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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、吉田修一さんの『路)ルウ)』という本について話してみようと思います。
台湾に日本の新幹線が走る、勝者の台湾市局に勤める遥と、日本で働く建築家蓮華雄の巡り合い、
台湾で生まれ、戦後引き上げた老人の後悔、今を謳歌する台湾人青年の日常、
新幹線事業背景に、日台の人々の国を越え、時間を越えて繋がる思いを色鮮やかに描く、
台湾でも大きな話題を呼び、人気を博した著者渾身の感動傑作、ということで。
これはところどころ、目に涙が浮かびながら読んだ本でしたね。
吉田修一さんの作品は多分2作か3作が読んでいるはずで、
タイトルがとても印象的でよく覚えているのが春バーニーズデイでしたね。
吉田修一さんは1968年生まれ、高校まで長崎で過ごし上京、法政大学経営学部卒業、
97年最後の息子で大英84回文学界新人賞を受賞、同作が児田川賞の候補作となるということで、
その後も破片、グリーンピース、ウォーター、トップ、パレード、パークライフ、悪人、横道、世之助、
平成サルカニ合戦図、太陽は動かない、愛に乱暴、怒りなどあるということで、
このルーはですね、だいぶ前に書かれた作品じゃないかなと思いますが、
2012年11月ということで、10年前ですかね、約10年前の作品になります。
主人公というか、主要な登場人物が何人か出てきますね。
たくさん人物が出てきたり、台湾名の名前とかもあるので、最初は混乱します。
おそらく主人公かなと思うのが、タダハルカですね。
台湾市局に勤める、勝者の台湾市局に勤める女性社員。
入社4年目で抜擢されて、台湾に日本の新幹線を走らせるという新幹線事業のために出港されて台湾に着くと。
それ以前も台湾には6度旅行したことがある。
その時に何があったかというのが、次の登場人物とつながるんですけれども、
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こちらは台湾人の梁蓮華雄という人ですね。
東京の大手の建設会社に勤務する建築士ですね。
台湾出身なんですけれども、なぜか日本の建築会社に勤めているという。
この人がですね、梁蓮華雄と学生時代にある種運命的な出会いをして、
1日だけの2人の台湾旅行というか観光の1日があって、そこから温身不通になってしまって、
お互いに梁蓮華雄は梁蓮華雄のことを思いながら社会人になっていると。
ただ梁蓮華雄には恋人がいるんですね。
その梁蓮華雄の恋人との遠距離恋愛ですね。
梁蓮華雄は台湾にいていて、恋人は日本で働いている。
その遠距離恋愛もなかなか辛いものがありました。
そして遥かの城市の案罪ですね。
この人もなかなか辛い場面も迎えたりとかして、
この人はですね、台湾新幹線を不設するが、日本の技術者の代表みたいな人なんですよね。
日本に置いてきた蔡氏とはうまくいっていない。
仕事もなかなかうまくいかない。
台湾の監修にうまくなれていかなくて、何もかもうまくいっていない時に、
クラブのホステスのユキ、この人も台湾人なんですけれども、と出会うという。
そして、まだあります。台湾生まれで第二次世界大戦後に日本に引き上げた日本人ということで、
早間克一郎という老人も出てきます。
この人はですね、大手建設会社に勤務して、高速道路の設計をしたということで、
その界隈ではめちゃくちゃ有名な人、たくさんの人に慕われていて、
今は奥様と二人で定年を迎えて、ゆゆじ的な生活をされているんですけど、
同じく台湾生まれの奥さんが病気がちで、
そんな中、劉連昊と出会う。この人は台湾生まれなんですけれども、
引き上げ後は一度も台湾に帰ってないんですね。
その時に何かしらの思い出がある。
そんな思い出をほぐしていくような物語も入ってたりしました。
そして、チェン・ウィーズという台湾の高尾出身の青年ですね。
この人はフリーターでチャラチャラしている台湾の若者なんですけれども、
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台湾には軍役があってですね、軍役の後、台湾新幹線の開通で新しく設置された整備工場に勤務することになって、
そこで遥とまた出会っていくという。
この人もこの人でですね、ある意味日本と台湾の架け橋になるような存在になっていくというね。
こんな登場人物たくさんいて、最初にね、登場人物どういう人がいるのかっていうのを把握してから読み始めるとスムーズかなと思います。
ということで、これはですね、NHKでドラマ化もされているみたいなんですね。
主人公の遥は女優の遥さんが演じられていて、台湾人のすごいイケメンの男性が蓮波を演じてて、
いやめちゃくちゃイケメンだなと思いながら見てましたね。
3話あって私は1話だけ見たんですけれども、
ドラマの方は遥と蓮波雄が割とすぐお互いの恋心が再燃するというか、
あの出会いはやっぱり恋だったんだみたいなところにスッと行くような話でしたけど、
小説版のルーはですね、そんな簡単にはいかないし、
これネタバレ注意ですけれども、最後も遥と蓮波雄がどうなっていくのかって、
もう本当にね、最後どうなるんだどうなるんだと思いながら読みました。
というのもですね、お互い大事な仕事があり、大切な人間関係が、遥の場合は台湾にそれがあって、
蓮波雄の場合は日本にそれがあるんですね。
で、たった1日の学生の時の出会いで、2人の運命がそう簡単にピタッとまた一つの道になるなんてことはなくてですね、
この台湾の新幹線事業を通じながら、遥と蓮波雄の交流もまた復活していきますし、
蓮波雄と勝一郎ですね、の出会いによって勝一郎がずっと胸に秘めていて、
ずっと気がかりだった自分が台湾を引き上げる時の親友との思い出というか、自分がしてしまったことの後悔。
勝一郎は台湾で生まれたんですよね。
当時、日本が台湾を統治していたっていうところもあって、勝一郎の友人は台湾人なんですけれども、日本名を持っていて、
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2人は台湾という地域で日本国の学生として幼なびっちりとして育ったんですけれども、そこには大きな違いがあるっていうところから、
勝一郎がその後何十年も、60年以上も胸にしこりとなるような言ってはいけない一言を親友に言ってしまう。
そういうことから言うと、このルーっていうお話はですね、時間軸が本当に戦後から台湾新幹線が開通する2007年まで、
60年以上の物語を描いているということになりますね。
で、その中には勝一郎の思いもありますし、遥か谷蓮華の思いもあるし、若者ウェイズの思いもあるということで、
そんな台湾と日本の国同士の国交が断絶したり開通したり、断絶している中でも人々の交流は止まらなかった。
そして台湾の人が思う日本に対する気持ちっていうのは、日本人が思っているよりも強いっていうことが読んでいるうちにわかってきます。
で、それに応えたいというわけではなく、日本のプライドである世界一安全な新幹線を外国に付設する、その一番最初の国が台湾であるということで、
遥かに勤める勝者は、勝者だけじゃなく日本を国を挙げてね、その日本のプライド新幹線を、その安全神話を台湾でも通ずるということを証明したい。
何よりも台湾の人たちに喜んでもらいたいっていう思いで、一生懸命奮闘する人たち。
ただ、新幹線事業っていうのは、欧州連合と日本の鉄道連合が共同受注するような形で受注してしまったので、この部分はドイツ式とか、この部分は日本式みたいなところがあって、遥かが勤める勝者だったり技術責任者の案罪っていうのは、
国同士の規格のずれだったり考え方の違い、台湾という国の召喚衆の違い、人々の時間に対する感覚の違いみたいなところで、うまくいかないことの方が多く、何度も延期された新幹線の開通事業だったわけですね。
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そんなところのドラマも十分に伝わってきて、長い時間軸での人々の心がほどけていく。
そして、現代でも日台の人々が交流していく、ゆっくりとした、もどかしいと思えるような時間の中での交流の中で、300キロ到達する新幹線が中心の物語になっているという、それは本当に読み応えのあるダイナミックな作品だったなと思います。
一番涙したのはですね、やっぱりあの遥と蓮華のなかなかうまくいかない関係性。遥が日本に置いてきた恋人との関係性。
もっとすっきりさっぱり生きちゃえばいいのにっていうのを私は何度も思いましたが、そこがスパッとできないのが遥のいいところでもあるのかなと思いました。
そして葛一郎と妻との関係性ですね。最愛の妻を先に亡くしてしまった葛一郎の孤独、または台湾に後悔を残してきてしまったその親友との再会みたいなところで、いろんな感情が入ってきてですね、じんわり涙が目に浮かぶような作品でした。
季節的にはね、台湾って日本よりは少し暖かいところなのでね、今もう台湾は暑いのかな。夏ぐらいの気候なんですかね。
今読むにはちょうどいい本かなと思いますし、日本も台湾も何度も震災を経験した国であり、その度にお互いを支援しあっている国であるということで、直近でも台湾にまた震災がありましたけれども、そんなことも書かれていて、
もともとは日本という国だった。そんな歴史的な背景もあって、日本人はもっと台湾のことを知らないといけないんだろうなと改めて思わされて、またちゃんと勉強したいなと思いました。
ということで今日は、また興奮気味に話してしまいましたが、めちゃめちゃ面白かったです。吉田周一さんのルーについて話してみました。この配信が気に入っていただけたら、いいねやコメント、フォローお願いします。励みになります。
今日も聞いていただいてありがとうございました。ではでは。