1. Audio Japan 〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜
  2. 15. 全国学力調査:調査の目的..

■話の流れ

全国学力・学習状況調査は毎年4月下旬に実施 / 小学校6年生と中学校3年生が「国語」「算数・数学」を受ける / 3年に1回「英語」や「理科」も実施 / 2023年度は「読む」「聞く」が5割程度に対し,「書く」が2割・「話す」は1割 / 国の到達目標ではCEFR A1レベル(英検3級レベル)の割合が50%以上 / 80%以上到達している自治体がさいたま市と福井県 / さいたま市の成功事例:①9年間のカリキュラム,②アウトプットする機会が豊富,③民間試験から得られたデータ分析 / 雑談:教師の魅力


■番組内で紹介した本

『世界基準の英語力: 全国トップクラスのさいたま市の教育は何が違うのか』(著)細田 眞由美

https://amzn.to/3Ipnt9F


■参考データ

2023年度全国学力・学習状況調査報告書

https://www.nier.go.jp/23chousakekkahoukoku/report/data/23meng_k.pdf


【しらべてみたら】英語力1位の授業が凄かった!トップに輝く街の魅力を大調査

https://www.youtube.com/watch?v=hLP2gEOFv6Q


【人口増加数1位!】0歳から14歳の人口が増加 さいたま市が取り組む環境づくりとは?

https://www.youtube.com/watch?v=zn-pZX7oCqk


中学生の英語力日本一!さいたま市が取り組む先進の英語教育『グローバル・スタディー』とは?〜細田 眞由美教育長インタビュー〜

https://world-family.co.jp/why/news/202101-03.html


文部科学省「英語教育実施状況調査」結果発表 前回調査から上昇傾向も目標値にはわずかに届かず

https://news.yahoo.co.jp/articles/781d3a0f146badc87282f33f1ee8ded25548a4e2


■アンケートフォーム

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSecxrGlGRJEdeVL2klEei5L1kGzjImbEnRJBsvBf_OPX2wYFQ/viewform


■Twitter(現X)

https://twitter.com/bignoblemen


■YouTube

https://www.youtube.com/@bignoblemen


■note

https://note.com/bignoblemen



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Audio Japan 〜あなたと一緒に日本を学ぶ〜
この番組は、日本の文化やトレンド、マニアックな情報などを掘り下げて楽しく学んでいく、そんな番組です。
英語で聞きたい方は、Audio Japan Learning Japan with you よりお聞きください。
Spotify、YouTube、Apple Podcast などで配信を行っています。
パーソナリティの教育デザイナー、Arai Taiki です。よろしくお願いします。
本日、3月8日なのですが、この放送がされている頃には、中学校の卒業式が行われていたり、数日後に迎えている学校が多いと思います。
先日、中学校訪問の日と3年生を送る会、通称3相会がちょうど重なっていましたので、私も参加して一通り見てきました。
いやー、パワーがすごかったですね。
歌やメッセージを通じて、1、2年生が本気で3年生を送り出そうとしていたり、3年生は後輩に何か残そうとしたりする力が伝わってきて、
一部会社ではあるもののすごく感動しました。
そんな素敵なイベントの1ヶ月後には、入学式や始業式が始まるのですが、それに加えてもう一つイベントがあります。
それは毎年行われる全国学力調査というものです。
今回はそれについて話をしていきます。
前半部分では、全国学力調査の概要と中学校の英語教育の立ち位置について、
後半部分では英語教育に力を入れている自治体について紹介していきます。
エンディングでは、教師の魅力について雑談ベースで話をしていきます。
では始めていきますね。
これを聞いている方は、全国学力調査、なんとなくニュースで聞いたことある方がいるかもしれません。
全国学力調査というのは、文部科学省が日本全国の小中学校の最高学年、小学校6年生と中学校3年生全員を対象として、学力、学習状況の調査を目的として行うことを指します。
試験ではなく調査になりますので、全国の児童・生徒の学力だけではなく、学習状況も把握して、その上で分析し、教育施策の成果と課題を検証、その改善を図っていきます。
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調査内容としては、毎年国ごと算数、もしくは数学の二教科が課されます。
加えて、3年に1回英語科、理科が追加で加えられることになりますと。
そこで今回取り上げたいのは、私の専門科目の一つである英語なのですが、2023年度全国学力テストは4月18日に実施されましたと。
中学校では4年ぶり2回目となった英語なのですが、その平均正答率は46.1%でしたと。
前回実施したのは2019年度なのですが、その時は56.5%だったので、それと比較すると10.4ポイント低下したことになりますと。
4技能別に見ていくと、聞くに関しては58.9%、読むに関しては51.7%、書くに関しては24.1%、そして話すに関しては12.4%の内訳となっています。
総評として、今聞いたように聞く、リスニングと読む、リーディングは比較的高いのに対して、書く、話すに関してはかなり低い結果となっております。
また、もう少し分解していくと、日常的な話題について短い情報を正確に聞き取ったり、事実と考えを区別して読んだりすることはできているように見受けられました。
その一方で、文章の概要や意味を捉えたり、社会的な話題について自分の考えや理由を表現するところ、そういったところに課題が見られました。
私も2019年度と2023年度両方の問題を解いてみましたが、学校の授業で問題なく理解できたり、アウトプットする機会があれば、平均点は5割から6割くらいまでは行きそうかなと感じましたね。
そこで、今度は2023年度の学習状況調査というものをチェックしてみました。
余談ではあるのですが、この調査は児童・生徒の普段の私生活や人間関係だけではなく、先生方・学校の対象となる学年に対する評価も書かれています。
このアンケート内容を見ているだけで、今の小6の子たちや中学校3年生の様子、考えていること、あるいは学校状況など、垣間見えるので、個人的には面白いかなと思っています。
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質問内容としては、児童・生徒に関しては、例えば、自分と違う意見について考えるのは楽しいと思いますか。
学校に関しては、保護者や地域の人が学校の美化、峠校の見守り、学習・部活動支援、放課後支援、学校行事の運営など、活動に参加していますか、などがありました。
そんな中で、英語のみをお伝えしていくことになるのですが、前提として、生徒数2019年度に関しては98万3064人が回答してくれていて、令和5年度に関しては93万526人が回答してくれています。
よく当てはまる、どちらかというと当てはまる、こちら2つの合算で比較した上で伝えていきますね。
まず、英語の勉強は好きですかに関しては、2019年度は56.3%、55万3465人に対し、2023年度では52.3%、48万6665人という結果でした。
その原因として、英語の授業の内容はよくわかりますかという質問に関しては、2019年度は66.4%、65万2754人に対して、2023年度は64%、59万5536人と減っていると。
なので、教科書改訂や高校の内容が一部下りたことによる英語学習の難しさであったり、理解しづらさが招いているのかもしれませんね。
その一方で、英語の勉強は大事だと思いますかという質問に関しては、2019年度が85.6%、84万1503人に対し、2023年度が88.2%、82万723人と重要性は引き続き感じている生徒が多いです。
また、これまで学習の授業やそのための学習以外で日常的に英語を使う機会が十分にありましたかという質問に関しては、
ほぼ毎日、週3回以上、週1回以上の合算値で見たところ、2019年度が60.5%、59万4753人に対し、2023年度は55.8%、51万9233人という結果でした。
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約4年間で8万人近く減ってはいるのですが、個人的にはもっと使う機会がない人が多いと思っていたので、これは少し驚きました。
ただですね、それ以上に目を張ったのは、家庭学習の課題、宿題として、どの程度パソコン、タブレットなどのICT機器を使用して英語の音声を聞いたり、英語を話す練習をしたりしていますか。
こちらに関しては、ほぼ毎日、週3回以上、週2回以上の合計は、2023年度のみの結果でいくと、23.6%、21万9604人という結果でした。
この結果を見たときに、かなり少ないなという印象を抱きましたね。
これは今後も、一個人として言い続けていきたいことの一つなのですが、英語学習の4技能の土台となるのは、発音なんですよね。
発音できない単語は、リスニングで聞くことも、文章で書くこともほぼ無理です。
せっかくタブレットやデジタル教材などが充実してきたからこそ、家庭学習で最低週に2回、1時間程度、ディクテーションやシャドーイング、あるいは自分の音読を録音するなどを続けるだけでも、英語に対する苦手意識は緩和されると思っていますし、
その習慣を作るのが学校の役割の一つなのではと思いましたね。
どうして今ここまで述べたかというと、文部科学省が英語到達目標というものを掲げているからです。
令和5年度から令和9年度までの目標が3つあるのですが、ここでは1つだけ紹介します。
英語力について、中学校卒業段階でセファールのA1レベル相当以上、高等学校卒業段階でセファールのA2レベル相当以上を達成した中高生の割合の増加、5年後の目標値としては6割以上を目指しています。
セファールとは、英語をはじめとした外国語の習熟度や運用能力を同一の基準で評価する国際標準のことを指します。
簡単に言えば国際的な英語力の物差しであり、ヨーロッパ圏を中心に世界中で活用されています。
日本で実施されている英研に置き換えると、セファールA1が3級レベル、A2が順2級レベル、B1が2級、B2が順1級、C1が1級レベルに該当します。
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2023年度では、セファールA1レベル相当以上の英語力を有すると思われる生徒の割合として、中学校3年生49.2%と、前回の調査からは上昇傾向にあったのですが、目標値の50%以上にはわずかに届かない結果となりました。
そんな中で、埼玉市と我が故郷、福井県が80%以上とダントツの結果を出したんですよね。
そこで後半では埼玉市の取り組みについて掘り下げていきます。
埼玉市の取り組みについて紹介する前に、軽く埼玉市について触れていきたいなと思います。
埼玉市は2001年に浦和市、大宮市、世野市の3市が合併して誕生し、さらに2005年に岩月市を編入した人口約134万5000人の政令指定都市となっております。
住みたい町ランキングでは、今年、横浜の次に大宮が2位、浦和が10位にランキングしています。
中でも大宮の魅力としては、コンパクト東京というふうに描写されるように、大宮では駅から2キロ圏内に百貨店やモール、埼玉スーパーアリーナなどもありますので利便性が良く、特に若者や子育て世代に支持されています。
実際、7年連続で0歳から14歳の人口が増加している地域、ナンバーワンとなっていますし、私としても仙台から福井に帰るとしたら、交通手段の一つとして仙台から大宮まで新幹線で行き、大宮から金沢、3月16日以降は福井まで北陸新幹線で帰ることができるので、
大宮ってすごくアクセスが良い場所だなと思いますね。
そんな埼玉市の英語教育に関する取り組み、ここでは3つ紹介したいなと思います。
1つ目は、公立小学校で9年間一貫したカリキュラム、通称グローバルスタディがあります。
小学校ではおおよそ合計200時間英語を学習するのに対し、埼玉市はなんと400時間英語を学習しています。
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そもそもの取り組んでいる量が全然違うなと思いびっくりしました。
さらに、英語のカリキュラムは学年ごとではなく、子どもの発達段階に着目して、4、3、2、この3つの制度で捉えたカリキュラムを制定しています。
第1期は小学1年生から4年生の基礎、基本定着期となります。
まずは英語に慣れてもらうことに重点が置かれていて、歌や踊り、ゲームなど取り入れたり、簡単な自己紹介や挨拶、アルファベットの学習などがあります。
このような学習の積み重ねを通じて、国語と英語の共通点や相違点に気づいてもらえます。
第2期が小学校5年生から中学校1年生です。
第1期の土台をもとに、埼玉市や日本についての理解を深め、その伝統や文化について自分の考えを表現したり、グループ活動を取り入れたりしています。
応用になると、埼玉市を訪れた外国人を案内する学習などを共同的に取り組んでいます。
さらに第3期になると、中学校2年生から3年生になるのですが、義務教育の完成期として、知識や技能、論理的思考力など、今まで身についた力の発展、充実を図る時期となります。
そのために、ALT始め、様々な外国人とのコミュニケーションを通じて、自ら課題を見つけ、判断する力を身につけていきます。
すごく今っぽい教育だなと思いますね。
そのために必要な教材として、埼玉市オリジナルの教材があり、テキストであったり、指導資料とCD、さらには第1期の子たちに向けたDVDなどもあります。
こういったオリジナル教材があり、さらに先生方のナレッジがたまればたまるほど、新しく着任した先生や小学校の先生も安心して教えられると思う気がしたんですよね。
特に小学校で英語が教科として正式に認定されたのが2020年度からなんですよね。
となると、それよりも前に配属された先生というのは、英語が好き、得意でない限り教えるのが難しいかもしれないと思ったんですよね。
仮に、もし自分がいきなりですね、理科を生徒に教えてと言われたら戸惑うと思いますね。
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しかも、その準備を念出しようと思っても限られた時間しか取れないですし、その限られた時間というのが勤務が終わってからになりそうだなと思いましたね。
なので、ナレッジ一つで自分が授業を実施する際のイメージが画前沸くのかなと思いましたね。
2つ目は、アウトプットの場が多いところです。
授業内だけではなく授業外でもたくさんアウトプットできる機会が埼玉市にはありますと。
具体的には、小学生から高校生まで集まって行うイングリッシュキャンプ、小学生が実施する英語劇、さらには英語スピーチや英語ディベート、埼玉市を世界に知ってもらうジュニア大使の生徒たちなどがあります。
中でもジュニア大使というのは、埼玉市の国際イベントなどで外国からの訪問客に市の魅力を紹介したり、英語でアナウンス、積極的に地域活性化のお手伝いをしたりしているそうですと。
学外で英語を使う機会を設けることで、児童生徒の自信につながったり、より一層英語学習に励んで世界のトレンドに興味を持ったりするようになるなと感じましたね。
私が中学校の時はこのような機会が全くなかったので、もし今埼玉市の中学生になったら参加していたと思いますね。
それこそみんながアウトプットするような雰囲気や環境であれば、間違うことに対してためらうことがなくなり、ガンガン話せるかなと思いますね。
3つ目は民間試験の導入です。
こういった施策はどうしても先生方の勘や経験などに頼りがちなのですが、埼玉市では2018年度より民間テストを導入しています。
その背景としては、どれくらい良くなっているのか、どこをどう改善したらもっと良くなるのか把握するためだそうですと。
その一つとして、AKEN IBAというテストがあるのですが、それを中学生全員に受けてもらうようにしていて、
学年ごとの学習到達目標や現状の英語能力に合わせたテストレベルを選択した上で解いてもらっていますと。
テストの点数はAKENの各レベルとセファールレベルに照らし合わせることができるそうです。
この客観的な指標を用い、さらに外部の法人にデータ分析をしてもらうことで、英語担当の教員だけではなく、学校によってはその報告を校長先生や教頭先生が聞くようになったそうです。
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それを踏まえた上で学校全体で共有し、生徒一人一人に伝わっていくと。
ビジネスレベルでは当たり前になりつつあるのですが、数字とかデータで把握できた方が、生徒も教員も現状の立ち位置と今後何に重点を置けばいいのか分かるところがいいなと思いました。
今ここまで埼玉市の英語教育に関する取り組みについて話をしていったのですが、気になった方はぜひ一冊の本を読んでほしいなと思います。
その本のタイトルは、「世界基準の英語力 全国トップクラスの埼玉市の教育は何が違うのか?」
著者、細田真由美さん、こちらを購入して読んでみてほしいなと思います。
細田さんは高校の英語教諭、その後埼玉市教育委員会、高校の校長を経て2017年6月から2023年6月まで埼玉市の教育長を務められた方です。
著書では先ほどの内容に加えて、ご家庭でできることや子どもたちの具体的なチャレンジしていること、さらには鈴鹿先生やマイクロソフト執行役員の方との対談など展開されています。
私自身はこの本、書店でたまたま見つけまして、これは買ったほうがいいと思ってすぐに購入して読みました。
英語教員はもちろん、自分の自治体で新しい取り組みをするためにどうすればいいのか奮闘している人、英語教育に興味関心のある方はぜひ手に取って読んでみてほしいなと思います。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶエンディングの時間となりました。
約1年間、ICT支援員として複数の学校現場を見てきました。
その中で、学校の教師として働くことの魅力は、やはり児童生徒の成長なのかなと思いましたね。
その成長というのは、ただ単純にテストの点数が上がったという話ではなく、人間的に成長したところになると思っています。
冒頭で述べた3層階で強く感じましたね。
それに私が訪問している学校の先生方は、生徒のことが本当に好きなんだろうなと感じますね。
先生同士の雑談を聞いていると思わずクスッと笑うこともありましたし、何より生徒のことを話しているときは嬉しそうな顔をされているんですよね。
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もちろん生徒同士の揉め言であったり、ルール違反のことでどう処罰するかについても耳にしたことはあります。
となると、新井さんは先生にならないんですかと思った方がいらっしゃるかもしれません。
過去に生徒や学校教員の方々からも先生にならないんですかとか、教師に向いてますよなどありがたいお言葉をいただいたこともあります。
ただですね、今の自分としては大学の教授までは行かなくても、自分プロジェクトを試行錯誤しながら進める方が優勢順位が高いんですよね。
このラジオもそうですし、来年度以降展開していく英語学習と小論文もそうなんです。
それに自分自身が面白いなと思う人たちの共通点の一つが、研究者もしくは大学院を修了されている方々なんですよね。
それは理系にとどまらず、興味・関心あるいは問いをもとに掘り下げている人全てに害とします。
最近ですと、タメスエ大さんがYouTubeを通じて厚底シューズについて徹底的に掘り下げているのが個人的にものすごく面白いなと思うんですよね。
同じ厚底シューズでも、各メーカーによって特徴や使っている素材が違うと。
これは過去に放送した箱根駅伝会でも言ったのですが、今各メーカーのシェア率争いが加熱しておりまして、見ている分に面白いなと思います。
かつてのNike独占から、今はASICSやPUMA、ONなどに乗り換えている人が一定数います。
自分もどんどん掘り下げて、面白い人だと認知されたいですね。
そう思う今日この頃でした。
オーディオジャパン、あなたと一緒に日本を学ぶ。
番組への感想は、ハッシュタグオーディオジャパン、すべてカタカナで、xq twitter に投稿いただけると嬉しいです。
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私、新井大輝への質問や感想なども大関係です。
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最後まで聞いていただきありがとうございました。
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お相手は、パーソナリティの教育デザイナー、新井大輝でした。
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