【再】#722. be 動詞の謎 (2) --- 古英語の2系列の併存とケルト語
2026-07-12 25:22

【再】#722. be 動詞の謎 (2) --- 古英語の2系列の併存とケルト語

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英語の語源が身につくラジオheldio。 英語史をお茶の間におもっとうに、英語の歴史の面白さを伝え、
裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。 本日は5月23日火曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
本日お届けする話題は、 B 動詞の謎2、古英語の二系列の並存とケルト語仮説です。 どうぞよろしくお願いいたします。
本題に入る前に、今後の目玉放送会のお知らせです。 と言ってもですね、身近なところでやるわけなんですけれども、
あさって5月25日木曜日の午後あたりにですね、 YouTube 井上一平堀田隆一の英語学、言語学チャンネルで、
いつもご一緒している同僚の井上一平先生と、 久しぶりにボイシー対談を行うことになっています。
これですね、収録してもしかしたら生放送にするかもしれないというようなところなんですけれども、
なかなかスケジュールが合わなくてですね、実は数ヶ月前にもですね、 近々井上さんがこのボイシーに現れます。
久々の対談ですという形で、何かご質問ご意見があったら前もってお知らせしておいてください、 なんて言ったんですね。
そして実際皆さんから、リスナーの皆さんから寄せていただいたんですけれども、 ちょっとですね事情があって流れてしまったんですね。
あの流れると言ってもですね、定期的に YouTube 収録でもあるいはその他のですね、 学内の仕事でもご一緒する機会あるんですけど、
特にですね、 YouTube 収録の前後にボイシー撮りましょうみたいな話にはなってもですね、 なかなか実現しなかったんです。
なぜかというと、特に YouTube 収録の後にちょろっとやりましょうっていう話をしてるんですが、
2人ですね、タメ撮りするんでぐったり来てるんですよ。それで話そうという気で準備までしてくるんですけど、 実現していないっていうのがあの実態なんです。
なのでこのままだと永遠にできなくなってしまうので、 じゃあこのタメだけ、つまり YouTube 収録と引っ掛けるのではなくて、
ボイシーを撮るだけの日をですね、決めて、 アポイントメントを取ろうということで、この25日、あさってですよ。
あさっての午後ということに、一応決めてるんですね。 ただこれですね、それぞれですね、平日の日中の時間ということで、
いろいろとですね、仕事が入る予定というか可能性も、 無きにしはあらずっていうことで入れてあったりするんですね。
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実現するだろうとは思うんですけれども、 とにかくですね、数ヶ月前に1回流れてしまったものがあったので、
リスナーさんにもいろいろ寄せていただいたので、 申し訳ないなと思ってたんです。
今度はまあ実現させたいなと思っています。 その時の質問もですね、ちゃんと撮ってあります。
保存してあるわけなんですけれども、改めてですね、 あさって井上さんと私とで対談を行うことになっていますので、
何でも結構です。YouTube周りのことでも結構ですし、 それとも全然別の話でも結構なんですけれども、
何かですね、ご意見、ご感想、そして質問ですかね。 ありましたら時間の許す限り、私からですね、井上さんに質問するという形で、
皆さんの質問等をですね、私の口から出して回答をいただくというような、 そんな流れでですね、対談できると面白いかなと思います。
ですので、雑談会になるとは思うんですけれども、 そんな感じでやりたいと思っていますので、
この今日のこの放送会へのコメントという形でも構いませんし、 明日の放送会でも構わないんですけれども、
あさっての午後が対談ということなんで、 その時点に間に合うような形で皆さんにですね、
何か聞いてほしいとか、あるいはこんな話題で話してほしいみたいのがありましたら、 なるべく時間の許す限り採用してですね、そんな対談にしていきたいと、
そんなふうに考えておりますので、ぜひお寄せください。 今日のこの放送会へのコメント付けという形で結構です。よろしくお願いいたします。
今日の本題ですけれども、「B同士の謎2 語英語の二系列の並存とケルト語仮説」という謎めいたタイトルなんですけれども、
これですね、今日の話はいろいろな流れが合流して、 このB同士の話題にしようと決めた、そういう話題設定なんですけれども、
その背景をですね、2つほど主なものを挙げたいと思うんですね。 まず一つは、
2とあるようにB同士の謎というタイトルの回っていうのは一度やってるんですね。 483回B同士の謎1ということでお話ししています。
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これはですね、B同士の話ってとにかくたくさん英語詞的にはネタがあるんで、 絶対にパート2、パート3、パート4続くということで、
パート1と最初にもう1をですね、入れ込んで放送したんです。 その後しばらくですね、なくって、今日久しぶりに2ということなんで、
だいぶ放っておいた感じはするんですけれども、いよいよ2ということなんですね。 B同士の話題はいろいろお届けしようと当初から思ってたっていうことなんです。
他にもですね、そのカッコ付けでナンバリングはしてないんですけれども、 だいぶ初期の頃にですね、82回、今日の放送ともとても関係あるんで、ぜひ聞いていただきたいんですが、
82回がB同士は4家の寄り合い状態ということで、 B同士、様々な形ありますね。
is, am, are、それからwas, were、そしてbeとかbeenとかbeingとか、いろいろな形があって、
最も現代英語でも複雑な活用、屈折をする動詞と言っていいわけなんですけれども、 この起源についてこの82回で語ってるんですね。
それからまたちょっと違う話題で483回でもB同士の謎1と題して話してきました。 その続編というまず流れで今日の話題設定に至ったということが一つです。
そしてもう一つの流れはですね、 最近、ケルト語絡みの話をすることが多いです。
これは前にもお伝えしましたが、もっかですね、東京上野の国立西洋美術館にて、 象形の地ブルターニュというブルターニュ展が開催されているんですね。
来週あたり、実は我々の大学のゼミでもですね、一緒に見に行くことになっているんですけれども、 このブルターニュで話されているブルトン語というのがケルト系の言語の一つで、
そしてそれ以外ケルト系の言語というとだいたいイギリス諸島で話されているんですね。 そこで話されている各ケルト語っていうのはですね、
いわば英語に東から大陸から入ってきた英語に押されて、どんどん圧迫されてコーナーに追い詰められたというような、そんな歴史文化を背負っているんです。
ある意味では英語がケルト語を衰退に向かわせてきた、この千数百年の歴史ということで、英語の拡大の歴史とケルト語の衰退という歴史は、
いわばですね、セットで考えていく必要があるんです。 ですので英語史の話題と全くもって無縁ではないということなんですね。
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それで、この1ヶ月ほどですね、ケルト語関連の話題というのをこのヘルディオでも、そして姉妹版のブログヘログの方でもいろいろと取り上げてきたということなんですね。
そして今日お話しするビー同士の話も実は、一説によればということなんですが、ケルト語と無縁ではないんです。英語のビー同士の話ですよ。
こんな流れで今日のタイトル選び、話題選びに至ったということで、せっかくここまで述べたので、ケルト語絡みの回も過去放送回ですね、簡単に紹介しておきたいと思います。
直近で今日の放送にしかも直接関係しそうなのが715回の放送です。
ケルト語仮説です。今日のタイトルにも入ってますね。ケルト語仮説というものがあります。
ですのでこちら715回で予習してからこの放送回を聞くとですね、おそらく大変理解しやすいんではないかと思います。
それからちょっと遡って692回にはケルト語派を紹介しますと題してお話ししています。
ということで先ほど紹介したビー同士の過去回と合わせまして番号だけ4つ述べておきますね。
483回、82回、715回、692回ということです。
前置きが長くなりましたがチャプターを変えて本題に入りたいと思います。
さて改めて本当の本当に今日の本題なんですけれども、ビー同士の謎2、古英語の二系列の並存とケルト語仮説という話題なんですけれども、
古英語の話なんですね。
現代に直接関係がないといえばないんですけれども、その背景を知っておくっていうことは結構重要で、
そして一つとあるフレーズの中にその痕跡が今でも残っているっていうことですね。
現代とも完全に無縁ではないっていうことが後ほどわかるかと思うんですけれども、
古英語にはですね、ビー同士に二系列あったんです。
これを聞くとですね、他の言語を勉強している方はですね、例えばスペイン語ではいわゆる英語のビー同士にあたるものが
ser, estarっていうふうに二系列あるんですよ。使い方がちょっと違うっていうことなんですね。
そしてこのような言語っていうのは他にもあって、英語の世界でも面白いことに、これ現代の話なんですけれども、
いわゆる黒人英語、アメリカで主に話されている黒人英語もですね、is, am, are のようなものを使うのと、
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ビー同士の b をそのまま使うというこの二系列があるんですね。
意味が違くてですね、is, am, are というふうに主語によって形が変わる、あれありますよね、標準英語の普通の使い方です。
を使う時と主語は何であれ、とにかく b を使うっていう言い方があるんですよ。
よく is, am, are を使う時には、現在は現在なんですけれども、その場限りの意味。
それに対して b を使うと、習慣相を表す、つまり、習慣的にそうなんだというような言い方ですね。
例えばの例文ですけれども、
this coffee is strong と言うと、このコーヒーやけに濃いねというのに対して、
the coffee here be strong と言うと、ここのコーヒーいつも濃いよね、濃いのが習慣的だよねというふうに、
微妙な層の違い、アスペクトの違いっていうのを表せるっていうことです。
この層の違いというのは、比較的多くの言語にこの b 動詞を使う場合の違いなんですけどもね、
観察されるということでですね、まあ決して珍しいというわけではないんです。
現代の英語、いわゆる標準英語ですね、先ほどのは黒人英語ですが、標準英語にはこの使い方がなくて、
せいぜい先ほどの違いを表すんであれば、
this coffee is being strong であるとか、あるいは、
the coffee here is always strong という言い方で、別の副詞であるとか別の言い方を使ってこの違いを表すってことはもちろん可能なわけなんですけれども、
これを b 動詞の種別によって使い分けるっていうような、そういう言語とかあるいは英語方言というのがまずあるっていうことですね。
この事実をまず抑えておきたいと思います。
さて、古英語でもこの2つの区別が実はあったんです。
つまり b 動詞が2系列に分かれていて、
単純に現在形ですね、そしてその場限りのという意味を表したい場合には、
is, am, are に相当する古英語版ですけれどもね、それを使ったと。
母音で始まったり、あるいは今はなくなってしまったんですが s で始まるような b 動詞の形があったんですね。
sind です。ドイツ語をやっている方は the sind っていう時の、sind に相当するものが古英語にもあってですね、
s で始まるものがあったんです。これがいわゆる現在形、通常の現在形でその場限りというようなニュアンスです。
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それに対して習慣的に何々であるとか、あるいはですね少し未来の意味を込めて何々だろうというぐらいの
will be ぐらいの意味を表す形列として、まさに b 動詞の b に繋がる
頭文字が b で始まるような形態っていうのがあったんです。これ2系列、パラレルに存在していて、
ちょうど現在の黒人英語のように、いわば使い分けられていたっていうことなんです。2系列あったっていうことなんですね。
ところが次の中英語以降にこれがマージしていきます。そして概ねですね b で始まる形態ですね。これが周辺的な存在となって一般的な活用形からは消えていった。
今残っているのは本当に現形の b と過去分子形の b にその痕跡を残すばかりとなってしまって縮小したわけなんですね。
つまりやられて基本的に消えていく方のものだということです。残ったのはだいたい母音で始まる is,am, are というものですね。
こちらの方が勝ち残る形で1系列、事実上1系列に再編成されたと。つまり小英語の時代には2系列パラレルであったものがマージしてしまって1系列に落ち着いたっていうのが
現代の標準英語の b 動詞です。いまだにいろんな形があってややこしいのはややこしいですけれども少なくとも1系列には収まっている。
選択する必要がないっていうことですね。悩む必要はないということになっています。一旦活用表を覚えてしまえばそれが全てで他の活用表が裏に隠れているわけでもなく悩む必要はないというそういうシステムになっています。
ですが小英語の時までは2系列あったって言うんですね。ではなぜ2系列あったのか?
冒頭に述べたようにスペイン語でもありますし現代の黒人英語でもありますし結構いろんな言語でこの2つに区別するっていう言語はあるので小英語もそんな言語の一つだったんだという考え方はもちろん常に有効です。
常に考えることはできるんですがある説によると隣接していたケルト語の影響でこの b 動詞2系列システムというのが成立しそして小英語の長きにわたって存続したのではないかというケルト語仮説があります。
ケルト語にはこの2系列の b 動詞に相当するものがあるって言うんですね。私ケルト語やらないのであくまで受け入り論文で読んだっていうことなんですけれどもケルト語にはもともとこの2系列があったと。
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そしてこのケルト語が栄えていたイギリスブリテン島の地に5世紀半ばに大陸から英語話者がやってきたっていうことになるんですね。
やってきた当時の英語の b 動詞がどうだったのかというのはこれはまあもちろん非常に大きな問題なんですけれども少なくともやってきた後にケルト語と接触しケルト語の b 動詞が2通り2系列あるということを見てとって英語側でも2系列を用意した。
もうちょっと正確に言うとですね英語側で2系列ケルト語を参照して用意したっていうのは多分正しくなくて1系列しかなかった英語のところにケルト語話者ケルト語母語話者が一斉に英語に乗り換えてきたと。
やられた側なんで征服された側っていうことになっているので英語に乗り換えた際にケルト語のその遺産ですよね。母語であるケルト語の遺産の一つつまり b 動詞が2系列に分かれていて。
通常の層と週間層この2つで使い方形が分かれているというこの特徴がそのまま英語にマッピングされた結果英語側でも2系列の b 動詞が整備されてきたとそういうことではないかというんです。
実際英語史では小英語期まではこの2系列がそこそこ綺麗に分かれていました。中英語になるとぐっと現代英語寄りになりましてそれがですね1系列にマージしていく整理されていく再編成されていくというような動きを示します。
ですが北西部方言イングランド北西部方言なんかでは小英語時代のですね2系列というのがまだ部分的ながら残っていたりして例えば複数主語ですね。
they みたいなものは主語の時に a だったり b だったりという2系列がいまだに共存していたっていう例があるんですね。この時の実は名残が現在の権力者官権当局を意味する the powersthat be という表現に残っています。これは the powers that are存在している力ぐらいの意味なんですね。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日の b 動詞が小英語までそして部分的には中英語期まで2系列存在していた。その後再編成の結果1系列になって今に至るわけですけれどもではなぜ小英語には2系列 b 動詞があったのか。
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この問いですね完全に解かれていないんですが一つの可能性として隣接していたケルト語で b 動詞が2系列あった。これがいわば英語でも2系列を用意することになったそのきっかけ少なくともきっかけではなかったかというような説が出ています。
これが b 動詞に関するケルト語仮説というものなんですがもちろんこれはですね大変論争の的になっていましてみながみな支持しているわけでもありません。
このケルト語仮説いろいろと論争にもなっていて問題も多いんですけれどもぜひ関心を持っていただければと思います。
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チャプター2で述べましたようにあさって井上一平さんと対談を予定しています。
何か井上さんに対して質問意見そしてコメント等あればですね何なりと今日のこの放送のコメント欄で結構です。
寄せていただければあさってそれをもってですね井上さんとおしゃべりしたいとそういうふうに思っています。
ぜひそちらもお寄せください。
では今日も皆さんにとって良い1日になりますようにほったりうちがお届けしました。
また明日最後にすみません有料放送のお知らせです。
本日5月23日火曜日の正午にですね久しぶりに有料放送をお届けします。
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英語紙はとてつもなく小さい分野ですと題して24分ほどの放送会を収録しています。
普段英語紙をお茶の間に思っとうに英語紙を広く皆さんに知ってもらおうということでレギュラー会お届けしているわけで。
それからするとですねちょっと反対方向のタイトル英語紙はとてつもなく小さい分野ですということで一般に向けるにはちょっとあれかなということですね。
何それぜひ聞いてみたいと思う首相の方のみに聞いていただければ良いかなとそんなお話だったので有料放送にしてみました。
ご関心のある方は今日の正午に公開となります。
最初のチャプターはですねオープンにしてあります視聴することができるという格好にしておりますのでそちらで判断いただいても良いかと思いますがご関心のある方はぜひどうぞ。
ということで今日のお昼にまたお会いしましょうあるいは明日お会いしましょう。
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