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2021-09-10 11:47

今日の10分de1テーマ「自然状態をどう考えるかが3者3様で面白い件」について

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。

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というわけで、昨日の続きです。
自由意志というものはない感じがするなと思っているんですけど、
自由意志がないと考えると、責任というものは存在しないと。
責任というものはないと、なければなければいいんですけど、
ないなぁと思いながら生活していると、
生活の局面では責任を取ったり取らせたりする必要があるので、
そこには矛盾は生じるわけですよね。
それについてどう考えたものかと思った時に、
17世紀から18世紀に政治哲学の分野で話された
自然状態という概念についての議論を思い出すなということで、
その話をしたいと思います。
自然状態というのはどういう背景から出てきた概念かというと、
この頃、王様が神様から権利を授かったんだと。
というのは、王様の権威の後ろ盾ですよね。
もともとは、カソリック教会が王様の助人式で、
はい、王様を認めますという儀式をやったので、
その意味合いが大きくなっていって、
王様の権利ってどこから来るのって言ったら、
いや、俺は神父様から授かってるんだよみたいな感じで、
王権真珠説というのがあったんですよね。
どこの国も神話とか紐解けば神様の子だったりとか、
神様から何か授かったりとかするわけじゃないですか。
日本もそうですけど。
王権真珠説というのがあったわけですけど、
ただ、いろいろ宗教的な教会の力が弱まったりとか、
宗教的な力というのが弱まってきて、
ちょっと違うんじゃねえのみたいな感じで、
議論がどんどんされていったわけですよね。
王権真珠説というのから、
社会契約説というのが大きく言うと移り変わっていくんですけど、
社会契約説というのは、
王様が神から授かったのだとかではなくて、
社会に参加している一人一人が、
その人民が、
その社会を支配している政府とかと契約をしているんだと。
なので、契約をしていることから、
政府には権威というか、
みんなからの権利を預かっているという後ろ盾があるんだよと。
王様が神様の後ろ盾があるという話から、
政府とか社会というのが人々から権利を少し預かっているということを
後ろ盾にした説というのに変わっていくわけですよね。
なので、王様と同じように政府もそういうふうに、
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権威があるのだ、えへんという話なんですけど、
でも、
というぐらい、
我々が一人一人契約している相手だから、
ちょっと悪権は変えてもいいんだよね、みたいなですね。
政府とか社会というのは、
人民がもう少し引いた目で見て、
王様は神様の権利をもらっている人らとかじゃなくて、
ちょっと引いた目で見て、
良ければいいし、悪ければ変える、みたいな感覚に議論しているんですよね。
だから少しずつ民主的になっていくわけですけど。
この社会契約説というのがどんどん発展していく途中で、
社会というのを論じるんだとしたら、
社会がない状態というのを論じた方がいい、というのですね。
社会がない状態って何だろう、というので、
編み出された概念が自然状態なんですよね。
つまり、社会とか政府とかが存在しなくて、
人が自然に暮らしている状態ってどうなんだ、というのを仮想として考えると。
仮にこうだとしたら、みたいな感じですね。
仮として考えて、こんな状態だからこういう政府が必要ですよね、とか、
こういうふうに社会の政府が生まれたんだと思うんですよね、みたいな感じですね。
俺の思う自然状態こう、だから政府はこういう必要ある、みたいなですね。
話の段取りでですね。
みんな考えるようになったんですよね。
その考えをですね、披露したのがですね、
順番に言うと、ホップス、ロック、ルソーというのがメインの3人なわけですよね。
でですね、その3人の移り変わりと言っている内容が面白いんですよね。
その自然状態というのはですね、
どのように考えるかというのはやっぱり人それぞれでですね、面白いわけですけど、
まず最初にホップスという人が言ったわけですが、
これ有名な言葉で、
万人の万人に対する闘争状態だって言うんですよね、その自然状態というのは。
つまりですね、全員が全員に対して殺し合っているという、
本当に血で血を洗うようなですね、恐ろしい状態が自然状態なんだと。
で、だからそのものすごい強い国家権力が必要なんだと。
で、それはですね、その旧約聖書に書かれたでっかい竜の化け物であるですね、魚かな?
魚の化け物であるリヴァイアさんのようなですね、とんでもなく強い国家権力が必要なんだ。
だから先制君主性を取り入れよう、どんどん強い国家になれっていうのがですね、
これをホップスが言ったんですよね、そのリヴァイアさんと本人が言ったんですよね。
でですね、その次にロックという人がですね、ジョン・ロックがですね、
いや、そんなでもないでしょうと。
自然状態っていうのは割とですね、みんな公平でですね、平和で、自由でですね、いいもんじゃないかと。
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で、他人の権利を侵さないぐらいのレベルで自分の取り分というのも持っていると。
それはお互い様に持っていると。
で、その自然にですね、与えられる自分の取り分、
他人に迷惑かけないレベルで与えられる取り分とかのことを、
その権利っていうのを自然権っていうと。
で、その権利を守るためにですね、
みんな、あの人の持ち物を勝手に取っちゃダメだよねみたいなことをですね、
その社会はないけど、自然状態でもあるだろうと。
それが自然法だと言ってですね。
で、その自然法の中でですね、みんな自然の権利を持っててですね、
まあ平和なんじゃないのっていうのがロックの考える自然状態なんですよね。
で、なんですけど、ただ、でもそれは犯罪が起こるよねと。
まあ一旦物資とかが不足したらですね、
警察もいないんでですね、
じゃああいつが奪ってやれって言ったら奪うこともできるよねと。
ということでですね、やっぱり警察とかを含めた政府っていうのは必要だよねと。
で、その時に、じゃあみんなちょっとずつ自然状態でも最高であると、
まあその平和で平等で、みんなそれぞれ権利持ってていいよねと。
でもそれにちょっと制限を加えてですね、ちょっと我慢をして、
で、それをですね、政府に委任しようと。
で、そうしてですね、みんなからですね、委任を受けた政府っていうのが、
みんなのですね、自然権とかを、財産っていうのを守るんだと。
でですね、それはやっぱりちょっとこうなんて言うんですかね、
みんなが選んだ政府っていうのが、みんなの財産を守るとか人権、自然権っていうのを守るっていうのは、
かなり民主主義の骨格みたいなのができてますよね。
でですね、さらに言うと、でもみんなのただ委任を受けてるだけだから、みんながちょっと我慢して、
その政府がですね、おかしなことをして、この人民の自由とか財産を奪うようなことをしたら、
抵抗して、もう政府変えちゃっていいよっていうですね、かなりですね、踏み込んだ意見になってるんですよね。
で、そのロックの考えで自然状態ではそれであると。
で、次にですね、ルソンの考えで自然状態なんですけど、
これをですね、さらに踏み込んでてですね、
ルソンの考える自然状態っていうのは、
そんなものは歴史上一回もあったことないけど、完全に仮想のものだけどってちゃんと断りかけを入れてるんですけど、
あの、もうですね、理性とかを持たない人がですね、自由にフラットに存在してるんだと。
で、みんなそれぞれ各々生きてるんだと。
で、めちゃくちゃこうなんていうかな、それぞれのこのロックのように自然権とかも持ってですね、平和に暮らしてると。
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で、じゃあそこに、例えばさっきみたいな物資が不足して、
奪い合えとかね、もしくはホッポスの言うようにですね、全員が全員に向かって殺し合いしてんじゃないの?みたいなね。
揉めることあんじゃないの?って言ったら、
いうですね、反論対策ですね。
そうやって揉めたら、多分どっかに行くって言うんですよね。
その、例えばですけど、いい洞窟に住んでる人がですね、
この洞窟よこせ!って言って人が来たらですね、
あはーっつって別な洞窟に行くだけって言ってですね、
揉めて殺し合うかとかね、だから政府必要だみたいな話にならずにですね、
揉めたら、揉めた側どっちかがどっかに行くって言うんですよね。
このどっかに行くっていうのがすごい面白いなと思ったんですけど。
でですね、なんで、自然状態っていうのはすごく平和であると、自由なんだと。
なんだけど、そこに社会っていうのが現れて、文明的な集団というのに属するとですね、
抑圧されてみんな不自由になって不平等になるんだと思って、
そういう社会っていうのになっていくんだって言ってて。
その、社会が生まれたから初めて不自由になったりとか不平等になるんだっていう考え方なんですよね。
これがちょっとその、ホップスとロックのと違っててですね。
ホップスとロックはどっちもですね、言ってることはちょっと違うんですけど、
自然状態だとこういう都合の悪いことがあるから政府必要だよねっていうような話なんですけど、
ルソーは逆でですね、自然状態は完璧に近いわけですよね。
なんですけど、なんか社会っていうのが生まれちゃったから、そっから不自由とか不平等が生まれてんだよねみたいなですね。
社会ができたから悪くなってるみたいな考え方なんですよね。
でですね、ルソーはさらにそこから、だからみんなの意見をちゃんと取り入れた一般意志っていうのを作り上げて、
それに従って社会を作っていかなきゃいけないって言ってるんですよね。
ここでこのロックが言ってたようにですね、さらに民主主義の形っていうのができてるわけですよね。
こういう話が書いてあるのがその社会契約論って本なんですけど、
でですね、ちょっと話はずーっと巻き戻ってですね、
僕はその自由意志の話っていうのをしてた時にですね、
ルソーの自由状態のことを思い出したんですよね。
というところですね、話はようやく繋がったところで、本日ももう10分過ぎたので以上とします。
続きはまた明日。よろしくお願いします。
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