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2023-05-29 09:07

読書ラジオ『人生オークション』原田ひ香

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、原田ひ香さんの『人生オークション』という本について話してみようと思います。
不倫の果てに人情沙汰を起こして、禁止中のリリ子おばさんと、就活に失敗してアルバイトをする私。
異地族の厄介者の二人は、おばさんのおんぼろアパートの部屋にあふれるブランドのバッグから、靴や銀色着、着物までをせっせとネットオークションにかけていく。
すばる文学小作家が描く緩やかな再出発の物語。
ということで、主役は水木ちゃんという二人姉妹のお姉ちゃんですね。
大学を卒業して、就活に失敗してアルバイトをしている女の子です。
水木のお母さんの妹ですね。水木からすると、おばさんにあたるリリ子は不倫の果てに人情沙汰を起こしてしまい、逮捕されたと。
自断で済んだので、起訴はされなかったんだけれども、すべてを失って、このリリ子も結婚していたんですが、離婚をされて、大量のダンボールとともにリリ子の姉ですね、水木のお母さんが手配をしてくれたおんぼろアパートに住んでいる。
水木はお母さんから頼まれて、リリ子おばさんのところに行って、様子見てきてと言われて行ったら、おばさんがキッチンで寝ていた。
なぜなら、部屋にはダンボールがたくさんあって、もう寝るところがなかったから。
2人は、このおばさんのダンボールを開けて片付けをしようとするんですが、箱を開けても狭いアパートの部屋にはそのダンボールに入っているものをしまうスペースがない。
どうするとなった時に、ヤフオクで売るということを思いつくわけですね。
おばさんの荷物はですね、ブランドのバッグだったり、高い靴、銀書機、着物などがたくさん入っていた。
リリ子は、バブルの時代の人で、歯振りがいいサラリーマンと結婚して、お金使いたい放題だったわけですね。
好きなものを好きなだけ買って、しかも不倫相手に会うために毎回服も買っていたと。
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そういうものがダンボールにいっぱい入っていたわけです。
そしてそのダンボールを片付けてヤフオクで売る、中古のものに価値がつくということで、
リリ子はですね、人生の再出発というか、捨てることで自分の人生を一つ一つ片付けていく、整理していくような、
ある種、みそぎというかですね、そういう手続き的な行動で、水木と一緒にオークションにせっせと出品すると。
ここまで言うとリリ子ってどんなめちゃくちゃな人なんだって思うんですけれど、ここに書かれているリリ子はですね、とっても素朴でですね、素直で、
要するに一人で生きていく術を知らない人なんですよね。無邪気なんですよ。
年齢は39歳で、もう離婚もされて、ほとんどお金もない状態なので、
髪の毛の根元には結構白髪が混じっているんですが、それを白髪染めするお金もなければ気力もない、
手だって結構骨張って、そこそこね、40年前の女性の手って感じですね。
水木はその手を見ながら、こういう人でも不倫するんだと。
もっとこう、女子力の高い、キラキラした人が、輝いている人が不倫するのかと思ってたら、そうじゃないんだなぁなんて、
しんみり思うシーンもありましたね。
リリ子には、みんなに言ってない秘密みたいなものがあって、それがオークションしていく中で少しずつ明らかになっていったりするんですが、
私は39歳なので、このリリ子おばさんと同い年なんですよね。
生まれた時代は全然違って、どちらかというと水木に近い方なんですよね。
就職氷河期というかね、就職難の時代で、水木は就活に失敗して何十社も落ちてしまった。
で、自己分析をして、せっせと就活に臨んでいる周りの人を見ていると、なんかちょっと居心地悪いというか、
自分、そういうことがちょっと気持ち悪く思えてしまう。
なんかそういう水木の方に共感があるなぁと思いながら読んでましたね。
そしてこんなおばさんがいたらめちゃくちゃ迷惑だろうなぁと思うんですが、
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次第に明らかになってくるリリ子の秘密というか人柄みたいなものに、ちょっとほろっとしてしまう自分もいたという感じで、
人生オークションってことなんでね、
どこかその一人の女性の人生が根が付くみたいな、そういうお話なのかなぁと思いながら読んでましたが、それだけではなく、
部屋が片付く、心が軽くなる、デトックス小説と帯には書いてありましたが、
そんな気持ちすっきりというだけではなく、少し人情味のある、ほろっとくるような話でした。
ただ最後はね、全てが片付いて再出発という、
ちょっと現実離れしたような話ではなくて、それでも人生は続いていくというような、少し痛みも感じながらの再出発だったのかなと思います。
この本を読んで今話しているのは日曜日の夜なんですが、また明日から仕事が始まるという中で、
日曜日の夜、ちょっとサザエさんシンドロームではないですが、また明日も仕事かと思う、ちょっとこう、
うつうつとなる気分の夜に読んでみて、
こういう人生もあるのかなぁなんて、
自分の今いる場所とちょっと比べながら、読んでみた本でした。
この人生オークションという本にはですね、もう一つ雨呼びという小説も収録されています。
どちらかというとね、こっちの方がこうじちーんとくるような、すごい深いお話でしたね。
最後、謎が謎を呼びそのまま終わってしまうという、むちゃくちゃこう、お消化不良な感じで終わるんですが、
まあそれもそのままでいいのかなぁと思えるような、
2人の男性と女性の物語が書いてあって、こっちの方は結構ほろっときましたね。
短編映画になりそうなお話だなぁと思いました。
ということで今日は原田ひかさんの人生オークションという本について話してみました。
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今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
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ではでは。
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