属性識別システムの概要
こんにちは、リスナーのみなさん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ、ホストの千鶴です。
今日のテーマは、触れるだけで大人か子どもかを判定できる驚きの新技術、属性識別システムについて深掘りしていきます。
今日のゲストは、知財ハンターの早高さんです。
こんにちは、千鶴さん。今日はお招きいただきありがとうございます。
それでは早速ですが、属性識別システムって何なんでしょう?
属性識別システムとは、人がタッチセンサーに触れるだけで、その人が大人か子どもかを判定できるシステムのことを指します。
静電容量やその変化量を測定し、それによりユーザーの体格を割り出して、大人と子どもを識別します。
自然登録や特定の操作は必要ありません。これが可能になれば、チャイルドロックなどの安全装置において複雑な操作なしで、タッチだけで容易に機能コントロールが可能になるんです。
うん、とても興味深いですね。ちなみに、静電容量って何なのでしょうか?
静電容量とは、電気が溜まる容量のことですね。タッチセンサーに触れた時の指の形状や強さなどで、その静電容量は変わります。
その変化を測定し、それを使って大人か子どもかを判定するわけです。
なるほど、よく理解できました。でも、なぜこんなシステムが生まれたんでしょう?
このシステムを開発したネジモという会社は、もともとウォーターサーバーのチャイルドロックを開発していました。
従来のチャイルドロックは、操作を難しくすることで子どもからの操作を防ぐものでした。
しかし、それでは高齢者が使いにくかったり、子どもがその操作を覚えてしまうという問題がありました。
その課題を解決するために、この属性識別システムが開発されました。
あ、そういう背景があったんですね。そういえば、このシステムを使った面白い妄想プロジェクトがあると聞きました。
子ども時代にだけ、インタラクションが起きるおもちゃ、ですよね。
はい。それは、属性識別システムを使えば、おもちゃが子どもの手に触れることでだけ反応する、というものです。
大人になった時には動かなくなり、そのおもちゃを再び動かせるのは次の世代の子どもたちだけ。
大人になっても保管しておき、未来の子どもたちがそれを動かす瞬間を待つ、というわけです。
そんなおもちゃがあったら、子どもの頃の記憶がよみがえってとても感動的ですね。
でも、どうしてこのようなことが可能なんですか?
それは、このシステムが静電容量とその変化量を利用して体格を識別するからです。
そして、それが接触面積に依存せず、導電体であれば何でもセンサー化できるからです。
導電体というのは、電気を通す物質のことですよね。
そうです。導電体ならば、ステンレスやアルミ合金、透明電極層静脈ガラスなど、さまざまな素材をセンサーにできます。
そのため、このシステムは非常に汎用性が高いのです。
導電体を利用した応用分野
ちなみに、この技術はどのような産業分野と相性が良いのでしょうか?
いくつもの産業で応用が考えられますが、例えば旅行、観光業界では、イベント会場などで子どもと大人の数を自動でカウントできますね。
また、IT、通信では、センサーによって子ども向けの音楽を自動再生するヘッドフォンの開発などが可能です。
住宅、不動産、建築業界では、照明の明るさや温度など、接触者の年齢に応じて自動調整する住宅システムを導入することができます。
本当にワクワクする話ですね。
早高さん、今日は本当にありがとうございました。また、新しい知財のお話を聞かせてくださいね。
どういたしまして、地図さん、これからも新たな知財や技術の情報を提供し続けますので、お楽しみに。
それでは、今日はこれでお別れです。また次回の知財図鑑ポッドキャストでお会いしましょう。
