情報と情報マネジメント
こんにちは、常蔵です。
デザインレビューFM第44回目、始めていきましょう。
このデザインレビューFMは、世の中の様々なもの、
主に工業製品やそれに関わる出来事について、
私の主観でデザインレビューをしていこうという番組です。
今回はですね、技術士ハンドブックを読むの7回目、
7章の情報マネジメントから読んでいきましょう。
はい、では早速本編をどうぞ。
はい、本編です。では7章、情報マネジメントというところで、
まずは情報と情報マネジメント。
まず情報とは何でしょう?
情報という用語はですね、多くの分野で様々な意味に使用されています。
なので、それを使う立場や専門分野の違いによって、
それぞれ独自に意味付けがされて、定義されてきました。
社会学者の吉田民人によると、
情報の定義というのは、次の4つのレベルに分類できるとしています。
まずは最も広い工技の定義として、物質、エネルギーの時間的、空間的、
または定量的、訂正的なパターン。
ちょっとあれですね、なかなかつかみどころのない感じですけれども、
その一つ下の工技のレベルでは、意味を持つ記号の集合というのが情報であると。
もう一つ下、競技のレベルでは、自然言語でいうところの意味減少一般が情報であると。
最も狭い最競技のレベルでは、ニュースというのが情報であると。
そういう4つのレベルに定義されるとしています。
日本だけではなく、外国においてもこの情報という言葉はですね、
さまざまな意味を持つ一つの単語で表されていて、
例えば英語ではインフォメーションですね。
この一つの単語で表されているので、
その前提としている定義というのが異なっていると、
コミュニケーションのときに話題がかみ合わなくなってしまうということが起きますので、
その情報の定義というのが、個別の文脈ごとに理解する必要があるということです。
そして、情報マネジメントとは。
情報マネジメントとはですね、
企業や組織の経営資源として人、物、金というのがよく言われますけれども、
最近ではこれに加えて情報というのもあって、
これが4大経営資源とされています。
人、物、金、情報ですね。
情報マネジメントとは、この4つの経営資源のうち、
特に情報というのを企業活動のために役立てていく活動であって、
そのプロセスにはですね、
情報の定義と理論
まず情報収集、情報検索、情報生産、手順書、使用書、ノウハウ、特許など。
そして情報選別、形式地化、データベース化、
過去のナレッジマネジメント、
そして情報公開、情報取得などの活動が含まれます。
情報公開、情報取得というのは、
社会に対しては情報を保護するものと、
積極的に公開するものというものに切り分けて、
その区分に応じて、それぞれ適切に方針を策定し、
施策を実行していく必要があるということです。
そして情報理論、
情報理論はアメリカのマサチューセッツ工科大学のシャノンという方が作ったもので、
その情報というものを定義します。
情報理論とは、情報を誤りなく効率の良い伝送をするための系統的で数学的な理論です。
ちょっと数式があるんですけれども、なかなか説明が難しいので、
そこは割愛しちゃいますけれども、
その数式によって、情報というのは不確実性を減少させるとシャノンは主張しているそうです。
人間社会で使用される情報というものには、
冗長性があって、その冗長性には情報の信頼性を高める働きがあるということです。
例えばこのポッドキャストの配信日が、
2024年5月30日木曜日の予定なんですけれども、
その2024年5月30日木曜日という情報があるとします。
この中で年月日があれば自動的に曜日というのは決まってしまうので、
最後にいった木曜日というのはある意味無駄な情報であると言えるんですね。
しかしこれが、例えば2024年5月30日金曜日と私が言ったとすると、
それを聞いた人たちは、あれこれ曜日を間違っていたのかなとか、
逆に30日じゃなくて31日なのかなという、
そういうふうに考えると思うんですね。
なのでその情報の発信源、例えば私に確認すると、
木曜日じゃないんですか、31日じゃないんですか、
という確認をするコードが生まれるということです。
なのでこの2024年5月30日金曜日という、
冗長性のある情報の信頼性を確かめることができるということです。
次は情報メディア。
人類の歴史というのはメディアの歴史と言えるということです。
80から50万年前の原人の言葉から始まって、
約2年前の絵。
これはアルタミラの洞窟って書いてますね。
このアルタミラの洞窟っていうのは、
世界遺産になっているスペインの洞窟に描かれた、
トナカイだったり牛だったりイノシシなどの動物を恩母にした壁画ですね。
これが2万年前であろうと。
そして6千年前に文字が生まれて、
最近といっても100年以上前ですけれども、
1906年のラジオの誕生。
そして1927年のテレビ。
情報メディアと知識
そして1969年のインターネットというメディアがですね、
登場してきました。
情報というのは、こういうメディアに表すことができるものだけではなくて、
その代表がですね、非言語コミュニケーションというものがあるんですけれども、
ジェスチャーとかですね、顔の表情とかスキンシップなどを表します。
フェイスとフェイスで顔を合わせて話をする、会議をするっていうのと、
メールでのやり取りだったり、
Zoomなどのですね、オンラインのミーティングっていうものの、
情報量というのが違うっていうのは、日常的に実感していることがあると思います。
そして、情報と知識。
情報の関連用語に知識っていうのがあります。
哲学者のマイケル・ポランニーは知識を2つの次元で分類しています。
1つは暗黙値。
暗黙値っていうのは、人間の経験だったり、感に基づく知識やノウハウですね。
感骨とかって言われるものですね。これが暗黙値。
2つ目、形式値。
業務の手順だったり、操作マニュアルなど、他人が目で見ることができる知識っていうのを形式値と言います。
この暗黙値と形式値という2つの次元で知識を分類したということですね。
この知識っていうものが暗黙値のままでは、それを知っている特定の人しか利用できないんですけれども、
これを正しい形で形式値化すれば、誰でも同じレベルで対処できるようになります。
こういう形式値にするっていうものですね。
その企業運営に役立つ知識っていうのを、系統的に形式値にして集積する仕組みっていうのをナレッジマネジメントと言います。
そして、情報マネジメントの内容。
情報の秘匿。
情報の秘匿とは、情報の内容を第三者に対して隠すことを言います。
情報秘匿の技術として、データの暗号化、認証とアクセス権、アクセス制御というものがあります。
情報の公開。
情報の公開とは、自ら生産した情報や収集・加工した情報を人々に公開することを言います。
公開にあたっては、常にその情報の正確さと健全性に配慮しなければいけない。
また、その情報によって、その情報の利用者が被害を受けないように留意する必要があります。
そして、情報の蓄積。
情報の蓄積とは、個人の持つ知識、過去ナレッジや情報を組織全体で蓄積し有効に活用することです。
これをナレッジマネジメントと呼びます。
この導入のポイントとしては、何か問題が起きたときに、慌ててその知識や情報を集め出すのではなくて、
前もって各社員、各人が経験だったり知恵を出し合っておいて、それをデータベース化しておいて、
いざ問題が起きたときにすぐにそれを参照できて、調査に生かせるようにしておくことが重要ということです。
次が情報の生産。
情報の生産とは、生産者が独自に情報を創出することを言います。
かつての財産というのは、物イコール形があるものというのが中心でしたが、
現在、人間の知的活動の成果として、つまり形のないものである情報の生産というのが重要視されています。
次が情報の検索。
情報検索とは、そのデータベースに蓄積された大量の情報から必要なデータを検索することです。
情報の検索というと、インターネットでGoogleなどで検索するというイメージがありますが、
インターネット上だけではなく、社内の閉じられたネットワークの中のデータベースからの検索だったり、
PDMでの検索だったり、そういったものも含まれます。
情報の交換。
情報の交換とは、自分と他人とでお互いに情報をやりとりすることです。
情報を交換することによって、より多くの情報、自分一人だけではない、一人だけでは集められない多くの情報を収集できて、
的確なコミュニケーションによって、相手とより深い信頼関係を築くことができます。
情報交換の方法として、電子メールでのやりとりだったり、ネットの掲示板、SNSなどがあります。
情報の体系化。
情報の体系化とは、ある規則に従って情報を分類整理することである。
情報マネジメントと知財
情報は体系化することによって、その情報が構造化されて、情報の利用者が検索・蓄積することが容易にできるようになります。
そして次が知的財産権。
知的財産権は、主に次の6つの法律による権利を言います。
1.独挙法。
2.実用信案法。
3.偽証法。
4.商標法。
5.不正競争防止法。
6.著作権法。
これら6つの権利の詳しい内容は説明しませんが、
こういった知財の活用には、実務経験豊富な技術士の活躍が望まれているということです。
知財に関する業務は、次のものがあるのですが、
便利司法や弁護士法による独占業務以外のものは、技術士も担当が可能です。
知財に関する業務の1つ目として、知財財産の調査。
2つ目が知財財産の保護。
3つ目が知財財産の活用。
4つ目が知財財産関係の戦略方針等の策定。
次は情報マネジメントの運用技術として、ITILを活用した情報マネジメントの運用。
私はこれを初めて聞いたのですが、
ITILとはInformation Technology Infrastructure Libraryということで、
ITサービスのマネジメントにおけるベストプラクティス、過去成功体験をまとめた書籍群ということです。
書籍群というと、マニュアルだったり報告書の束を思い浮かべるかもしれませんが、
実際にはそのITサービスの管理の考え方だったり、そういったものを整理したもので、
そのドキュメントの構成時代というのが、ITサービス管理のためのテンプレートとなっています。
という説明なんですけれども、ちょっといまいちこれだけだとよくわからないんですけれども、
ちょっと興味がある方は調べてみてください。
そして、情報の安全管理、情報のデジタル化、インターネットなどの通信の発達、
そして安価なデータ記録装置、USBメモリとかですね、
そういったものの普及によって、
情報セキュリティと内部統制
著しい情報の氾濫と情報に対する接し方というのを間違えてしまう事例が多くなりました。
会社が保有する情報というのは、情報資産と呼ばれて企業活動の源となるものです。
この情報資産の安全管理が不十分である場合は、
意図しない利用によって企業は大きな事業機会を失う可能性があります。
例えばですね、顧客情報がネット上で流出してしまったとか、
大事な資料を入れたUSBメモリを失くしてしまったとか、
そういったリスクがありますね。
なので、そういった情報を安全に管理する必要があるということです。
情報マネジメントと内部統制。
内部統制では次の3つの目的が求められます。
それは、財務報告の信頼性、業務の有効性と効率性、法令遵守の3つです。
内部統制では、経営者が示した目標に対して各執行者が業務を実行する企業の活動で、
法令遵守の下で業務の効率性と有効性を確認しながら、
財務書評の信頼性を確実にすることと言えるということです。
そして、情報マネジメントと情報セキュリティ管理。
内部統制の情報セキュリティ管理の目的は、
会社が社会的に信頼されて、会社のブランドを高めることによって、
事業の継続的な発展をするためです。
情報セキュリティ管理とは、
企業にとって重要な情報資産である知的財産だったり、
顧客の個人情報、そして外部で提供しているサービスなど、
そういったものを安全に保護して、企業や商品のブランドを高める支えとなること。
情報セキュリティ管理というのは、
直接的に企業の収益を寄与するものではないのですが、
事業リスクを低減させて、間接的な寄与によって、
そういった損害を防ぐものと言えます。
情報のリスクマネジメント。
リスク対策では、安全管理の対象とする資産を特定して、
その資産が持つ価値というものと、
セキュリティ的な安全性を評価します。
その安全性をある水準まで確保するための施策の実施を検討します。
というのがリスク対策です。
ということで、以上ここまでが7章情報マネジメントでした。
クロージングです。
今日は2024年5月26日日曜日です。
日曜日というのは無駄な情報でしたね。
冗長性のある情報です。
というのは置いておいて、
今日はこれから池袋のサンシャインシティで開催される
技術書店16という技術系の同人誌の販売イベントに行ってきます。
さっきツイッターの方で、
支部長さんのツイートで、
今日これに参加するよというのがありまして、
それを見て、私も面白そうだなと思って行ってみようと思います。
こういった技術系の同人誌のイベントというのは初めて行くので、
ちょっと楽しみにしています。
ということで、5月ももうおしまいですね。
技術史の第二次試験までおよそ1.5ヶ月となりました。
なかなかですね、論文の方も進んでないですけども、
頑張っていきたいと思います。
ということで、今週はここまでです。
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ではお疲れさまでした。
ご安全に。