00:11
MAYO
Beside the Seaside プロデューサー兼 家業アトツギの永野 真代です。
MISAKI
アートディレクター兼デザイナーの 髙橋 美沙紀です。
MAYO
東京と茨城の海沿いの街とのニ拠点生活をしている私たちが、
人生のA面、B面、C面についてあれこれと語る言語化雑談番組です。
ごきげん。
今日は久々にお便り回。
MISAKI
久々だね。
MAYO
ごめんなさい。いっぱいお便りいただいてるのに、
あー喋りたい、あー喋りたいって。
MISAKI
読んでるし、覚えてはいるんだよね。
MAYO
すいません。なので、久しぶりにお便り回したいと思います。
BCside ネーム、
あっこさん。
あっこさん?
MISAKI
あっこさん。あっこちゃん?
MAYO
あっこちゃん?
MISAKI
あっこさん、ありがとうございます。
MAYO
あっこさん、ありがとうございます。
えっと、あっこさんすごいたくさんメール送ってくださったので、
たくさん、長く?
MISAKI
長くね。
MAYO
そう、あっこさん長文で送ってくださったのですが、
ちょっとこちらで割愛しながら紹介させていただきます。
「第18回の話題について、
書き起こし、LISTENだね、
を読んで書かずにはいられないと勢いでメールしています。
大変大変興味深い内容でした。
なぜなら、今でも私が好き勝手に文章を書いたりするオタクをやっているからです。
作品の関係って題にあって話し合っていたのでドキドキしたんです。
このドキドキとはワクワクにほぼ近いもので、
大人の社会見学的なやつですね。
そうか、そうだった。
二人は仕事として何かを生み出す人たちだった。
だから作品のために服を着るのだなぁとちょっと興奮しました。
ちょうど作品は子供か分身かとあったので、
二人のスタンスを覗けたのはとても楽しいことです。
作品は子供か分身か、そうだなぁ私は友達かな、
というわけで質問です。
最近読んだ本は何ですか?
だそうです。
MISAKI
本か。
MAYO
その前に感想について触れる?
MISAKI
そうだね。
MAYO
あっこさんありがとうございます。
MISAKI
ありがとうございます。
MAYO
覚えてる?18回。
03:01
MISAKI
覚えてるし、すいませんでした本当に。
MAYO
作品の関係。
MISAKI
本当に私のね、こんなこと忘れてほしい。
MAYO
なんでなんで?
面白かったよ。
MISAKI
服装とかに対して、私はあらゆるものを乗せすぎてたなっていう。
自分で、作品もそうだけどさ、
こういう人間でございっていうのを一目でわかるようにしたかったんだよ。
だからちょっと同一視しすぎたね。
MAYO
なるほど、毒親化してたってこと?
MISAKI
そうそう。だから言ってんじゃん。
でもこんな風にちゃんと刺さってくれてる人もいるんだっていうので、
ちょっと安心はしてはいるけど。
MAYO
ありがたいね。
MISAKI
反省回ですね。
MAYO
そんなことないよ。
わかる。気持ちはめちゃくちゃわかる。
やっぱね、生み出す人間としてはさ、我が子のように愛おしいじゃないですか。
MISAKI
愛おしい。愛おしいが過ぎたね。
MAYO
愛が過ぎた。
MISAKI
すいませんでした。
MAYO
たまにこう振り返れるからいいね。
MISAKI
そうね…?
MAYO
というわけで質問です。
最近読んだ本は何ですか?
MISAKI
読んだ本、あれかな?漫画でもいい?
MAYO
うんうん。
MISAKI
じゃあ一冊あげるとすると、
私は、「君と宇宙を歩くために」っていう漫画作品があるんですけど、
これを読んだし、もし未読の人があったらおすすめしたいなっていう。
MAYO
未読未読。
MISAKI
未読未読?
結構多方面で話題になってるし、
もしかしたら聞いてる人の中には今更感がある人もいるかなと思うんだけど、
先日なんかね、漫画大賞2004、
すいませんタイムスリップしちゃった。
MAYO
2024。
MISAKI
2024の大賞を受賞してて、
やっぱそれだけ共感する人が多かったんだろうなっていう本なんだけど、
かいつまんで話を説明すると、
主人公は正反対の性格を持つ男子高校生2人が主人公なんだけど、
結構それぞれの壁にぶつかりながらも、
自分の人生を楽しく生きるために奮闘するっていうような友情物語なんだけど、
主人公の一人は、結構学校もバイトもちょっと続かない、
ドロップアウト気味の小林っていうのがいて、
彼は彼でやっぱそういう生きづらさを感じているのと、
06:05
MISAKI
バイト先でちょっとうまく立ち回れないなとか、
っていうのを抱えたりして、
そんなある日、転校生として、
宇野っていう、変わり者の宇野っていうやつがちょっと来るんだけど、
なんで変わり者かっていうと、ちょっと後で説明するんだけど、
やっぱその子も他の人は普通にできることができないっていうタイプの子で、
でもある日の事件をきっかけに、
いろいろ工夫をして、なんとか生きようとしてるっていうのが、
分かる事件があるんだけど、
それをきっかけに結構2人が共鳴するように、
生きていくっていう、奮闘してるっていう物語なんだけど、
MAYO
共通してるのは2人とも生きづらさを抱えてるってこと?
MISAKI
そうそう。
変わり者の宇野っていうのは、
結構常にノートを持ってて、
しかもそれがみっちり書き込んである、
めっちゃボロボロのノートで、
時々それを見ながらブツブツつぶやいてたりとか、
あとは結構声の大きさとかが常にでかくて、
空気読めないみたいな感じのタイプの子なんだけど、
その子がノートに何を書いてるかとか、
あと書くようになった理由とかが明らかになるエピソードがあるんだけど、
それが分かった瞬間に、
ぐっと物語の中に入り込むね、
人ごととは思えないなっていうような共感がすごいっていう。
MAYO
そうなんだ。
きっとストーリー全部喋ってしまうと、
これから読んでない人、私もそうだけど、
楽しみをきっと奪っちゃうと思って、
マイルドに喋ってくれてると思う。
もうちょっと生きづらさみたいなものとか、
もしくはミサキさんが共感したポイントを、
さっくり一言で言ってどういうこと?
MISAKI
えー、迷うのよ、
ノートに、
宇野がノートに書いてたことを言っちゃうと、
読んだ時の新鮮味がなくなるし、
感動も半減させてしまうなと思って、
言えないんだけど、
なんかね、
スヌーピーじゃないけどさ、
09:01
MISAKI
スヌーピーが言ってたけどさ、
人生、
配られたカードで勝負するしかない中で、
カード…
これちょっと思い出して泣いちゃってるんだけど、
配られたカードで、
それがどんなカードであっても生きるしかない中で、
自分たちでどうしたらよく生きれるかっていうのを、
10代の少年が工夫して、
ひたむきに向き合っている姿勢に、
そういう2人の姿に非常に胸を打たれましたっていう話です。
MAYO
私たちみたい?
MISAKI
私たちみたい。
だからより共感がすごいと思うし、
息子いないけど、
その2人を息子のように思えてきてて、
そういう意味で私の母性も爆発したんです。
MAYO
すごい。共感と母性が爆発したんだ。
MISAKI
やっぱもう本当素直に応援したくなるしね。
MAYO
ミサキさんとしてとっても共感するところが大きかった。
MISAKI
大きかった。
11月ぐらいに1巻が出たばっかりだから、
手に取りやすいかなとは思うので。
MAYO
原作がある漫画?それとももう漫画?
MISAKI
もう漫画。
MAYO
早速買って帰ろっかな。
MISAKI
ぜひぜひ。
MAYO
どうしよう、私そういう文学的作品を最近読めてなくて。
MISAKI
どういうの読んでるんですか?
MAYO
もう完全に学術書とか、よくてビジネス書?
MISAKI
よくてビジネス書なのね。
MAYO
本当は文学作品も大好きで、小説も大好きで、漫画も大好きなんだけど。
MISAKI
そうだよね。
MAYO
ちょっと最近、Kindleの自分のライブラリー見たら、
学術書だらけでちょっと、
MISAKI
白目むいちゃうね。
MAYO
どんびきしてる。
自分で自分で。
そんな中で、ちょっと私たちに関係があるかなっていうものを紹介すると、
関係人口の社会学、人口減少時代の地域再生。
田中輝美さんっていう方が、博士論文として書いたものを、
420ページもの大作として。
12:00
MISAKI
どういうところ…
MAYO
学術書なんだけど、すごく平易な言葉も持ちながら、
わかりやすくかつすごくきめ細やかな気遣いを持って書かれている本です。
というのも、この方は地域の、地方の新聞の記者だったのかな。
ローカルジャーナリストとも名乗っていらっしゃる方です。
それもあって、とってもわかりやすく書こう書こうっていう。
でも、学術書として、博士論文として、
絶対に押さえなければならないところとかはきちんと押さえているっていう本なので、
初めて読む人にはいいと思うんですが、
概要を説明するね。
この関係人口の社会学って本は、
関係人口を社会学の見地から定義して、その役割を論じた初の関係人口の研究書です。
4つの地域の事例から、関係人口が地域再生に果たす役割と、
人口減少時代の地域再生に向けた具体的な方法を示しています。
そもそも関係人口とは何ぞやなんだけど、
ミサキさんわかる?
MISAKI
地域と関係人口ってことだよね。
また言葉としては聞いたことあるけど、
そんな意味合いを詳しくは知らない。
MAYO
そうだよね。
一応、軽く説明すると、
まず定住人口っていうのがあります。
定住人口はわかるよね。
そこに居を移した、住民票もある人たち。
人口減少時代において、
その人たちだけでは地域が衰退してしまうということで、
交流人口。
そこに旅行やイベント参加などで関わる人口というのが埋まって、
ただし、さまざまな、もちろん交流人口にもメリットというか、
良い作用をもたらした面もあるんだけれど、
効果は生まなかった。
むしろ地域側が疲弊してしまったっていう側面もあったので、
さあどうしようって時に生まれた考え方というか、
概念が関係人口。
定住人口でも交流人口や観光客でもない、
地域の企業でもボランティアでもない、
ただ地域外の主体の概念。
MISAKI
関係人口っていうんだ。
定住してる人たちとか、観光できたり、
っていう人たちが関係人口の中に含まれないということ。
MAYO
でもすごく今グッドクエスチョンで、
関係人口ってなんとなくわかるけど、
グラデーションがある。
人によって使い方にグラデーションがあって、
15:03
MAYO
定住人口よりの関係人口の人も、
意味合いで使ってる人もいたり、
もしくはそれに当てはまる関係人口の人もいたり、
交流人口の方に近しい動き方をしてる人や、
そこを定義付けしてる人もいたりする。
なので、そこを一旦研究してみようっていうのが、
この本の意義っていう。
MISAKI
そういうことなのね。
MAYO
定義してみて、その上でその関係人口になる人たちが、
地域再生にどう役割を果たすのか、みたいな。
MISAKI
へー。
関係人口か。
MAYO
関係人口って本当に今までもいろんな人たちが、
定義付けをしていたり使っていたりして、
最初は、ポケマル、ポケットマルシェって知ってる?
雨風太陽っていう会社の高橋さんって人がいるんだけど、
その人とか、ソトコトの指出さんっていう編集長とかが、
一緒に言い出した言葉とされていて、
で、その人たちは逆参勤交代でしょ?
とか、東北の食材を定期購入する人、みたいな意味合いから、
ポケマルの高橋さんとか使い出したり、
ソトコトの指出さんとか、地域ディレクターとか、
ハブになる人、みたいな。
役割を担う人たち、みたいなので使ったり。
学術的には、小田切先生って人が、
特産品を購入したり、ふるさと納税で寄付したり、
頻繁な訪問をしたり、二拠点居住をしていたり、
そういう人たちも含まれます、みたいな。
MISAKI
へぇー。
いや、そうだね。
じゃあ、私、結構関係人口っていうのに、
多分誤解して認識してた。
そういう定住とか、何かしら関係のある人っていうふうに思ってたから。
MAYO
それは、当たらずとも当たらず、みたいな感じだと思う。
で、この田中さん、著者の田中さんは、
関係人口の定義を、さまざま、これまでの先行研究、
そして4つの地域の事例から、こう定義しています。
特定の地域に継続的に関心を持ち、関わるよそ者。
MISAKI
おぉー、なるほど。
よく聞く、地域協力隊みたいな?
MAYO
地域おこし協力隊?
MISAKI
地域おこし協力隊です。
っていうのは、関係人口の中に含まれるのかしら?
MAYO
地域おこし協力隊は、制度として住民票をその土地に移すことが条件なので、
厳密に言うと、関係人口というよりは、定住人口?
MISAKI
の、よりっていうか、定住人口なのか、よりとか。
18:06
MAYO
そこはね、まさにおもしろいので、私は研究したいなと思ってるんだけど、
とりあえず、そうだね、協力隊の方々は、
少なくとも3年の現役、隊員時代は、関係人口ではないかな?
MISAKI
なるほどね。ちょっとね、誤解してた部分もあったかもね。
MAYO
なんでこれが、私たちにもいいかなと思ったのは、
まずその定義からすると、
小田切先生は、二拠点居住の人たちも含まれるよっていうところで言うと、私たちは含まれるだろうし、
継続的に関心を持ちつつ、東京の文化や暮らしの影響を受けた、
よそ者意識もあったりするかなと思って、
MISAKI
それはね、
MAYO
新たな形の関係人口でもあるのかなと思って紹介してみました。
定義だけじゃなくて、この本の素敵だなと思ったところは、
その関係人口が果たす役割のところで、
地域の衰退サイクルっていうのは、昔からあったんですよ。
こういう風に地域って衰退してっちゃうんだよっていうサイクルをモデル化した研究があって、
この人は、地域はこういう風に再生するんだっていうモデルを作った上で、
そこに関係人口はどう効果をもたらしているかっていう。
MISAKI
ちゃんとそこまで文字にしてくれてるんだ?
MAYO
そうなの。
地域の再生サイクルの方は、本を見てもらいたいんだけど、
この著者の田中さんが言う、地域再生における関係人口の役割は2つあると。
地域再生の主体を形成すること。
そして、創発的な課題解決を促すこと。
そして、この役割を果たすための条件となる地域住民との相互作用形式が共同であると。
私の解釈で言うと、超スーパースタープレイヤーとして、
地域で何か役割を果たす、産業を起こすとか、イベントを作るとか、
そういうだけじゃなくて、いうのではなく、
その関係人口の人が関わる、共同する、地域住民と共に動くことによって、
地域住民側からも、よし、地域づくりしてみようっていう主体が生まれる。
21:01
MISAKI
主体性を誘発させる。
MAYO
主体性も誘発させるし、主体性を持った主体を作る。
で、作った上で、じゃあ地域の課題ってこれだね。
じゃあこれを解決しないとどうしたらいいだろう、っていう解決策を新たに作ることを促す。
素敵じゃない?っていう。
それは必ずしも、スーパースタープレイヤーじゃなくてもできる。
4つの地域の事例を通して編み出したっていうことです。
だから私たちみたいな非力な人間でも、地域に何かしら関わって、
地域づくりに私たちも主体的に関わることによって、
4つの地域で新たな主体を生む、なんていうこともできるかもしれない。
MISAKI
かもしれないよっていう。
MAYO
希望があるものだなと思って紹介してみました。
MISAKI
なるほど。400ページなんですよね。
MAYO
そうなの。
すごい今上澄みしか喋ってない、それで言うと。
MISAKI
その話聞いてさ、興味は持った一方、400ページかっていうのをちょっと今現実を見てしまいました。
MAYO
こんなまとめ方でいいのか、著者の田中さんが聞いたら、違うって言われちゃうかもしれないけど。
MISAKI
そう解釈しました。
そうです。
MAYO
ですです。
MISAKI
面白そうな。
こんなとこまで違いが出るかと思ってちょっと。
MAYO
私たちの。
MISAKI
まさかそんな論文とかが出てくると思わなかったから。
MAYO
それだけ今ちょっと地域を愛してるよってことです。
MISAKI
そうだね、そういうのにより深く関わってる人とか読んでみると、いいのかも。
MAYO
そうだね。
地域を愛したいなあ、かな。
地域を愛してるっていうよりも、地域を愛したいなあ、と思ってますっていうことなんだけど。
そうだね。
ちなみに、お便りをくれたBCsideネームあっこさんのおすすめ書籍書いてくださっていて、何個もあるんですけど、2つだけ抜粋させていただくと。
「貴族とは何か ーノブレス・オブリージュの光と影ー」
2つ目。「京都物語の道」彬子女王著。
MISAKI
どっちも初見なんですけど、前にあなた、ノブレス・オブリージュがどうのこうのって言ってなかった?
MAYO
言ってた。
MISAKI
言ってたよね。
MAYO
言ってた。
MISAKI
何だっけ、貴族の義務と何かの話だよね。
24:03
MISAKI
何だっけ、義務と何だっけ?
MAYO
ノブレス・オブリージュ?どうしよう、長くなっちゃうかも。
MISAKI
そうかそうか。
MAYO
またぜひその話をコードしよう。
じゃあ今回はこのあたりで。
MISAKI
はい。
MAYO
番組では皆様からもお悩みやエピソード、トークテーマを募集しています。
メールアドレス、bcside2@gmail.comです。
MISAKI
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
MAYO
それではまた次回。