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こんにちは、常蔵です。
Design Review.fm、第26回目、始めていきます。
このDesign Review.fmは、世の中の様々なもの、主に工業製品や、それに関わる時事について、私の主観で勝手にデザインレビューをしていこうという番組です。
前回は、本を読むシリーズ第3弾ということで、技術コンサルティングハンドブックの概要と目次を紹介しました。
今回から、実際に中身を読んでいこうと思います。
前回の第25回を聞いていない方は、先にそちらを聞いていただいた方がよろしいと思います。
では、本編をどうぞ。
はい、本編です。
技術コンサルティングの基礎知識
この技術コンサルティングハンドブックは、前半の基礎編と後半の事例編の二部構成となっています。
では、前半の基礎編から読んでいきましょう。
この基礎編とは、どういう内容かというのは、本書の最初の方に説明していますので、まずそれを読んでみると、
基礎編は、技術コンサルティングに関わる基礎知識、共通知識として執筆した。
技術コンサルティング業務は、必要な知識の幅が広く、顧客からの信頼を得るためには、専門技術の面だけからでは、仕事を遂行することは難しい。
そこで、技術コンサルタントを目指すあらゆるエンジニアが共通に持つべき知識のうち、重複を避けるため、
前作の技術士ハンドブックに既に記述されている範囲を除き、本書の固有テーマとすべきものを以下の8課題と規定した。
その内容は次のようである。
1.技術コンサルティング概論
2.コンサルティングの手順を冒頭に配置し、技術コンサルタントとは何かを解説するとともに、技術コンサルティングの一般的な進め方と手順を示した。
3.技術開発
4.技術評価
5.技術鑑定
6.技術監査では、
これらは現在技術士が行っている主要な技術コンサルティング業務であり、これらについての標準的な基礎理論と実務の進め方について、多くのページを割いて具体的な解説を示している。
7.営業秘密と契約では、技術コンサルタント業務は顧客の内部事情や知的財産に関わることが多い。
これらを踏まえて、コンサルティング契約を結ぶ際の実務的な事項を解説した。
8.コンサルティングコーチングは、コミュニケーションの実践能力技術である。コンサルティングの成果を高めるための重要な道具と位置づけ、解説した。
前作の技術士ハンドブックというような言葉がありましたね。
この技術士ハンドブックもちょっと私は持っているんですけれども、先にそっちの方を読んだ方が良かったかもしれないですね。
はい、ちょっと始めてしまったのでこのまま技術コンサルティングハンドブックの方を読んでいきましょう。
技術コンサルティングの範囲と業務
はい、じゃあ基礎編の1章、技術コンサルティング概論ですね。
技術コンサルティング概論の1-1、技術コンサルティングとはというところからいきます。
技術コンサルティングとはの章では何が書かれているかというと、
現代は文業の社会であると。
弁護士、会計士、税理士、便利士、そして技術士などの専門家が生まれました。
私業と呼ばれるような専門家ですね。
技術士、この中でも技術士というのは科学技術分野の専門家である。
技術コンサルティングとは技術が関連する専門事項について相談にのったり指導したりすることで、
それを行う人を技術コンサルタントと本書では読むと。
コンサルティングの実際の内容としては技術相談だったり、技術顧問契約を結んだり、評価、技術の監査、そして教育などを行いますと。
顧客がコンサルティングを依頼する理由というものには以下のものがあります。
1、社内に不足する技術の相談、助言を求める場合。
2、新しい規則、規制に精通した専門家に相談したい場合。
3、社内人材に有力がないので外部に何かお願いしたい場合。
4、社内の意見が妥当かどうか責任、説明を求めたい場合、意見を求めたい場合。
5、第3者として公平に診断、評価してほしい場合。
6、社員教育の一環として指導してほしい場合。
これは社員が講師をする余裕がないような会社ですね。
7、自分たちで調べたがその結果が正しいか専門家に確認したい場合。
8、専門家の判断を仰ぎたい場合。
大体8個の依頼する目的というものがあります。
ここで求められているのが専門家としての見識だったり、
広い視野と視点だったり、深い知見、実務経験、バランス感覚、中立構成であることが
技術コンサルタントに求められているそうです。
ここで技術士というのはコンサルティングの資格ではなくて、
あるレベルの科学技術的能力を持っているということの資格であるので、
必ずしも必要なものではないということですね。
次、1-2、技術コンサルティングの位置づけ。
まず技術コンサルタントと企業内技術者の違いは何か。
コンサルタントは外部クライアントからの注文が来なければならない。
注文が来るには売り物の技術が必要です。
ここで言う売り物とは専門分野であり、プロフェッショナルな部分であると。
プロフェッショナルな部分がないとお客様から依頼が来ませんということですね。
技術コンサルタントの多くは人生の前半で企業内の技術者として修行し、
その後独立する場合が多いということです。
1-3、技術コンサルタントの活躍分野。
技術コンサルティングの知識と心構え
技術コンサルタントが行う業務は技術コンサルティングである。
技術コンサルティングには表1-2に示すような分野がある。
本書では技術コンサルティングを7つの大項目に分類しました。
その7つの大項目というのが、
1、経済性管理。
2、人的資源管理。
3、情報管理。
4、安全管理。
5、社会環境管理。
6、固有技術。
7、総合技術管理。
ということですね。
これはあれですかね、相関のあれと同じですかね。
はい、次。
1-4、技術コンサルティングに必要な知識。
技術コンサルティングを進めるにはどんな知識が必要かということで、
もちろん専門知識は求められるんですけれども、
クライアントというのはその知識の裏列を期待しているだけではなくてですね、
その人柄にも期待していると。
第一として、人間としての魅力。
相手に、クライアントにお付き合いしたい人であること。
お付き合いしたい人と思われることが大事であると書いています。
そうですね。
もちろんその専門分野、担当技術以外にもその業界の動向だったり、
商品知識だったり、製造プロセス材料やコストの知識が必要ですと。
またその経営者の方と話す場合が多いので、
経営者へ的確なアドバイスをするために、
総合してまとめあげる能力と経営者的視点で経営者の気持ちを理解し、
平易な言葉で説明する責任能力も求められますと。
またその技術コンサルタントの業務遂行に関連し必要となる
法律についての知識も必要ですと。
例えば特許法だったり、商標法、違商標、製造物責任法、
個人情報保護法などなどということですね。
というものが求められますと。
次、1-5 技術コンサルティングの心構え。
最も自覚すべきは他人の秘密を知る立場にあるということですね。
企業などの事業だったり、技術の詳細な情報を得ることで、
業務の遂行が初めて可能になると。
なのでそういう情報を知ってしまう立場であるということを
深く心に刻まなければならないと。
次はコンプライアンス、社会的規範やモラルを遵守すること。
特に技術コンサルティングを行う代表的な技術士には
技術士法で定義されている三義務、二責務というものがあります。
信用失落、失追、信用失追行為の禁止、秘密保持の義務、
公益確保の責務、名称表示の場合の義務、
資質向上の責務の三義務、二責務ですね。
というものが技術コンサルティングの心構えとして必要です。
以上が第一章、技術コンサルティング概論です。
次が第二章、コンサルティングの手順という章です。
2-1 はじめにとして、この2章ではコンサルタントのプロフェッショナルとして
独立を目指す人に役立つと思えるノウハウを述べる章です。
2-1-1 技術コンサルティングとは、
技術コンサルタントの典型的な業務が以下の7つであります。
先ほどクライアントが依頼する目的と
かぶるところもあるんですけれども、
典型的な業務の1、技術相談。
2、顧客を指導すること。
3、教育・研修・講師。
4、技術開発。
5、技術評価。
6、鑑定。
7、執筆活動ということですね。
2-1-2 独立のきっかけ。
独立を志すにあたっていろんな動機や目標があります。
例えば、自分への挑戦だったり、
収入アップさせたいという希望だったり、
定年後の仕事だったり、
今まで得た知識を生かしたいというものがあります。
2-2 開業前の準備。
独立前の準備ということですね。
まず経営歴史を書きましょう。
人脈の棚卸しをしましょう。
生活資金の準備をしましょう。
開業直後は売り上げがないので、
当初2年分ぐらいの生活資金の準備が必要です。
あとは在職中のコンサルティングのリハーサルをしましょう。
社内外の講師だったり、
自由に自分の工場を歩けるうちに工場診断のやり方を学んだり、
独立すると見れなくなってしまう様々な社内文章ですね。
独立すると、一から全ての文章を作らないといけないので、
その社内文章を参考として勉強しておきましょう。
あとは見習い機関ということで、独立を意識するようになったら、
技術司会だったり、そういう団体の活動に参加して、
顔を打っておいて、自分の居場所を確保しておきましょうということですね。
次に2-3、開業。
ここは法人にしようとかそういう話なので、ちょっと割愛します。
2-4、顧客の開拓。
顧客の開拓とですね、
コンサルティングの仕事は人脈による紹介がほとんどであるので、
そういう人脈作りというのが大事ですと。
あとはホームページを開設したり、
情報発信。
情報発信をすることでお客様に知ってもらうということですね。
最近はTwitterなどSNSでそういう情報発信をする方も多いですよね。
私がフォローしている方の中にも、
技術コンサルティングの手順
そういうコンサルティングのような業務をやっていて、
Twitterで情報発信している方もいますね。
2-5、成功するコンサルティング活動ということで、
顧客はプロフェッショナルリズムを求めているということです。
対価に対してきちんと応えているか常に確認すること。
2-5-1、問題解決。
コンサルティングの本質は問題解決である。
その問題解決するために必要なことというのは、
1、信頼されることが何にも増して重要です。
そして、聞き出す能力。
良いコンサルティングは聞き上手からということですね。
そして、本質を見極めること。
顧客が考える問題というのは、
イコール本質ではないことがあります。
顧客が問題であると考えていることに、
直接の回答をすることが問題の解決ではないことも多い。
一旦は求められている回答をしても、
本質を見抜いて、そちらにふさわしい答えを出すことができれば素晴らしい。
そして、提案をする。
ハウトゥーよりも、
顧客がホワイを自ら考えられる力を持つように指導すること。
そして、良き相談相手に徹する。
信頼されるには中立な立場であることが大事です。
決してセールスマンにはならない。
特定の企業の商品を仲介したり、
売り込みをしてしまうと、中立な立場ではなくなってしまうので、
顧客から信頼を失ってしまうということですね。
2-5-2 報告書の書き方
報告書の書き方とその他のアドバイス
コンサルタントの報告書では、
誰が読者かを常に意識する必要があります。
例えば、われわれ設計者、開発者が書く報告書というのは、
だいたい読む人は同じ設計者、技術者であることが多いですけれども、
コンサルタントの報告書では、
それを読む人が経営者だったり、専門家ではないことも多い。
そこを踏まえて、容疑の定義だったり、説明を忘れずにしないといけません。
2-5-3 は指導日の確認と指導記録を残そう。
日時を守ることは大事ですよと。
2-5-4 服装と持ち物
ここは、
割愛。
好印象を持たれる服装をしましょうと。
そんなことが書いていますね。
2-5-2 プロの講師に徹すると。
ここは、プロの講師ということで、
しっかり教材だったり、
そういうものを準備しましょうと。
あとは遅刻してはいけないよとか。
時間を守ること、そういったところが書いていますね。
2-5-6 情報の在庫の持ち方と探し方
インターネットなしに現代のコンサルタントは考えられません。
このインターネットを最大限に駆使する者が消費者になれます。
独立すると、情報というのは自分で探しに行かないといけません。
例えば企業にいれば、上司などからメール転送されたり、
自然にいろんな情報が入ってきますが、独立するとそういうものは望めませんということですね。
2-5-7 外部の公的試験研究所
都道府県にある産業技術センターなどというのは強いスケットになりますよと。
あとは2-5-8 秘密保持著作権個人情報
先ほどもちょっと話したように、
企業秘密というものを知る立場にあるということで、
業務で知り得た事項を他に漏らしてはならないというのは大原則です。
技術士の秘密保持義務は減少しなければならない。
個人情報の漏洩というのは各企業もとても敏感ですので、
コンサルタントはもっと神経を使うべきであるということが書いています。
2-6 予算
ここも年金だったり税金の話なので割愛します。
ということで、ここまでで2章。
コンサルティングの手順はおしまいです。
ちなみにこの割愛、割愛と書きますけれども、
ある境界から外れることを意味する割と、
価値を認めたものに強く引き付けられる気持ちを意味する愛が組み合わさった。
割と愛が組み合わさった言葉が割愛ですね。
以上がコンサルティングの手順でした。
次が3章、技術開発コンサルティングなんですけれども、
これは次回とします。
クロージングです。
今週の製造業ニュースということで、気になったものを紹介していきます。
1月19日金曜日にあったニュースが、
工作機械メーカーのエンシューとドイツSW社の協業。
どちらも自動車部品加工の業界が最中力顧客のメーカーですけれども、
この2つのメーカーが協業しますと。
このSW社というのはヨーロッパ式の工程集約型だったり、
ギガキャストに対応したような工程機械を持っていて、
その日本での販売をエンシューがサポートしていくんですね。
こういうライバルメーカーの協業というのは珍しいと思うんですけれども、
エンシューが強い工程分割型の工作機械と、SW社が強い工程集約型。
そのどちらもお客さまに対して提案できるようになるのが、
エンシューのメリットということですね。
そして1月20日土曜日。
JAXAのスリム小型月着陸実証機が見事月面着陸に成功しました。
太陽光発電が機能しないというトラブルがあるようなんですけれども、
日本初の月面への軟着陸成功というのは素晴らしいですね。
どこかで工作機械が部品を作るのに貢献しているんじゃないかなと思います。
ということで今日は技術コンサルティングハンドブックを読むの2回目で、
1章技術コンサルティング概論、2章コンサルティングの手順まで読んでいきました。
続きの3章からはまた次回のデザインレビューFMで読んでいきたいと思います。
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