ただ分業されているからといって、分業されているからこそそのメカ設計者というものも電気やソフトのことをある程度知っておかないと自分の設計が進められない。当たり前ですけどね。ただそこには当然限界があるので、それぞれメカと電気とソフト、それぞれ情報交換しながら打ち合わせもしながら設計を進めていきます。
では具体的にですね、メカ設計を進める上で電線についてどんなことを考えているか、今日はそんなお話をしていこうと思います。ここからが本編ですね。ある機械の設計をするにあたって、その進め方に沿って話していこうと思います。
その装置ですね、設計する機械や装置によって異なるかもしれませんけれども、工作機械のような産業機械ではそのメカ設計者がまずその構造をね、機械、装置の構造を考えるところからその設計が始まることが多いと思います。
例えばそのある土台となるベースがあって、その上に直動ガイドが2本走っていますと。その直動ガイドの上にまた1つプレートのような部品があって、それが動きますよという装置にしましょう。その動くものを動かすのはボールネジとサーボモーターで動かすとします。
そしてその動くところのプレートの上にはエアーシリンダーが1個あって、何かを動作させるようになっていると。そのエアーシリンダーを動作させるためのソレノイドとかそういったものもそのプレートの上に一緒に乗っかっていて動いていると。そういう装置を、ちょっと簡単な装置ですけれども、そういう簡単な装置を想像してみてください。
まずそのメカ的な要素を配置してみましたというところですね。メカ的な要素を今話したようにちょっと配置してみた後にまず考えること。それはどんなデバイスがあるか。ここでデバイスっていうのは電気を接続する、電線を接続する必要がある部品のことをデバイスと呼ぶこととします。
下の方から、土台の方からリストアップしてみると、まずそのサーボモーターがありますのでサーボモーターの動力線と信号線が必要ですね。そしてまあリニアスケールがもしあればそのスケールの線も必要となります。そしてその上に乗っかっている動くところ。動くところにはエアーシリンダーとソレノイドがありましたね。
ソレノイドの電線がまず必要となります。カタソルかリオソルかリオソルにしましょうか。リオソルだとするとAポートとBポート2本電線が必要ですね。そしてそのエアーシリンダーにはシリンダーのアドバンスとリトラクトの位置を見ないといけないのでオートスイッチが2つ必要です。なのでさらに2本電線が必要となります。
ということで以上でデバイスをリストアップして電線をリストアップしました。動力線が1本信号線が1本そしてソレノイドの線が2本とエアーシリンダーのオートスイッチが2本ということですね。
電線がリストアップされました。その後考えるのはどこで電線を中継するかですね。今設計している装置ユニットはある大きな機械の一部であるとしましょう。とある工場でそのユニットをサブ組みしてそこで動作確認してから本体に運んで本体にドッキングするものとしましょう。
なのでそのユニットに乗っている電線たちというものをメインの制御盤まで繋がないといけないんですけども例えばそのオートスイッチについて電線というのは長くても3メートルぐらいしかないのでどこかで中継してあげないといけないんですね。制御盤まで繋ごうと思うには何か延長してあげる必要があります。
そしてそのサブ組みしてユニット化するというところでは1回その中継箱のようなもので電線を受けてその電線をフレキなんかでまとめて本体にドッキングした後にメインの制御盤までフレキに入れたまま持っていくとそういう方が配線しやすいのでその電線の中継というのは大体必要になりますね。
近接スイッチとかだと一見無駄と思うような中継を作ることもあります。
例えばオモロンの近接スイッチにはスイッチからその電線が300ミリだけ出ているようなものがあります。
300ミリの先にはM12コネクタがあるんですけどもその300ミリの先にM12コネクタで電線を延長するとそういうことをよくやります。
なぜその300ミリという短い長さで中継するのか。
それはですね壊れたときに交換しやすいようにということですね。
センサーの電線というのはその配線経路の途中っていうのをタイラップなどでバシバシ固定することが多いんですけども
今まで通りの中継箱っていうのは箱があってその中に端子台があって
その箱からはコネクタが入っているようなそういう中継箱にしたり
あとハーティングとかイルメのごっついコネクタで中継したりっていうのもしますね。
そのあたりその電気設計者と相談しながらどんな中継をユニットとして持つかというのは決めていきます。
電子線の中継が決まったら次に考えるのは固定と稼働部の設計ですね。
電子線が動かない部分っていうのはダクトに入れたりあとはサドルで止めたりタイラップで止めたりということをします。
電子線が動く部分っていうのは何か考えてあげる必要があって
だらーんとUの字に電子線を垂らしてその動作するストロークを吸収させてあげたり
またケーブルガイドというちょっと言葉で説明するのは難しいんですけれども
電子線を中に入れてある程度その動きを制限させつつ動かすような
電子線を守るようなそういう部品があるんですけれども
イグスとか椿とかいろいろメーカーはあるんですが
そういうケーブルガイドに入れてあげるそういうことを検討します。
そのためには使う電子線の太さそして経路というものをはっきり決めてあげなければいけません。
とりあえずそのメカだけで最初検討する段階では
過去の類似の機械だったり類似のデバイスの電子線から仮で電子線の太さを想定しておいたり
買い物であればカタログを見てそのカタログに電子線の太さが書いてますので
そういうところからリストアップしたりしています。
その後その電気設計者が設計に合流すればその電流地位などから
必要な洗剤というものを選択してくれますのでそれで正式に決まります。
そしてその洗剤の種類とか太さによって曲げ半径が違いますので
そういう曲げ半径も動作させる部分だったり固定する部分で考慮していますし
あとはこの電線の保護のために何本かまとめてフレキに入れる場合もあるんですけども
そのフレキに入れるのであればそのフレキの充填率からフレキのサイズが決まって
その曲げ半径が決まってそこから固定方法だったりケーブルガイドのサイズとか
その中の仕切りみたいなものを決めていくわけです。
あとそのダクトに電子線を入れるときも動力線と信号線が一緒にならないように
ノイズが信号線に乗ってしまうので動力と信号を分けるように工夫したり
ダクトを分けたり別のところを通すようにそういう配線経路を決めたりしていきます。
そしてその配線経路というのは3D CADでモデリングします。
面倒と思うかもしれませんが私も正直面倒と思います。
でも全て配線もモデリングした方がいいです。
ちゃんとモデリングすることによってダクトの大きさが足りないとか
曲げ半径が適切でないとか
その電線の固定だったりに抜けがあるとか
そういうのをいろいろ防ぐことができますし
最終的にその電線長さを電気設計者に連絡しなきゃいけないんですけども