ツムギ
へー。
レイ
冬の時期にこれだけの規模で観測されるのは、かなり珍しいケースです。
ツムギ
1月に高砂って、僕もほとんど聞いたことがないですね。やっぱり何か特別な原因があったんでしょうか。地球温暖化とかそういう大きな話が。
レイ
ああ、いい視点ですね。レポートが指摘している直接的な原因っていうのが、大陸での記録的な小説と地表面の乾燥なんです。
ツムギ
小説と乾燥。
レイ
はい。本来なら冬は雪や氷で覆われているはずの地面がむき出しの状態になっていたと。そこから乾燥した座陣が強風で大量に舞い上がって、編成風に乗ってそのまま日本まで来てしまったということなんですね。
ツムギ
なるほど。じゃあ、エッセイの書き手が感じた喉のざらつきも気のせいじゃなかったわけだ。
レイ
まったくその通りです。レポートには具体的な影響として、指定、つまり見とせる距離が10キロ未満、場所によっては5キロ未満になる可能性も示唆されています。
ツムギ
5キロ未満。
レイ
こうなると、もう遠くの景色は完全に霞んで見えなくなります。さらに口座にはPM2.5といった微小粒子状物質が含まれていることが多くて、呼吸器とか循環器への健康リスクも指摘されているんですね。
ツムギ
うわぁ。
レイ
だから、彼がやったマスクやうがいといった対策は科学的に見ても大正解だったと言えますね。
ツムギ
物理的な視界が霧で覆われて、自分の身を守らなきゃいけない日。でも、このエッセイが面白いのは、ここから話が別の霧へと移っていくところなんです。
レイ
はいはいはい。
ツムギ
書き手がふと、「今の生活っていろんな霧が同時に出るな。」と呟く。そして彼がその日の昼間に体験したのが、AI翻訳の進化、つまり言葉の霧が晴れていく体験でした。
レイ
外の霧は濃くなる一方で、情報世界の霧は晴れていくと。皮肉な対比ですね。
ツムギ
ええ。彼が使ったのは、オープンAIが出したChatGPT Translateっていう翻訳に特化したウェブアプリです。
画面が2つに分かれていて、片方に原文を入れると、もう片方にものすごく自然な訳文がすぐに出てくる。
彼が特に驚いたのは、単語をただ置き換えてるんじゃないってことなんです。
エッセイでは、意味だけじゃなく言い方まで一緒に運ばれてくる、文脈がそのまま映ってくる感じ、と表現しています。
ツムギ
ああ、その文脈が映ってくる感じというのは、この技術の革新をついてますね。
と言いますと?
レポートでも、このツールの進化について解説されてますが、ポイントはまさにそこなんです。
従来の機械翻訳って、どうしても文段位で区切って訳す口があった。
でも、今のAIは長文全体の文脈とか書き手のトーンまで理解して、一貫性のある訳文を生成できるんです。
ツムギ
へえ。
ツムギ
だから、例えばフォーマルな文章をあえて少しカジュアルな口調で訳して、なんていう微調整も可能になってるんですよ。
ツムギ
なるほど。ただ、書き手はこれを手放しで喜んでいるわけでもないんですよね。便利すぎて少し怖い、と率直な感想を漏らしています。
ツムギ
でもモノクロ専用機はそのフィルターも計算も一切不要。
センサーが捉えた光の強い弱いの情報、それ自体がダイレクトにデータになる。
ツムギ
なるほど。
レイ
だからレポートが挙げる3つの利点、つまり1、次元の気がう解像感。
ツムギ
2、暗い場所でもノイズが少ないこと。
そして3、白から黒までの滑らかな階調表現が手に参る。
光の情報をどこまでも純粋に記録できるんです。
ツムギ
それはすごいですね。
レイ
この考えからってある意味で哲学的じゃないですか。
ツムギ
AIが情報を最大化して私たちの手間を省いてくれる方向とは真逆を言ってる。
レイ
確かに。
ツムギ
あえて色という情報を最小化することで、光と影という本質的な情報の質を最大化する。
これは情報型の時代に対する一つの表明ともいえる。
写真表現の原点に立ち返るデジタルミニマリズムという思想を体現した道具なんですね。
ツムギ
高差で色が失われた日にあえて色を捨てる道具の話に安心感を覚える。
考えさせられますね。
ツムギ
そして夜、この日柿手が見た最後のニュースは今までの話とは全く違う非常に悪意のある霧の話でした。
YouTubeがAIで生成された偽の映画予告編を配信するチャンネルを規約違反で削除したという一件です。
ツムギ
これはもう現代のプラットフォームが直面している最も厄介で深刻な課題の一つですね。
テクノロジーの影の部分といえます。
ツムギ
エッセイでも問題の本質を鋭くついています。
成功すぎる偽物は視聴者を迷わせる。もう悪ふざけでは済まないラインに来ている。
ツムギ
まさに。
実際には制作されていないありもしないペイ画の続編の予告編とかを本物そっくりにAIで作り上げて視聴者の期待を煽って再生数を稼ぎ広告収益を得ていたと。
ツムギ
そうなんです。レポートではこれがなぜ単なる悪ふざけで済まないのかを3つの点で分析しています。
1つは消費者の混乱。存在しない作品を期待させてエンタメ業界全体への信頼を損なえます。
2つ目は著作権肖像権の侵害。実在する俳優の顔や声を無断で学習させて使うのは明らかな権利侵害です。
そして3つ目が広告収益の不正作種。
ああ、なるほど。
偽の情報で人々を引きつくる行為は真面目にコンテンツを作っているクリエイターへの正当な収益分配の仕組みを歪めてしまいますからね。
ツムギ
プラットフォーム側ももちろん対策はしているんですよね?
ツムギ
ええ、ただまあイタチごっこになっているのが現状です。
レポートによればYouTubeの次なる標的はAI音楽だと見られています。
ツムギ
AI音楽?
ツムギ
有名なアーティストの歌声をそっくり真似て作られた楽曲への対策ですね。
具体的には、AIが生成したコンテンツにはそのことを示すラベル表示を義務付けたり、デジタルウォーターマークと呼ばれる電子搭載技術を導入したりして、本物と偽物を見分けられるようにしようとしています。
ただ、これも結局はテクノロジーが生み出した霧とのテクノロジーを使った戦い。
本物かどうかを確認するための社会全体のコストがどんどん上がっている証拠でもありますね。
ツムギ
さあ、これで一日の出来事が出揃いました。
物理的な交差、言葉の壁をなくすAI翻訳、情報を削り落とすモノクロカメラ、そして人を惑わす偽情報。
一見バラバラだったこれらの点をエッセイの書き手は最後に一つの線で結びます。
結局全部霧の話だった。霧が出る場所が空だったり言葉だったり映像だったりするだけで。
ツムギ
見事な着地点ですね。その霧という一つの言葉で全てが繋がるのが面白い。
レイ
レポートではもっとドライに、認識コストの上昇なんて言葉を使ってますけど、エッセイの書き手の感性を通すと、より本質的な問題として響きます。
ツムギ
そしてレポートの総合分析もまさに同じ結論に至っています。
レイ
これらの事象の相関関係を読み解くと、現代社会が抱える認識の揺らぎという大きなテーマが浮かび上がってくるんです。
ツムギ
認識の揺らぎですか?
ツムギ
はい。まず一つ目が物理とデジタルの補完関係。交差によって私たちの物理的な視界は遮断され、不確かになりますよね。
レイ
その一方でAI翻訳は言語という情報的な霧を晴らし、視界を拡張してくれる。
つまり外の現実世界が不確かになるほど、私たちは隠しらしさを求めてデジタルの窓に頼るという関係性が見えてきます。
そして二つ目が新生成の二極化。これは非常に興味深い現象です。
一方ではAIが生成した高品質な偽物、偽の予告編のようなコンテンツがあふれて、私たちはそれに警戒を強めている。
はい。
その反動として、もう一方では理工のモノクロカメラのような、加工されていない、そぎ落とされた本物に価値を見出し、強く惹かれている。
ツムギ
あー、なるほど。
レイ
この成功に生成された偽物とありのまま記録された本物という両極の間で、私たちの価値観が揺れ動いているんです。
ツムギ
なるほど。物理的な世界とデジタルの世界、そして本物と偽物の間で、僕たちの現実認識そのものが試されているような感じですね。
では、その中で私たちに求められるものは何なんでしょうか。
レイ
それが三つ目のポイント。求められるリテラシーの進化。
ツムギ
交差の日にマスクをするのが当たり前になったように、情報の霧から身を守るための認知のマスク。これが私たち一人一人に必要になっているんです。
ツムギ
認知のマスク。
レイ
もちろんYouTubeのようなプラットフォームが規制という形で集団的な防衛もしてくれますが、最終的に信じるか信じないかを判断するのは個人です。
AI翻訳の結果を鵜呑みにせず、たまには原文を確認してみる。面白い動画を見つけたら、その出所を一度だけ確かめてみる。
そういった一つ一つの小さな行動が、物理的なマスクと同じくらい自分を守るために重要になっているということです。
ツムギ
まさにエッセイの最後の部分がその実践を描写しているんですよね。