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質が落ちたのか、育てる余白が消えたのか
2026-09-11 08:31

質が落ちたのか、育てる余白が消えたのか

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ベネッセ教育総合研究所の主席研究員、庄子さんが、教員の質は低下しているのかという問いに向き合った記事です。小学校の採用試験の倍率は2025年度に2.0倍。東京都では4102人を採用して225人が正式採用に至りませんでした。ただし筆者は、倍率だけで質が落ちたとは言えない、と書きます。むしろ問題は、若手を育てる余白が職員室から消えたことにある。裁量を増やす、余白を取り戻す、そして教員になりたいと思える職業にする。この3つが提案されています。

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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。 この番組では、国内外の教育の話題を、現場の目線で一つずつ取り上げています。
アシスタントの高橋紗友香です。 今日は、来年から働く私には、少し身につまされるテーマだと伺いました。
東洋経済オンラインの8月28日の記事です。 書いたのは、メネッセ教育総合研究所の主席研究員、翔子さんです。
だいが、教員の質が低下しているのは本当か、というものです。
翔子さんその言い方は、よく耳にします。
翔子さんまず数字からです。教員の採用試験の倍率は、2000年度には10倍を超えていました。
翔子さん10倍ですか。今からは想像がつきません。
翔子さんそれが下がり続けて、小学校では2025年度に2.0倍になっています。
翔子さん2人に1人が受かる計算です。
地方だけの話ではありません。都市の自治体でも、1倍台が続くところは珍しくない、と書かれています。
翔子さん1倍台というのは、受けた人がほぼ全員ということでしょうか。
翔子さんそれに近い状態です。しかも、合格した後に教員を選ばない人も多く、2回目の募集をする自治体も少なくありません。
翔子さん受かっても、来ないのですね。
東京都の数字が出ています。2025年度に4102人の新人を採用しましたが、そのうち225人が退職し、正式採用に至りませんでした。
翔子さん1年目のうちに、それだけの人は辞めているのですね。
ここまでを見ると質が落ちたという話になりそうです。ただ、この記事はそこで止まりません。
翔子さんどう続くのでしょうか。
筆者は、教員がブラックだと言われるようになってからも、高い志を持った若い人はいたし、優秀な先生をたくさん見てきた、と書いています。
休日に自分から研修に出る先生も、今もたくさんいるそうです。
一まとめにしていない書き方です。
その上で、ここ数年、これまでとは少し違う変化を感じている、と続きます。
どんな変化でしょうか。
以前なら採用されなかったのではないか、と思われる方が教団に立ち、そして短い期間で辞めていく、そういう場面を見るようになった、ということです。
具体的な例はありますか。
昨年度に関わった1年目の先生の中に、子供と自然に目を合わせて話すことが難しい方がいたそうです。
距離の掴み方がわからない、ということでしょうか。
どう関わればよいか戸惑っている様子だった、と書かれています。
その学級は、結果として3人の体制で運営することになりました。
一つの学級に3人ですか、それは他の学級から人を出しているということです。
そこが、この話を個人の問題として終わらせられない理由です。
他にも例はありますか。
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辛いことがあると泣いてしまう先生も多く見た、とあります。
授業中に職員室へ戻ってきてしまう先生もいたそうです。
正直に申し上げると、その話だけを聞くと厳しい見方をしてしまいそうになります。
ここが、この記事の一番大事なところです。
筆者はそこから個人の資質の話には進みません。
どこへ進むのでしょうか。
職員室に若手や新人を育てる力がなくなっていることの方が大きな課題だ、という方向です。
育てる側の問題として見るのですね。
学校は教員不足が続いていて、欠員を埋めることに追われています。
ベテランの先生も自分の仕事で精一杯で、若手をじっくり育てる余裕を失っている。
失敗を見守る時間がいるのに、それがないということですね。
筆者自身の一年目の話が出てきます。
ベテランの先生が指導教諭としてついてくれて、自由に実践させてもらえたそうです。
羨ましい環境です。
自分には若さしかないと思っていたので、先輩がまだやっていないことをとにかくやってみようと夢中で挑戦していた、と書いています。
今はその工夫する余地そのものが小さくなっている、ということでしょうか。
そうです。それに加えて職員室そのものが変わった、という指摘があります。
どのように変わったのでしょうか。
効率化が進んで、雑談をする時間が減りました。
飲みに行くことも厳しく指導することも、ハラスメントと受け取られることを恐れてしにくくなっています。
それは必要な変化でもあった気がします。
私もそう思います。ただ置き換わるものが用意されないまま、関わり方の選択肢だけが減った面はあります。
雑談が減ると相談もしにくくなりそうです。
相談は大抵雑談の途中から始まります。
改まって時間を取ると深刻な話にしかなりません。
確かにちょっといいですか、というのは勇気が得ります。
筆者はこうした職員室の変化も、新人の育成に影響しているのではないか、と書いています。
教員は採用された瞬間に一人前になるわけではない、とも。
その成長を支える環境が失われている、ということですね。
この記事は提案を3つ挙げて終わります。
一つ目が、教師の裁量を増やすことです。
裁量、というと。
筆者は教員を辞めた後民間企業で働いていて、目標は共有するけれど、達成の方法は個人に委ねられている場面が多い、と感じたそうです。
学校では朝から退勤まで学校にいなければならない、という形が多いです。
授業は教科書だけを見ていて良くなるものではありません。
休日に見た景色や街で聞いた会話も教材になる。
だから少しずつ裁量労働制へ移していくべきだ、という主張です。
二つ目は何でしょうか。
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余白を取り戻すことです。
そのために仕事を選び直す。
去年もやっていたから、という理由だけで続いている書類や会議。
提出も保存も義務のない資料は思い切ってなくすべきだ、と書かれています。
生成AIについても触れられていますか。
通知文や会議の資料など、任せられる仕事は積極的に使って、
人にしかできない仕事に時間を回す、という書き方です。
余白ができれば若手を育てる時間になります。
三つ目が教員になりたいと思える職業にすることです。
ブラックだという印象が定着したせいで、
ためらっている優秀な人がたくさんいる、という指摘です。
印象が先に立ってしまうのですね。
実例として、職員会議をオンラインでもできるようにして、
自宅から参加できるようにした学校が挙げられています。
退勤してすぐ家に帰り、その後参加する形は好評だったそうです。
それは校長先生の判断でできることなのでしょうか。
校長の采配と教育委員会の柔軟な運用でできるはずだ、と書かれています。
制度を変えなくてもできることがまだあるのですね。
この記事の締めくくりは、はっきりしています。
倍率だけを見て質が低下したと結論づけることはできない。
ただし、現場で起きている変化から目を背けることもできない。
どちらも認める書き方です。
そして、今必要なのは、どうすれば教員をもっと管理できるかではなく、
どうすれば教員が成長し続けられる環境を作れるかを考えることだ、という結びです。
さやかさんは、この記事をどう受け取りましたか。
最初は自分が責められている気がして構えました。
でも読み進めると、責めていないことがわかりました。
子供は信頼されることで成長する。
それは教員も同じだ、という一文が最後にあります。
私は来年から1年目になりますが、
うまくできない日があることを前提にしてもらえる場所かどうかが、
続けられるかどうかを決める気がします。
育てる側に余白がないと、育つ側は失敗できません。
失敗できない場所では誰も伸びません。
質の話は人の話に見えて、実は環境の話です。
教育カフェテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださってありがとうございました。
次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。
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