1. 教育カフェテラス
  2. AIを使う授業で先生が見るべき..
2026-10-26 07:30

AIを使う授業で先生が見るべきは完成品ではない?

埼玉県戸田市の教育委員会が、市立の小中学校向けに、生成AIの利用ガイドラインを改訂したという記事です。子どもが自分で直接使うのは原則として小学5年生から、と学年ごとの基準を整理しました。評価では、できあがった作品だけでなく、最初の考えやAIへの問い、答えの確かめ方まで見ます。中学1年生の国語の意見文の例や、茨城県つくば市、東京都の取り組みも紹介しながら、AIを使う授業で先生が何を見ればいいのかを考えます。

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

埼玉県戸田市教育委員会の生成AIガイドライン改定をもとに、学校でのAI利用と評価のあり方を考える。AIそのものを子どもが直接使うのは原則小学5年生からとし、低学年では教師が入力して答えを示す。安全性を確認したサービスや管理アカウントに限定し、AIの限界や情報の確かめ方を事前に学ぶ。評価では完成品だけでなく、最初の考え、AIへの問い、答えの確かめ方、自分で説明する過程を見る。中学1年生の意見文では、AIに文章を書かせず、読み手の立場から問い返させる例が紹介される。教師もAIの出力だけで評価せず、自分で判断することが求められる。茨城県つくば市や東京都の取り組みも踏まえ、安全と吟味する力を両立させる方向性が示される。

戸田市の生成AIガイドライン改定
こんにちは、教育カフェテラスの水野太一です。 この番組では、国内外の教育の記事を1本ずつ取り上げて、教室でどう活かせるかを考えています。
アシスタントの高橋紗友香です。 今日は学校の生成AIのお話と聞いて、家庭教師の生徒の宿題を思い出しています。
その宿題で何かあったのですか?
中学生の子なのですが、読書感想文を見せてもらったら、急に大人びた文章になっていました。 AIを使ったのかなと思いましたが、聞いていいのか迷ってしまいました。
今まさに、多くの先生と保護者が抱えている迷いでしょう。 今日の記事は、日経BPの教育とICTというサイトに10月16日に載ったものです。
埼玉県戸田市の教育委員会が、私立の小中学校を向けに独自の生成AIガイドラインを改定した、という内容です。
国のガイドラインもあると授業で習いました。 市が独自に作るのは珍しいことなのでしょうか。
記事によると、自治体が独自に整える例は少ないそうです。
戸田市は2023年に最初のガイドラインを作り、今回の改定版を10月1日から試しに運用しています。
その結果を踏まえて、12月をめどにさらに手直しする予定です。
教育長は、「危ないからといって可能性を閉ざさず、正しく恐れて、前向きに活用する教育を目指す。」と話しています。
正しく恐れるというのは、使わせないのでも、自由に使わせるのでもないということでしょうか。
具体的には、どこで線を引いたのか気になります。
そこが今回の改定の中身です。
学年別の利用基準と安全対策
まずAIを2種類に分けました。
子どもが質問や指示を打ち込む、生成AIそのものもサービスと、学習アプリや検索にAIの機能が組み込まれたサービスです。
AIそのものを子どもが自分で直接使うのは、原則として小学5年生からとしました。
では、小学4年生までは全く使わないのでしょうか。
いいえ、1年生から4年生は、先生が入力して答えを示し、子どもはそれを見て比べる、という使い方が基本です。
AIの機能が組み込まれたアプリの方は、決められた範囲で全学年が使えます。
読み書きの支援や、日本語の指導のように必要がある場合は、学年の基準によらずに使うことも認めています。
読み書きが苦手な子にとっては、大事な道具になりそうです。
学年で区切るだけでなく、その子に必要かどうかで考えるのはいいと思います。
大事な点です。
使うサービスは、市が安全性を確かめた教育用のものと、市が管理するアカウントに限ります。
個人情報は入力しません。
そして全学年で、AIの特徴や限界、情報の確かめ方を事前に学びます。
使う前に学ぶ時間があるのは安心です。
でも、それだけで宿題をAIに書かせてしまう子が減るのかは、少し疑問です。
完成品ではなく学習過程を評価する
その疑問に答えるのが、評価の考え方です。
保護者向けの資料では、まず自分で考える、AIに問いかける、答えを比べて確かめる、自分で判断して説明する、という学びの流れが示されています。
そして評価でも、出来上がった作品だけを見るのではなく、最初の考えや、AIへの問い、答えをどう確かめたかまで確認します。
作品だけでなく、途中まで見られるとしたら、AIに全部書かせても意味がなくなります。
私の生徒の感想文も、最初の考えを聞いていれば迷わずに済んだのかもしれません。
まさにその場面で使える考え方です。
意見文でAIを問い返し役にする
記事には、中学1年生の国語で意見文を書く例が載っています。
生徒は自分で下書きを作り、自分で見直し、友達と読み合います。
AIも使いますが、その役割は、読み手の立場から問い返すことです。
AIが書くのではなく、AIが質問してくれる、ということでしょうか。
例えば、この理由で読み手は納得するかな、と聞いてくるような形を想像しました。
その想像であっています。
生徒は問い返されて考え直し、自分の言葉で直します。
文章全体をAIに書き直させる使い方は想定していません。
以前この番組で、AIを考えるきっかけにする授業の話をしましたら、
戸田氏はそれを自然体のルールとして形にしたと言えるでしょう。
教師と家庭にも求められるAI活用
先生たちのAIの使い方にも決まりはあるのですが、
先生が通知表の書形をAIに書かせるような話も聞いたことがあります。
はい。教材や保護者へのお知らせの叩き台作りには使うよう勧めています。
一方で、先生が自分で判断せず、AIの出力だけで学習の評価をすることは不適切だとしています。
子供に求めていることを先生にも求めているわけです。
子供にだけ考えなさいと言って先生がAI任せだったら説得力はありません。
そこは揃っているのはいいと思います。
戸田氏は家庭との共有にも力を入れています。
低学年、中学年、高学年と中学生、そして保護者向けに分けたリーフレットを作りました。
高学年と中学生向けには考えることをAIに任せきりにせず、
自分の考えと比べて情報を確かめるよう呼びかけています。
つくば市と東京都の実践例
記事は2つの例を挙げています。
茨城県筑波市の手引には、物語の要約をAIに作らせる授業案があります。
子供がまだ読んでいない物語と、すでに学んだ物語の両方で要約を作らせると、
内容を知っているかどうかで、誤りへの気づきやすさが変わります。
そこから、AIの答えを吟味する必要性を考えさせるのです。
それと、東京都の例もあります。
AIの答えを吟味する力
都立の学校に共通の生成AIを導入し、授業で使う前にAIの初回授業を行うよう定めています。
仕組みや誤った情報、偏り、個人情報、著作権などを学ぶ時間です。
どの取り組みにも共通するのは、安全を守りながら、子供がAIの答えを吟味する力を大切にしている点です。
そこは、これから試される部分でしょう。
都田市も試しの運用から始めて、12月に手直しする予定です。
最初から全部を見ようとせず、最初の考えだけは必ず書かせる、といった一点から始めるのが現実的かもしれません。
今日は、AIを使う授業で、完成品ではなく考えた道筋を見るという都田市の改定を見てきました。
最初の考えを残すだけなら、家庭教師でもすぐ試せそうです。
AIがどれだけ上手に書いても、最初の考えだけは子供にしか書けません。
そこを見る先生の目が、これからの評価の土台になるのでしょう。
最後までお聞きいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。
07:30

コメント

スクロール