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【令和8年度改定】認知療法・認知行動療法の見直し3つのポイント
2026-07-30 06:16

【令和8年度改定】認知療法・認知行動療法の見直し3つのポイント

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令和8年度診療報酬改定は、質の高い精神医療を推進する観点から、認知療法・認知行動療法の要件と評価を見直しました。見直しの背景には、医師及び看護師が共同して行う場合の算定実績が伸び悩んだ事実があります。この類型は毎回の看護師面接後に医師の面接を求めており、届出医療機関数は令和6年8月1日時点で7施設、算定件数は令和6年8月審査分で12件にとどまりました(中央社会保険医療協議会「個別事項について(その13)精神医療②」による。算定件数は1か月分の数値です)。本稿は、今回の見直しを3つのポイントに整理し、医療機関が届出と算定の準備を進める際の判断材料を示します。

今回の見直しは、多職種による実施を後押しする方向で、算定要件・施設基準・対象手法の3点を変更しました。第1のポイントは、医師及び看護師が共同して行う場合について、毎回医師が患者と5分以上面接する要件を廃止した点です。第2のポイントは、公認心理師による心理支援を伴う場合を330点で新設した点です。第3のポイントは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知処理療法を新たに評価の対象に加えた点です。

1.医師及び看護師が共同して行う場合の要件緩和

医師及び看護師が共同して行う場合(350点)の見直しは、毎回の医師面接の廃止、面接録音の廃止、看護師の経験要件の緩和という3点で構成されます。いずれも、看護師が中心となって一連の治療を担いやすくするための緩和です。点数そのものは350点で据え置かれました。対象患者も変更されず、入院中の患者以外のうつ病等の気分障害の患者に限られます。

毎回の医師面接を求める要件は廃止されました。現行の留意事項通知は、看護師による30分を超える面接の後に、当該療法に習熟した医師が5分以上の面接を行うことを算定の条件としています。改定後は、この5分以上の面接を求める記載が削除され、看護師により30分を超える面接が行われた場合に算定できます。ただし、初回時と治療終了時を予定する回の面接は、引き続き専任の医師が実施し、専任の看護師が同席する必要があります。

面接内容の録音を求める要件も廃止されました。現行の要件は、看護師が面接を実施する場合に、患者の同意を得た上で内容を録音し、専任の医師がその内容を指示又は指導の参考とすることを求めています。改定後は、この録音に関する規定が削除されます。日々の運用における記録作業の負担は、この削除によって軽くなります。

看護師の経験要件は、水準を下げる方向で緩和されました。現行の施設基準は、認知療法・認知行動療法1の届出医療機関の外来に2年以上勤務し、面接に120回以上同席した経験を求めています。改定後の同席回数は60回以上に緩和されます。自ら実施した実績の要件も、10症例120回以上から5症例60回以上に緩和され、あわせて面接を録画・録音して医師又は研修講師の確認と指導を受ける要件が削除されます。一方で、対象となる看護師は「専任の看護師」から「専任の常勤看護師」に改められる点に注意が必要です。

2.公認心理師による心理支援を伴う場合の新設

公認心理師による心理支援を伴う場合は、「3」として330点で新設されました。医療機関が押さえるべき内容は、算定要件、施設基準、「2」との共通ルールの3点です。新設の根拠には、認知行動療法的アプローチを用いた専門的な心理支援が、基本的な心理支援よりも短期間で患者の状態を改善したとする中央社会保険医療協議会の提出データがあります。

算定要件は、医師の関与と実施者の勤務経験を軸に定められました。算定の前提として、認知療法・認知行動療法に習熟した医師が一連の治療に関する計画を作成し、患者に説明を行います。その上で医師が必要と判断した場合に、公認心理師が計画に基づく30分を超える面接を実施したときに算定できます。実施する公認心理師は、認知療法・認知行動療法を実施している保険医療機関において週1日以上常態として勤務し、かつ所定労働時間が週22時間以上の勤務を2年以上行った経験のある専任の者に限られます。複数の実施医療機関で勤務する場合は、それらの勤務を合算して判断します。算定回数の上限は、他の類型と同じく一連の治療につき16回です。

施設基準は、認知療法・認知行動療法1の基準に加えて、公認心理師の配置と経験を求めます。配置要件は、当該保険医療機関内に専任の常勤公認心理師を1名以上勤務させることです。経験要件は2つあり、1つは認知療法・認知行動療法1の届出医療機関の外来に2年以上勤務し、面接に60回以上同席した経験です。もう1つは、うつ病等の気分障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は神経性過食症の患者に対して、認知行動療法的アプローチに基づく心理支援に係る面接を過去に5症例60回以上実施した経験です。さらに研修の修了も要件となり、その研修は、国・関係学会・医療関係団体等が主催して修了証が交付されること、認知行動療法の基本的技能に係る内容を含む2日以上のものであること、厚生労働省の「認知行動療法研修事業」でスーパーバイザーを経験した者が講師に含まれることの3つを満たす必要があります。

運用ルールは、「2」と「3」で共通に整理されました。初回時と治療終了時を予定する回の面接は、専任の医師が実施し、専任の看護師又は公認心理師が同席します。初回から治療を終了するまでの間の面接は、初回時に同席した看護師又は公認心理師が実施します。点数の扱いも共通で、「1」「2」「3」は一連の治療において同一の点数を算定します。この取扱いは、現行の「1」及び「2」に関する規定に「3」を加えたものです。例外として、医師と看護師又は公認心理師が同席して30分以上の面接を行った日に限り、「1」の480点を算定できます。

3.PTSDに対する認知処理療法の追加

心的外傷後ストレス障害に対する認知療法・認知行動療法では、認知処理療法を用いた場合が新たに評価されます。この見直しは、算定の際に準拠すべきマニュアルの選択肢を広げるものです。点数や算定回数の変更はありません。

準拠すべきマニュアルには、認知処理療法実施マニュアルが追加されました。現行の留意事項通知は、厚生労働科学研究班作成の「PTSD(心的外傷後ストレス障害)の認知行動療法マニュアル〔持続エクスポージャー療法/PE療法〕」に従って行った場合に限り算定できると定めています。改定後は、これに加えて、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター研究班作成の「認知処理療法実施マニュアル」に従った場合も算定できます。PTSD患者への治療選択肢は、この追加によって診療報酬上も広がります。

まとめ:多職種で担う体制づくりが算定の前提になる

令和8年度改定は、認知療法・認知行動療法を多職種で提供しやすくする方向で3点を見直しました。第1に、医師及び看護師が共同して行う場合は、毎回の医師面接と面接録音の要件が廃止され、看護師の経験要件も緩和されます。第2に、公認心理師による心理支援を伴う場合が330点で新設され、専任の常勤公認心理師の配置と経験・研修の要件が定められます。第3に、PTSDに対する認知処理療法が新たに評価の対象となります。届出を検討する医療機関は、看護師と公認心理師の勤務形態、同席と実施の経験回数、研修修了証の有無を早めに確認してください。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、厳しすぎる要件により普及が滞っていた認知療法・認知行動療法が見直されました。医師と看護師が共同で行う場合の医師面接や録音の義務が廃止され、看護師の経験要件も緩和。また、公認心理師による心理支援の新たな枠が設けられ、PTSD治療には認知処理療法が追加されることで、多職種連携による質の高い精神医療の推進と患者へのアクセス向上が期待されます。

認知行動療法普及の課題と令和8年度改定の背景
あのちょっと想像してみて欲しいんですけれどもはい何でしょう 渋滞を解消するために作られた真新しい複数車線のハイウェイがあるとしてでも入り口の料金所が一つしか空いていない
いなくてしかも係員が全員の身分証をこう虫眼鏡で手作業で確認しているとしたらどう思いますか いやーそれは完全にボトルネックですよね
インフラが整っているのに誰も前に進めない状態です まさにそれなんですよ実はこれが日本の精神医療における
えっと認知療法とか認知行動療法の現場で起きていたことなんです なるほど今日深掘りしていく
令和8年度の新業報酬改定の資料によるとですね 令和6年8月時点で医師と看護師が共同して行った算定の実績って
なんと全国でたったの12件だったんです 全国で12件ですかそれは驚きですね
なので今日はこの機能不全に陥っていたシステムをどう解消するのか その全貌を一緒に整理していきましょう
医師・看護師共同実施要件の緩和
そもそもなぜこれほど実績が少なかったんでしょうか はい根本的な原因はですね現場の首を絞める
まあ厳しすぎる要件にあったんです厳しすぎる要件ですか 例えばこれまで看護師が患者さんと面接するたびに直後に医師が必ず5分以上面接し
なきゃいけなかったんです したもその内容を毎回録音する必要がありました
毎回録音ですかそれはちょっと異常なハードルですよね そうなんです
さらに看護師側にも120回もの同席経験が求められていまして いやーそれはきつい
つまり優秀な現場スタッフに対する過剰なマイクロマネジメントをやめて事務作業 よりを目の前の患者に集中できるシステムに変える必要があったということですよね
その通りですここを深掘りしていくと今回の改定がいかにチーム医療を推進しようと しているかが見えてきます
なるほど実際今回の改定で毎回の医師の5分面接も録音も廃止されましたし 同席要件も120回から60回へと半減したんです
だいぶスッキリしましたねえー 初回と最終回だけ医師が同席すれば上近1000人の看護師が治療を一貫して主導できる
ようになったわけです 現場の足風を外したことでクリニック側もようやく息がつけるようになったと
でもここで一つ疑問なんですけどはい何でしょう 看護師が動きやすくなったのはわかるんですが今回の改定では新たに公認心理師による支援枠も作られていますよね
公認心理師による心理支援枠の新設
そうですね330点という新しい枠が新設されました 手続きをシンプルにしてボトルネックを解消したいならわざわざ別の枠を作って制度を複雑にするのってちょっと矛盾していませんか
あー鋭い視点ですね一見するとそう見えるかもしれません でも実はこれ他職種それぞれの強みを最前限に引き出すための戦略なんです
強みですか 看護師は患者さんの身体的なケアとメンタルヘルスをこう統合してみることに長けていますよね
確かにそうですね一方で公認心理師は複雑に絡み合った認知の歪みを紐解いてより深い 心理的介入を行う特別な訓練を受けているわけです
データでも彼らのアプローチの有効性が証明されていますし あーなるほど役割が違うからこそ心理のプロフェッショナルによる高度な介入を正当に評価して別枠を作ったんですね
そういうことですしかも面白いのが公認心理師には厳しい研修要件を課しつつも 初回と最終回は医師が同席するという運用ルール自体は看護師の枠と共通化させているんですよ
へー つまり強みは生かしつつもチーム全体が同じルールで足並みを揃えて動けるように設計されているって
ことですねまさにその通りです チームの層が厚くなることで提供できる治療の選択肢も広がりますからね
選択肢といえば資料の中にptsd心的外傷後ストレス障害の治療手法についてのアップデートもありましたよね これも担い手が増えたことと関係しているんでしょうか
大いに関係していますねこれまでの算定対象は主に pe 療法という手法に限られていたんです
PTSD治療における認知処理療法の追加
pe 療法というのはどういうものですか 患者さんがトラウマの記憶に直接向き合うことで慣れを促す治療法です
非常に効果的ですが痛みを伴う記憶を再体験するため 精神的な負担が大きいケースもありまして確かにそれはかなり辛そうです
そこで今回新たに認知処理療法つまり cpt が追加されたんですね はいその通りです
cpt はトラウマそのものを無理に思い出すのではなく トラウマ体験によって自分の考え方とか世界の見方がどう歪んでしまったかという認知の
部分に焦点を当てるんです なるほど辛い記憶を直接思い出すのが困難な患者さんには考え方という別の角度から
アプローチできる手札が増えたとこれは患者さんにとってすごく大きな変化ですね 本当にそうです
医療機関にとってもこの多色種チーム体制をいかに早く構築できるかが今後の算定の 鍵になってくるでしょうね
いやー全体像が見えてきました これをお聞きのあなたがもしご自身やご家族のメンタルヘルスケアを必要としたとき
何ヶ月も医師の診察を待って疲弊するのではなく 経験豊富な看護師や公認心理師から症状に合わせた最適なケアをスピーディーに受け
やすくなるということですね ようやく塞がっていた料金所のレーンがすべて開いたわけです
多職種連携による精神医療の未来と問い
本当にその通りですねより多くの人が救われる体制が整ってきたと言えます ただ最後に今回の資料には書かれていないんですがあなたに考えてみて欲しい問いが
あります 医療従事者の負担軽減と効率化が進むことでスピーディーなケアが実現します
でもこの効率化されたシステムは患者と治療者が時間をかけて泥臭く築き上げる 人間的な信頼関係の形に今後どのような未知の変化をもたらすのでしょうか
なるほど深いテーマですね 効率と人間性のバランスについて少しだけ想像してみていただければと思います
今回はここまでです
06:16

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