教育現場の違い
ちょっと遠めのお向かいさん。本日も、日本とカナダに暮らす、ゆるくてやかましい二人がお届けしております。
子育て・家事・単純作業のともに、ながら引き推奨!
はい、ではAshikoさん、今週もよろしくお願いします。
お願いします。
ところで、新しい職場に教員復帰してから1ヶ月ちょっと経ちましたが、いかがですか?
あのね、私の教員の馴染み力っていうのがあってさ、
うん。
1年くらいしか行ってないのに、5、6年おったみたいな雰囲気をかもしれない。
すごいね、その純能力が素晴らしいね。
そうなの。馴染み力がね、ほんとすごいんだけど。
結論から言うと、だいぶ分かってきた。
高校の職員さん、どんなことを教えるかっていうのをだいぶ分かってきたけど、
なんかね、今分かった時点で、小学校と高校を比べたときにどう思ったかっていう話をね。
高校、はい。
で、小学校と高校さ、年の初めはやっぱりどっちも忙しいよね。バタバタ。
まあね、そうだろうね。
バタバタするけど、でもね、圧倒的に小学校の方が大変。
それはなんで?
あのね、一人でしないといけないから。
高校は一人でしない?
高校は担任と副担任。
あ、そうか。小学校って副担任がいることが稀なのか?
そうそうそう。てか、おらんじゃん、副担任は。
ごめん、新たな小学校いるからさ。
ああ、そっかそっか。小学校、日本とかいないわけよ。
いないんだ。
だから、クラスがさ、2クラス以上あったら、それぞれが分担するよ。
学年業務を分担することもあるんだけど、でも学級の仕事は自分のせにはいけない。
一人で、今何?35人だっけ?1クラス。
35人。まあ、35人は少ないけど、でも全部せんといけんのよ。
でも35人って多いよね。だってカナダの小学校1クラスは20人ぐらいしかいないからさ。
いや、そうそうそうそう。だろ?
しかも、学校の仕事も分担されるじゃん。
そうかね。
高校はさ、教科担任制じゃん。教科ごとに先生がいっぱいおるわけよ。
それとは別に、担任副担任もおるじゃん。
そうだね。
見務してるけどさ。
明らかに先生の数も多い、こっちの高校の方がね。
そうだね。
一人あたりの仕事量が、なんかやっぱ小学校の方が大変だなって思うし、
ランチタイムのシステム
何が一番ね、違うって、比例金券があることよ。
そう、それさ、私なんかアベマか何かを見てた時にも言ってたんだよね。
カナダの小学校のランチタイムね。
まあ、給食はないのであれなんだけど。
ランチタイムって、担任の先生はそこにいないんだよ。
その場にいない。
その場にいない、教室にいない。
で、ランチタイムの時は、その場にいるのはTAの先生プラス、外部からいわゆるランチタイムパートタイマーみたいな人が入る。
そういうシステムになってて、
特に低学年、キンダーガーデンの子たちはそうで、ランチタイムティーチャーと言われてる人たちが来て、
その人たちは別に教員資格とかがあるとかないとか関係なく、その時間だけ来て、
昼休みもあるじゃない、給食前後で。
日本の場合さ、給食終わって掃除っていうところも多いと思うんだけど、
カナダの場合、掃除はしないので、
うちの小学校の場合は、昼休みの外に出てバーって遊ぶ時間の後に教室に戻ってご飯食べるっていう。
ご飯食べて、食べ終わったら午後の授業っていう進みになってるんだけど、
でもその時間帯に担任の先生たちっていうのは休憩室に行って休憩するんだよね、普通に。
で、カナダって労働基準法がちゃんと決まってて、
4時間働いたら15分とか30分の休憩を与えなくちゃいけないっていうふうに、
雇用主の方に課せられてるんだよね、義務が。
その義務なの。雇用主に与えられた義務で、
ちゃんとそれを休憩規則を守らないと、雇用主が罰せられるっていう、そういうルールになってたはずで。
だからそれを破っちゃうと雇用主が訴えられるっていう、そういうシステムになってるんだよね。
そう言われてみれば、日本の小学校、中学校もそうだけど、
担任持ってると、公立の学校だったら基本給食が出て、給食の時間はその場にいないといけないもんね。
そうなの。でもこの休憩時間が途中にあるからだいぶ違うんよね。
確かにそうだよね。そうやって考えてみると、小学校の先生でいつ休むんだろうね。
教育環境の課題
たまに小学校でも音楽は教えませんとかいう先生がいて、
でも音楽なんて週に1回とか2回とかじゃん、多くても。休めないね。
そう、だってそのセンターの先生が入ってる空き時間は休みの時間じゃないもん。
たまった仕事をするじゃないですか。
そうだよね。それプラス小学校なんて、親からの電話とかPTAの活動が、
イベントも多いじゃん、高校とかに比べると。
子供に任せられる作業量がすっごい少ないじゃん、小学校なんて。
中学校とかなると大人と同じ要領で扱えるけど、体の大きさ的にも。
小学校って無理だよね、定学になればなるほど。
無理。
無理だもん。
そうだっけ、休憩時間っていうものがなかったっけ、小学校の時代にね。
ホッとできる時間があるっていうのがすごい新鮮だった。
それを考えた時に、やっぱり小学校の先生たちにはそういう時間が必要よね。
必要。
今、給料改革でうんたらかんたらっていう話は聞いたんだけど、
残業代をちゃんと付けるとか、うんたらかんたらっていう話してたけど、
そこじゃなくねっていう気はするよね。
給料増えたところでさ、増やしては欲しいと思うけど、
労働環境が悪すぎて、いくら高い給料をもらっても雇えるかってなるよね。
たぶんそれ、保育士も一緒で、うちの母親はずっと保育士だったからよく見てるんだけど、
しょっちゅう本当に傍公園にあるのよ。
トイレに行けないから。
っていうのがあって、大変だね、そうやって考えてみるとね。
だって朝から晩までずっと一緒におるじゃん、子どもと。
ずっと糸が張り詰めてる感じがするよ。
そうだよね。
子どもらが帰っても学校の仕事して、今さ、早く帰りましょうみたいな、
働き方改革とかでさ、
絶対退勤とか、退勤してくださいとかあるわけよ。
でもさ、仕事量変わってない。
じゃあどうする?って家でやるじゃん。
家でやったらエンドレスやけどさ、
何も変わってない。
それで個別最適化の学びよとか言ったって無理に決まってんじゃんね。
でもさ、昔みたいに一斉授業ができる感じじゃないよ。
昔だったらさ、聞いた子がおったらさ、それもピシャってしてさ、
できるようにするじゃん、一斉授業ができるようにするけど、
今はそれやっちゃダメじゃん。
確かに。
そういう時代だっけ、個々に合わせた指導をしなきゃいけないって、
一人でさ、35人も個々になんかできなくないじゃん。
無理だって。それは無理ゲーだわ。
理想ではあるけど、先生らもそうしてあげたいと思ってんよ。
個々に。
個々一人一人に合った指導をしてあげたいとは思っとるけど、
物理的に無理なんだよなとは思ってるのも半分って感じ。
そうだね。
先生たちにも余裕がなくてさ、ギスギスした状態でさ、
子供にも伝わるわけじゃん、ギスギスが。
学校にも行きたくなるだろう、なくなる子も出ても当然だろうし、
個別最適化にしたいって思ってても、個別最適化にできないっていう
そういう環境にあることを、親側もちょっと理解を示さないといけないなっていうのが一つと、
日本の場合さ、今でもやっぱりホームスクールとかは認めてなかったりとか、
フリースクールはようやくちょっとね、
学校卒業資格として認めるみたいなところも出てきてはいるけれども、
結構自治体によりけりだったりとかもするし、
広島はね、まだそれでもさ、平川さんが頑張ったっていうところで、
ある程度認められてるところも増えたし、
公立の学校でもオルタネティブが入ってきたりとかもしてるけど、
すっごい本当に自治体によるじゃん。
だからそれってさ、子供が選びたいと思った時に学校変われないとかさ、でかいよね。
なんかこれは私のあれだけど、独断と偏見があるかもしれんけど、
なんか目指す子供像っていうのは、
本当に人にとっての幸せにつながるのかっていうのが疑問ないよね。
グローバルみたいなことを言ったら聞くじゃん。
人材育成していくとかさ、
個々にあった教育をしていくっていうのは賛成。
それはね、いろんな子があったら当たり前らしいって思うけど、
その子たちが大人になっていった時に、
どうなったら幸せかっていうのを考えて、今があるかっていったらそうじゃないよなって思う。
だけどそこにギャップがあって、
先生たちもどうしていいんじゃろっていうのがあるんじゃろうなって思う。
ああ、そうね。
英国とか中国とかみたいにさ、
勉強していくんだったら簡単らしいじゃん。
がんばればいいんじゃん。
でも個々に合わせるってなった時に、
何を目標にするっていうかさ、目標がないと走れんじゃん。
まあ確かに。
みんながバラバラになるってさ、
じゃあ結局何が残ったみたいな状態に絶対なるって、
なんか指標がいるんだけど、その指標がよく分かる。
学校の良さっていうのは、
みんな違う人と混ざるっていうのが学校の良さだと思うのよ。
なんだけど、違う人と混ざるっていう良さがある反面、
各個人の目指すべきところっていうのが違うっていうところが、
教育の実態と課題
違うところに合わせて教育を提供するっていうのが、
すごい難しいんだと思うのよね、今のところ。
それは成績をつけなくちゃいけないとかさ、
いろんな観点からね、あるんだと思うんだけど、
あといわゆる障害があるとかないとかさ、
得意不得意とかって絶対あるわけじゃない。
なんだったけどさ、
学校全体でこうしていきたいっていう目標を掲げることと、
個別の各個人が持つ目標っていうのはまた違うんだよね。
そこに関して、お互いに擦り合わせが必要なのに、
その擦り合わせをする前に先生が疲弊しているというこの実態ね。
それそれ。
そうなんだね。
余裕がなくなると人って変になるじゃん。
せめて授業の準備を手伝う人、教員免許があろうとなかろうとできる人を
雇う余裕とかができるといいんだけどね、経済的にね。
なんかスクールサポーターでおって、
インサートやってくれる人おるんやけど、
でもね、もうその人に頼む時間ないよ。
ページをこういう風に印刷してくださいっていう時間がないよ。
だったらもう自分でやったほうが早いみたいな。
そりゃそうだ。
そうするとやっぱり教員経験者とかの方は、
引退した先生に頼むとか。
先輩の先生、これ印刷しといて。
どうなんだろうね。
あとは教育課程を取ってる学生さんとか。
そうだね。
よくうちの小学校とかであるのは、
高校生ってボランティアの経験が単位として取らなきゃいけないんだよね。
何時間以上やらなきゃいけなくて。
だから高校生のスタッフを、
昨日もうちの小学校ガレージセールやってたんだけど、
机のセッティングとか、高校生の子が数人、
晩御飯にピザあげるからやって、みたいな感じで来てたよ。
あと運動会とかもそう。
運動会の準備とか運動会の運営。
この教員はこういう風にやるから、
これでこうやってやらせてっていうのを子供に、
先生たちが指示書は書くけども、
そういうときに手伝いに来てくれる高校生の子たちも毎年いるわ。
卒業生が来る。
だから、なんで小学校ってテン科ダメなのかね。
教科担任生、なぜダメなんだろうね。
やってる学校もあるっていう話は聞いたけどね、自治体によっては。
ちょろっとは聞くけど、
なんでいけないのかねってさ、
これもう私、教員になった当初からずっと言おうってさ。
で、周りの人たちも言おうってさ、
なんで教科担任ダメなのかねとかって言っとって、
一応答えが出てないんだけど。
一つは小学校、低学年のうちは、
心理的安全性を築くためっていうのはあると思う。
だって、カナダも一応小学校に関して言うと、
専科ではない担任の先生がいるから。
一部、美術とか体育とかは専門の先生が入ったりするけど、
音楽とかも入るけど、
基本的には国語、算数、理科、社会に関しては、
担任の先生が教えるから、
専科ではないかな。
教科担任にしたところでって感じなもんだな。
教科担任にしたところで、
作業量が変わるわけじゃないから、
どちらかというと、
教科担任よりは副担任というか、
ティーチャーズアシスタントみたいな人が入らないと、
日本の小学校の先生の負担は変わらないと思う。
だから、カナダの小学校は必ず人数に対してレシオがあって、
あと、教育実習が長い。
長い。
長い。教育実習が長いのよ。
今、息子くんのクラスに教育実習生来てるんだけど、
1年ずっといるよ。
長っ。
でも聞いたら、オランダとかもそうなんだって。
教育実習が2年くらいあって、
その4年間大学行くうちの2年くらいが教育実習というか、
学校に本当に付けっきりになって、
もう本当に打って打って打って、
帰ってきたものをどうするかまた悩んで、
みたいな感じのことを繰り返して、
教員という形を自分の中で完全に消化して、
消化吸収した状態で教員になるんだって。
それいるね。
それはね、本当にそう思う。
だから卒業して教員になりましたっていう時点で、
もう本当に即戦力みたいな感じで卒業してくるんだって。
確かにね。
その代わり、教育課程を終えるのは結構大変っていう話は聞くけどね。
だから息子くんのところにも来てて、
教育実習生が、教育実習生だよってチビタくんに言われて、
え、教育実習生なんて新しい先生なんじゃないんだねみたいな感じでね。
チビタくんは聞いて、もう1年くらいいるよ。
いやなんか今さ、先生たちもさ、
自分の部門の先生らもさ、新しい人を育てる余裕がないじゃん。
一応、おるね。
こういう初任担当の先生っているんだけど、
もうそんな時間、じっくり教える時間がないっていうかさ。
自分のところも見にはいけん。
そうすると他のクラスも見にはいけんっていうのがなかなか多いんだってさ。
もうなんか、もう経験した状態で入ってくれるっていうのはすごいありがたいね。
そうね。だからさ、そこかもね。
教育過程から見直すっていうのが、まだいじりやすいかもなって思う。
確かに。
そうしたら覚悟を持てるじゃん。
そうね。
簡単に、今日メモ取っとこって思って、くんじゃねえぞみたいなところもできるでしょ。
ちょっと思い出し笑いをしてるかもね。
まだまだ、結構闇が続きそうな小学校ではございますが、
皆さんもどうお思いでしょうか?
コメントをお寄せくださいませ。
教育実習とボランティアの重要性
ということで、これは話が尽きないので、こんなにしとこうと思います。
では皆さん、ごきげんよう。