室井 今日も始まりました。電波惹句ということで、ゲストが来てくれています。自己紹介をお願いします。
はい。須賀くんの会社の同僚の室井ひびきです。よろしくお願いします。
室井 お願いします。2本目なんですけど、前、自分が、室井さんがやってるマルジナリアというポッドキャストに出させてもらった時に、ミステリーの話をして、
それぞれのおすすめ本みたいな話を紹介して、今日その話をしようと思ってたんですが、それぞれのおすすめ本があまり刺さらなかったという。
面白いよね。
そんなことあるんだって。お互いがお互いだからね。
で、あの時めっちゃその、趣味合うなみたいな感じで。
その人のおすすめは信頼できるってなったはずなのに。
って感じですね。自分が勧めてもらって読んだのが、暗黒残酷監獄ってやつですかね。
そう、暗黒残酷監獄っていう。
あらすじ説明するのちょっと難しいですよね。
ちょっと不思議な話だよね。
まずこっちの話からしようと思うんですけど、ラストの畳掛けは面白かったは面白かったんですけど、あんまり納得感がないっていうか。
自分が好きなのは伏線ばらまいて回収が好きなんですけど、あんまり伏線張られてる感じがなかったなっていう感じがしましたね。
結構、とっぴな展開ではあったんですけど、取ってつけたように感じちゃったっていうか、納得感があんまりなかったなっていうこと。
あとは、主人公が謎にモテる設定が何の意味もなかった。
ラノベってこんな感じなんかなって思った感じですね。
確かに。
あんまりラノベ態勢なかったんですよ。前、マルタバチロボワールの話したときにラノベっぽくてみたいな話したんですけど、あれは想像のラノベの話をしてたんですよ自分は。通ってたわけじゃなくて。
ちょっとキャラ物っぽくて、やりとりがあって、なんかキャラの個性があって、語尾とかも結構決め台詞とかってぐらいのふうに思ってたんですけど、
それは全然楽しめたんですけど、暗黒残酷監獄の方は、やれやれ系っていうか、適当にやってたらモテちゃう系の男の子がいてて、
これ、最後になんかイケスカンなーって、なんでこんなことになってるんだって思いながら、最後解消されると思ったら、解消されんかったんで、それはただの設定なんやっていうので、
何もなしかいって思っちゃったんですけど、あと会話がすっごいイケスカなかったですね。
あーなるほどなるほどね、そういうとこか。
だからちょっとその、まあ好きな人もいると思うんですけど、自分は合わんかったですね、だいぶ。なんかちょっと滑ってるなーと思いながらずっとやってました。
なるほどね、なんか俺これ好きなのは、結構理解できない人物とか、設定もそう、なんで?みたいなのが、パンパンパンパンやってきて、なんかそれもしっかり解消というかすっきりしないままどんどん進んでいく感じが、なんか俺は結構心地よかったし。
まあ言わんとすることでわかります。なんか読みやすくはあったかなっていうか、読むのがしんどいわけではなかったとは思います。
なるほど、なんか俺はね、しらいともゆき的な物件とか、丸玉チルボワールのジョジュストリック満載じゃない部分を抽出したら、こういう作品になりそうだなっていうのがあって。
死体ともゆきのグロプラス、丸玉チルボワールのキャラ物の合体ってことですね。
なんかそのあいのこだと結構好きかもなっていうのはあったのよね。結構納得いきましたね、そういうのと。
自分がしらいともゆきが好きなのは、別にグロとかエロとかは別になくてもいい。あの人がそういう作風なだけで好きっていうのと、丸玉チルボワールもキャラのやりとりが好きなんですけど、よりも作品的な作り込みが好きだったんで、
そうですね、キャラ物がめっちゃ好きっていうわけじゃなかったんで、それぞれのそこまで好きじゃない部分が抽出されて。
おもろ。ノットフォーミーナだけが集まっちゃったんだ。
なるほどね。そうしらいともゆきは多重解決とかが好きなんで。
だからもうちょっとパズルまではいかないけど、そういうトリック的な部分が。
ギミックあるのが好きなんですよね。それで言うと最後の方にちょっとギミックっぽさはあったんですけど。
そうかそうか、確かにそれで言うと暗黒残酷監獄はそこは結構あっさりめというか。
そうですね、そこの本じゃないですね。
うんうん。それは間違いないわ。
なるほどね。
だからミステリティでサスペンスなのかなっていう感じ。
確かに確かに。なるほどね。はぁはぁはぁはぁはぁ。なるほどそうかそうか。
いやなんかさ、俺その伏線。これもなんかちょっと菅谷くんの好きな部分がややそれるかもしれないけど。
なんか伏線ものに俺は多分やや飽きてる気があるのよ。
はいはいはいはいはい。まあまあわかりますよ。
なんかそのもうさ。
伊坂幸太郎いつまでそれやってんのみたいなことですよね。
ああそうそう。なんかそこだけが面白さじゃなくて。
それってなんかやっぱその作者の頭の中で汲み上げたものに沿う気持ちよさじゃない。
はいはいはい。
そして進んでって、ああ気持ちいいみたいな感じじゃない。
なんかそうじゃなくてはもうわけわかんないのを欲してる部分もあるんだよなあ。
はえー。うわあなるほどなあ。
その計算されたすごい緻密な気持ちよさもめっちゃ好きなんだけど、
作者も制御不能なものの方がやっぱりテンション上がる。
マルタマチェロワールドってそういうところが結構あったと思うのよ。
へえーなるほど。
熱量で書いてるからトリックの部分とか計算してるんだろうけど、
なんかその作者でもコントロールしきれない部分なんかうまくは表現できない。
そういうところがある気がしてて、今読んだら違うのかもしれないよね。
当時読んだ時の構図とかとは違うかもしれないけど。
確かにマルタマチェロワールドはパズル小説かって言われると別にパズル小説ではないし、
なんていうか総流映画はそもそもなんでもありっていう設定で、ゴリゴリのロジックパズラではないですね。
長丁橋のやりとりが面白い結構な大部分を占めてるってのがわかります。
その感じでいくとそれはなんか伏線ものみたいなものがそこまでもピンとこない可能性があって。
なので僕も津川くんから勧めてもらった、伊坂幸太郎ラッシュライフ。
オーーンみたいな。
アハハハハハ。
オーーンみたいな。
面白すぎる。
なんかね、まずこういう話を読んだことがあるってのもあるから。
はいはいはいはい。
女陸のドミノ。
ドミノ。
あと、コンサトシの東京ゴッドファーザー。これは映画なんだけど、
そういう色んなところで群像劇が起こってて、それが重なり合うみたいな。
設定というか群像劇ですもんね。
そうそうそう。だから、なんかこう、あ、こういうことしたいんだろうな、みたいなのが見えちゃったっていうのがあったな、ラッシュライフ。
いや面白い小説だし、あれを多分高校生とか大学生の時に読んでたら、多分うわーなんてすげーもの飲んだんだってなると思うんだけど。
そうですね。
それもあるのかなーと思ったな。
うんうん。
それはすごいあると思います。
自分も順番逆で、さっき磯川幸太郎のラッシュライフを読んでて、ラッシュライフみたいな群像劇で読みたくて、大田陸のドミノ読んだんですけど、
ラッシュライフの方がおもろいなってなっちゃいました。多分それは順番なんでしょうね。
小学生の時とかに読んだんで、もうすごいしょうがないね。
それもおかしくなっちゃうわ。
おかしくなっちゃうわ。
だからそれを追い求めて、ラッシュライフを求めて本を読んでましたね。
へぇー。
私は。
そうか、小学生とかで読んだらそりゃぁ。
うん。
モビっちゃう。
黒沢が好きすぎて、黒沢っていう泥棒が出てくるんですよ。
うんうんうん。
かっけぇこいつみたいな。
あぁー。
そう。
確かにね。
自分、ラッシュライフの好きなところは、群像劇なんで、4プラス1の目線で色々細切れに話が進んでいくんですけど、
当然仕掛けがあるわけなんですけど、それぞれのストーリーだけでもおもろかったんですよね。
はいはいはいはい。
特にその黒沢の、黒沢が泥棒に入ったらすでに人がいたとこの話とか、これだけでおもろいやんみたいな。
あーなるほどね。
だから、そもそも小説なりしてないのもあって、全体の仕掛けとかを全く意識せずに、最後どうなるのか考えずにそれぞれの話がおもろいと思って進んでたら、うわーってなって。
なるほどね。もう一個一個の話だけでおもろいのに、それが4個も一気に進むし。
なんかそれが。
こんなことになっちゃうんかっていうので。
なるほどね。
とんでもないものを読んだっていう、原体験になった。
なるほどなるほど。
確かにいろいろそういうのを見た人が見たら、知ってるなってなるのはそれはそうだと思います。
そうなんだよな。そんな気がしちゃうんだよな。
なおさら作り物にやってるんだったら、あれは作り物の中の作り物って感じで。
うまく並べましたや感というか。
異作家コータロン一話、何作か読んでるんだけど、はまりきらなかったこととして。
こいつはやっぱり、本気でやってるのは違いないんだけど、性癖が見えない。
分かります。手なりで書いてる感じありますよね。
そうそうそう。こいつなんか頭で書いてるみたいな。
はいはいはい。
それはすごいことなんだけど、どうしても知らないうちに漏れ出てしまうみたいなのがあんまり感じられないから。
面白いんだけど、さらっと過ぎちゃってる感じがあるんだよな。
それ多分好みですよね。
そう、本当に好みの話。
伊坂幸太郎同校じゃないですけど、よく喋る大学時代の後輩がいてて。
そいつは、伏線とかストーリーとか言っちゃえば意味とかがあるのがシャラ臭いみたいなタイプで。
意味がわからんけど、すごいと思う作品がいい作品だみたいな論者で。
その人の言ってることもわかるけど、自分は意味にとらわれてるっていうか。
どれだけ成功に作り込めるかが作品の良さだと思ってるんで。
結構タイプの違いは出るかなと思います。
だから伊坂幸太郎で言うと、最初はもうそういう作品散りばめて風呂敷回収しますみたいな作品が多かったんですけど。
本人もそれに飽きたっぽくて、途中でそうじゃない路線をやってみた時期があるんですけど。
その時期の自分は全然好きじゃなくて。
で本人もやってるうちにどうなんだろうみたいなのがあって、多分最近はまた昔の感じに戻りつつあると思うんですけど。
やっぱ本人も開けるんでしょうね。草に広げてまとめるだけの作業になっちゃう時期とかもあったんやろうなっていう感じがしますね。
それの面白さって構造の面白さじゃないですか。構造が先にあってそこに肉付けしていく作業だからやっぱり似通っちゃう部分はあると思うし。
結局だから抽象化したら一緒というかね。味付けが違うだけで。
それで砂漠とか読みました?伊坂幸太郎の。
読んでないな。
砂漠とかはそんな構造構造している話じゃなくて、割と普通の小説寄りなんで読めるかもしれないですね。
まあ別に伊坂幸太郎を進める回じゃないので。進める回じゃないっていうかそんなめちゃくちゃ好きってわけでもないんですけど。砂漠とかかな。
伊坂幸太郎 えー、なんなんやろう、じゃあ何が。
このミステリーもピンときてないんだよな。ミステリーは好きだし。
伊坂幸太郎 はい。
うーん。なんかやっぱその、自分の信じていたもの、前提としていたものがぶっ壊されるのはやっぱ好きなんだよね。
伊坂幸太郎 うん。
うん。
伊坂幸太郎 世界反転する系とかですか。
そうだね、そういう方が好きな気はするし、なんか2,3年前に見た、これ映画なんだけど、あのベルクマイスターハーモニーっていう作品に1回ぶっ壊されてるんですよ。
伊坂幸太郎 あははは。
多分その、なんなら伏線が回収されるとか、作り込まれてるとか、なんかその納得感があるとか、いろんな多分要素がいろいろ連なって多分自分の面白いっていう価値観を構成したんだけど、それがマジでぶっ壊されてしまったのよ。
伊坂幸太郎 へぇー。
なんかもう見ててイライラしたのよ。
伊坂幸太郎 へぇー。
何してんだこいつ。
伊坂幸太郎 はははは。
いやさ、現代アート的なさ、なんか、まぁ分かる人に分かればいいっしょみたいな、あるじゃない。
伊坂幸太郎 はいはいはい。
その配婚的そうな感じを、ちょっとこう、なんか、いやこういうもんだから芸術ってみたいなノリを最初感じたんだけど、
伊坂幸太郎 なるほど。
終盤に、まぁその街のね男たちがもう、こう冒頭化して、もう街を破壊するっていう展開になって、
伊坂幸太郎 はい。
なんか、病院なのかな、教会なのかな。
伊坂幸太郎 うん。
まぁそういうこう、怪我した人とか寝てるところにこう、突入していって、
伊坂幸太郎 はい。
寝てる人とかもうこう、暴力振るっていくっていうシーンあるんだけど、
それその建物の奥に進んでいって、パッとドア、扉開くと、全然綺麗じゃないこの浴槽に裸のおじいちゃんが立ってるっていう絵が出てくるの、絵というかそのまぁシーンが出てきて、
なんかそこだけでたぶん2、3分ほぼもう動かないんだけど、なんかもうありえないぐらい感動してしまって、
伊坂幸太郎 へぇー。
なんかすっごい美しいぞっていうのを思って、もう最初はは?とか思ってたのがもうせずに伸びるわけ。
伊坂幸太郎 へぇー。
なんかもうやられちゃって。
伊坂幸太郎 はい。
なんかもうそんでもないもの見たなみたいな。
伊坂幸太郎 へぇー。
だからなんかもう理解とか関係ないなっていう。
伊坂幸太郎 はいはいはい。
モードにそれを見てなったっていうのはあるんだよな。
伊坂幸太郎 へぇー。
だからやっぱ自分の理解できないものというか、わけわかんなくてもすごいものってあるし、
それはなんか必ずしも意味とかじゃない、言語化できない部分で、こう、なんかわからされるものって。
伊坂幸太郎 ね、なんか言語化できない方が好評な感じしますよね。
なんかあるよね、そういうのって。
伊坂幸太郎 できちゃってるやんみたいなとこありますよね。
そうそうそうそう。
伊坂幸太郎 言語に落とし込めてる。
そう、あるんだよね、なんかね。
でもなんかそれってさ、なんか多分、なんか安っぽく使うこともできて、
言語化することを適当にやってるから、言葉にできないぐらいすごかったみたいな、
多分成り立っちゃうと思ってるんだけど、
なんかそれを、自分の中でやっぱ、あのヴェルクマイサーを見た体験っていうのは、それを超えてきちゃって。
伊坂幸太郎 へぇー。
なんかだから、わかるはわかるで、楽しいし気持ちいいんだけど、
なんかこう、まあ、わかっちゃったしな、みたいな。
わかるぐらいってことなんだよな、みたいなが多分どっかにね、できちゃったんだよな。
伊坂幸太郎 まあ、ある程度わかりつつも、どっかわからんが残ってるぐらいがちょうどいいんですね。
だからじゃあ、首なしとかぶっ刺さってたんだよね。
そうそうそう、なんかすっげぇな、みたいな。
そうな、あれはでも確かに最近の中でも、マジすげぇな、みたいな。
伊坂幸太郎 なるほどなぁ。
だからなんかもう、刺激が欲しいんじゃないかとか思って、
ホラー少女とかも手を出してみたいな。
伊坂幸太郎 はいはいはいはい。
でも思ったよりそんなピンと来なかった。そんななんか断札のもんなわけじゃないけど、来なかったりしてるし。
まあ最近は、SFとかも手を出してみようかなーとか思ったり。
あとはもう、その、なんかある種古典になりつつあるようなすげぇ作品とか。
まだちゃんと読み始めた、最近読み始めた作品で、
ウンベルト・エーコのバラの名前っていうやつとか。
伊坂幸太郎 おー知らない。
そう、とかを読み始めたりとか。
伊坂幸太郎 へぇー。
うん。
伊坂幸太郎 なんか今の話聞いてて、ちょっとこれいいかもと思ったのは、全然ミステリーじゃないんですけど、
悪は存在しないって見ました?
あれはやばいね。
伊坂幸太郎 あれどうですか?
あれは、相当すごいと思うよ。
伊坂幸太郎 あれすごいっすよね。
あれはすごい。あれ映画だよね?
伊坂幸太郎 あれ映画です。
あれはもう俺も、なんか結構喰らった。あれ喰らったわ。
伊坂幸太郎 自分も意味わからん系で言うとあれ喰らいましたね。
そう、なんかあれのすごさってさ、言葉にできないじゃない?
なんかまあストーリーは、多分説明しようと思えばできるし、
なんかそこに対しての説明づけとかは多分できはすると思うんだけど、
その言葉にしたからといって自分が受けた衝撃が、
100言語化できないというか、
明らかにその余っちゃうというか、
なんか言語化したけど伝わらない部分が絶対残る作品じゃない?
アクアさんのシーンはもうすごい好きだし、あれやばい。
伊坂幸太郎 あれはラストシーン終わってから固まりましたね。
伊坂幸太郎 は?みたいな。
怖いよね、なんか。
伊坂幸太郎 どういうこと?ってなりましたけど、
でもなんかめっちゃイラつかなかったですね、あのラスト。
圧倒された。
うんうんうん。
伊坂幸太郎 うわー!みたいな。
そうそうそう。なんか納得感あるよね、あれでちゃんと。
伊坂幸太郎 納得感とまでは。
あと違う?
伊坂幸太郎 いやいや、言ってることはわかりますよ。
いやでも、自分はいろいろ解説とか読んで、
へーとか、
はいはいはい。
伊坂幸太郎 あ、浜口作品ってそういうやつなんやみたいな。
へー。
伊坂幸太郎 なんか、ちゃんともう覚えてないですけど、
結構解説読んだら、
指揮者は、ああなるのは割とその当然で、
だいぶその、なんていうんすかね、
暗示はされてたよね、みたいな。
うんうんうん。
伊坂幸太郎 感じで。
とか、ここでこういう話が出てきて、こういう話が出てきてんやから、
もうあそこはああなるしかなかったんだみたいな。
とか見て、ほえーとかは思ったりしましたね。
あー。
伊坂幸太郎 あの映画のすごいところってさ、
なんかストーリー的なさ、
なんかこの納得感はもちろんあると思う。
脚本的なこう…
え、納得?
ラストに納得感あります?
伊坂幸太郎 俺はでも、結構死ぬことに対して、
殺されるじゃない。
はい。
伊坂幸太郎 割と納得があったんだよな。
へー。
伊坂幸太郎 なんかその物語ってさ、
例えば何か隠されたら、
それって暴かれなきゃならないとかさ、
その出てきた銃は発砲さなきゃいけないみたいな、
なんかあるじゃない。
ノックスの実家みたいな。
伊坂幸太郎 そうそうそう、なんかそういうお約束というか、
逆に言うと作り手からすると、
わざわざ出してる以上、
それって利用されなきゃ出す意味ないじゃんっていう、
だからなんか説得力というか、
説明がなされなきゃいけないっていうのはあると思ってて、
そういう目線で見ると、
まああの人は死ななきゃいけなかったよなとか、
やや納得感が。
まあ本当にそれをやるかっていうのはあるにせよ、
結構そういう目線で見ると、
俺は納得したんだよね。
そうそう、解説には多分そんな感じのことを書いてました。
あの設定で、ある流れで、みたいな。
伊坂幸太郎 でもあの悪は存在してて、
それだけじゃないんだよな、すげえのって。
そうですね、そうですね。
なんか普通に映像としてさ、めっちゃ面白かったですよね。
伊坂幸太郎 そうそうそう、映像もめちゃくちゃかっこいいし、
結構やっぱり音楽が物気になってるすごさってあるじゃん。
石橋栄子が、っていう劇班やってる人。
もともと、
何でしたっけ、音楽用のミュージックビデオみたいなのを作って頼まれて、
そっから映画になったんだ。
伊坂幸太郎 そうそうそう、石橋栄子が持ち込みで、
俺去年あの人のライブ見に行ったんだけど、
マジでかっこいいあの人。
超かっこいいし、すっごいイケてるおばさんなんだけど。
イケおば。
伊坂幸太郎 超イケおば。
バチイケおばですね今。
バチイケおば。
伊坂幸太郎 そうそう、でもあの本当にすごい、
なんか弦楽、バイオリンとかのすっごい美しい音楽が、
その綺麗な映像とともに急に切断されるじゃない。
なんかあの、なんだろうな、だから、
常に整合性が取れない感じというか、
なんかそこが脚本でも多分同じような、
描かれ方だとは思うんだよね。
だから人が死ぬ映画だとは思うし、
なんかあれはマジですごい。
自分はちょうど、
その悪は存在しないを見るちょっと前に、
千葉雅也のセンスの哲学かな?
を読んで、
センスってリズムなんですよみたいなのがあって、
ホエーと思いながら読んでて、
自分はだいぶ意味変調人間だったんで、
リズムを楽しむのがセンスなんかみたいな、
なんとなく思って、
ですごいセンスっぽい役は存在しない、見てみようと思って、
めっちゃセンス映画じゃないですか、たぶん。
センス映画じゃないですか、
センス映画見てみようと思ったら、
あ、なんとなく言ってることがちょっとわかるかもっていう感じがして、
なんていうか、
それこそさっき言ってたぶつ切りとか、
なんか無駄に長回ししてる箇所とか、
あとなんかめっちゃ覚えてるのは、
保育園のシーンで車に入って、
車の中にたぶんカメラがあって、
その後ろ側が映ってて進んでいくシーンとか、
あ、なんか、
別に意味とかがあるんかないんか知らんけど、
こういうリズム、
なんか変なの入ってきたみたいなのが、
センスというか、
そういうことなのかなっていうのはなんとなく思いましたね。
映像としてなんか良かったんですよ。
最初はめっちゃ退屈やったんですけど、
意味人間なんで、
なんで乾くものにこんな時間かかったんだよ、
意味あんのかこれみたいな、
って思ってたんですけど、
なんかそれを楽し、
ちょっとは楽しめたかなって感じでしたね。
さっき言ったベルクマイサーハーモニーも、
結構悪は存在しない的な映画なのか。
そうですよね、なんかそれを感じました聞いてて。
そうそうそう、なんかね、
それの凄さってあるんだよな。
だから小説とかってもう言葉になっちゃってるから、
はいはいはい。
そうなんだよね。
イザカコートはやっぱり意味すぎるんだよな。
意味すぎますね。
意味すぎる。
そこが好きなんですけどね、自分は。
意味人間は多分ハマると思うんですけど、
ちょっと意味もういいかなっていう人は、
意味にケオされるというか、
過剰過剰ってなる可能性ちょっとありますよね。
なるほどな。
それ納得ですね。
あれはいいよね。
9マイルは遠すぎる。
そうそうそうそう。
読みましたよ私は。
そう9マイルな、読まなと思って読めてないですよね。
読まないとダメですよね、あれ読んだらね。
俺あれであの、
毒入りチョコレート事件の人だから。
ちゃんと真面目だから、
ちゃんとやってて。
いやすごい、ちゃんとディグる人ですね。
そうそうそう結構、
ちゃんとやってて。
毒入りチョコレート事件は、
さよなら神様でも近いの出てきたんで、
はいはいはいはい。
手作りチョコレート事件。
うんうんうんうん。
でも、古典読む方が絶対楽しめますよね。
うんうんうんうんうんうん。
結構引用ありますもんね。
あるあるある。
やっぱ今読むとね、古典の中でちょっと退屈な部分はあるけど、
それ踏まえてもやっぱこう、
お釣りが来るというか、
やっぱりそれがありきで今の作品でできてるから。
古典読まないと語れない作品はいっぱいありますよね。
いっぱいある。
いやー、やっぱ、
信頼できますね。
ありがとうございます。
なんかその、
ありがとうございます。
カルチャー人のくせにディグらない人とかね、いますもんね。
別にいいんですけど、
やっぱなんかディグってる人の方が、
あ、やっぱほんまに好きなんやなって感じが出ますよね。
あるよね、やっぱそこを、
ね、やっぱ。
そう、だから自分はあんまディグらない人間なんで、
自分だとそのカルチャー人間と思ってないんですけど、
だからちゃんとディグれる人ほんまにすごいなって思いますね。
うんうんうんうん。
まあやった方が楽しいんやろうなとも思いますけどね。
なかなかね、手が出ないですよね。
そうだね、時間かかったりとかあるし。
ミステリーだけでもどんどん新刊出るじゃないですか。
いや本当にそう、本当にそう。
追いつけへんなみたいな。
追いつけないね。
わからんわからんいっぱい積んでいる本が出てて。
生きてて。
積んじゃいますよね。
古典部か。
そうそうそう、アネザフォの部めっちゃ好きで。
うんうんうん。
何か一冊って言われるとね、難しいかもな。
ボトルネックとかどうですか?
ボトルネックは俺もう高校生の時なんだけど、
俺言うほどピンとこなかったんだよな。
すごい刺さってる人とか多いけど、
自分はなんか思ったほど。
自分はね、当時はやっぱさよなら妖精にやられたね。
へーなんで?
さよなら妖精は。
自分はさよなら妖精課題評価されてるなって思うんですけど。
あーほんと。
何が良かったですか?
なんかね、まずやっぱ古典部シリーズの
3作目か4作目のプロットとして作られて、
別の出版社から出たっていうのもあるんだけど、
だからある程度、自分のすごい好きな古典部と
結構作りというか、ある程度近いっていうのもあって、
でもあるけど、やっぱなんか、
1個はヒロイン死んじゃってるって結構すごいと思ったのはあるな。
高校生ぐらいの柔らかい関係からするとそのショッキングさ。
今思い返すやっぱあれがちゃんと社会に接続してるのもすごいなって思ったかな。
かなり社会派というかね。
そうそうそう。
なんかちょっとこう、正しい表現かわかんないけど、
ゼロ年代とかの90年代的な、世界系的なところあるのかなとか思う。
なんかそのヒロインが、
ヒロインか世界かではないけど、
そこと世界が接続してる感じとかがもしかしたら
刺さったのかもしれないなとは思うな。
自分は当時今よりも意味のいい人間だったんで、
ミステリーとしてはあんまグッとこなかったなっていうのが印象にあって。
正直そんな詳細覚えてないんですけど、
いやクトリアフカの方が絶対おもろいよなみたいな。
クトリアフカおもろい。
クトリアフカおもろいな。
そうですね、ちょっとクトリアフカおもろすぎてって感じでしたね。
意味人間の意味って、
それをちょっと深掘りたい気がして、
言っちゃあ構造じゃね?と思ったのよ。
構造だと思います。
だから構造に惹かれていることだと思うんだよね。
だってイサカとかもさ、別にラッシュライフとかでも
いろんな登場人物がいたり、
そこで出てくる描写とか、
固有名詞とかも結構あったと思うんだけど、
そこ自体意味はなかったりするんじゃない?
意味も突き詰めた時に、
作者がなんとなくそこに登場させたで止まっちゃう気がしてて、
意味人間の意味って何を指すんだろうなって気になって。
なんか技術とかかな?テクニック?
そういう意味で言うと、
一個一個のモチーフとかはあんまり広いてないかもしれないですね。
やっぱ意味って言うと、物語の中で伏線的に機能するっていうこと。
道具みたいな。
だから逆にそういう分析できる人とかはめっちゃ羨ましいし、
そういう人の解説とかいうものはめっちゃ好きですね。
ちょっとミステリーとはずれるんですけど、
カルテッドっていうドラマがめっちゃ好きで、
カルテッドのブログ、批評というか感想ブログみたいなのを書いてる、
ヒコさんっていう人がいるんですけど、
その人のブログの記事はめちゃくちゃ面白いですね。
モチーフとか、
ここでこれが出てるから今回こういう話で、
だからこそこういう展開になってみたいな話は、
すげーみたいな感じですね。
本当にやっぱテクニックの部分なんだなやっぱ。
ですね。
だからそこにそれを受け取れるようになりたいし、
受け取れたらもっと面白いんやろうなって思いますね。
ジャンプ編みたいな。
あーなるほどね。
なんかそれ言うと、
もっと映画とかで好きになるやついっぱいありそうな気する。
あると思います。でもその通ってなかっただけで、
だから見るっていうその習慣がないだけで、
見始めたら多分めっちゃ好きになると思いますね。
はいはいはいはいはい。
自分そのブログがラッシュライフで刺さったから、
ミステリーでそれを探すようになってきたんですけど。
なるほどなるほど。
まあ映画もだからちらほら見たりはしますけどね。
はいはいはい。
ノーランとか。
あーノーラン絶対好きでしょ。
そりゃすがく好きだろうな。
ノーランももともと知らんくて、
テネットやるときに大竜の友達と行こうってなったから、
プラでなんか予習して、
インセプション見るかって言ったら、
おもろすぎてインセプション。
おもろすぎるよな。
インセプションがおもろすぎるよな。
そっからノーラン好きになりましたね。
インセプションの。
テネット見てテネットおもろすぎて。
テネットおもろすぎるよな。
かるーって感じでしたね。
やっぱオシイマモロとか好きになりそうな気するんだけどな。
オシイマモロってなんか戦隊ものじゃない?
ガンダムとかそういう系の人?
一番有名なのは攻殻機動隊。
そうですよね。
攻殻機動隊とかは、
いやでもなー伏線とかではないんだよな。
でもあの人が、
映画撮った一作目が、
うるせえ奴らの劇場版なのよ。
一作目じゃないか。
でもすごく有名になったのが、
うるせえ奴らの2本目のビューティフルドリーマーっていうのがめっちゃ有名なんだけど、
あれは結構俺はやっぱすげーなってなる。
結構、原作の高橋隆子と喧嘩したっていうエピソードがあるぐらい。
実際はそうじゃないんだけど、
うるせえ奴らの世界観をフリにして、
結構批評的なことをやっている。
それめっちゃ面白そう。
で、ちゃんと映像としてもすごくかっこいいし、
うるせえ奴らなのに。
なんかいう日常系のギャグみたいな感じなんだけど、
それをフリにして、
おもろい。
それすごい気になる説もあるね。
かなり惹かれたし、
なんかハマりそうなのあるけどな。
シュタインズゲートとか好きじゃない?
見たことないです。
けど、潜っていくやつですよね?
違いましたっけ?
地下に潜っていくやつじゃなかったですか?
それではないな。
シュタインズゲートはタイムリープするやつ。
リープモノマンや。
話はよく聞きますけどね。
それで言うと、リープモノは結構好きで、
ヨーロッパ企画とかわかります?
リバー流れないでよとか、
あと泥捨ての果てで僕らっていうやつとか、
ちょうど大学の時に泥捨ての果てで僕らっていうのをやってて、
京都のミニシアターみたいなところでやってて、
撮影も京都でやってるんで、
すごい良かったですね。
自分の地元じゃないけど、
普段生活してるところが映画の舞台になってて、
そこでSFみたいな。
あれは生っていうかリアルタイムで見れて良かったですね。
タイムリープは、
プリデスピネーションとかって知ってます?
はい、わかります。
あれもおもろかったかな。
ああいうのだよな、菅谷くんの好み。
あれは良かった。
あと、めっちゃそういう構造ではないですけど、
最近見たやつで言うと、
公共選挙じゃなくて、
入国審査ってわかります?
見ました見ました私も。
入国審査はめっちゃ好きでした。
マジ?
なんか尋問じゃないけどさ、ずっと質問されてみたいな。
意外かも。
ですよね。
あれは、まず一番良かったのは、
ラストがめっちゃ好きです。
はいはいはい。
なんやかんやって、
最初は普通にスッと入国できると思ったら、色々尋問されて、
見てる側も二人の気持ちだってイライラするけど、
一個新たな事実が判明して、そっから変わっていくじゃないですか。
これラストどうなんだろうなって思って、
多分そうなるやろうなって思ってたんですけど、
あそこで終わるのがすっごい綺麗やなって思って。
なんて言ったらいいんやろうな。
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかみたいな。
そこからどうなっていくんやろって余韻もあるし。
はいはいはい。確かにそこは見る人に委ねられてるね。
あの二人が今後どうなるかっていうのは。
もうそれしかない終わりなんですけど、
それがすっごい綺麗で、
映画として完成されてるなっていうのをすごい感じましたね。
へー、そうかそうか。
だから途中別にある別構造とかじゃない。
でも言うとしたら途中で、
旦那のある事実がバレて展開が変わるっていう意味で言うと、
ちょっと構造味もある。
ちょっとミステリー的な要素もあるよね。
ラストがすごい好きでしたね。
ラスト綺麗なやつが好きですね。
インセプションとかも絶対忘れないラストじゃないですか。
かっこいいよね。
あれ好きすぎる。
あのラストってさ、厚すぎるよね。
ただで内容面白いのにさ、終わり綺麗すぎてさ、
いいもん見たなーみたいなさ。
そうなんですよ。あれは綺麗すぎる。
ラストが綺麗も結構自分の中では判断基準かもしれないです。
だから、箱舟とかもラストめっちゃ好きやし。
あと何かな。
ちょっとニュアンスは違いますけど、
マルタマッチルボワールも最後すごいオシャレな方がいい感じじゃないですか。
ラストが印象に残っている作品は結構好きになりがちかもしれないですね。
なるほどね。
しかも必ずしもハッピーエンドとか、分かりやすくチャンチャンとかじゃなくて、
ちょっとこう見る人次第では、
え、これ二人この後どうなるんだろうなとか。
なんかその構造的モヤモヤが残るのは嫌なんですけど、
人間ドラマでモヤモヤが残るのはいいって感じですね。
なるほどなるほど。
やっぱね、この世にはおもろい絵がいっぱいあるから。
俺今もうそのモードで生きてるから。
マジで、無限にあるんだよな。
ありますよね。
パルプフィクションとか見てみてほしいな。
名前はよく聞きますよね。見てみますパルプフィクション。
なんかそんな話としては、ちょっとそのサスペンス的な面白さもあるんだけど、
なんかあれはこう、結構コメディだと思ってて。
結構マフィアとかが出てくるから人死んだりもするんだけど、
なんかその訳わかんなさが気持ちよいし、
ラスト結構好きなんだよな。
ラストがいい映画はいい映画ですよね。
それこそ悪は存在しない。
ラストエグいし。
エグすぎる。
ラストエグいよな。
そこでなんか自分の感情というか心にピン止めされる感じがあります。
ラストで滑らない話の範囲をポンみたいな。
体の中にポンって押される感じがしますね。
いやーわかる。なんかその残り続けられるよね。
作品から託された感というかさ、
この後の物語はもうあなたの中で紡がれますよみたいな感じ。
受け取る感じ。
わかるー。