DXの意義と背景
英語に関する素朴な疑問。なぜ Digital Transformation を略すと DX となるのですか。
昨今は Digital Transformation というものが、いわば流行のようになっています。
すべてがオンラインになり、すべてがデジタルで行う。 こういう方向に世界が、そして日本がなっているということですね。
なので、トレンドワードとして Digital Transformation ということが話題になっています。
そしてこれを表記するときに DX と大文字で書くことが多いんですね。
そのまま発音としても、このままアルファベット読みして DX として通じることが多くなってきました。
DX という、あるいは Digital Transformation という用語は、英語でもちろんあるわけで、世界でも通用するのですが、
実は世界では、そんなに流行っている用語というわけでも、必ずしもないんですね。
言えば通じるということですが、実は日本でこそ、これが流行っているのではないかという感じがしているんですね。
というのも、これは日本では経済産業省が、2018年の12月に Digital Transformation を推進するためのガイドラインということを発表していまして、
日本としてこれを推し進めていくというふうに、公的なお墨付きがついているだけに、
様々な企業がこれを採用して DX 推進ガイドラインというようになってきたということがあるんですね。
なので、世界でもあるにはあるわけなんですが、実は日本でとりわけ盛り上がっている概念であり、
用語でないかという感覚を抱いています。
DXの略称の由来
ところで、この Digital Transformation これ自体はわかる用語なんですが、なぜこれが DX なのか。
Digital の D はわかりますね。
Transformation なのになぜ X なのかという問題ですね。
DT だったらわかるんですが、これは流行りそうにないですね。
DX の方が良さそうな感じがしますね。
なぜこれ X なんでしょうか。
これについて考えたいと思います。
この Transformation というのは、変形とか品質を表す単語ですね。
これは語源的にはラテン語です。
このように長い音節の単語、Transformation ですね。
非常に長い単語なわけですが、こういうのは大抵ラテン語起源のものが多いです。
これを分析しますと、Trans というのがですね、これが何々を超えてという意味ですね。
Formation というのは形成ですよね。
なので Transformation ということで、変化、何々を向けて向こう側に形成する、
新たに形成するということで、変化とか変形、変革、変換、変異というふうに、
いわゆる何か変わるということを意味するわけですね。
実は Transformation だけではなくて、Trans 何とかという単語は、
たくさんラテン語から英語に入っているんですが、
全体としてやはり何か変わるという意味を含んでいます。
例えば Transcend, Transfer, Transfigure, Transit, Translate, Transmit, Transport, Transpose などですね。
漢字で言えばですね、この変、変わるというのがこの Trans というセット字に含まれているということになります。
実際この Trans というのは何かと言いますと、
ラテン語のセット字なわけなんですけれども、
英語に翻訳すると、およそ Through ということなんですね。
あるいは Across です。
実はこの Trans というラテン語のセット字と、英語の Through というのは全く同号弦なんです。
Trans, Through。T と R が関わりますよね。
因をそごに遡ると、一つの号弦に遡ります。
すなわち、何々を通じてとか、何々を一貫してということですね。
Through というと、英語の Through というと、縦に一貫してという感じなんですが、
これを横倒しにすると、これ Across になるわけですね。
どっちも方向が違うだけで、一貫してとか、幅を持ってというような意味があります。
なので Trans は意味的には Through であるとか、あるいは英語の Across にも相当するということです。
ここがポイントなんですね。
さあ、この英語の Across にあるいは Trans というのは翻訳できることになるんですが、
じゃあ Across っていうのはどういう意味かというと、
これは A 足す Cross です。
そうです。勘のいい方はわかると思いますが、
これは A というのは In とか On ぐらいの前置詞に相当するもので、
Cross というのは十字架ですよね。十字、あるいは十字架ということです。
つまり十字にということになります。
これがいわゆる横切ってとかいうことになっていくわけですよね。
まさに Cross なんです。
この Cross 十字架というものをかたどったものが、いわゆる十の字なんですが、
これを 45 度回転させると、当然 X のようなかたちになりますよね。
ということで文字としては、一番近いアルファベットの文字はこの X ということになります。
ということで、この Cross というものが X という文字で表現されるということになると、
今まで話してきた連鎖なんですが、まずラテン語 Trans っていうのがあると。
これは意味的には英語では Across に相当すると。
さあ Across というのは A たす Cross である。
つまり十字、クロスのことであると。
クロスというのは、一文字でアルファベットで表現するとすれば、一番ふさわしいのは X の文字である。
ということで、 Trans というラテン語の接頭字が X という一文字で表される習慣ができてきたということなんですね。
さらに言うと、この Cross というのは、キリスト教の関係像ですね。十字架ですから、これ Christ にも通じますよね。
クロス、クライスト、なんとなく似てます。
しかも Christ っていうのは CH で綴られますが、これはギリシャ語ではカイの文字で綴られますね。
カイの文字というのは、アルファベットでいうところの実は X とウリ二つ、形が似ています。
ということで、クリスト、クライスト、これも X で表れる習慣というのがあるんですね。
ということで、英語的に言えば、クロスも X、さらにクライストとかクリスという部分も X で表されるということで、
様々な単語が、略語として X で表現されるということがあるんですね。
例えば、必ずしも一般的ではないかもしれませんが、Xmit と書いて Transmit と読ませたり、Xing と書いて Crossing と読ませたり、
Xref と書いて Cross-Reference と語韻に読ませたりですね。
そして皆さん知っているように、Xmas と書いて Christmas ですよね。
Xian と書いて Christian と読ませたり、さらには Xtau と書いて Crystal と読ませたりというような言葉遊びがあったりするわけですよね。
ここで分かったかと思います。
Digital Transformation、DT となりそうですが、Transformation の Trans を取って、これを X としたわけです。
なので Digital Transformation は DX ということですね。
DXの日本での浸透
これが世界でも通用はしますが、とりわけ日本でもブレイクして、この DX ということで、もてはらを操作されるキーワードとなっているということです。
この問題につきましては、Helog の 4219 番、そして 4189 番の記事をご覧ください。