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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。この番組では、国内外の教育の話題を、現場の目線で一つずつ取り上げています。 今日もよろしくお願いします。
紗友香さんに、先に質問をしてもいいでしょうか。
はい、何でしょうか。
漢字テストで点が取れない子がいたとして、その子は漢字が分かっていないと言えるでしょうか。
え、点が取れないのですから、分かっていないのだと思います。
今日の記事は、そこを分けて考えます。
みんなの教育技術の8月27日、通級指導教室の連載の第30回です。
書いたのは、北海道の公立小学校で通級指導教室を担当していた高田泰則さんです。
通級指導教室というのは、通常の学級に在籍しながら、必要な時間だけ別の教室で指導を受ける仕組みですね。
はい、そこに来ていた、小学5年生の翔太さんという子の話から始まります。
どんな様子だったのでしょうか。
漢字の宿題に、とにかく時間がかかります。何度も書いて練習するのですが、あくる日のテストになると思い出せません。
練習しても定着しない、ということですか。
答案の様子が具体的に書かれていて、これが手がかりになります。全くかけていないわけではないのです。
どういう間違い方をしているのでしょうか。
例えば、議論の議という字は、右側の形が違っています。知識の識という字は、一部が抜けています。
惜しい、という漢字の間違いです。
そこが大事なところです。何も覚えていないこの答案とは、間違い方が違います。
形の一部は残っている、ということですね。
この先生は、そこで練習量を増やす方向には進みませんでした。
代わりに、分かっているかどうかを、書くのとは別の方法で確かめています。
どうやって確かめたのでしょうか。
まず、環境という言葉を紙に見せます。正しい漢字と形が少しだけ違うものを並べて、どれかを選ばせました。
似た形の中から選ぶ、ということですか。
翔太さんは、ほとんど迷わずに正しいものを指しています。
見てわかるのですね。
次に、その言葉の意味を、自分の言葉で説明させています。
それもできました。教科書の中で読めるかどうかも確かめて、これも問題ありませんでした。
読める、意味もわかる、正しい形も選べる。
最後に、タブレットで文字を入力させました。
変換の候補が出てきますが、そこからもすぐに選べています。
では、どこができなかったのでしょうか。
手で書く場面です。記事には、鉛筆が止まったと書かれています。
見ればわかるのに、自分で書き出そうとすると出てこない、ということですね。
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ここでこの記事は、はっきりした言い方をします。
この子は漢字が苦手な子ではなく、字の形を思い出して手で書くことに苦労している子だ、という見たてです。
区別されると、確かに別のことです。
ところが、テストの点数だけを見ていると、この2つは同じに見えます。
どちらも点は低いからです。
そして、同じ指導になってしまうのですね。
もっと練習しよう、という指導です。これは、覚えていない子には効きます。
でも、思い出して書くところでつまずいている子には効かない、ということですか。
効かないどころか、時間だけが増えます。
分かっているのにできない状態で練習を重ねると、自分は漢字ができない、という結論に本人がたどり着きます。
それが一番怖い気がします。分かっているのに苦手だと思い込んでしまいます。
この記事は、ICTの使い方についても踏み込んでいます。
タブレットも変換を使うと、選ぶだけになります。
正直に申し上げると、それは楽をさせているのではないか、と思ってしまいます。
多くの方がそう感じると思います。ただ、先ほども確かめ方を思い出してください。
変換の候補から正しいものを選べたら、その子は漢字が分かっている、ということになります。
はい。つまり、変換して選ぶという行いは、意味と形が分かっていないとできません。
手を抜いているのではなく、分かっていることを別の形で出している、ということですか。
そう考えると、道具の位置づけが変わります。
書けるようにする練習と、分かっていることを出させる手段は、別に用意していい、ということです。
私は実習で、漢字が苦手な子には、繰り返し書かせるのが一番だと教わりました。
それも間違いではありません。ただ、その前に確かめる手順がある、という話です。
今日の記事の確かめ方は、どれも数分でできます。
似た形から選ばせる、意味を言わせる、読ませる、それから入力させる、ですね。
この4つを通してみて、全部できるのに手書きだけができないなら、練習量の問題ではありません。
逆に、選ぶ段階でつまずくなら、そこは覚えることから始める、ということですね。
見たてが変われば、渡すものが変わります。同じ点数の答案から、2種類の指導が出てくるわけです。
点数は、どちらのつまずきかまでは教えてくれないのですね。答案を見ても、かけていないという事実しかわかりません。
わからないことを確かめる方法があるなら、決めつける前にそちらを使う。
今日の記事は通級の話として書かれていますが、通常の学級でもそのまま使えます。
教育カフェテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださって、ありがとうございました。
よかったら、かけていない答案を1枚別の目で見直してみてください。
次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。