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2021-07-02 16:47

旅のラジオ / #009「思い出すのは、ただ、何もしていない人がそこにいたこと」

旅への想いをまぎらわす、愉快な雑談ラジオです。
毎週金曜0時(木曜深夜24時)更新。

語り手: Satoru、岡田悠
聞き手: 石川大樹

題字&イラスト: べつやくれい
Presented by デイリーポータルZ https://dailyportalz.jp/


〈現在募集中の投稿コーナーはこちら〉

投稿コーナー①「生きて帰ろう」

旅行とは、ときにトラブルを伴うもの。
あなたの危険回避の知恵を教えてください。
(例:予備の現金をお菓子の小箱に隠す)


投稿コーナー②「あなたの旅の秘かな愉しみ」

旅行とは、自分で好きに愉しむもの。
あなたの愉しみかたを教えてください。
(例:旅行先のゴミを集めてノートに貼る)


投稿コーナー③「世界の罵倒語」

世界には、文化の数だけ罵倒語がある。
あなたが知っている罵りの言葉をください。
(例:南スーダン「ヤギ半頭の価値もない」)


投稿コーナー④「世界の音」

あなたが録った音をください。なんでもOK。
岡田さんと私が、ただそれを鑑賞します。
(例:イランの便器の音、バヌアツの料理の音)


投稿コーナー⑤「哀しい動物の鳴き声」

虚無を感じさせる動物の鳴き声をください。
作為はNG。哀しみは自然に発生するものです。
(例:たそがれの民家に沁みるヤギの声)


〈投稿フォームはこちら〉
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSedm0JA9VBB2xoAh9PT4hQcU4r73x6AZ1ibfaokd7vvJB6xXQ/viewform


00:01
Satoruと岡田悠の 旅のラジオ
岡田さん 何ですか、Satoruさん 人間の記憶っていうのは不思議なもんだなって思いませんか?
記憶 なんか何年も思い出さなかったことがふと頭に浮かんだりして こんなことを私の頭覚えてたんだみたいなそういうことって結構ありません?
Satoru ありますね。特段重要じゃないシーンがたくさん浮かび上がったりとか 岡田 なんでこれが今記憶に浮かぶんだっけ?どういうシナプス結合なんだっけ?みたいなね。
Satoru ありますね。 岡田 最近はね、私ね、そういう意味で8年前ぐらいの記憶というかもう映像の断片みたいなのが急に蘇ったことがあって
ちょっとねその話をしようと思うんですけれども、8年前ですね、私はアメリカに留学してて
夏休みの間にインターンみたいな感じでハワイの研究所に勤めてたんですね。ハワイに暮らしてたんですよ。
その時ですね、自転車で試みにオアフ島をですね、ワイキキがあるオアフ島を一周してですね、十何時間ぐらいかけて結構ヘトヘトになって一周したんですけれども
だんだんその奥まったところに行くとですね、なんか砂浜のビーチって言っても別に観光客も誰もいなくて
まあ地元っぽい人がただいるだけのですね、そういうなんかただその何にもしてないように見えるですね、おじさんがいるんですよ
でそのおじさんはね、もう本当に何にもしてなくて、ぼーっとね、その本も読んでないし音楽も別に何も聞いてないし
だからといって別にその綺麗なビーチを眺めたり鑑賞してたりするわけでもないんですね
景色を見てるわけでもない そう、多分地元に居すぎるから別に何も珍しいことでは多分ないんですよ
だからもう本当にただそこにいるっていうね、概念としての無、ナッシングみたいなね、そういう近づいてるみたいなそんな人がいて
そういう人って考えて私もいろんなとこ旅行ってもそういう人に見かけることってまずないなと思ってですね
そういう旅ができないこの頃ですね、急にその人のことが出てきたんですよ、頭の中に
それは別に何か誤解をされると困るんですけども、いい話とかいうわけでもないし
何か序章的なリリックな話でもなくて、ただその人いるなっていうね、話なんですよ
で、何だろうね、そういうのってこの8年他にそんな経験あったっけっていうと
もう本当に私が幼少期に小笠原の母島に住んでた頃に何かそういう人ってちょっといたかもなっていうぐらいで
もうあんまり私の記憶のストックにはそういう人っていないんですよね
考えたら寒い国ではあんまり外でぼーっとしたら死んじゃうからあんまりできないし
貧しい国だったりすごい都会の忙しいとこだったらみんな働かないといけないからぼーっとなんか本当にできないし
特に最近なんてみんなアフリカとか行ってもスマホとかみんな持ってますからね、スマホをいじったりするわけだから
何にもしていない概念としての無みたいな人っていないなと思ってね
03:00
そう考えるともうそういう人には私どこを旅しても一生出会えないのかなって思ったりもね、なんかしたり
やっぱり最近旅ができないから、今話してて思ったけど、旅ができないからそういうことの人を思い出すのかなってね
思ってね、なんかその岡田さんにその話をしたいなと思ったんですよ、なんかカウンセリングみたいですけど
大丈夫ですか、最近忙しすぎるどころね そう、それはねあるんですよ、月の残業時間が150時間ぐらい
でもそういうふうに分析していくと意味が生まれちゃうので、ちょっとそういう意味が生まれることへの警告なのかなってね
だから僕はね、その概念には多分いけないんですよ、何にもないとこにいても多分僕は多分スマホとか見ちゃうし、あれは本読んじゃったり文庫本読んじゃったりね
するし、多分なんか雲の数数えたりとかなんか面白いことしようとかもう意味に読されてるんですよ、多分僕はもう
だからあの人には行けないな、あの人の領域には行けないなと思ってね、そういうのがあるかもしれないです
どう思いますか うちの近くのコンビニにいますよ
身近にいましたね、そういう人はいつ来てるんですか あのおばあさんで生きてる
で、いつもコンビニの前でうんこ座りしてるんですよ、結構有名で、近所で 有名なんだ
有名です、うんこ座りばばって うんこ座りばば、割と敬意を書いた感じの
敬意を、愛称 愛称ですね、においが座るからね
はいはい そう、別に何か何だろう、何をするでもなく、なんか座ってぼーっとされてて
普通になんか買い物したりとか歩いてる姿を見かけたことがあるんで、なんか普通の生活をされながらコンビニの前で座っている
だけどそのコンビニの前で代弁座りをされてる方は、あれですか何もしてないんですか、買い物帰りでもなく
そうですね、見てないですね、こっちも見ないですね、横に すごいな、じゃあそこは
空を見つめてます 空を見つめてる、それはそのおばあさまにとって特別な時間なのかもしれないですね、コンビニの
確かに、コンビニに行く度にちょっとなんかそこで過ごすみたいなのがあるのかもしれないですね
小田さんの場合はすごい身近にそういう、幸せな青い鳥じゃないけど、幸せな青い鳥だと思ってね
そうか、日本にもいるんだ、しかも結構な、そこそこ人が住んでるとこも そうですね、普通にめっちゃ住宅街にいますね
そういうやっぱりだからあれなんだ、場所じゃないんだな、いろいろ
海外、東南アジアとか行くといません?たまに
いや、いるけどね、私が多分話してるのはより高度な次元かもしれない、何もしなくてもなんか私のことを見たりして
おうとかなんか言ったり、からかったりとかして、雑談したりとか、なんか人と人がいて、ただ何もしなくても男二人でのんびりしてるってのは結構あると思うんですよ
私はね、そこらへんまで次元を落としていくとね、落としていくと別になんか嬉しさないんですけれども、それはね結構あって
多分そんなにいい仕事毎日あるわけじゃなくて、おじいちゃんとかがもうひたすらカフェでだべって
まあずっとタバコ吸ってる生年、若者とかはいますよね
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それはタバコを吸ってるって行為とか夕日を見てるっていう行為をしてるんだけども、でもそれも悪性が働いてる身からするとこの域はいいな、その域なら到達できるかもしれないですね、って言ってなかなかいけないんですけども
まあ確かにな、でもそこまでこっちにも話しかけてこないしタバコも吸わないみたいになると本当になんか何でしょうね、座禅の領域というか
そう言ってね、なんかそういう境地に至ってる風でも私の記憶ではなかったんですよ、落ち込んでるわけでもなくて落ち込んだりとかね、なんか心の
境地でも違うルートで至ってんじゃないですか、裏側から
上上にね、登山道で行くからね、それもいいなと思ってね、それもだからハワイの観光地ワイキキビーチとかああいうところには多分いなかったんで
そこでたまたまもうあまりに自転車一周漕いでて疲れて、ふと休んだ時にその人に遭遇したんですよね、だから気配もその人はあってないようなもんだったから
たまたま私がそこにいないと気づかなかったんですよね、たまたまそこで休まなかったらそこに人がいたってこと分かんなかったから、どういう状態とも違うなって感じが
へえ、何にも何にもしなかったんですか 何にもしなかったですね、でもうんこ座り退屈座りというか座り方は聞いてた
やっぱそっちルートの座禅はやっぱうんこ座りなんじゃないですか 確かにね、ハワイにそういう言葉があるか分かんないけど、なんか何だかこう寮公園なんかね、そこ方の手をね、ブラーンとして、寝ちゃうと寝るっていう行為が始まっちゃうし
座禅スタイルだとそれは思想が入ってくるから、思想というかね より自然体でそっちの境地に行こうとするとうんこ座りに行き着くっていうのがあるかもしれないですね
うんこ座りに行く、いいですね、いろんな旅先の人のどの文化の人もうんこ座りをしてる人っていそうですね、うんこ座りしてる人が一人もいないから
あれが一番脱力というかなんか そうですね、野生の時代からこれ楽だわーみたいなね、あったかもしれないですね
そうですね、熊野プーさんが僕ちっちゃい時好きで、印象残ってるのはプーさんはよくぼーっとしてるんですけど、みんなに何してんのって言われて、いや何もしてないようしてるんだよって言うんですよね
そういう感じでしょうね 何もしてないのはするね、なかなか至れないけど、そういうね、いい道に行きたいなーってね、思いますね
佐藤さん、編集部の吉川ですけど、自爆霊ってことはないですかね 佐藤 怖いな、意外な方向に来ましたね
そんなに何もしてない人が存在するか怪しいじゃないですか それはね日本的発想だと思いますね、いるんですよ、やっぱりいろいろ試してると、何もしてないなーって人はいるんですよ
だから何もしてない状態に慣れることは難しいんですよ、やっぱり よくも悪くも、その中でなんかいろいろ自己啓発版とかに情報をシャットダウンしようとか書いてあっても、多分そのレベルをさらに超えたレベルでシャットダウンというか、その取り込もうとしてないというか、インジェクションをしてないというか
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なんかメカニズムがやっぱり違うんですよね、そういう人ってのはね、自爆霊でもあるんですよね、恨みというかね、俺を殺したあいつがとかね、あのまま母は許せんとかね、わかんないけど、そういう気持ちがザーッと引き逃げをしたあいつは許せんみたいな気持ちがあるから、何もしてないように見えてもなんか多分すごい念が溜まってるのは多分感じられるけど、私がその時ハワイで見た人は念はね感じられなかったですね
妖精に近いかもしれないですね
タカトリヤ ああね、そうそう、それあるかもしれない、だからね、そうそうそこにいたんだみたいなね、2回振り向くとその人いなかったとかね、それはなんか勤めて映画文法なんかありがちなチンプなね、それもだから意味なんですよ、やっぱり僕が話してることはみんな意味にね、今まで蓄積してきた本なりストーリーなりの意味に彩られてしまってるからね、やっぱり僕はそこにはいけないんですよね、寂しくもありまあでもしょうがないなってあげらめるところもありね
タカトリヤ 意味の服を着ないと生きていけない世界なんだけど、旅をしてるとその全然多分この人とは接点持てないような人っていう、そういう人にね、出会うっていうかただその人遠くから見てただけだし、何もコミュニケーションないんだけど結構強い印象私はね、潜在記憶の中にしまい込んで今それが浮上してるってことになってるから、そういう意味では人が人に与える影響っていうのもねなんかね、なんかちょっと思いますね、今その人何してるか絶対このラジオは聞いてないと思うんですけど
タカトリヤ 俺を見たいですね
タカトリヤ いやもう、まだずっとぼーっとしてるかもしれないですよ
タカトリヤ なんかね、救い救われるところってね、あるかもしれない、いやでもその人はたまたまその時にそれだけだよって、日常的にはね、なんかいろいろ包丁仕事手仕事とかして、いろいろね日々充実をされてて、でいろいろあってこの時間は何もしないってことで座ってるのかもしれないですけどね、わかんないです、本当に一瞬のその人と僕の人生の一瞬の工作なので
タカトリヤ よく気づきましたね、その景色に
タカトリヤ 同化してそうですね
タカトリヤ そうそう、同化してたから僕も最初は気づかなくて、その自転車でわーって漕いで、2,3時間くらい漕いでもー疲れたよーってヘタヘタになったよーって言って、その綺麗な砂浜にとりあえず座ろうって言ったら、ちょっと遠くになんか人影があるよって人だったっていう、でもその出会い方はさっき石川さんおっしゃったようになんかちょっとハンチパクレっぽくて怖いんだけど、それもあれだな、僕のカタリック帳が操作してる
タカトリヤ ただそこに何も別になんか特別なドラマとかBGMは流れてこないんですよ
タカトリヤ ただいて、ただ僕がそれをいるなって思っただけで、それで8年後の今私がこれを語っているっていう、そこでちょっと意味付けをしているだけで、今の話を文章にしちゃうと多分もっとリリカルに序章的になっちゃって、多分それは違うんですよね、私が今受け止めている気持ちを、っていうそういう話をね、岡田さんにしたかったんですよ、それだけです
投稿コーナー 悲しい動物の鳴き声
ついにこの投稿コーナーに投稿が来ました、まさか来るとは思いませんでした、ラジオネーム伊藤健司さん、これは聞いたことありますね、これはデイリーポータルのライターさんですね、間違いなく、読み上げます
12:10
沖縄奄美でヤギの鳴き声を記録しています、この方多趣味ですからね、すごいな、こちらは沖縄県名護市のヤギ、この声を聞きながら何よりも生きることが一番難しいなと感じました
これ、ここでコメントは終わってますね、何よりも生きることが一番難しいなと感じましたと、じゃあそう感じさせた、じゃあヤギの、これはあの伊藤さんはyoutubeにも上げられているので、じゃあちょっとその動画をここに載せる形で再生してみましょうか
これは、なんともどういう感情に分類していいのか、悲しみなのか、嘆きなのか、虚しさなのか、なんかヤギってね、なんか哀愁があるというか、目が悲しそうですもんね、まず
何を考えてるのかよくわからない
そう、楽しそうなヤギってあんまり見たことない
ご機嫌なクラブイコーザーみたいな、そういうヤツあんまりいないですよね
そうですね、陽キャなヤギってあんまりいないですよね
陽キャなヤギいないですね、なんか見た目もそうですね、哀愁がまず、あごきげがそうさせてるのか、あの角の頼りないって言ったらちょっと失礼だけれども、謝っとかなくちゃいけないけれども、それがそうさせてる
声もほんとなんかね、なんか元気にはなっていかないですよね、あれは何で泣いてるかって、何で泣いてるんですかね、コミュニケーションはやっぱり取ろうとしてるのか、それとも気持ちが何か高ぶりを見せずにああいう声を出して満足してるのか、ちょっと動物学が詳しくないんでわかんないですけども
あれじゃないですか、ハワイのおじさんと同じじゃないですか
ただ泣く
ガイアが勝手に耳づけをしてるけど、でも確かにそういった中でもこの伊藤さんの方向の声は極上というか、なんか至高というか、克服というか
ただ声が出てくるんじゃないですか、世界に対して
かすれ声がね、何でしょうかね、美声というわけでもないなんか天性の良い声を持っている俳優さんという時々の、そういう感じでしたね、なんかね、これたまらないなあこれ
これ映像付きですけどね、顔だけ出してる感じがまた
なんかね、なんか何か彼は彼なり彼女なりに満足があるのか、なんかわからない、あの角度から撮ってるからわからないですね、それ以上の情報はない
15:16
でも確かに沖縄、私も石垣島とか前つい最近行ったんですけれども、確かに家でヤギを飼われたりするものが多いから、確かにあちこちでこういう声は聞こえてきたりするんですよね
でもそういう中でなんかこれは本当にとびきりだなって、多分伊藤さんっていろんなことをコレクターされてるから、なんかね、この方のこの一本のヤギの後ろにはどれぐらいこの方が集中されてるかを考えるとちょっとそれは恐ろしくなるんですけども、すごいなと思います、なんかね
この中でも最高の一本、最高の一本いただきましたね、ありがとう、悲しい動物の鳴き声でした、まあ本当に生きることは難しいですね、生きていきましょう
旅のラジオ第9回、この辺でお別れしたいと思います、今日はさよならをですね、ヤギに言ってもらいましょう
え?どういうこと?新展開きた?
さっきのちょっともう一回聞きたいなと思って、今日はもうヤギの鳴き声とともにお別れしましょう、さよなら
さよなら
16:47

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