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指導案は誰のために書くのか
2026-09-10 06:54

指導案は誰のために書くのか

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環太平洋大学の准教授、内田さんによる連載を取り上げます。指導案を提出書類だと思っているうちは、書く時間が消えるだけで終わる。そう考え方を切り替える4つの段階が示されています。授業前は教科書を終わらせるから、この子たちに何を付けるかへ。計画中は目標と活動と評価を1本の線でつなぐ。授業中は予定を捨てる勇気を持つ。そして授業後に読み返して、自分の成長の記録にする。指導案を旅行の計画やプレゼント選びにたとえた表現も出てきます。

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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。この番組では、国内外の教育の話題を、現場の目線で一つずつ取り上げています。今日もよろしくお願いします。
今日は指導案の話です。紗友香さんは、実習で書きましたか?
はい。正直に申し上げると、一番辛い作業でした。
どの辺りが辛かったでしょうか?
形式です。どこに何を書くかが決まっていて、その枠を埋めることに、時間は消えていきました。
みんなの教育技術の8月26日の記事が、まさにそこを扱っています。書いたのは、環太平洋大学の準教授、内田さんです。
題が気になります。
指導案は提出書類じゃない、という題です。
私は完全に提出書類だと思っていました。
多くの人がそうだと思います。この記事は、それを4つの段階に分けて、考え方を組み替えていきます。
まず、授業の前ですね。
はい。ここでの切り替えが、教科書を終わらせるから、この子たちにどんな力をつけるか、で、というものです。
言い方としては分かりますが、実際に何が変わるのでしょうか?
見る対象が変わります。教科書を終わらせるという目標なら、見るのは深度です。何ページまで進んだか。
この子たちに何をつけるかなら、見るのは子供の方になります。
記事は、学習の事実という言い方をしています。子供の発言、ノートに書かれたこと、どこでつまずいたか、この3つから、自動感を作るのです。
自動感は、指導案の最初にある欄です。実習では、明るく元気なクラスです。のように書いていました。
それは印象です。学習の事実というのは、こういうものです。この単元の前の時間に、この子はこう発言した。この3人は、この場面のノートが空白だった。
具体的です。書けるとしたら、実際に見ていないと書けません。
そこが狙いだと思います。自動感の欄は、埋める欄ではなくて、見たかどうかを確かめる欄です。
教材は教える目的ではなく、子供を育てるための手段だ、という位置づけです。
教材研究というと、教材そのものを深く読むことだと思っていました。
深く読むのは前提です。その上で、この教材のどこが、この子たちにとって価値があるのかを決めます。
例はありますか。
1年生の国語のクジラグモです。この記事では、クジラグモの言葉には、子供たちに勇気を与える力がある、というところに価値を置いています。
教材の価値、というのはそういうことなのですね。
そこが決まると、次の段階が動き出します。どう読めばその気持ちが伝わるか、という問いになるからです。
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音読の活動に意味が生まれます。
この記事は、そこ、発問から、考えさせたい内容へ、という言い方で表しています。
発問を先に考えてはいけない、ということでしょうか。
順番の話だと思います。
何を考えさせたいかが決まっていない状態で発問だけ並べると、その場では格好がつきますが、子供がどこへ行くのかが決まりません。
2つ目の段階は、計画のところですね。
目標と活動と評価を、一本の線でつなぐことです。
それと、つまづきを予想して、支援を先に用意しておくこと。
つまづいてから考えるのでは、間に合わないからですね。
授業中に考える余裕は、ほとんどありません。
予想して書いておくのが、指導案の役割だという説明です。
3つ目は何でしょうか。
授業中です。ここが、私が一番共感したところです。
予定を捨てる勇気、と書かれています。
せっかく書いたのに、捨てるのですか。
指導案はルートマップだ、という言い方をしています。目的地は変えない。
ただ、そこへ行く道は変えてよい。
面白い子供の発言が出た時に、拾うかどうか迷います。
拾って立ち止まってもいい、というのがこの記事の立場です。
ただし、目的地を見失わないことが条件になります。
目的地が書いてあるから、寄り道できるのですね。
もう一点、この段階で進められているのは、
この発言が出たら成功だ、という具体的な子供の姿を先に書いておくことです。
それがあるとその場で気づけます。
気づけないといい場面が通り過ぎます。
後で振り返っても思い出せません。
四つ目は授業の後ですね。
授業の後に指導案を読み返します。
予想したつまづきは出たか、想定した発言は出たか。
答え合わせですね。
記事は指導案を提出して終わりにせず、自分の成長の記録にする、と書いています。
貯めていくと変化が見えそうです。
この記事はよくある失敗も挙げています。
管理職や指導主事に見せるための書類だと思うこと、
予定通り進めるための台本だと思うこと、
それから教師の印象だけで授業を終わらせること。
三つとも心当たりがあります。
私が気に入ったのは例えの部分です。
指導案作りは旅行の計画や、
友達へのプレゼント選びに似ている、と書かれています。
相手を思い浮かべながら準備する時間だ、という意味です。
誰に渡すかが決まっていないプレゼントは、選びようがありません。
この記事は最初から最後まで同じことを言っています。
誰に何を届けるかが決まっていれば、後の欄は自然に埋まる。
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私は何を埋める順番で書いていました。
上から順に空いているところを埋めていました。
埋める順番と考える順番は違います。
考える順番でたどると書く量はむしろ減ります。
減るのですか?
迷って書き直す時間がなくなるからです。
書く時間が長いのは、大抵決まっていないことを書こうとしているからです。
あの長さは迷いの長さだったのかもしれません。
指導案は、見せるために書くものではなく、当日の自分に渡すものです。
渡す相手が自分だとわかると、書き方が変わってきます。
教育カフェテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださってありがとうございました。
次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。
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