AI導入による課題
教育カフェテラス水野太一です。今日のテーマは、世界経済フォーラムの記事、AIの新たな二重労働力の課題、過剰能力と人材不足のバランスで、掲載日は2025年10月3日です。
AIの導入が進む中で、伝統的な職種の余剰と、AIスキル人材の不足という二重の課題に直面している、という内容なんです。
高橋さやかです。AIが進んで人手が余るって話は聞いたことありますけど、同時にスキルが足りないってどういうことなんでしょう?ちょっと相反しているように感じますね。
そうですよね。この人手が余っているとスキルが足りないが同時に起きる現象を、この記事ではワークフォースパラドックスって呼んでいます。
つまり、単純作業なども仕事は減る一方で、AIを使いこなす仕事は足りないという状況なんです。
なるほど。AIが代わりにやってくれるので、逆にAIを使いこなす人が必要になるってことなんですね。どんな職種は特に影響を受けるんですか?
調査によると、顧客対応やバックオフィス、経理なども事務的な分野で余剰が多いそうです。
ところが、AIの運用やガバナンス、プロンプト設計、AIとの共同作業を設計する専門職は、どこも人材不足なんです。
確かにプロンプトエンジニアって最近よく聞きますけど、急に求められるようになった職種ですよね。こうなると会社はどう対策しているんですか?
記事では4つの優先課題を紹介していました。まず1つ目がリスキリングとアップスキリング。社員の再教育を投資として本格的に取り組むことです。AIをどう使いこなすかを全員が学ぶ必要があるんですね。
教育がやっぱり大事なんですね。私たちのような教師を目指す立場から見ても、リスキリングの考え方って勉強になります。
その通りです。2つ目の課題は、人とAIの共同を前提に職務を再設計することです。人がAIの監督者になったり、AIの出した情報を判断して意思決定する側に回る、という役割転換ですね。
先生、それってAIが部下で人が長子みたいな感じですか?
いい表現ですね。まさにそうです。AIが仕事も実務を処理し、人間が判断や方針を担当するオーケストラの指揮者のような役割に変わるんです。
ほう、そういう変化って教育現場にも来るんでしょうか?
確実に来ますね。AIが授業設計や成績分析を助けてくれて、教師はより創造的な教育活動に集中できるようになります。ただし、それを使いこなすスキルを学ぶ時間が今後は必要です。
なるほど。教師もAIリスキリングが必要なんですね。残りの2つの課題も気になります。
3つ目は、人材計画を経営戦略に組み込むことです。AI導入のスピードと人材育成のスピードを合わせないと、せっかくの改革が途中で止まってしまいます。
4つ目は、HRの仕組みを柔軟に使うこと。再配置やクロストレーニング、場合によってはフリーランス活用も含めた多面的な体制作りです。
AIの導入って単に技術の問題じゃなくて、人と組織全体の設計の話なんですね。
そうなんです。例えばBMWでは、AIコニックというマルチエージェントAIを導入して、購買部門の効率化を進めているそうです。でも同時に、社員全員にAIの研修を行ってスキル共有を促しています。
一方的にAIを入れるんじゃなくて、人を育てる仕組みとセットでやってるんですね。それで、教育の考え方にも通じますね。
まさにそうです。AIを導入しても、それを活かせる人がいなければ成果には繋がりませんから。BMWの事例は、テクノロジーと人間育成が両輪で動いている恒例です。
AI時代の教育や職場で教えることと学び続けることは、より一体になる感じがします。社会全体が学び直す時代っていうのも現実にありますね。
まさにその学び直しイコールリスキリングが、企業の競争力や社会の持続可能性に直結する時代です。AI時代の働き方は、効率よりも柔軟性という視点が鍵になると思います。
今日の話を聞いて、教育実習でも人とAIが共に学ぶ授業ってテーマを意識してみたくなりました。
いいですね。AIを敵ではなく、共に成長できるパートナーとして捉えるのは、これからの教育にとても大切な視点です。
今日も面白いお話でした。AIの進化が、私たちの働き方や学び方をどう変えていくのか、もっと深掘りしたくなりました。
最後までお聞きいただいた皆さん、ありがとうございました。これからも教育と社会の未来を一緒に考えていきましょう。
次回も教育カフェテラスでお会いしましょう。お楽しみに。
