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2025-06-16 06:19

miiboで実現!東京ドームシティが創る世界に1つだけの思い出新聞|満足度94%の会話型AI活用事例

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東京ドームシティが2024年8月に実施した「AI東京ドームシティ新聞」は、会話型AIプラットフォーム「miibo」を活用し、わずか5分の対話で家族の思い出を新聞として形に残すサービスです。利用者の94%が満足したこの画期的な取り組みは、生成AI技術とエンターテインメントの知見を融合させた成功事例として、会話型AI活用の新たな可能性を示しています。

本事例では、東京ドームシティの屋内型キッズ施設「ASOBono!」において、お子様一人ひとりの体験や感情をパーソナライズされた新聞として提供しました。miiboの柔軟な対話設計機能により、未就学児でも楽しく利用できる会話体験を実現し、施設利用者の11.5%が体験するという高い利用率を達成しています。技術的な先進性よりも、家族の思い出を特別な形で残せる価値に共感が集まったことは、実用的な会話型AI開発の重要な示唆となっています。

会話型AIが実現する簡単3ステップの思い出づくり

AI東京ドームシティ新聞の利用プロセスは、驚くほどシンプルです。QRコードをスマートフォンで読み取り、チャットボットの質問に答え、約10分後に完成した新聞を受け取るという3ステップで完結します。この手軽さが、多くの家族に支持された理由の一つです。

miiboを基盤としたチャットボットは、お子様の年齢に応じた適切なコミュニケーションを実現しています。「アドベンチャーオーシャンではボールプールで遊んだ?」「すべり台をすべるときはワクワクした?それともドキドキした?」といった具体的で答えやすい質問設計により、言葉での表現が苦手なお子様でも楽しく対話できます。すべての質問と新聞の内容はひらがなで表記され、未就学児への配慮が徹底されています。

約10個の質問への回答を基に、生成AIが自動的に新聞記事を作成します。見出しにはお子様の名前と感情を含め、本文には体験内容や感想を盛り込むという明確な指示により、一貫性のある高品質な新聞が生成されます。人間のスタッフは最終確認のみを行う効率的な運用により、10分という短時間での提供を実現しました。

miiboの対話設計が生み出す高い顧客満足度

94%という驚異的な満足度の背景には、miiboの柔軟な対話設計機能があります。東京ドームとHakuhodo DY ONEの開発チームは、単なる技術実装ではなく、利用者の体験価値を最優先に考えた設計を行いました。

開発において最も注力したのは「体験設計」です。抽象的な質問ではなく、施設内の具体的なエリア名や遊具名を用いた質問により、お子様が答えやすい環境を整えました。選択肢の提示により入力の手間を省き、会話のテンポを保つ工夫も施されています。これらの設計により、初めて生成AIに触れるお子様でも、自然に楽しく対話を進められます。

実施期間中、「すごいね」という驚きの声や「自宅に飾ります」という喜びの言葉が多く聞かれました。祖父母へのプレゼントとして複数枚を持ち帰る家族も多く、世代を超えたコミュニケーションツールとしての価値も実証されています。生成AIの技術的先進性よりも、パーソナライズされた思い出づくりという本質的な価値に共感が集まったことは、実用的なAI活用の重要な指針となります。

ビジネス価値と技術的実装の両立

AI東京ドームシティ新聞は、顧客体験価値の向上だけでなく、ビジネス面でも重要な成果を生み出しました。施設利用者の11.5%という高い利用率は、適切な価値提供ができていることの証明です。

従来は利用者の属性と利用日時のデータしか取得できていませんでしたが、本サービスを通じて利用者がどの遊具でどのように遊んだかという詳細なデータを収集できました。年齢による楽しみ方の違いなど、解像度の高い顧客理解が可能となり、今後の施設改善に活用できる貴重な情報資産となっています。miiboのステート機能を活用することで、これらのデータを構造化して蓄積できる点も大きな利点です。

技術面では、miiboの会話型AI機能に加えて、文章や写真を流し込むフォーマット、自動レイアウトシステムなどを組み合わせた統合的なソリューションを構築しました。事前の制御により不適切な表現の生成を防ぎ、19日間の運用期間中、エラーによる作り直しは一度も発生しませんでした。この安定性は、商用サービスとしての信頼性を示しています。

会話型AI活用の新たな可能性

AI東京ドームシティ新聞の成功は、会話型AIの活用領域に新たな視点をもたらしています。カスタマーサポートや情報提供といった従来の用途を超えて、思い出づくりや感動体験の創出という新しい価値創造の可能性を示しました。

東京ドームのデジタル戦略部は、生成AIの強みと弱みを正確に把握した上で活用することの重要性を強調しています。ハルシネーションのリスクを最小化するため、利用者から得た情報のみを使用して文章を作成する設計により、公式サービスとして必要な信頼性を確保しました。この慎重かつ戦略的なアプローチは、他の企業がAI活用を検討する際の重要な参考事例となります。

今後の展開として、有料サービスとしての常設化も検討されています。94%の満足度という実績は、適切な価値提供ができれば有料でも支持されることを示唆しています。miiboを活用した会話型AIサービスが、エンターテインメント施設における新たな収益源となる可能性も見えてきました。

まとめ:実用的な会話型AI開発への示唆

AI東京ドームシティ新聞の事例は、miiboを活用した会話型AI開発において重要な3つの示唆を提供しています。第一に、技術ありきではなく顧客体験を中心に据えた設計の重要性、第二に、利用者の特性に応じた細やかな対話設計の必要性、第三に、ビジネス価値と技術的実現可能性のバランスを取ることの大切さです。

miiboの柔軟な対話設計機能と、東京ドームのエンターテインメント知見、Hakuhodo DY ONEの技術力が融合することで、単なる技術デモンストレーションを超えた実用的なサービスが誕生しました。94%という満足度は、適切に設計された会話型AIが人々に真の価値を提供できることを証明しています。この成功事例を参考に、より多くの企業が会話型AIを活用した新しい顧客体験の創出に挑戦することを期待します。

詳しくはこちら:AI東京ドームシティ新聞|世界に1つだけの思い出を作る会話型AIサービス(https://miibo.site/ai-tokyo-dome-city-newspaper/)



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サマリー

東京ドームシティがAIを活用して提供する「思い出新聞」は、94%の満足度を記録しています。このサービスでは、家族が対話を通じて感情や体験を共有し、個別にパーソナライズされた思い出が作られる点が特に注目されています。

AIによる思い出新聞の紹介
さて、今回注目したいのは、東京ドームシティが行ったAI東京ドームシティ新聞というちょっとユニークな試みについてです。
ああ、はいはい。AIと話すだけで家族の思い出が新聞になるっていうあれですね。 そうなんです。
AIとのほんの5分程度の対話で、その日の特別な思い出を形にしてくれるサービスなんですよ。
これがですね、利用者満足度、なんと94%という驚きの結果が出てるんです。 94%ですか、それはすごいですね。
一体何がそこまで利用者の心を掴んだんでしょうか。 AI、特にmiiboっていう専門知識がなくても対話AIを作れるプラットフォームがどう活用されたのか、今日はこの辺りをちょっと探っていきたいなと。
面白いですよね。単に技術が新しいっていうだけじゃなくて、そのテクノロジーと特に家族連れの体験価値、これを深く理解した上での試みだっていう点が非常に興味深いです。
技術紹介に留まってないんですよね。 そうですよね。じゃあまず、そもそもこの思い出新聞どうやって作るのか簡単におさらいしましょうか。
QRコードを読み込んでチャットボットが出てきて、その質問にいくつか答えるだけと。10分ぐらいで自分だけの新聞ができちゃうそうなんですね。
そうなんです。 でも、ただ質問に答えるだけで94%の満足度って、なんかちょっと不思議な気もしますよね。
そこがまさに今回のポイントだと思うんですよ。その対話設計ですね。 対話設計ですか。
つまり、ユーザー、特に未就学のお子さんでも楽しめるようにすごく考えられてるんです。
例えば、ボールプールで遊んだとか、滑り台はワクワクした、それともドキドキしたみたいな。 具体的ですね。
そうなんです。具体的で、しかも、はい、いいえとか感情で答えやすい質問が用意されてるんですね。
しかも、驚くことに全部ひらがな表記っていう。 ああ、それは徹底してますね。なるほど。子供がちゃんと主役になれるような、そういう問いかけなんですね。
まさに。 で、その答えをもとにして、AIがお子さんの名前とかその時の感情とかを見出しに入れて、体験を記事にしてくれると。
そういう仕組みです。これはやっぱり利用者の気持ちに寄り添う体験設計。 ユーザーがどう感じてどう楽しむかっていうのを最優先に考えたデザイン。
これがこの満足度の高さにつながってるんでしょうね。 おっしゃる通りだと思います。家に飾りますとか、すごいねーみたいな声が多かったっていうのもすごくよく分かりますよね。
うんうん、分かります。 あの多くのAI導入事例って、やっぱり効率化とかコスト削減とかを目指すことが多いと思うんですが。
そうですね、よく聞きます。 この事例の一番大事なところは、あえて手間がかかるかもしれないけど感情的な価値、つまりパーソナライズされた世界に一つだけの思い出作りっていう体験に振り切った点なんじゃないかと。
なるほど。 技術はあくまでそのための手段に過ぎなかったという見方もできるかもしれませんね。
面白いですね。技術そのものを見せるんじゃなくて、あくまで思い出作りの体験を深めるためにAIを使ったと。
体験設計と感情データの重要性
そしてこれはビジネスの面から見ても結構見逃さない価値があると思うんです。 と言いますと?
単に来場者の属性、例えば年齢とか性別とかそういう情報だけじゃなくて、どの遊具で遊んでその時どんな気持ちだったか。
ああ、なるほど。感情のデータですか。
そうなんです。これまでなかなか把握しきれなかったようなすごく詳細な感情データですよね。これが収集できた。これはもう今後のアトラクション改善とか新しいサービスの開発とかに生かせる、まさに宝の山と言えるんじゃないでしょうか。
ああ、体験価値の向上とその裏でのビジネスデータの収集がうまく両立しているわけですね。
そういうことですね。
でもちょっと気になるのは、AIって時々不安定になったり変な答えを返したりしませんか?エラーとかが頻繁に起きたら、説得のおまいで作りも台無しになりそうな気がするんですけど。
ああ、いいところに気づきましたね。確かに、AIが意図しない回答を生成してしまう、いわゆる不確実性というのは常に課題としてあります。
ですよね。
でもここではですね、そのリスクを回避するために非常にシンプルな設計にしてるんです。基本的にはユーザーが答えた内容だけを使って記事を生成すると。
あ、なるほど。AIが自由に文章を作るんじゃなくて。
そうすることで、予期せぬエラーとか不適切な表現が出ちゃうリスクをかなり抑えているんですね。実際この19日間の運用期間中、エラーが原因で作り直しになったケースは一度もなかったそうです。
一度もですか?それはすごい。
この技術的な安定性っていうのも、利用者がストレスなく思い出作りに集中できたすごく大きな要因だと思いますね。これもある意味重要な体験設計の一部と言えるかもしれません。
なるほどな。技術的な安定性も体験の一部、と。つまりまとめると、最新技術をただポンと導入するんじゃなくて、利用者が本当にこれ欲しいって感じる体験、今回の場合は自分だけの特別な思い出ですよね。
そこにまず焦点を当てて、それを実現するために技術をどう使うのが最適かと考えること。これがこの成功の鍵だったということになりそうですね。
そういうものを超えて、人の感情に響くような感動体験を生み出すその可能性を示したすごく良い例ですよね。
この94%っていう数字は、今後、例えばこれを有料サービスにするとか、そういう検討をする上でもかなり強力な後押しになるんじゃないでしょうか。
確かにそうですね。これ、遊園地とかキッズ施設だけじゃなくて、例えば美術館とか博物館での鑑賞体験をパーソナルな記録に残すとか。
あー面白いですね、それ。
あるいは学校での学びの記録とか、なんか他の場面でも応用できそうな気がしますよね。
皆さんはどんな場所でこのAIによる思い出作り応用できると思いますか。ちょっと考えてみるのも面白いかもしれません。
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