ディスレクシアとディスグラフィアの理解
みなさん、こんにちは。教育カフェテラス、進行役の水野太一です。
こんにちは。アシスタントの高橋紗友香です。
この番組では、国内外の教育ニュースを分かりやすく紹介しながら、
先生や将来教師を目指している方に役立つ話題をお届けしています。
今日は、アメリカのバッファロー大学などが中心となって行った、
2025年5月14日付けのサイエンスデイリーの記事を紹介します。
テーマは、AIを使った手書き文字の分析で、
ディスレクシアやディスグラフィアといった読み書きの障害を早期に見つける新しい取り組みなんです。
ディスレクシアとディスグラフィア、どちらも名前は聞いたことはあるんですが、
実際にどう違うのか、ちょっと分かりにくいですよね。
水野先生、簡単に説明していただけますか?
分かりました。ディスレクシアは、主に読むことに困難を感じる状態のことで、
文字を識別したり、読むスピードが遅くなったりします。
一方でディスグラフィアは、書くことに関する障害で、
文字の形が崩れたり、書く順番がバラバラになったりします。
文章で言えば、読むのが苦手か、書くのが苦手か、という違いが大きいですね。
なるほど。でも、そういう障害って、実際にはどうやって見つけるんですか?
今までの方法と、今回のAIのアプローチは何が違うんでしょうか?
従来は、専門の先生や言葉の専門家が、一人一人と面接したり、
時間をかけたテストを行って診断していました。
しかし、この方法は時間も手間もかかる上、
地域ごとに専門家が不足している課題もありました。
今回のAI活用は、手書き文字を分析して、
短時間で多くの子どもをスクリーニングできる可能性があるんです。
確かに、専門家ってすごく忙しいイメージですし、
学校現場だと、全員に一斉にチェックするのって難しそうです。
AIを使った診断方法
でも、AIだとどんな仕組みでチェックするんですか?
文字の形を見るだけなんでしょうか?
いい質問ですね。
AIは、文字の形だけじゃなく、各スピードや筆圧、
点の動き、文字と文字の間隔や大きさなど、
いろんなデータを分析します。
これを紙だけでなく、タブレットに書いた場合でも同じように観察できるので、
さまざまな情報から総合的に判断できるんです。
タブレットだと、どこを強く押しているとか、
どこで迷っているかみたいな細かいデータも取れるってことですね。
面白いです。
でも、AIが診断するってちょっと不安もある気がするんですが、
判断の正確さはどうなんでしょう?
その点もまさに研究中でして、
今回のプロジェクトではDDBICというチェックリストも使っています。
これは17項目の行動指標をまとめていて、
人が観察するのと、出会いが分析するのとで、
どちらが正確か比べてみるそうです。
現時点では、完全に人を置き換えるわけではなく、
あくまで補助的なツールとして期待されています。
そのチェックリスト、例えばどんな項目があるんですか?
気になります。
例えば、文字の大きさがバラバラ、スペースの開け方がおかしい、
書く途中で手が止まる、
あるいはスペルミスや文字を逆に書いてしまうなど、
行動や書き方の癖を細かく観察しています。
こうした特徴をAIが自動で抽出できれば、
早期発見につながるというわけです。
実際にそのAIはどんなふうに学校現場で使われるのでしょう?
先生がパソコンに入力してすぐ結果が出るんですか?
将来的には、子供たちが書いた文字データを専用のシステムに取り込めば、
AIがすぐに分析結果を得るようになります。
例えば、授業の合間にタブレットでちょっと書いてもらうだけで、
気になるサインがわかるイメージですね。
そうなったら先生の負担も減りますし、子供たちにも早く支援が届きそうです。
でも、AIに任せすぎて本当に困っている子を見逃したりしないか心配もあります。
その心配も大事です。
記事でも強調されているのは、
AIはあくまで人の補助役、人間の補助役です。
最終的な判断や支援は、やはり先生や専門の方が丁寧に行う必要があります。
教育現場でのAIの活用
AIは気づきのきっかけを広げる道具と考えるのがいいでしょう。
確かに。
例えば教員採用試験でも、
AI時代の教師の役割みたいなテーマ、きっと出ますよね。
単に診断だけじゃなく、
子供の気持ちに寄り添うことや、
保護者との連携も大切だなと感じます。
その通りです。
AIはデータ面では非常に優秀ですが、
一人一人の個性や背景まで読み取るのは難しい部分もあります。
だからこそ、
AIプラス人の目、
両方を活用することで、
より良い支援ができると考えています。
今回の研究では、
アメリカ・ネバダ州の小学校で、
実際に子供たちからサンプルを集めたんですね。
日本の学校では、
子供たちからサンプルを集めて、
こういう取り組みができたらいいなと思いました。
日本でも今後、
AIを活かした教育支援の研究が進むでしょう。
その際は、
プライバシーやデータの扱いにも注意しつつ、
現場の先生や保護者も一緒に取り組むことが大切です。
ちなみに、
例えるなら、
AIは金属探知機で、
先生はその元に掘り起こす人。
まず、AIが反応した場所を示し、
その後、丁寧に見ていくイメージで、
その後、
丁寧に見ていくイメージですね。
わかりやすい例えですね。
AIの分析がきっかけで、
本当に支援が必要な子供に早く気づけるようになったら、
先生にとっても助かりますし、
子供にとってもプラスですね。
そうですね。
特に言葉や書くことに苦手さを持つ子は、
早めにアプローチすることで、
学習や自信、
人間関係の悩みも減らせます。
AIの活用は、
教育現場の負担軽減と同時に、
すべての子供の可能性を高めることです。
AIの話って難しそうだけど、
今日のお話で身近に感じられました。
水野先生、
もし日本でこの仕組みが導入されるとしたら、
どんな準備が必要だと考えますか?
まずは、現場の先生方が
AIになれることが大切です。
新しいものは怖いではなく、
困っている子がいたら
助けてくれる便利な道具と
イメージしてもらうこと。
それから、
保護者や地域とも一緒に
アプローチしてもらうこと。
それから、
保護者や地域とも情報共有しながら、
データの安全な取り扱いを徹底することが
必要になるでしょう。
今まさに教育自習を控えている身として、
どんな子供にもあったサポートを
届けたいという気持ちが強くなりました。
AIと一緒に先生が成長する未来、
楽しみですね。
まさにその通りです。
これからの教育現場は、
人とAIの共同で、
子供たち一人ひとりの力を
伸ばせる場所になると信じています。
皆さんも、
ぜひ身近な興味から
AIの活用例を探してみてください。
今日のテーマ、
とても勉強になりました。
AIと聞くと難しそうだけど、
手書き文字を分析することで、
先生たちや子供たちの力になれるんだ
というのが分かりました。
リスナーの皆さん、
今回も最後までお聞きいただき
ありがとうございました。
次回も、
教育に役立つ新しい話題を
分かりやすくお届けしますので、
ぜひまた聞いてください。
教育カフェテラスでした。