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2026-01-13 05:21

近視進行抑制薬が薬事承認|処方時の検査評価を中医協が検討

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令和8年1月9日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会において、近視進行抑制薬の処方に係る検査の評価が議題となりました。令和6年12月に薬事承認された「近視の進行抑制」を効能・効果とするアトロピン硫酸塩水和物(リジュセアミニ点眼液)について、処方時に必要な検査の診療報酬上の取り扱いが検討されています。

中医協では、関係学会のガイドラインを踏まえた検査評価の在り方が論点として示されました。近視進行抑制薬による治療開始時および治療中には屈折検査等の実施が推奨されており、これらの検査に対する適切な評価が求められています。本稿では、近視進行抑制薬の概要、学会指針に基づく検査手順、そして今後の診療報酬上の対応について解説します。

近視進行抑制薬の概要と選定療養への追加

令和6年12月27日、「近視の進行抑制」を効能・効果とする医薬品が薬事承認されました。この医薬品は一般名をアトロピン硫酸塩水和物といい、販売名は「リジュセアミニ点眼液0.025%」です。用法・用量は1回1滴、1日1回就寝前の点眼となっています。

この薬剤の有効性は国内第Ⅱ/Ⅲ相試験で確認されています。試験では5歳から15歳の近視患者299例を対象に、無作為化二重遮蔽並行群間比較が実施されました。投与24ヵ月後における調節麻痺下の他覚的等価球面度数の変化量について、本剤群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な差が認められ、優越性が検証されました。本剤群の変化量は-1.006D、プラセボ群は-1.643Dであり、群間差は0.637D(p<0.0001)でした。

近視進行抑制薬は現在、薬価収載されていません。このため、令和8年度診療報酬改定に向けた選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集において、同薬の選定療養への追加に係る提案がありました。選定療養として追加されれば、近視の診断等の保険診療と、近視進行抑制薬の処方を同時に行うことが可能となります。

学会指針に基づく検査の実施手順

関係学会の治療指針では、近視進行抑制薬による治療開始時および治療中に屈折検査等を行うことが推奨されています。この指針は「低濃度アトロピン点眼液を用いた近視進行抑制治療の治療指針」として、日本眼科学会雑誌に掲載されています。

診断・治療開始時の検査は以下の手順で実施します。初診時に屈折検査を行い、近視の有無を確認します。小児は調節力が強いため、調節の介入を適切に取り除いて近視を診断する必要があります。屈折検査は調節麻痺下で行うことが望ましいとされています。調節麻痺下屈折検査は、シクロペントラート塩酸塩(サイプレジン1%点眼液)を10分おきに2回点眼し、初回点眼から45~60分後に自動レフラクトメータで実施します。また、弱視を除外するために、年齢相応の視力発達を確認することも求められます。

治療中の検査は定期的に実施します。初回処方の1週~1か月後を目安に来院させ、点眼の遵守状況と安全性を確認します。それ以降は3~6か月ごとに定期観察を設定し、近視の進行状況と安全性を確認します。近視進行状況の確認には、調節の介入を適切に取り除いた屈折検査を定期的に行います。調節麻痺下検査を実施する場合は、1年に1度の頻度が目安とされています。

関連する検査の診療報酬点数

近視進行抑制薬の処方に関連する主な検査には、屈折検査と矯正視力検査があります。これらの検査は現行の診療報酬点数表に規定されています。

屈折検査(D261)は、6歳未満の場合と6歳以上の場合でそれぞれ69点が算定されます。近視進行抑制薬の対象となる5歳から15歳の小児に対しては、この屈折検査が治療開始時および治療中に必要となります。

矯正視力検査(D263)は、眼鏡処方箋の交付を行う場合とそれ以外の場合でそれぞれ69点です。近視の診断や治療効果の確認において、視力検査は基本的な検査項目として位置づけられています。

今後の検討課題

中医協では、近視進行抑制薬の処方に係る検査に対する適切な評価が論点として示されました。具体的には、関係学会のガイドライン等を踏まえ、検査に対する診療報酬上の評価をどのように設定するかが検討課題となっています。

この検討の背景には、近視進行抑制薬が選定療養として追加される見込みがあります。選定療養となった場合、保険診療である検査と、保険外診療である薬剤処方を組み合わせることが可能となります。そのため、治療に必要な検査の保険適用範囲を明確にすることが求められています。

令和8年度診療報酬改定に向けて、近視進行抑制薬の処方に必要な検査の評価は引き続き議論される予定です。裸眼視力1.0未満の小中学生の割合が年々増加するなか、近視進行抑制治療へのアクセス確保と適切な医療提供体制の整備が期待されます。

まとめ

中医協総会(第640回)では、近視進行抑制薬の処方に係る検査の評価が議論されました。令和6年12月に薬事承認されたアトロピン硫酸塩水和物は、選定療養への追加が検討されています。関係学会の指針では治療開始時および治療中に屈折検査等の実施が推奨されており、これらの検査に対する適切な診療報酬評価が今後の検討課題です。令和8年度改定に向けて、小児近視治療における保険診療と選定療養の組み合わせが整備されることが見込まれます。



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サマリー

日本で承認された画期的な近視進行抑制薬リジュセアミニが、子どもたちの視力保護に新たな可能性をもたらしています。しかし、保険適用の見通しが立たず、今後の治療体制の構築が重要な課題とされています。

新しい近視進行抑制薬の登場
もし、あなたのお子さんの近視の進行を、一日一滴の目薬で抑えられるとしたら、試してみたいと思いませんか?
うんうん。
実はですね、そんな画期的な薬が最近日本で承認されたんです。
えぇー。
でもここからが本題でして、効果は証明されたのに、まだ保険が効かない。
今回は、この新しい目薬をどうやって患者さんに届けるか、今まさに国の中枢で議論されている、そのルールの裏側に迫っていこうと思います。
へぇー。
しかもこの問題も、もうなんというか、個人の視力の問題というレベルじゃないんですよね。
ほう。
今やもうスマホとかタブレットが当たり前で、国の調査だと、小学生の3人に1人以上が裸視力1.0未満なんです。
3人に1人ですか?
はい。これはもう社会的な課題でして、だからこそ国も、ただの新しい目薬としてじゃなく、医療制度の枠組みでどう扱うべきか、真剣に議論しているわけです。
なるほど、社会的な課題。
そのきっかけになった画期的な薬、名前はリジュセアミニテンガン薬。これ一体何がそんなにすごいんですか?
はい。まず、5歳から15歳の子供向けで、寝る前に1滴指すだけ?っていう手軽さも一つあるんですが。
えぇー。
何より、臨床試験の結果が決定的だったんです。逆薬、プラセボですね。それを使ったグループと比べると、2年間ではっきりと菌糸の進行が緩やかになったと。
数字で見るとどれくらい違うものなんですか?
はい。逆薬グループの進行度が-1.643Dだったのに対して、この薬を使ったグループは-1.006D。これは統計的にもはっきりと効果が証明された、日本で初めての薬なんですよ。
それは親御さんにとっては心強いですね。でもそれだけ効果があるなら、どうしてすぐに保険適用にならないんでしょうか?
そこが少し複雑なところでして、薬は承認されたものの、まだ公的な価格、つまり薬価が決まっていないんです。
ああ、なるほど。
そこで、選定療養という、ちょっと特別な仕組みを使おうという話が出てきています。
選定療養ですか。すみません、初めて聞きました。
いえいえ。簡単に言うとですね、保険が効く診療と効かない診療を組み合わせる制度です。
組み合わせる?
はい。今回のケースで言えば、禁止の診察とか必要な検査、これは保険診療です。
でも新しい目薬そのものは、まだ価格がないので、自由診療、この2つを一緒に受けられるようにしようということなんです。
なるほど。つまり、薬代は自分で全額払うけど、病院での診察とか検査にはちゃんと保険が使える、そういうことですか?
おっしゃる通りです。まさにその通りで。
で、今、中医協という会議で議論されているのは、その保険が使える検査をどういうルールにするか、というそこの部分なんです。
その検査っていうのは、例えば学校でやるような、あの輪っかの切れ目を答える視力検査とはまた違うんですか?
ああ、いい質問ですね。実はそれだけだとちょっと不十分でして、
子供って目のピントを合わせる調節力が非常に強いので、正確な度数を測るには、特殊な目薬で目の緊張を一時的にほぐす、調節麻痺覚説検査っていう、もっと精密な検査が望ましいとされています。
へー、そんな検査があるんですね。じゃあ、治療を始めた後も定期的に通う必要があると。
そうなんです。まず治療開始から1ヶ月以内に副作用がないかなどをチェックして、その後も3ヶ月から半年に一度は進行具合を確認します。
なるほど。
そして年に1回はまたその精密な検査をするのが目安ですね。ただ、薬を渡して終わりというわけにはなかなかいかないんです。
きちんと管理しながら治療を進めていくと。この一連のルール作りが、子どもの禁止という社会課題へのアプローチのまあ第一歩になるわけですね。
まさに有効な治療へのアクセスをどう確保して、誰もが適切に治療を受けられる体制をどう作るか。
治療体制の課題
これはもう国の医療制度の設計そのものに関わる非常に重要な議論なんです。
なるほど、よくわかりました。では今回の話を一度整理しますと、まず子どもの禁止進行を抑えるリジュセアミニという画期的な新薬が登場した。
ただ、まだ保険適用ではないので、先定療養という仕組みを使って、薬代は自己負担、検査は保険という形で治療が受けられるようになりそうだと。
そうですね。
そして今そのための詳しいルール作りが大詰めを迎えているということですね。
はい、完璧なまとめです。ありがとうございます。最後にですね、あなたに一つちょっと考えてみてほしいことがあるんです。
はい。
今回は進行を抑えるっていう治療法がテーマでしたけど、この新しい選択肢は私たちにもっと根本的な問いを投げかけていると思うんです。
それは、そもそもなぜ現代社会でこれほどまでに子どもの禁止が増えているのかということ。
この原因に私たち社会としてどう向き合っていくべきなのか、ぜひあなた自身の考えを深めてみていただけたらと思います。
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