだとか、
熟練者自体も学び続ける必要があると思うので、
熟練者の学びってどうな、みたいなところはあまり書かれていないのかなと思っています。
もちろん熟練者はじゃあカップを空にしないのかっていうと、
そんなことはないと思っています。熟練者であるほどカップを空にするのがすごい上手で、
新しいことをどんどん吸収していけるとか、
そんな人だったりもするのかなと思うので、
アプレンティスと熟練技術者のポイント
熟練者とアプレンティスっていうのが完全に白黒はっきり分かれてるわけではなくて、
熟練者は熟練者で、新しいものを学ぶときはアプレンティスになって学んでいくみたいな、
そういった掃除系のような構造になっているのかなとも思っています。
ただですね、熟練者たるゆえんというか、
熟練者とアプレンティスの境目って何なんだろうみたいなのを考えたときに、
アプレンティスとして常にカップを空にして新しいことをどんどん学んでいけば、
いずれ熟練者になるのかというと、そこはちょっと連続じゃない部分があるのかなと思っています。
非連続な部分があるのかなということですね。
その非連続な部分っていうのはおそらく、
なんていうのかな、ちょっとうまく言えない部分もあるんですが、
今回学びというテーマで話していますが、
学ぶっていうときに自分の外側、他の人だったり本だったりだとか、
そういったところから学ぶっていう学び方とそれとは違って、
自分の中で学ぶっていう学び方もあるだろうと思うんですよね。
自分の中で学ぶっていうのは、何か実践的に取り組むときに、
自分なりに仮説を立てたりだとか、どんな方法でやってみようみたいな、
何らかのチャレンジみたいなのを設定してやってみて、
その結果を振り返ってちょっとやり方を改善していったりだとか、
そんなことを繰り返し行っていくと思うんですよ。
そういったことを繰り返していくと、自分の中に何らかのロジックというか、
経験値みたいなものが構築されていくと思うんです。
その経験値って、全てがパーフェクトな状態でもないとは思うんですが、
でもそういった自分の中に構築された知識の構造みたいなものってすごく大事で、
熟練した技術者だったり、技術に限らず熟練したレベルにある人っていうのは、
基本的にそういった自分の中に価値判断だったり良し悪しの判断だったりを
瞬時にできるような思考回路というか、経験によって構築されたような、
そういった知識構造みたいなものが一定備わっている人たちだと思うんですよ。
そこがやっぱりアプレンティスと熟練技術者を分ける大きなポイントだと思っているので、
それをいかに構築していくのかっていうのを同時に考えることなしに、
アプレンティスが自動的にジャーニーマーになって熟練技術者になるってことはないだろうというふうに僕は思っているので、
学びの力を高める
そういった考え方も脇に持っておきながら、今回紹介したアプレンティシップパターンとかを読んでいただけると、
より上手にプロフェッショナリズムを向上して築いていけるんじゃないのかなというふうにも思ったりします。
この辺りの話に追加で、最近のネタみたいな感じで話してみたいこともありまして、
これ収録しているのが7月25日なんですけれども、先日公開された宮崎駿の君たちはどう生きるかという映画を見てきました。
この内容に関してはネタバレになっちゃうといけないので、基本的にはここではほぼ触れないんですけれども、
この映画を見て僕が感じたことが学びに通ずるところがあるなと思っておりまして、
一言だけ言うと、自分で考えろっていうメッセージかなというふうに思ったわけですよ。
これ以上言うとネタバレになるので言わないんですけれども、それを非常に強く感じて、
やっぱりこの熟達した宮崎駿のような映画界の巨匠レベルになっている方でも、やっぱり最後に伝えたいメッセージっていうのは、
自分で考えろっていうことなんだっていうのは、僕はものすごくそこだけは響いたと言います。
別にそこ以外のことも面白かったんですけども、その分はものすごく僕自身にも響いてですね。
やっぱりそこってあらゆるプロフェッショナルに通ずる大事なことなんだろうなっていうふうに思ったんですよ。
なので、それも踏まえて今回、このアプレンティシップパターンっていうところに絡めながら、
やっぱり最終的には自分で考える力っていうのを同時にどう高めていくのか、どう身につけていくのか、
考える元ネタみたいなのをどう築いていくのかっていうところもすごく大事なんだろうなというふうに思ったので、
追加でお話しさせていただきました。
というわけで、本日アプレンティシップパターンという本に絡めて、
相変わらず僕の好きな学びに関するテーマみたいなところでお話しさせていただきました。
こんな感じで、僕の積んどくじゃないですけれども、本棚に持ってる、埋まってる本の中から取り上げて、
皆さんに紹介しながら僕の考えをお話しするっていうのは結構いろんな角度でお話しできたりして、
僕自身も面白いなと思っているので、また折々見て他の本のパターンでも紹介していきたいなと思っています。
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お相手は株式会社株式スタイルCOO兼CTOの後藤秀典でした。
17:23

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