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西九州新幹線延伸、1歩前進?
2026-07-22 13:25

西九州新幹線延伸、1歩前進?

農業、漁業、林業、工業、物流、サービス、貿易、交通など、さまざまなテーマで九州経済の今を、エコノミスト・鳥丸聡が解説します。

田畑竜介
Groooooow Up

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サマリー

西九州新幹線延伸に関する佐賀県と国の合意について、エコノミストの鳥丸聡氏が解説。合意内容には、地元負担額の増加や、ルート未定のまま環境アセスメントに着手する異例の進め方が含まれる。また、佐賀空港の滑走路延長や有明海沿岸道路の整備といった、新幹線とは直接関係のないインフラ整備も盛り込まれ、地域振興への期待も示された。一方で、人口減少時代の「賢い縮小」という理念との整合性や、今後のインフレによるさらなる費用増のリスクも指摘されている。

西九州新幹線延伸に関する合意とその背景
この時間はZoom Up。毎週水曜日は九州経済です。 先週金曜日に、西九州新幹線のルートの決まっていない新鳥栖武雄温泉を巻を巡ってですね、環境アセスメントを行うことで合意したということなんですが、どういうふうに、ルートもですね、はっきりとはここっていうのは決まってない、いくつか案があるわけなんですけども、どこをどう環境アセスメントするのか、Zoom Upしていきたいと思います。
エコノミストの鳥丸さとしさんです。
鳥丸さん、おはようございます。
おはようございます。よろしくお願いします。
合意書の中身の前にですね、私がまず驚いたのは、記者会見で発表された地元負担分、1400億円という金額なんですね。
随分と増えましたね。
コロナ前に言われていたのは、660億円の佐賀県負担分が大きなハードルだということだったので、この数年間で2倍以上に膨れ上がったということになるんですね。
資材価格の高騰だとか、建設作業員の人件費の増加で、総工費が増えた影響ですけれども、
それにしても最近のインフレがインフラ整備に与える影響、物価高が社会資本整備に与える影響というのが大きすぎて、
西九州新幹線延伸、もし着工となった時点では、さらに予算が膨らんでしまって、尻込みしてしまうということも考えられますよね。
今後の東九州新幹線だけじゃなくて、下関北九州道路第2関門ですね。
こういった整備計画にも物価や人件費は大きく影響しますから、発想を変えて、
インフレ時代の社会資本整備の在り方みたいなのを考えていかなきゃいけないということだろうと思います。
「電撃合意」の実態と環境アセスメントの進め方
先週末の佐賀県と国の合意書発表について、一部のメディアでは電撃合意と伝えているんですけど、
どこが電撃なのかをチェックしてみたいと思います。
佐賀県がフル規格を認めたというわけでもないし、
おっしゃられたようにルート案も定まらない状況なのに、環境アセスメントには着手するということなので、
おそらく佐賀県民と長崎県民以外は何も前進していないんじゃないかっていう意味での電撃合意だったかもしれません。
合意文書の中身を読むと、来年度以降、3年から5年をかけて環境アセスメントを実施するというのが明記されています。
環境アセスメントというのは、騒音だとか景観問題だとか水資源だとか生態経営の影響なんかを事前に調べましょうということなんですけれども、
一般に環境アセスが実施されるのはルートが決まった後なんですけれども、
今回は異なっていて、北陸新幹線の鶴ヶ新大阪間の先行事例に倣って、
最大12キロの幅をもって環境アセスメントを実施するってなってるんですね。
12キロっていうのが何を意味するのかっていうのを考えてみたんですけれども、
佐賀駅と佐賀空港を直線距離で結ぶと13キロちょいあるんですよね。
ですから佐賀駅から佐賀空港のちょっとだけ北側までの間で環境アセスを実施すると。
つまり、佐賀駅と新都市駅を結ぶルートと、佐賀空港北側と九州新幹線のどこかと。
当初は筑後船小屋駅って言われてましたけど、南回りルートの両方を対象にするということになるかと思います。
ちなみに昨日地図で測ってみたら、新都市駅と筑後船小屋駅の直線距離って11.5キロっていうのですね。
きれいに12キロの幅におろさまるっていう状況になっています。
新幹線整備の場合、環境アセスメント終了後に用地買収に入って、その後本体工事となりますので、
全通するのはどんなに早くても2040年代前半の開通っていうことになろうかと思います。
かなり先のことです。一本間違うともっと伸びるっていうことですけども。
費用負担の拡大と受益者負担の可能性
今回の合意書では、費用負担が佐賀県だけじゃなくて、
受益の程度を踏まえて、長崎県も共同負担するっていうのが明記されたんですね。
長崎県民は突然の、なんで佐賀県内の費用負担だって驚いたんでしょうけれども、
長崎県知事がこの費用負担について今後議論するが、その費用負担はあり得るっていうふうにコメントされて、
長崎県民はそのことにもっと驚いたっていう感じですね。
全撃だったでしょうね。
佐賀空港をかすめて九州新幹線に合流する南回りルートの可能性もあるっていうことは、
佐賀空港をちょっと東の方に行くとすぐ福岡県なんですよ。
福岡県の受益者負担の可能性も出てくるっていうことになるんですよね。
数十億じゃなくて、100億単位の話になってくると思うんですけれども、
果たして福岡県どう考えておられるのか聞いてみたいと思ったんですけど、
県庁も県議会も新幹線どころじゃないっていう状況でしょうから、
ちょっとはばかられましてお尋ねしていないという状況です。
合意書に盛り込まれた地域振興策
国と県の2社間で合意書が交わされたわけですけど、利害関係者が全て合意したわけじゃないまま、
来年以降の環境アセスの間に調整していくっていう次のステップに進むことになります。
外から見ていると10年遅れて出てきた合意書っていう感じになるかと思いますね。
この合意書を見ていて、佐賀県は西九州新幹線とは直接的な関係がないところで、
うまいこと書き込んだなって思わせる点が2点あります。
合意書の後半に地域振興に関する項目っていうのが設けられていて、
そこに書かれているのが国土交通省は、
交通ネットワーク全体の相乗効果を最大限発揮させる観点も踏まえ、
以下の事項を確実に行うっていう書き出しなんですよね。
要するに国土交通省に約束させたっていう。
中身が何かっていうと、
佐賀空港の滑走路延長及び並行遊道路整備の議論があることを受けて、
北部九州地域の空港の在り方に関する検討の調査について、
検討の調査ってよくわかんないんですけども、
令和9年度から実施するっていう記述があるんですね。
今の佐賀空港って九州各県の主要空港の中で一番短い2000メートルなんですよ。
それを500メートル延伸して、
それと並行遊道路っていうのは滑走路の手前に着陸した飛行機がUターンしてちょこちょこ来て、
東城口のところまで来る。あれがないので佐賀空港は。
だから着陸した滑走路でUターンして滑走路を使ったままの状況だから、
次に着陸できない状況なんですよね。
これを遊道路を新しく作りますよっていうのを、
国に活躍させたっていうのが画期的ですね。
お上手ですね。
もう一つは、これも新幹線とは直接関係がないんですけど、
有明海沿岸道路及び佐賀唐津道路の早期完成に向けて、
国と県が連携して計画的に整備を推進するっていう一文が書き込まれているんですよね。
佐賀県の弱点っていうのは、横軸は強いんだけど、
福岡から唐津の方へ行くとかですね、
鳥栖の方から武雄の方へ佐賀通って武雄っていう、縦の軸が弱いんですよね。
これを強化していかなきゃいけない。
だから今の段階だと唐津市民とかにとっては、
西九州新幹線ってさ何年みたいな感じになってる状況なんですよ。
一体感がないっていうか。
そこを何とかしたいっていうのをちゃんと盛り込んだっていうところがやっぱり素晴らしいと。
西九州新幹線とは直接関係のないインフラ整備も盛り込んで、
新幹線問題を新幹線問題の枠内だけで語ろうとしなくて、
空港とか高速道路との連携も視野に入れて、
高速交通社会のあるべき姿を検討しようっていう、
この姿勢は評価できるんじゃないかなと思いました。
インフラ整備と人口減少時代の課題
ところが一方ですね。
先週金曜日これ発表されたんですけれども、
同じ日に全国知事会が人口減少への対応として、
スマートシュリンク、賢い縮小の視点で地方行財政を再構築すべきだっていう宣言を同じ日に採択してるんですよね。
マイナスサムの人口減少時代に人口増加政策一変等だと、
単なる人口の奪い合いを地方に強いるだけだから、
むしろ人口減少前提とした地域政策を重視するっていうことなんですよ。
となるとですね、グレードの高いインフラを整備するっていうことと、
賢い縮小をしましょうっていう理念ではバッティングするところがあって、
そのあたりをどう整合性を高めていくのかっていうのも、
これからの大きな課題になってくるんじゃないかなっていう気がしますね。
なるほどですね。
しかし最初の九州新幹線も、また滝尾、そして鳥栖になるかどうかわからないですけども、
その環境がずっと在来線との並行利用みたいな形になっている。
10年前にこの合意書出てこなきゃいけなかったと思いますね。
そうですね。ただ、また今回が後ろにずれ込んじゃうと、
さらにインフラに物価が上がってきたりする可能性もありますもんね。
そういうことになります。東九州新幹線50年後ぐらいにできる予定ですけど、
そっちが先にできちゃうかもしれない。
それはまた皮肉になりますね。
ということで、鳥丸さんありがとうございました。
ありがとうございました。
水曜日のズームアップは、エコノミストの鳥丸佐藤さんでした。
13:25

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