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子どもの不安は教え込まれている?北風ではなく太陽で
2026-08-12 08:43

子どもの不安は教え込まれている?北風ではなく太陽で

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子どもの不安を、取り除く対象ではなく大人との距離の問題として考えます。成績を優先する教育が慢性的な不安を育てているという神経科学者の主張、行き渋る子に世界の美しさとその子の素晴らしさを伝えるという不登校対応の考え方、そして遊びが感情の整理と学びの土台を作るという研究を取り上げます。北風ではなく太陽の関わりを探ります。

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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。 この番組では、国内外の教育の話題を、毎回一つのテーマで掘り下げています。
アシスタントの高橋さやかです。今日もよろしくお願いします。
さやかさん、子どもが不安そうにしているとき、大人はどうしたくなると思いますか?
安心させてあげたくなります。大丈夫だよ、と言いたくなります。
今日は、その一歩手前を考えます。そもそも、その不安をどこから受け取ったのか、という話です。
受け取った、ですか。誰かが渡している、ということでしょうか。
ザ・カンバセーションの7月31日の記事です。生物学と神経科学を大学で教えている先生が、私たちの教育のやり方そのものが、不安を抱えた大人を作っていると書いています。
かなり強い主張です。根拠はあるんでしょうか。
8万4千人を超える大学生への調査で、3分の1が、10くらい以上の不安を自覚していました。
鬱についても、ほぼ同じ割合です。
3分の1というのは、多いです。
この先生の教え子に、ハンナと呼ばれる学生がいます。
高校時代を、奨学金を得るための手段としてしか見ていなかったそうです。
自分のことを、完全なロボットだった、と言っています。
目的のために、感情を切っていた感じでしょうか。
極度の不安な人生を乗っ取った、学ぶことへのワクワクがなかった、という言葉が残されています。
学ぶ楽しさは、もともとあったはずですよね。小さい子は、勝手にいろいろ知りたがります。
そこがこの記事の中心です。
子供の脳では、好奇心そのものがドーパミンを出します。
何かを予想する、思っていたのと違うものに出会う、ドーパミンが出る、答えを追いかける、
これが繰り返される状態を、好奇心のループと呼んでいます。
追いかけること自体が気持ちいい、ということですね。
ところが宿題や試験が増えて、成績という物差しに結びつくと、そのループが途中で切れてしまいます。
成績には意味がない、ということでしょうか。
そこは慎重に書かれています。
成績があるから取り組む生徒がいるし、学びが起きているかを見る共通の目安にもなる。
一方で、学んだことを正しく表せていないという批判もあります。
研究では、学業のプレッシャーは、失敗への恐れ、課題や試験への慢性的なストレス、
親の期待への心配、友達との競争から生まれるとされています。
どれも聞き覚えがあります。
2026年の研究では、15歳の時点での学業のプレッシャーが、大人になっても続く鬱の症状を予測することが分かりました。
15歳の重さが、そこまで残るんですか。
さらに面白いのが、適度なストレスが成績を上げるという通説の出どころです。
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100年以上前に迷路を走らせたネズミに電気ショックを与えた研究が元になっています。
人間の勉強の話ではなかったんですね。
そうです。しかもあれは、恐れと痛みをどう避けるかを学ぶ実験でした。
ネズミが避け方を覚えると、逃げ切ること自体でドーパミンが出ます。
つまり報酬は発見ではなく逃避の方です。
逃げ切ることを覚える教育ということになってしまいます。
慢性的なストレスは、記憶に関わる会話を作り変えて、学ぶこと自体を難しくします。
ドーパミンの反応も鈍るので、何をしても楽しくない状態に近づきます。
脳の前の方も変わって、ストレスに対処する力そのものが落ちます。
ストレスに強くなるどころか、弱くなっていくということですか。
一つ一つのストレスが、次のストレスの敷居を下げていきます。
やがて不安は反応ではなく、初期設定になります。
ハンナさんはどうなったんでしょう。
今も回復の途中で、高校で身につけた勉強のやり方を解いている最中だそうです。
図書館にいつもいて、5時半に起きて、すべての項目を完璧にこなす。
そういう決まり事を、書くことや読むことを通して見つけ直しているそうです。
この話、日本の不登校の話と繋がる気がします。
そこで二つ目です。
みんなの教育技術の7月31日から始まった新しい連載で、
不登校への対応が物語の形で書かれています。
中学3年の担任が、行きしぶる生徒への関わりに悩む場面から始まります。
周りの先生はどう言うんでしょうか。
無理にでも登校させるべきだ、という声が出ます。
保護者からも強い意見が出ます。
私も実習で、似た空気を感じたことがあります。
そこに、ある先輩の先生の言葉が紹介されます。
世界の美しさと、自分の素晴らしさを教えてあげてください。
それがわかれば、人は自然と誰かに会いに行きたくなります、という言葉です。
優しい言葉ですが、具体的にはどうするんでしょう。
印象的な例が出ていました。
ある家庭で、母親が暗いニュースを見せ続けていて、
世界は危ないところだという擦り込みが起きていました。
そこで、子供と一緒に、美しい景色の写真集を見る時間を作りました。
すると、息しぶりが減ったそうです。
世界が怖いままだと、外に出る理由がありませんものね。
強制登校への批判も、たとえを使って語られます。
クマがいる山に行けと強制されても、山がますます嫌いになるだけです。
美しい景色の話を聞けば、自分から一歩踏み出す、そういう説明でした。
北風と太陽の話みたいです。
まさに解説でもそう書かれていました。
不安があるから登校できない、登校できないから劣等感が生まれる、
劣等感がさらに不安を強める、この悪循環を北風では立てません。
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前に、無理に勉強させるほど逆効果だという回をやりました。
あれと同じ方向です。
あの時は体の回復の話でしたが、今日は世界の見え方の話です。
さて、では安心はどこから育つのか、3つ目の記事が答えの一つを出しています。
またザ・カンバセーションでしょうか。
7月28日の記事で、幼い子供にとって遊びが欠かせないという話です。
遊びを中心にした縁で育った子は、小学校に上がった後、感情を整える力、
周りへの気づき、問題を解く力が育っていました。
遊んでいるだけなのに、ですか。
2015年の研究では、遊び中心の縁に通った子の方が、語彙と文法の得点が高いという結果も出ています。
幼稚園の先生への面接では、自分で決めて動く、学びたがる、心が開かれている、
社会の中でうまく振る舞う、思いやりがあると評価されていました。
不安の話とどう繋がるんでしょうか。
ごっこ遊びです。
ごっこ遊びは、感情を整える力を伸ばし、言葉の発達を助け、
不安や攻撃性や恐れを処理する助けになる、とされています。
筆者は、子供が砂場で出来事を再現しながら、
辛い経験を消化していく様子を見てきたそうです。
遊びの中で怖かったことは使えるんですね。
しかも学力にも繋がります。
ブロック遊びは考える力と数の理解を支えていて、
長期の研究では幼児期のブロック遊びが、
中学や高校の数学の成績を予測しました。
中学まで届くんですか。
小学6年生が銀行やスーパーマーケットのごっこ遊びで問題を解いたところ、
後の数学の評価が良くなったという例もあります。
大人がそばで開かれた問いを投げかける遊びは、
直接教えるよりも数の理解に効いた、という研究もありました。
今日の3つ、私の中では大人がどこに立つかという話に見えてきました。
まさにそこです。
不安も消してあげることも、無理に引っ張ることもできません。
できるのは、追いかけたくなるものを見せることと、
そのそばに立っていることです。
追い立てないけれど、かなれてもいない、その距離が難しいです。
難しいですが、探せる距離です。
ぜひ、自分なりの距離を見つけてみてください。
さて、教育カフェテラス、今日はここまでにします。
最後までお聞きくださってありがとうございました。
次回もまた皆さんと考えていけたら嬉しいです。
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