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2021-09-19 15:58

長月の回「朔人一首」3

ガチャを回して出てきたお題について語る「文ガチャ」 
今月のお題は「百人一首」を朔夜が語る「朔人一首」です。
3回目の今回は、「春」「夏」の2首についてご紹介しています
00:15
では、春と夏いきます。 春の歌は、たぶん聞いたことがある方が多いのではないかなと思うのを持ってきました。
ひさかたの 光のどげき春の日に
しず心なく花のちるらん 木のとものり
聞いたことありますか? なんかある気がするんですけど、ある気がするのはなぜかというと、ひさかたのなんですよね。
そこのイメージで、ああ、なんかそういうのあるよねって感じがしてるだけで、ちゃんと下の句までをちゃんと読んだ記憶があるとか、文字面に覚えがあるとかってほどでもないんですよね。
たぶん、ひさかたのを聞いたことがあるという、その言葉が聞いたことがあるというのは、それが枕言葉だから。
そういうことですね。そんな感じかもとは思いました。 ひさかたのは、光にかかる言葉です。
はい。で、枕言葉って、その次に出てくる言葉を飾るためだけの調子を整えるための言葉ですね。
ほかにも、それこそ、ちはやぶるもそうですね。 あれは神とか、
うじっていうのにかかる言葉です。 ちはやふるは、とても
荒ぶっていない、凛とした神様 にかかる言葉です。
僕は、なんてか知らないけど、枕言葉で唯一覚えているのは、たらちねの。 たらちねのは、母にかかる言葉ですね。
それは時代が割と下っている言葉ですね。 あまり和歌では聞かないですよね。
あ、そうか。 じゃあ、俳句とか出てくるんですか? 俳句とか、江戸時代ぐらいの歌には出てくると思います。
で、ひさかたの光の時期。 春の日に。
しず心なく花の散るらん。 陽の光がのどかな春の日なのに、桜の花びらはなぜ慌ただしく散るのでしょうか。
という意味になります。
すげえな。なんか聞いたことないなって思った言葉が、しず心なくなんですよ。
で、これが桜の散るのの慌ただしいっていうような意味合いで使われている言葉ってことですよね。
03:06
しず心っていうのは、落ち着いた心っていう意味なんですけど、なくがつくので、
散る花の様子を汗汗とした感じの、人間のように見立てる擬人法を使ってあります。
しず心ないねって言ったら、相当言葉を知ってる人ですよね。 そうですね。もう今では使わない言葉ではありますね。
そうですね。でもなんか文字面が綺麗ですし、その音のしず心っていうのも、その後に来るのはなくじゃなくてあるであってもいいと思うんですけど、
しず心っていう文字の並びはすごい良いですね。 そうですね。
しずごころ?心。 しずごころでも心でも大丈夫ですね。
なるほど。 よくしずごころなくとは書いてあります。
ただ言いづらいですね。 なるほど。
そうですね。しず心なくの方が響きはきれいですね。歌的な意味で言ってますね。
花の散る乱もよく聞く気はする感じはしますね。
散る乱っていうのが、どうしてなんとかだろうみたいな感じなので、なんで慌ただしく散ってしまってるんだろうなという意味になります。
なるほどね。だから文脈、そこの花の散る乱に至る前のところがどういう形であっても、なぜ花が散ってしまうのだろうになるわけだから、
それは今回ので言えば慌ただしさっていうところに引っかかってるんだけど、そうじゃなくても、花が散ることに疑問を持ってるような文章というか、歌であればこういう締め方になることはあるってことかな。
そうです。 だから聞き覚えがあるような気がするのはそういうことかもしれないですね。
波行、光、春、日、花って波行の音がたくさん入っていて、 ほんとだ。
ひさかたの光、のどけき、春の日にてのもリズミカルに入っているので、とても覚えやすい歌の一種です。
日本の和歌というか、和歌でもいいのかな、和歌とか短歌とかもしくは俳句もそうだけど、
欧米の文化とか漢文とか漢詩とかとも違って、あまり韻を踏むっていうことをされないような印象があるんですけど、
日本語の文法的な問題とかもいろいろあるんでしょうけど、でも逆に韻を踏むとは意味が違うけど、
波行が多く入っているとか、5・7・5・7・1で5つに分かれるうちの4つにのが入ってくるとかみたいなことは、
ある意味ではその韻を踏むに近い発想ではあるのかもしれないですね。
06:03
そうですね。割とこれは音を大事にした歌になっていると思います。
僕も初見でも、ひさかたの光のどけきで日々って来てるなっていうのは、聞いてすぐ思いましたもんね、やっぱり。
ええ、昔、花というのと梅だった時代があったんですね。
奈良時代なんかはそうですね、花といえば梅でしたけど、平安初期あたりからはだんだん桜になっていってます。
この時代はもう平安中期から後期ぐらいなので、
じゃあもう桜なんですね。
桜。はい、桜です。
その辺面白いですよね。
木野智則ですね。
木野貫之さんと関係者なんですか?
はい、いとこです。
なるほど、やっぱりね。ちょっと珍しい名前ですね。
そうですね。木野氏、この時代たくさんいましたけど、
智則さんは貫之さんのいとこです。
で、三十六花仙っていう和歌の上手な三十六人の一人です。
結構遅咲きの方で、40歳ぐらいまで仲津飛馬図だったんですけど、そこから出世していって、
古今和歌集の先者の一人にまで出世しています。
ただ、できる前に亡くなってしまったんですけど。
ああ、なるほどね。
芥川賞取ってないけど芥川賞の先行委員になっている感じがしますね。
そうそう、そんな感じですね。
これが、ザ・春ですね。
ザ・春ですね、そうですね。
光っていう言葉、光の時期もまさに春だし、春って言葉も実際入ってくるし、
静心なくは、慌ただしさを表しているけど、静心はちょっと春っぽいし、
で、花の散るなんてまさに桜のことだから、まさに春だから、
本当に春ワードだけで作ってるみたいなぐらい、そういう感じですね。
日本人は桜の花が散るの好きですからね。
好きですね。
とても日本的な美しさの歌です。
はい、じゃあ夏。
はい、数少ない夏ですね。
数少ない夏の中でも一番景色が浮かんでくる歌です。
はい。
風そよぐ奈良の小川の夕暮れは、みそぎぞ夏のしるしなりける。
ん?なんかまた不思議な言葉がいっぱい出てきました。
涼しい風がそよそよと神社の森にある奈良の花の梢をそよがせている。
奈良の川、つまり三太羅市川にも風は吹き、秋の気配が感じられる。
という感じの歌です。
09:01
いろいろありますね。
まず風そよぐはわかりやすいですよね、風がそよぐ。
まあそよぐはそよぐですよね、吹いているとはちょっとニュアンスが違う、そよぐですよね。
で、奈良の小川の奈良は奈良県の奈良のことなんですね。
ではなくてですね。
ではない、はい。
奈良の木の葉を揺らしてか、木のことなのか。
神窪神社にある小川のある森のことなんです。
ん?神窪神社ってことは京都ですね。
はい。
だからもう平安時代ですね。
風がそよそよと音を立てている。
神窪神社の境内を流れている三太羅市川という川を指しています。
奈良はブナの木の奈良との掛け言葉で、
神社の森に生える奈良の木の葉に風がそよぐっていう意味と、
三太羅市川に涼しい風が吹いているよっていうのを掛けているようです。
みそぎって聞いたことある言葉だと思うんですけど、
この場合のみそぎは、
みなづきはらえと呼ばれる6月30日に行われている行事のことです。
みなづきはらえ?
最近、みなづきのお菓子を食べていたっていうツイートを、
6月30日ぐらいによく見た気がしたんですが、
名越のはらえとかみなづきばらえって言って、
1月から6月までの罪やけがれを払い落とす行事のことです。
半年分ですね。
半年、なるほど。
その時にみなづきっていうお菓子、
ちょっとケーキみたいな形なんですけど、
食べて、お祝いじゃないですけど、
行事をしようと。
名越のはらえって出てくるんですね。
それはもう夏のしるしだよ、今から秋になるけど、
夏のしるしだよっていう。
旧暦の6月ってことですよね。
そうですね。
7月からは秋ですので、
6月30日のみなづきはらえの行事だけが、
夏だなぁって、もうちょっと秋の気配の風だけども、
行事が夏だなと。
なるほど、しるしなりけるが、そういうことか。
夏を表してるぞっていう夏の象徴ですね。
そうですね、みそぎぞで強めていて、
6月はらえこそが、みなづきはらえこそがっていう漢字にしています。
そうですね。
みなづきはらえこそが、夏の象徴ですね。
12:00
はい、そんな感じですね。
まあ、そうか。
風がそよいでるのも、まあまあ秋っぽいっちゃ秋っぽいし、
夕暮れがまた秋感が出るのも後で持ってきてて、
だから上野区はわりと秋をイメージさせることを
けっこうきっちり意識させてからの、
この行事の話を持ってくることで、
夏もだってね、6月みそかなんだから、
もう本当に夏の終わりじゃないですか、まさしく。
それは秋の風景になってるよねっていう感じがするときに、
今の夏と漢字が違うから難しいけど、
子どもたちが宿題駆け込みでやってるから、
夏休みもう終わりだねみたいな、そういうことでね。
そんな感じだと思います。
それは夏だねっていうか、もう夏の終わりを表してるでしょみたいな感じですよね。
そうですね。
で、これ実はそこで見たのを歌にしたのではなくて、
屏風に描かれている水戸原絵の絵を見て作ったそうです。
だから8月31日に子どもが宿題やってるっていうよりかな、
えっと、え、でもなんだろうそれ。
9月に入ってから夏の甲子園の映像を見てるみたいなことですよね、イメージとしたら。
リアルじゃない漢字が出てくるのね、逆にね。
そうですね。
面白いですね。
神輪神社葵祭りを行うことで割と有名なんですけど、
その水戸原絵も現在もやっている行事って結構大きな行事。
大晦日と同じぐらいの感じでされているみたいですね。
まあね、半年ですもんね。
なるほどね。
という夏の歌ですね。
夏の歌ですけど、本当に夏の終わりの歌なんですね。
なるほど。
夏4首しかないので、選ぶの大変で。
ですよね。
これなんか割とだからある意味秋の歌みたいな雰囲気があるじゃないですか。
そうですね。
そんな風景の中でも水戸原絵をやってるから夏だぞっていう歌なんですね。
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