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【令和8年度診療報酬改定】残薬対策で処方箋様式を見直し|減らして調剤する指示が可能に
2026-09-08 05:24

【令和8年度診療報酬改定】残薬対策で処方箋様式を見直し|減らして調剤する指示が可能に

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令和8年度診療報酬改定は、残薬対策を推進するため、処方箋様式を見直します。現行の様式では、薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応として、「保険医療機関へ疑義照会した上で調剤」と「保険医療機関へ情報提供」の2つしか指示できません。そのため、残薬に応じて数量を減らして調剤する取扱いを、医療機関があらかじめ処方箋上で指示することができません。本稿では、個別改定項目Ⅳ-4-1④「残薬対策の推進に向けた処方箋様式の見直し」について、改定の内容と施行に向けた実務対応を解説します。

今回の見直しは、減らして調剤する取扱いを保険医療機関が事前に指示できるようにしたうえで、薬局に事後の報告を求める仕組みです。第1に、処方箋様式の備考欄に「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供する」という選択肢を追加します。第2に、留意事項通知の調剤報酬点数表に関する事項に、薬局が減量して調剤した場合は原則翌営業日までに保険医療機関へ情報提供することを規定します。第3に、同じく調剤報酬点数表に関する事項に、数量を減じて調剤した旨を手帳へ記載することを規定します。なお本稿では、以下「減量調剤」を、薬局が残薬に応じて調剤する数量を減らすことの意味で用います。

1. 見直しの背景:現行様式では減量調剤を事前に指示できない

見直しの背景には、現行の処方箋様式が持つ2つの制約があります。ひとつは指示できる対応の選択肢が限られている点であり、もうひとつは実際の利用が広がっていない点です。以下では、平成28年度改定で導入された仕組みと、その後の運用実態を順に確認します。

現行の仕組みは、平成28年度診療報酬改定で導入されました。この改定では、処方医と薬剤師が連携して残薬確認と残薬に伴う調剤数量の調整を実施できるよう、処方箋様式に「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」を記載する欄を設けました。この欄で指示できる対応は、「保険医療機関へ疑義照会した上で調剤」と「保険医療機関へ情報提供」の2つです。チェックがある場合、薬局は患者の残薬の有無を確認し、残薬が確認されればこのいずれかの対応を行います。

この2つの選択肢は、実際の運用では十分に活用されていません。令和2年度改定の結果検証に係る特別調査(令和3年度調査、薬局n=887)によると、令和3年6月の1か月間で、「疑義照会した上で調剤」のチェックがある処方箋の受付が0回だった薬局は41.7%でした。「情報提供」のチェックについても、0回だった薬局は47.9%です。いずれも無回答が2割超(22.3%、23.9%)含まれる全体に対する割合であり、無回答を除いた受付回数の中央値はどちらも0回でした。一方で、医療機関が備考欄に「残薬調整後報告可」と記載し、薬局との連携で残薬調整に取り組む事例も報告されています。

こうした運用の背景には、薬局側の負担があります。令和4年度改定の結果検証に係る特別調査(令和5年度調査、n=1,008)では、残薬調整での問題点として「患者が全ての薬剤を持参しない」を挙げた回答が53.3%、「患者の残薬を確認することに時間がかかる」を挙げた回答が62.3%でした。残薬確認そのものに手間がかかるうえ、確認後に疑義照会を行えば、薬局と医療機関の双方にさらに時間が生じます。中央社会保険医療協議会は、これらの状況を踏まえ、医師が事前に、薬局で残薬を確認した際の取扱いについて円滑に指示を行えるよう処方箋様式を見直すことを論点としました。

2. 改定内容①:備考欄に「減量した上で情報提供」の選択肢を追加する

改定内容の第1は、処方箋様式の備考欄への選択肢の追加です。追加されるのは、薬局が調剤する薬剤を減量したうえで、保険医療機関へ情報提供する対応です。この追加により、指示できる対応は従来の2つから3つに増えます。

追加される選択肢は、「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供する」ことを保険医療機関が指示できるようにするものです。この指示がある処方箋では、薬局は患家の残薬を確認したうえで、残薬に応じた数量で調剤し、その後に医療機関へ情報提供することになります。減量の可否についての判断は、処方箋を発行する時点で備考欄に示されます。したがって、調剤のたびに個別の照会を行わなくても数量調整ができる運用が想定されます。ただし、個別改定項目には疑義照会の要否そのものは明記されていません。実際の取扱いは、今後発出される通知等でご確認ください。

この選択肢の追加は、保険医療機関の指示を前提とする仕組みである点に注意が必要です。備考欄の指示は、処方箋ごとに記載するものであり、すべての処方箋で減量調剤が認められるわけではありません。この欄にチェックがない処方箋については、そもそも残薬確認時の対応についての指示がない状態となります。したがって医療機関は、どのような患者や薬剤についてこの指示を行うかを、院内で整理しておく必要があります。

3. 改定内容②:留意事項通知に薬局の報告と手帳記載を規定する

改定内容の第2は、留意事項通知への規定の追加です。規定されるのは、調剤報酬点数表に関する事項、すなわち薬局側の取扱いです。内容は、保険医療機関への情報提供と、手帳への記載の2つです。

第1の内容は、保険医療機関への情報提供です。薬局において薬剤を減量して調剤した場合、原則として翌営業日までに、保険医療機関へ情報を提供します。提供する内容は、患者の残薬の状況、その理由、実際に患者へ交付した薬剤の数量、患者への説明内容などです。この情報提供により、医師は次回の処方までに実際の交付量と残薬の背景を把握できます。

第2の内容は、手帳への記載です。薬局は、数量を減じて調剤した旨を手帳に記載します。手帳への記載は、患者本人や他の医療機関、他の薬局が調剤内容の変更を確認する手段になります。これらの2つの内容は、事前指示による減量調剤が薬局の判断のみで完結する仕組みではないことを示しています。

4. 実務対応:医療機関と薬局はそれぞれ運用ルールを整える

施行に向けた実務対応は、医療機関と薬局で内容が分かれます。医療機関は指示の出し方を整え、薬局は減量調剤後の報告体制を整えます。なお本章は、個別改定項目に記載された内容そのものではなく、改定内容から想定される準備事項を整理したものです。

医療機関が整えるのは、指示の出し方とシステム対応です。まず、電子カルテやレセプトコンピュータが出力する処方箋を、新しい様式へ更新する必要があります。次に、どの患者にどの選択肢を指示するかの判断基準を、院内で共有します。さらに、薬局から届く情報を、誰がどのように診療録へ反映するかを決めておきます。減量の情報が次回処方に反映されなければ、残薬対策の効果は限定的になるためです。

薬局が整えるのは、減量調剤の手順と報告体制です。まず、備考欄の指示を確認し、残薬の状況とその理由を聴取する手順を標準化します。次に、実際に交付した数量と患者への説明内容を記録し、翌営業日までに医療機関へ提供する様式を用意します。さらに、数量を減じた旨を手帳へ記載する運用を、日常業務に組み込みます。報告と記載が滞れば、医療機関との連携そのものが成立しません。

なお、様式の切替時期と経過措置は、今後発出される告示および通知でご確認ください。個別改定項目には、施行時期や経過措置に関する記載はありません。本稿の内容は、個別改定項目「④ 残薬対策の推進に向けた処方箋様式の見直し」と、中央社会保険医療協議会の資料「個別事項(その19)残薬対策」に基づく解説です。最終的な運用は、厚生労働省が発出する正式な告示、通知、事務連絡でご確認ください。

まとめ:事前指示と事後報告をセットで運用する

令和8年度診療報酬改定は、残薬対策の推進に向けて処方箋様式を見直します。処方箋様式の備考欄には、「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供する」という選択肢が追加されます。この指示を受けた薬局は、原則翌営業日までに、残薬の状況や実際の交付数量などを保険医療機関へ情報提供します。あわせて薬局は、数量を減じて調剤した旨を手帳へ記載します。医療機関と薬局は、事前指示と事後報告をセットで運用できるよう、施行までに院内・薬局内のルールとシステムを整えておきましょう。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、残薬対策を推進するため処方箋様式が見直されます。これにより、薬局が残薬に応じて薬剤を減量調剤する際、医師への事前疑義照会なしで対応できるよう、処方箋の備考欄に新たな選択肢が追加されます。この変更は、医師の事前指示と薬局からの事後報告を組み合わせることで、医療機関と薬局双方の業務効率化を図り、患者の待ち時間短縮にも繋がる重要なアップデートです。

残薬問題と既存制度の課題
えーと、今、日本全国の家庭の引き出しには、 まだ十分に使えるはずの残薬が大量に眠っていますよね?
えー、本当にものすごい量になりますよね。
これ、金額にすると莫大な無駄じゃないですか。 でも、実は国もこれをただ放置していたわけじゃなくて。
はい。
平成28年の段階で、すでに残薬調整の仕組み自体は作っていたんですよね?
そうなんですよ。制度としては存在していました。
なんですが、リスナーのあなたも驚くかもしれませんが、 なんと約4割強の薬局が月にゼロ回しかその仕組みを使っていないんです。
えーと、全く活用されていないということですね?
はい。なぜか、実はたった一本の電話が原因なんです。
ということで、この深掘り分析では、 令和8年度診療報酬改定における残薬対策にフォーカスします。
はい、重要なテーマですね。
処方箋の小さな見直しが、情報型でパンク寸前の医療現場をどう効率化するのか。
そして、あなたが次に薬局へ行く時の待ち時間がどう変わるのか。
さて、これを紐解いていきましょう。
よろしくお願いします。
残薬調整が進まない構造的要因
先ほどの月にゼロ回という数字なんですけど、 背景を見ると非常に構造的な問題が浮かび上がってくるんです。
データ上は、患者さんの53.3%が全ての薬を持参していないとか。
ああ、半分以上ですね。
はい。それに、62.3%の薬局が確認自体に時間がかかると答えています。
現場の負担が大きいわけですね。
そうなんです。ただ、最大のボトルネックは、 あなたが言ったあの1本の電話、つまり医師への事前の技術紹介なんですよね。
ああ、やっぱり事前の問い合わせですか。 これって要するに現場の作業を完全にフリーズさせちゃいますよね。
ええ、まさにその通りです。
医師が診察の真っ最中なのに、手を止めて電話に出なきゃいけないじゃないですか。
はい、お互いにすごくストレスですよね。
…となって、結果として30分以上も業務がストップしてしまうという。
ええ。
これって、あのファストパスみたいなものを作ったのに、 結局窓口で長電話が必要になっているような状態ですよね。
スーパーのレジ待ちをなくすためにセルフレジを導入したのに。
はいはい。
商品を一つスキャンするたびに店長を呼んで、 IDカードを読み込ませないと会計が進まないみたいな。
そのたとえ現在の課題をすごく的確に表していますね。
いくらシステムを作っても、実行のたびに事前の許可が必要だと、 結局現場は回らなくなるんです。
ですよね。
処方箋様式見直し:減量調剤の新選択肢
そこで今回、その事前の長電話、 つまりボトルネックを排除するために登場した解決策があるんです。
あ、新しい仕組みですね。
初歩線の備考欄に、第3の選択肢が追加されることになりました。
第3の選択肢、具体的にはどんな内容なんですか?
えーと、調剤する薬剤を減量した上で、 保健医療機関に情報提供するという項目ですね。
なるほど。
これにより、事前紹介なしでの減量調剤が可能になります。
安全性確保の仕組み:事前指示と事後報告
待ってください。 それって事前の確認なしで薬剤師さんが薬師を減らしていいってことですか?
はい、そういうことになります。
それってちょっとリスクはないんですか?
もし、患者さんの新しい症状に合わせて、 医師が意図的にその量を出していたとしたら?
あー、確かにそう思いますよね。
え、医師の直接的な監視をスキップしてしまうのは、 少し不安に感じるというか。
非常に重要な視点です。
ここで興味深いのは、これが勝手に減らしていいという 無法事態になるわけではないということなんですよ。
と言いますと?
まず大前提として、医師が処方箋の段階で、 あらかじめこの第3の選択肢にチェックを入れるんです。
あ、チェックを?
ええ。それによって、事前包括的に権限を渡す形になります。
さらに安全性を担保する最大のメカニズムが、自己報告なんです。
事前じゃなくて、自己報告なんですね?
そうです。権限を渡す代わりに、原則翌営業日までの報告と お薬手帳への記載という自己報告が義務化されるんです。
なるほど。それなら、医師も後からしっかり確認できるわけですね?
実務対応と今後の展望
ええ。これを全体像と結びつけて考えると、 自己報告をスムーズに行うためには、
事前にしっかりとした準備が必要になります。
準備…ですか?
はい。医療機関と薬局が事前にシステムや対象患者の ルールを整備しておくことが、成功の鍵になるんです。
ああ、現場で素早く判断できる分、 裏側のインフラ作りが重要になるわけですね?
はい。まさにその通りです。
リシナーのあなたにとっても、これはただのお借り制度の話ではないんですよね?
あなたやご家族が薬局を利用する際の、 あの長い待ち時間が短縮されるという…
ええ、すごく大きなメリットですよね。
はい。よりスムーズな医療体験に直結する重要なアップデートなんです。
本当にそうですね。医療の安全性を守りつつ効率化を進める、 非常に現実的な仕組みだと思います。
ええ。医師の事前指示によって、薬剤師が現場の判断で 数量を調整できるようになった今、
最後にあなたにも考えてみてほしいんです。
はい。
私たちの身近な医療体験において、 次に効率化のために現場へ権限移情されるのは、
一体どのような判断なのでしょうか?
興味深い問いですね。
ええ、今後の医療現場の変化からますます目が離せませんね。
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