00:05
SCP-CN-590の関連物品、組織、不器、以下はオブジェクトに関連すると思われる物品や組織をまとめたものです。
これらの物品、組織は、SCP-CN-590-1の会話で固有名詞として言及されており、その多くは財団が実際に存在を把握できていないものです。
四星協栄組織を除くすべての情報は、SCP-CN-590-1の会話への登庁から入手した一方的なものであり、あくまで参考目的に掲載していることに注意してください。
歴史分岐器
個体の会話では、この装置は元地球の人類によって太陽系のどこかに設置されているとされていますが、財団はその所在を発見できていません。
同装置は地球における歴史の流れを制御する効果を有すると思われますが、その効果に伴うと想定される世界的な現実改変現象は今のところ観測されていません。
それに加え、これまでに同装置による影響と思われる現象が一切観測されていないことから、同装置の実在性が疑わしいものとなっています。
最近の会話にもたらされた情報では、歴史分岐器の機能は当空間、SCP-CN-590の発見により大きく損なわれているとされています。
前述と同様に、同装置による歴史干渉が影響を受けているとすれば、必然的に極めて大規模な現実改変波が発生します。
しかし、想定される有無地の変化が観測されていないことから、歴史分岐器の存在を提唱しているパナー・F教授による歴史分岐器現実構築の仮説、
有無地の観測値が変化しない理由は、地球がすでに歴史分岐器の干渉下に置かれているからだとする説の信憑性も揺さぶられています。
また、一部のSCP-CN-590-1は、同装置の機能が損なわれることは、同装置、同装置のログ、もしくは工術の時間分岐器のいずれかが収容されることにつながると信じているようです。
歴史分岐器を実在するものとすると、財団の収容済オブジェクトの中では、データ削除と指定されるオブジェクト、データ削除が、前述における同装置のログの歴史記録部分の断片である可能性があります。
03:02
同装置は一部の旧神派メンバー及び中立派指導者O5-7の会話でのみ言及されており、保守派メンバーは同装置の存在を把握していないと考えられます。
時間分岐器
個体の会話では、この装置も元地球の人類によって太陽系のどこかに設置されているとされていますが、同様に財団はその所在を発見できていません。
同装置は一定の範囲内における時間の流れの速さを制御する効果を有すると思われますが、歴史分岐器の機能損傷に伴い、同装置もある程度の故障状態に陥っているとされています。
一連の分析により、同装置は歴史分岐器と同様に、SCP-CN590-1が存在しているかのように偽った、実在しない装置である可能性が極めて高いことが判明しました。
同装置は一部の球心派メンバー及び中立派指導者057の会話でのみ言及されており、保守派メンバーは同装置の存在を把握していないと考えられます。
それ、個体の会話においてしばしば言及される対象です。
最初は同一のものを指しているか判明できませんでしたが、大量のデータや対象を言及した際におけるSCP-CN590-1の発生特徴に対する分析により、SCP-CN590-1に強調される形で言及される指示代名詞、「それ」は、とある不明の実態を指していることが判明しました。
現在、文書記録でこの実態を指していると思われる部分は全て鍵括弧のついた、「それ」と書き換えられています。
しかし対象を言及した際でのSCP-CN590-1の説明が不足しがちであるため、対象が元地球の1アノマリーであることを除き、詳しい情報はわかっていません。
行政解禁例
記述によると、この装置は元地球とSCP-CN590との間の情報・物質の瞬間移動に使用されています。
また、任意の2箇所間を行き来するための手段としても使用できる模様です。
同装置は使用者の生命と結びついているらしく、装置の有効期限が切れる前に破損が生じると、使用者が死亡するようです。
これまでに行政解禁例の使用例が数回確認されているため、同装置は実在するものと扱われていますが、
同装置を使用して地球の指導者議会へ転送される人物のみが観測されているため、
06:03
人物は実際に元地球から転送されてきたのかどうか、同装置に瞬間移動能力が備わっているのかどうかについては未だに証明されていない状態です。
四星共栄組織
最初はSCP-CN590-1の会話でのみ言及された組織ですが、インシデントCN590-Bでその存在が明らかになりました。
記録上で同組織による財団との初めての、かつ唯一の接触は同インシデント及び同インシデント以降の関連イベントで発生したものです。
四星共栄組織の構成員の多くは学生のようですが、財団が監視していた同組織に参加した疑いのある人物への探り入れは全て失敗に終わっており、またその後は監視データも不明の原因により消滅しました。
以降に同組織の活動は確認されていません。
四星共栄組織について唯一判明しているのは、同組織はこれまでに収容したことのない異常物品を一定数以上保有していることと、異常物品を使用したサイバー攻撃能力を保有していることだけです。
なお、元地球にも同様の組織が存在している模様です。
個体の会話で地球にも存在する概念で全く異なる対象を呼称する例が複数確認されています。
また、複数回言及されているものの、その具体的な意味が未だに完全としないものも存在します。
よく言及される一部の概念を以下に示します。
概念の混同を避けるためにも、当リストの内容を把握してください。
完全なリストを参照するためには、元地球関連事務総局情報事務課に申請を提出してください。
地球にも存在する概念で全く異なる対象を呼称する例
注意!以下の概念はすべてSCP-CN-059にも出現しているものです。
当オブジェクトとの比較研究は行われていますが、かんばしい結果はありません。
名称、リーラン、天命教、ハトと呼称される場合もある。
よく言及されるが意味が不明瞭な例
主状況
オブジェクトの詳細をさらに調査するため、機動部隊ゼータ59-1とキルが結成され、アゼクラが隊長に任命されました。
陽動としてゼータ59はすでに複生体のO5-9の助手チームとしてオブジェクト内部に派遣されており、オペレーションリサンセスタの遂行にあたっています。
09:09
O5-9を除き、現時点でSCP-CN-590-1はこの情報を把握していません。
SCP-CN-590-1
ウージュ博士とSCP-CN-590-1個体O5-13の面会映像記録
映像記録を読み込み中、エラー、ファイルは攻撃により破損しました。
SCPによりバイタルサインの対象からの攻撃と特定、O5-13またはバイタルサインが同一の対象からの攻撃であると判断します。
プラトコル590に基づき予備テキスト転写を展開します。
OK
さあ長いインタビュー記録が出てきましたね。
対象、O5-13に告示したSCP-CN-590-1複製体のO5-13
質問者 ウージュ博士
前期 今回のインタビューはSCP-CN-590発見後の初インタビューであり、
ただし各種監視機材はすでに財団により設置されている。
財団職員によるSCP-CN-590-1個体との初接触でもある。
またこの際、SCP-CN-590-1個体は収容状態に置かれていると認識していないことが判明している。
インタビュー開始時、O5-13は執務室で公務を行っている。
事務机の上にはボイスレコーダーと数枚の書類が置かれており、
書類にはO5-9及びO5-7のものと思われる顔写真や大量の文字が印刷されている。
カメラの不調により文字認識が不明瞭だったため、内容までは把握していない。
記録開始
ドアを開ける音
O5-13
O5-9か。なんでまた私のところに。
まあ、適当に座ってくれ。
顔を上げずに書類を整理、密封しながら。
ウージュ博士が部屋に入る。
ウージュ博士
こんにちは。私はウージュと申します。これが財団による…
ウージュ秘書長?しかし、なぜ?
身だし並みを整えながら。
まあまあまあ、座ってくれたまえ。
どうだ?この執務室も小綺麗に整っているのだろう。
この椅子も客用に特注したものだ。
ほら、座ってくれ。
ウージュ博士は数秒間、あっけに取られている様子を示す。
12:04
ネクタイを結び直す。
えっと…秘書長?すみません、私は…
数秒の瞬順の後、咳払いをし。
あ、はい。こんにちは、0513様。
ええええ、まあ、とやかく言わんで座ってくれ。
こちらにいらっしゃるとは、どういう風の吹き回しだ?
行政解禁令を使ってまで…
ウージュ博士に近づく。
もしや、マザーの議会事務局でまた何か取り決めがあったのか?
これは公務とはいえ、でも…
ほら、なあ、私も議会のため、マザーのために長年勤めてきたのだ。
それなりに民衆の声とか、マザーの事務とか気になるものでね。
どういうことなのか少しばかり種明かししてくれないかね。
私としてもあらかじめ動いた方がいいと思うのだよ。
これでどうかね。
対象は密かに、解禁令とおぼしき漢字が印字されている青色の膨張物体をウージュ博士に手渡す。
そう、そうですね。しかし、こんなものまで…
まあ、せっかくですし、一応受け取らせていただきますね。
不明物体をカバンにしまう。
それはそうと、先ほどご覧になっていた書類に059様と057様の写真が入っているようですが…
いやいや、059だの057だの書類だなんて。
ただ昔を思い出してね、同僚との集合写真を見ていただけだ。
いい時代だったなあ。
まだ財団が存在していた頃。
それがまだ収容違反なんてしなかった頃は。
まあ、我々も甘かったものだ。
無駄に正直さなんてものにこだわって…
そうだろ?書類なんてどこにもないよ。
私が処理するのは写真のない書類だけだ。
処理すべき対象に関するもの以外はね。
君も分かっているだろ?
しかし私ははっきり見たのです。
集合写真ではなく、個人の顔写真でした。
対象は数秒の間、沈黙。
対象は密かに戒禁令とおぼしき漢字が印字されている青色の膨張物体をもう一本、
宇宙博士に手渡す。
まさか、君を騙したって得にもならんよ。
書類なんてどこにもない。
まったく、くだらないご冗談を。
ああ、ええ、申し訳ありませんでした。
不明物体をビジネスバッグにしまう。
15:01
あなたがあのお二人を処理すべき対象として扱うなんてはずがないですよね。
そうだ、まったく君という人は…
ああ、急に思い出したのだが…
声を低め。
はっきり言っておこう。
保守派は私がリードしているんだ。
君も分かっているはずだ。
私が言うまでもないだろう。
知らんふりしよって。
くれぐれも度が過ぎないことだ。
声を高め。
そうだ、マザーの方でまた何かあったのか説明してくれないかね。
またピエールがやらかしたのか。
わざわざ君をよこしてくるなんて。
対象は茶道具を取り出してお茶を入れ始める。
直接会うのは十数年ぶりになるかね。
縁路はるばる来たのだ。
おもてなしくらいさせてもらおう。
まあ、続きを言ってくれ。
私はお茶を入れるからな。
とっておきの茶葉だ。
今回また来たらいくらか持ってきておくれよ。
いくらか持ってきておくれよ。
君も知っているはずだ。
その罵倒な歴史分岐器がチャイルドを決定論的にしてしまったからな。
我々が出ようにも出られん。
まあ世間話はさておき、今回は一体どういうことだ。
えーと、決定論?
あーその、何と言いますか、少しだけですね。
そのピエールが、ピエールが議会事務局に命令を、議会を徹底的に調査すると。
今回来たのは状況把握のためでして。
なんだ、大統領たるピエールが君の気にでも触ったのかね。
呼び捨てにするなんて。
待て、今なんだと。徹底的に調査するだと。
しかも議会事務局に命令を。
彼にそんな権限はないはずだ。
ん?
机を叩いてから身を乗り出して。
またリーランの鉄を踏むつもりか。
今のところ、ここのリーランについて、財団所属のリーラン博士との関連はまだ判明していない。
少子、夢の見過ぎでもしたのか。
能力も成果も出せないまま、リーランと比べれば雲泥の差だ。
彼、ピエールはそれの岩戸隠れの義の間に、私が政局を安定させるために使った駒の一つに過ぎない。
彼ごときで政変を起す気だと。復讐でもする気だと。歴史に名を刻めるとでも。
馬頭が議会にまで手を伸ばし、私の意思に干渉して喧嘩を売ってくるとは、いい度胸だな。
そして君もだ。
ウージュ博士を指さして大声で唸りつける。
18:00
これほどの大事を黙ってくれおって、平然と汚職行為に手を染めるとはな。
なんだ?君も権力に溺れてしまったのか?ナインにでも移されてしまったのか?
もう何百年秘書長をやっているんだ。まだこんな間違いを起こしているのか?
君もちゃんとわかっているではないか。君はナインの部下であって私の部下ではない。
彼が体を張って騒ぎを起こし、私を脅かすような真似をしなければ、君を起用するなんてことはなかったはずだ。
十分の信頼を置かれていないとでも、今この場で例人に召集をかけさせて、会議でこの件を議会たちに、議員たちに報告すれば君のキャリアもここまでだ。
そうなれば君をかばってくれる者なんてどこにもいないんだぞ。
私の目の黒いうちにナインの網絡爺でも彼の部下のアホどもでもなければ、中立派の輩でもない限り私を逆らうなんて愚の骨頂だと思い知らせてくれるわい。
えーと、えーと、そのO513様、誠に失礼しました。私のせい、私のせいです。その話もしたことですし、どうかお許しください。
公務に携わっている身ですから、身を触ると体にも毒です。お茶も入れたばかりですし、お飲みになって機嫌を直してください。
私を怒らせるとどうなるなんて君もわかっているではないか。
まったく、君という人はよくヘマをするものだ。当初、私やナイン、ひいてはO5評議会全体が君を秘書長に抜擢したのは、頭の回転がよく、行動が慎重で空気に敏感なところを見てのことだった。
無論、ナインが君を抜擢し、私の部下にしたからには、君のことも軽々しく手放すつもりはないよ。
それともう一つ、よく覚えることだ。権力はすなわち現在。権力はすなわち現在なのだよ。我々はすでに権力臨界症の鉄を踏んでしまっていた。
ずいぶんと険しい道だったものよ。君もゆめゆめ注意することだ、そこに落ちないように。一度落ちてしまったが最後、そこから戻るのは至難の技だ。
大将は湯飲みを一つ選んで飲み、そしてもう一つの湯飲みを手に取る。
まったく、鳩たちは何をやっているんだ。まさかピエールに全員買収されてしまったのか。これほどのことにもかかわらず一切の連絡をよこしてこないとはなあ。それとも君が横槍を入れたのか。
ウージュ博士を見つめる。
まあまあ、君のせいにするつもりはない。何せ、名医省には外の世界は歴史分岐器で決定論的にされてしまい、その世界でないものが入った途端に抹殺されることを伝えていないからな。
21:14
今のところ、大将の言及する名医省については、SCPCNのPOIである名将氏との関連はまだ判明していない。
もしかすると、派遣されてきた者がそれで死んでしまったかもしれない。
まあ心配はいらないと伝えておけ。直接ここに来ればいいではないか。議会の範囲を踏み出さない限り、歴史分岐器に同行されることはないし、それとそれのログとやらで死ぬこともない。外の現実はまだこことは隔離されているのだからな。
予定のタイミングが来ない限り、チャイルドの者が入ってくることもない。そのタイミングまでまだたっぷりと時間がある。
歴史分岐器は君の発明品のはずだ。君が説明した方が説得力があると思わないかね。
それにしても、私の行政解禁令をそのまま着服するつもりか?小僧。
笑っているようで笑っていない表情を示す。
かしこまりました。私から伝えておきます。それとそうですね、この解禁令はやっぱりお返しします。
ビジネスバッグを探りながら。
はっはっは、また猫かぶりしよって。もらっておけ。私とて器量がそこまで小さいわけではない。出してしまったものを返してもらうつもりはないよ。
まったく、私のことはよく知っているはずと思うがね。
なあそうだ、いろいろと疲れているだろうから、このお茶を飲んでおけ。
大将は手に取った湯飲みをウージュ博士に渡す。ウージュ博士が匂いを嗅ぐと、眉をひそめながらすぐ湯飲みを返した。
すみません、猫舌なもので、少し冷めたら飲みます。
いいだろう、あとで飲むがいい。
ウージュ博士を注視しながら。
忘れるでないぞ。
あとはそうだな。帰ったらすぐさまピエールに対する調査を始めるようにと鳩たちに伝えておけ。
それと、だ、これから言うことはちゃんと覚えることだ。秘書としての能力がまだ健在ならな。
まずピエールを軟禁しろ。代わりに君がしばらく彼の仕事を引き継ぐ。
ついでに新しい大統領の人選をリストアップしてくれ。
私の人を選ぶ基準は知っているはずだ。
はっきり言えば、現時点では安定維持と宗教的迫害を勧行できるものが適任だろう。
もし人選に困るのならば私が直に選ぶ。
24:03
首相経とやらがもう空中分解して教主が投獄されたのに、まだしでかしてくれやがって。
そんなに経に準じたいか。なら、叶えてやろうではないか。
ディオクレティアヌスのやり方で黙らせてくれる。
あいにくコンスタンティヌスの再来はないだろうがな。
ああ、そうだ。ピエールを尋問するときには拷問でもかませてやれ。
私の部下に手を出すとどうなるかはさぞかしい予想していただろうね。
無論、財団がかつて使っていたやり方で、だ。
SCPはすべて転送されてしまったが、まだレプリカがいくつか残っているだろう。
半殺しにして、SCPで生かしたまま苦しめてやれ。
洗いざらい吐いてくれるだろうよ。
あとは、それにやられたせいで文明の遺跡を探すという宇宙艦隊計画は一旦中止だ。
ハトにきっちり粛清させろ。
実際のところ、議会の中では非財団派の復活者議員のやり方はいくらか使えるものだ。
君はただ大胆にやればいい。
私が後ろ盾にいる限り、誰も君に手出しはできん。
最後に、だ。
マザーにいる主状況の殺しきれない虫キラどもを何としてでも締め出せ。
連中を捕まえたら拷問にでも死刑にでもかけろ。
数百年の古い付き合いだ。
是非ともこの目でどう足掻いてくれるか見たいものだな。
ああ、そうだ。忘れるところだった。
あと一つ覚えなければならないことがある。
この件は絶対にマザーの四つ星協会に知られてはいかん。
少しでもネタをつかませてしまうと全てが終わりだ。
そうなったら君だけでなく皆が道連れになる。
わかったな。
まあ、議会の方は任せておけ。
他の議員、特にナインには一言も喋るな。
情報は私の方で伏せておくからな。
最後に議会事務局と仲裁部の子達によろしく言ってくれ。
まったく、体型が違うとこうも面倒くさくなる。
機会があれば異性を襲いでやったものを。
拒否権と人事権を持っているからといい気になって。
話は以上だ。覚えたか。
汗を拭き取る。
はい、かしこまりました。
しかし、その鳩というのは?
大将は沈黙し、ウージュ博士を数秒間凝視する。
天命教の情報機関、天命組織、天命党のことだが、
なんだウージュ君よ、今日は調子でも悪いかね?
笑っているようで笑ってない表情のままウージュ博士を見つめる。
いえ、そういう意味ではなく、鳩の誰にと言いますか。
27:04
私の表現が悪かったです。すみません。
いいだろう。鳩の誰だって。教えてやろう。名は名将とな。
大笑い。
どおりでチャイルドの与党司教会がずっと連絡をよこしてこないわけだ。
君、君たちはもう歴史分岐器か、もしくはそのログを発見しているね。
001にでも指定しているのではないか。
しかも中国支部のオブジェクトとして。やはりな。
ところでウージュ博士よ、私はもっと早く気づくべきだったな。
君が腰につけているその骨董品にね。
財団制のガタ拳銃、ただのコレクションだと思っていたよ。
ピエールがそんな大それたことをしでかす球ではないと思っていたよ。
いい芝居だったな。久しぶりに満足したものだ。お礼でも言うべきかね。
そうだな。ああ、確かにそうかもしれん。
ほら、お茶を飲め。私の感謝の気持ちだ。
遠慮するな。物分かりのいい君のことだ。
将来秘書長に抜擢されるだけはある。今回は失望させるでないぞ。
ほほ笑み。
あなたとの会話で情報収集はすべて完了した。
これ以上付き合うつもりはない。
お茶も冷め切っていて、残念ながら飲む気にはならないね。
飲め。約束したではないか。
財団職員の約束はそんなに信用ならないのか。
あなたの方こそよくご存知のはずだが。
宇宙博士は厳しそう返し、執務室のドアを開けるが、
O5-13が机上のあるボタンを押すと、ドアが自動的に閉鎖した。
飲め。遠慮するでないぞ。
ドアを開けろ。
机を叩く。
私のお茶だ。私が入れたお茶だ。飲む気はないとでも。
はっきり言っておこう。
飲む気があろうがなかろうが、無理やりにでも飲ませてくれる。
大将は湯呑みを持ち宇宙博士に飲ませようとする。
宇宙博士は拳銃を取り出す。
何をする気だ。
それはこっちのセリフだ。手を離せ。
こびた笑顔。
そ、そこまでしなくてもいいではないか。話せばわかる。
話せばわかるだろう。私はただ入れたお茶を無駄にしたくないだけだ。
落ち着け。落ち着け。
ところで財団の理念はまだ覚えているかね。
確保、収容、保護。これで合っているはずだな。
30:01
まさか歴史分岐器の誤作動でGOCにでも併合されてしまったのか。
予想が間違ってなければ私はSCP-CN590、もしくはその一部のはずだが。
これで脅したつもりか。無駄だったな。
そうだ、お茶は大将お好きなようで、これはあなたが飲めば。
財団のやり方をわからせてやる。
湯呑博士が逆上して大将にお茶を飲ませる。
その後ドアを蹴破り救護班に連絡した。
貴様。
大将は泡を吹きながら床に倒れる。
解剖の結果、大将はこの時すでに死亡していることが判明した。
しばらくの後、救護班が到着し大将を確保。
数時間後、SCP-CN590内から強烈な振動を検知。
同時に元地球事務局の監視サイトはSCP-CN5902から異常の線香を観測。
また、この際財団の監視装置は一瞬の間だけ作動不能になった。
振動の数分後、監視装置が復旧。
同時に大将の執務室内でO5-13が再び出現したことを確認した。
救護班の検証により死んだ大将が復活したのではなく、新しい個体であるとの結論がなされている。
新個体は出現後、執務室の中を調査。
しかし、8機の監視装置のうちの2機だけが発見され、撤去、破壊された。
新O5-13。不明の装置で不明の個体に連絡。他のSCP-CN5901個体と思われる。
状況が変わった。現実は我々の予想を遥かに上回ってしまった。
ウージュウ君が急にチャイルドに来たのだ。
もうバレてしまったと思って、いっそのこと記憶処理でもして処分しようとした。
どうせ復活はできるしな。
だが、まさか。
あれはチャイルドのウージュウだった。間違いではない。チャイルドだ。
チャイルドが急に干渉してきたのだ。
全てが狂ってしまった。変化した状況に応じて色々と軌道修正を加えなければならんが、見当もつかん。
とにかく、このまま先延ばしにしてはいかん。先に延ばすほど不確定要素が増えるのだ。
不確定要素が増えるのだ。前もって手を打たなければ。
まずはこうだ。君は声を出すな。私の計画を知っている人間はただでさえ少ない。
これ以上特定されるのは避けたい。私の行動を見て臨機応変に対応するんだ。
33:02
数日後、霊人に召集をかけさせる。野話にしてはいけないものを早急に排除しなければ。
このまま予定を崩れさせると、あの偉大なる目標を完成させないと、私にはもう何も残らん。
目の前の書類を見ながらつぶやく。
まあ、表立ってしまうことはわかる。だが、うまくひと芝居打てばきっと大丈夫のはずだ。
新大将はその後、連絡に使用した不明の装置を破壊し、書類を開封し、再度公務をこなし始める。
以降、異常な行動はなし。
記録終了。終了報告書。
インタビュー終了後、ウージュ博士は軽率な行動で懲戒処分を受けることになったが、
非常事態における臨機応変の良さと身分を偽装し、情報入手に成功したことで表彰された。
これにより、SCP-CN590担当部門からウージュ博士を移動させる提案は却下された。
ちょっと選挙カーが通ってますね。
コア編集者の権限を確認しました。非表示の内容を開示します。
ようこそ、アゼクラ様。
アゼクラによるホイ1不規。ホイ1に関連するメールログ。情報の整合性は毎回チェック。
アゼクラ。2016年5月12日。メモ。
To O5-9 From Dr.Ujiu
件名。O5-9執務室の事務用品調達及びUjiu博士の休暇申請について。
内容。
親愛なるO5-9様。お世話になっております。
SCP-CN590元地球関連事務総局総委員会常務委員のUjiuです。
誠に僭越ながら、O5-9様には何とぞご油断ないようにとメールにてご申言させていただきます。
慎重に事を運ぶ必要性を論証するために、まずオブジェクトに関する情報を述べさせていただきます。
最近の目撃情報、監視情報、並びに私がひと芝居打って得られた情報によると、
指導者議会なる組織にO5-9様の複生体であるO5-9が存在しているのは確かです。
しかもすべての情報はその複生体が絶大な権力を有していることを示唆しています。
O5-9様にはかつて私の命を救ってくださったご恩があり、私をここまで導いてくれたことも周知の事実です。
あなたのお言葉はいつも肝に銘じております。
それだけでなく、あなたに教わった人と、仕事との向き合い方もいつも堅持してきたつもりです。
あなたの行動考量は、すなわち私個人の最高行動考量です。
36:01
あなたの一挙手一投足は、すなわち私の模範です。
だからこそ、あなたがしてきたこともすべて存じ上げております。
長文になってしまいましたが、私はただ、あなたが永遠に私の尊敬すべきお方であるということを、私がいつもあなたを心に思っているということを知っていただきたいのです。
たとえ私が元地球事務総局に移動させられても、それは変わりません。
しかし困ったことに、あなたの複生体が現れました。
複生体が存在している以上、それがあなたと同様の記憶を保持している可能性を、総局は排除できないでしょう。
しかも、基地の情報によれば、その可能性は極めて高いと考えられています。
どれだけ高いかというと、ほぼ100%です。
ここまで来ると、私が言いたいことはお分かりになると思います。
我々は彼を制御できません。
はっきりと申し上げますと、あなたがしてきたとても申し上げられないことについては、彼によって明るみに出る可能性がございます。
これはあなたにとっては百害あって一理なしでしょう。
我々の、あるいは私の仕事は、あなたがO5として永遠に君臨するように、あなたの身の潔白を保障することです。
ですので、あなたに有害な反財団、反O5の言論を統制するためにも、あなたの地位を確固たるものにするためにも、お早めに手を打つことをお勧めいたします。
少なくとも倍以上に警戒すべきでしょう。
つきましては、オブジェクト、指導者議会に対する処置の許可をいただきたいのです。
あなたが命令さえ下せば、我々は例え、県の山でも、日の海でも超えて、離間でも県政でも、SCPでの使用でも、あらゆる汚い手段を駆使して、指導者議会を支離滅立にして差し上げることを保障いたしましょう。
その際、ことが明るみに出ても、責任は我々が負います。
あなたの地位さえ守れれば、我々はどんなことをしても厭いません。
指導者議会を解散に追い込めば、目的が達成されたも同然です。
その時になれば、元地球とやらに関する情報を安心に収集することができるでしょう。
どうか我々の忠誠をお見守りください。
どうかお気を付けください。
ウージュ博士、2013年1月5日
To Dr.Ujiu from O5-9
件名、ウージュの言論に対する返答及びデマの留付、並びに財団に対する離反等の行為に対する処分について
内容
ウージュ博士、言論を広める前に、それがもたらす結果をしっかりと考えることだ。
39:02
まず、完全に無関係な件名でこの内容のメールを送ったことは、私を大いに困らせているということを知っていただきたい。
そして、君がメールで表現した熱狂的な個人崇拝や、GOCを想起させるキチガイな破壊願望と、私個人に対しての誹謗中傷には、財団職員としての優れた素質が欠けており、君自身の観念の歪みが如実に出ている。
無論、それに対しては私にも責任がある。部門の指導者を任命するときは人選を間違え、君を元地球関連事務総局総委員会常務委員に抜擢する、なんて誤りを犯してしまったものだ。
私がしてきたという申し上げられないこととは、明るみに出てはならないこととは、私にとって百害あって一理なしとは、是非とも私にではなく財団の皆にしっかりと説明していただきたい。
私がしてきた申し上げられないことは、O5評議会に入って以来、O5内院として数百年間、地道に働き堅実に務め、堂々と物事を成し遂げてきた全てのことだ。
私にとって百害あって一理なしなのは、人類の利益をおもんじ、人類の最高目標を我が最高目標として行った全ての選択と命令だ。
なぜ私にとってそれが百害あって一理なしというのか。
公務に我が身を投じて数百年、私個人の利益を何一つとして考えていないからだ。
我が家族が数百年前に自然死した際にも、私は一切の干渉を加えなかった。
これが君の言う申し上げられないことと百害あって一理なしなのか。
O5の肩書きに、私の名誉に懸けて誓う。
私がしたことは全て人類の未来のためにしたことだ。
利己欲など一切入っていないばかりか、他人に言いにくいことなど一切していないと保証しよう。
私が過去に何かをやったという根も葉もない噂に、私は断じて恐れないし、未来永劫その可能性はない。
複生体のO5-9が私の記憶を保有しているのならば、私がこの数百年間で堅実に貢献してきたことも知っているだろう。
無実の罪になど付き合うつもりはない。
もし私の複生体が、私にとって有害な百害あって一理なし、とやら、申し上げられないことを明るみに出す、とやらの言論を発しても、それは間違いなく必然的に恥じるべきデマである。
42:00
しかし君、ウージュ君よ。ウージュ博士よ。
ごまかし通したふうに、複生体のO5-9だの何だのの理由を振りかざして、故意に私の人格を誹謗するのはどういうつもりだ。
過去に汚いことを手に染めた、というぬれぎぬを着せようとするその目的は何なのか。
以上を鑑み、私は君に処分を下さなければならない。
君がかつて財団に対して多大な貢献をしたことを考慮して、市場に囚われることなく規定により処分を軽くするつもりだ。
第一にレベル2職員に合格し、財団内部メール管理部門ミーム搭載課へ移動。
メールの送受信管理を担当するものとする。
体操、メールで小細工をするのが好きのようで、せいぜい皆のメールのために頑張ることだ。
第二に君の送信したメールは開国のためにこのメールとともにオンラインデスクシステムのホームページで公開するものとする。
第三にCN支部全体に向けて公開状を作成し、君のふざけた言論がいかに間違いだらけだったかを説明するものとする。
然るべき反省して、次の職場で財団職員が持つべき素養を取り戻すことを期待する。
059、2013年1月5日。
以上がホイ1となっております。
なーがい。
059、あとは0513とウージュ博士とのやりとりですね、関係性だったり。
なんだろ、このウージュ博士はどっちなんだ。
マザ、ん?な?
チャイルドだった。
0513と嘘の芝居でヤンヤンヤンヤンしてたウージュ博士と、このメールのウージュ博士は多分同一人物なんですよね。
一芝居打ってどうのこうのってメールで言ってたので。
ちょっとまだわかんないことだらけですが。
次回はホイ2。
もし短ければホイ3、ホイ4と続けていこうと思いますが、
この分量が続くのであれば毎回ホイを一個ずつ進んでいく感じになると思います。
ではまた次回お疲れ様です。