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2025-08-07 08:21

miiboマルチエージェントで実現する業務革新〜専門特化型AIチーム構築の実践ガイド

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2025年8月5日に開催されたAIエージェント構築セミナー第21弾では、単体AIの限界を突破するマルチエージェント技術の実用化について解説されました。miibo Agent Hubを活用することで、複数のAIエージェントが役割分担しながら協働する「専門特化型AIチーム」をノーコードで構築できるようになりました。本セミナーでは、カスタマーサポートの実例を通じて、マルチエージェントの構築から運用までの実践的なノウハウが紹介されました。

セミナーの前半では、株式会社miibo代表の功刀氏がマルチエージェントの必要性と仕組みを説明しました。後半では、miiboパートナーである株式会社こころみの森山氏が、実際のカスタマーサポート業務での活用事例をデモンストレーションで示しました。参加者からは、エージェントの最適な数や業務への組み込み方法について活発な質問が寄せられ、マルチエージェント技術への高い関心が示されました。

単体AIの限界とマルチエージェントが解決する課題

単体のAIによる業務改善には、構造的な限界があることが明らかになってきました。ChatGPTで業務改善を試みても期待した効果が得られない、RAG検索の精度が低い、データ分析AIの結果が信頼できないといった課題が頻発しています。これらの問題の根本原因は、単体のAIでは複雑な業務プロセスに対応しきれないことにあります。

マルチエージェントは、複数のAIエージェントが役割分担することで、これらの課題を解決します。例えば、お問い合わせ対応では、FAQ検索を担当するAI、ログ解析を行うAI、感情分析を行うAI、回答作成を行うAIがそれぞれ専門的な処理を担当します。各エージェントが得意分野に特化することで、単体AIでは実現できなかった高精度な応答が可能になります。

技術的な進化も、マルチエージェントの実用化を後押ししています。リーズニングモデルをはじめとするLLMの進化、GoogleのAgent-to-Agent(A2A)プロトコル、Anthropic社のModel Context Protocol(MCP)などの技術により、AIエージェント同士の連携が現実的になりました。miiboは既にMCPに対応しており、今後A2Aプロトコルにも準拠する予定です。

miibo Agent Hubの機能と操作方法

miibo Agent Hubは、作成したAIエージェントを管理し、グループ化して協働させるプラットフォームです。エージェントの作成から、グループの組成、実行まで、すべてノーコードで実現できます。画面上でエージェントを選択し、グループの目的とプロセスを自然言語で記述するだけで、マルチエージェントシステムが構築できます。

汎用的なエージェントは、あらかじめテンプレートとして用意されています。Web検索エージェント、推論モデル、批判特化エージェントなど、特定の役割に特化したエージェントをインストールして、すぐに利用開始できます。これらのエージェントを組み合わせることで、様々な業務に対応するチームを構築できます。

作成したエージェントグループは、テンプレート化して再利用できます。また、API経由でのアクセスも可能で、業務システムとの連携や自動化が実現できます。バックグラウンド実行機能により、画面を開かなくても裏側で処理を進めることも可能です。

4つの実用ユースケースと活用事例

マルチエージェントの実用的なユースケースとして、4つの領域が特に有効であることが示されました。第一に、ナレッジ検索では、推論エージェントがクエリを生成し、検索用エージェントが検索を行い、最終的に推論エージェントが回答を生成するという役割分担により、単体AIの1回のやり取りでは引き出せない情報を多角的に取得できます。

第二に、データ分析では、分析の設計をするAI、データを取得するAI、ビジネス解釈AI、レポート執筆AIなど、複数の役割を持つAIを組み合わせることで、多角的な分析が可能になります。miibo社では実際に、社内向けの分析レポートや新聞を自動生成しており、大きな成果を上げています。

第三に、議論のユースケースでは、CEO、CFO、CMO、CTOを模したAIエージェントが経営会議をシミュレーションします。異なる視点を持つAIエージェント同士が議論することで、単一の視点では得られない深い洞察が得られます。

第四に、ワークフローの自動化では、従来のツリー状のワークフローと異なり、自然言語で柔軟な指示を出せるため、例外処理や変更に強いワークフローを構築できます。プロセスを自然言語で定義し、完了条件と制約条件を記述するだけで、柔軟なワークフローが実現できます。

カスタマーサポートでの実践的な構築方法

専門特化型AIチームの構築には、4つの主要なステップがあります。第一に、必要となる情報ソースを特定します。カスタマーサポートの例では、マニュアル・FAQ、ユーザーステータス、操作ログ、問い合わせ履歴、購入履歴などが必要になります。

第二に、判断事項を検討します。論理的な解決(正確な情報提供)、共感的な解決(感情への対応)、コンプライアンス遵守など、複数の観点から判断基準を設定します。これらの観点を一つのAIに詰め込むのではなく、それぞれ専門のAIに担当させることが重要です。

第三に、必要なエージェントを定義します。カスタマーサポートの例では、問い合わせ理解・FAQ検索AI、ログ解析AI、問い合わせ履歴把握・感情分析AI、回答案作成・エスカレーション判断AIの4体を組み合わせました。各エージェントには、目的、主な役割、チェックすべき観点を明確に指示するプロンプトを設定します。

第四に、チームとして組成します。miibo Agent Hubで各エージェントを選択し、グループの目的とプロセスを自然言語で記述します。実際のデモでは、「ログインできません。何度も試してたらロックされました」という問い合わせに対して、4体のエージェントが連携して適切な回答案を作成する様子が示されました。

まとめ

マルチエージェント技術は、単体AIの限界を突破し、複雑な業務課題を解決する実用的なソリューションとして確立されつつあります。miibo Agent Hubを活用することで、プログラミング不要で専門特化型AIチームを構築でき、カスタマーサポート、データ分析、経営会議シミュレーション、ワークフロー自動化など、様々な業務に適用できます。エージェントの最適な数は3〜4体程度で、多すぎると会話がまとまらなくなることも明らかになりました。今後、マルチエージェント技術の普及により、AIと人間、そしてAI同士が協働する新しい業務の形が実現していくことが期待されます。



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サマリー

今回のエピソードでは、マルチエージェントによる業務革新と専門特化型AIチームの構築について解説されています。特に、miiboエージェントハブを用いたAIチームの編成方法や、その活用事例に焦点が当てられ、さまざまな業務における効率化と質の向上の可能性が探られています。

マルチエージェントの概念
さて、今日の資料は、AIエージェント構築セミナーの抜粋ですね。
単体のAIが、例えばチャットGPTみたいなもので、業務改善しようと思っても、なかなか期待通りにはいかないっていう、そういう課題感からスタートしてるみたいですね。
そうなんです。一つのAIにあれもこれもってなると、やっぱりどうしても限界があるよね、という認識が広がってきています。
そこで注目されているのが、複数のAIがチームを組む、マルチエージェントという考え方なんですね。
なるほど。AIにもチームプレイが必要になってきたと。この資料だと、miiboエージェントハブっていうツールを使えば、プログラミングとかしなくても、そういう専門AIチームを作れるみたいな話ですね。
はい、そういうことです。
じゃあ今回は、このマルチエージェントが具体的にどういうものなのか、それからあなたの仕事とか知識習得にどう役立ちそうか、そのあたりを一緒に深く見ていきましょうか。
まず、そもそもなぜ単体のAIだと限界があるのか。資料には構造的な限界って書いてますけど、具体的にはRAG検索の精度が低いとか、そういう話ですかね。
ええ、まさに。一つのAIにあれもこれもと要求すると、どうしても能力が分散しちゃったりとか、あと得意じゃない領域でちょっとミスが出やすくなったり。
例えばそのRAG検索、外部の知識を検索して回答を作る便利な技術ですけど、単体AIだと期待した精度が出にくい場面があるとか、あとはデータ分析させても、なんか結果がこれ本当に信頼できるのかなってなっちゃうとか、そういう課題が挙げられてますね。
で、マルチエージェントっていうのは、例えば顧客対応であれば、FA級検索担当とログ解析担当、それから感情分析担当、回答作成担当みたいに、AIごとに役割をはっきり分ける。これで問題を解決しようというアプローチです。得意なことに集中させるというわけですね。
なるほど。役割分担で精度と質を上げる、人間社会のチームと同じ考え方ですよね。
おっしゃる通りです。
miiboエージェントハブの活用
技術の進化も背景にあると。LLM自体の進化もそうですし、あとはGoogleのAPIとか、アンスロピークのMCPとか、そういうAI同士が連携するための技術基盤が出てきたことも大きいと。
はい、それも後押ししてますね。
で、その専門AIチームを割と簡単に作れるのがMEVOエージェントハブだと。これは具体的にはどういうふうに使うんですか?ノーコードっていうのはかなり手軽そうですけど。
基本は画面上での操作ですね。使いたい機能を持っているAIエージェントを選んで、あとはチーム全体としてどう動いてほしいか、目的とか仕事の進め方を我々が普段話すような自然な言葉で指示するだけという感じです。
ウェブ検索が得意なエージェントとか、論理的に考えるエージェント、あえて批判的な視点を持つエージェントなんていうのも便利なものがテンプレートとして用意されているので、それらを組み合わせるところから始められますね。
へー、なるほど。ただそのノーコードで手軽に組める反面、何か注意点というか限界みたいなところって資料では触れられてました?例えばエージェント同士の連携が何か思った通りにいかない可能性とか。
あ、いい点ですね。資料ではその詳細な限界点までは書かれてないですが、やはりその意図通りに連携させるための指示の出し方、つまりプロンプトの工夫というのは引き続き重要になるでしょうね。ただ、API連携とかバックグラウンドでの実行も可能なので、既存の業務システムに組み込んだり、もっと複雑な使い方にも対応できる、そういう柔軟性は持っているようです。
なるほど、なるほど。では実際にどんな業務に応用できそうなのか。資料で4つのユースケースが紹介されてますね。
まず知識検索ですね。これは単に検索するだけじゃなくて、例えば質問の意図を深く考える推論AIがいて、次に関連情報を広く集める検索AIが動いて、最後にまた別の推論が回答をわかりやすくまとめるみたいな、こういう連携で単なる検索以上の深い情報収集が期待できると。
次がデータ分析ですね。分析の設計、実際のデータ取得、それからビジネスとしてどういう意味があるかの解釈、で、レポート作成まで、この一連のプロセスをそれぞれ得意なAI序分担させる、これでより質の高い分析を目指すということです。
ミーボさんの社内でも実際にレポート自動生成に使っているそうです。
へーすごいですね。その次の議論させるっていうのもすごく面白いですね。CO役のAIとかCFO役のAIとか違う役割のAIに議論させるって、これは単に効率化じゃなくて、意思決定の質自体を高める可能性がある、そういうことでしょうか。
まさにそういうことだと思います。多様な視点をある意味強制的に入れることで、人間の思い込みとかバイアスみたいなものを排除して、より客観的でバランスの取れた判断につながる可能性があると。で、最後にワークフロー自動化。これは自然言語で指示できるので、従来のカチッと決まった自動化ツールよりも、状況の変化に強くて柔軟にプロセスを変えていける点がメリットとされていますね。
なるほど。じゃあ、実際にAIチームを作るステップはどんな感じなんでしょうか。資料の顧客サポートの例が分かりやすそうですけど、4ステップあると。
はい、まず1番目として、必要な情報源、マニュアルとか過去の対応ログとか、そういうものを特定します。2番目に判断基準ですね。論理的に解決するのか、共感的に対応するのか、あるいはコンプライアンスを重視するのかとか、そういう基準を明確にして、それぞれの基準を重視する専門AIを割り当てると。
3番目に必要なAIエージェント、問い合わせ内容を理解するAIとか、ログを解析するAIとか、そういうのを定義して具体的な役割を指示します。最後に4番目、miiboエージェントハブ上で、これらのAIエージェントを選んでチームを編成して、チーム全体の目的とどう連携していくかのプロセスを記述するという流れですね。
なるほど。セミナーのデモでは、ログインできない、ロックされたという問い合わせに、4体のAIが見事に連携して、ちゃんとした回答案を作ったと。
ええ、そういう報告がありましたね。
最適なエージェント数は、だいたい3体か4体ぐらいが目安っていうのも、なんか実践的で参考になりますね。
そうですね。多すぎてもまた連携が複雑になりますからね。
というわけで、今回は専門特化型のAIチーム、マルチエージェントの世界をちょっと覗いてみました。単体のAIでは難しかったような複雑なタスクも、AIたちが役割分担して協力することで解決できるかもしれないと、そういう可能性が見えてきましたね。
miiboエージェントハブのようなツールを使えば、あなたも比較的簡単にその力を試せるかもしれません。
ええ、AI同士が協調して仕事を進めるっていう、新しい働き方が本当に現実になりつつあるなと感じますね。
単に作業の精度が上がるだけじゃなくて、データ分析を深掘りしたり、これまで人間だけがやってきたような意思決定のサポートとか、そういうところまで応用範囲は非常にそうです。
さて、ここでですね、少しあなたにも考えてみてほしいんですが、もしあなたがご自身の仕事とか、あるいは学びを加速するために専門AIチームを作るとしたら、どんな役割を持ったAIたちを組み合わせますか?
そして、そうやって作った強力なAIチームであっても、なお見落としてしまう可能性のある資格というのは何だと思われますか?
ぜひ、この後少し思考を巡らせてみてください。
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