Zoomに続々新機能が追加されて、マルチプロダクト化を進める戦略だと感じています。Dropboxなど、どこもマルチプロダクト化&ユーザーが最初に開く場所を目指していることについて話をしました。
=== 目次 ===
Zoomに続々新機能でマルチプロダクト化
AI機能にも力を入れているZoom
Dropboxもマルチプロダクト化を進める
Loomが買収されたのもマルチプロダクト化
FigmaがAdobeからの買収を受けたのも
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ビデオ会議ツールのZoomに続々と新機能が追加されています。
今既に使える機能として、チームチャットというチャットツール、
スラックなどと競合しそうなチャットのツールが追加されていますし、
ホワイトボード、ミロと競合するようなオンラインホワイトボードの機能も
Zoom自体が持っています。
さらに、ノートというノーションなどと競合しそうな
オンライン上にドキュメントを作って共有できる機能も付いています。
Zoomにいつの間にかいろんな機能が付いているなと思っている人もいるんじゃないでしょうか。
あと、クリップというルームと競合する機能も追加されています。
Zoomはビデオ会議でリアルタイムにコミュニケーションするツールですが、
いや、そうじゃなくて非同期で各自が好きな時間に見たり聞いたりすることで
コミュニケーションを取るツールがいろいろ出ていて、
動画で非同期でコミュニケーションを取ろうというツールの代表がルーム。
L-O-O-Mのルームなんですね。
でもこのルームと同じような機能をZoom自体ももう持っちゃっています。
動画を撮影してそれを共有してコメントでやり取りしたりできるツールを
Zoomがクリップという名前で提供しています。
ビデオ会議の時と同じように自分の映像はもちろん画面共有して、
画面を操作しながら口で喋って説明するみたいな動画を簡単に作ることができます。
で、そうやってZoomはビデオ会議というものを中心に
マルチプロダクト化を進めていると言えると思います。
マルチプロダクト化という言葉の厳密な定義は知らないんですが、
一つの会社が複数のツールを提供することもそうだし、
一つの製品で複数のツールが使えるというのもマルチプロダクト化だと言えると思います。
複数の会社が提供しているツールを組み合わせて使うよりも、
一つの会社のマルチプロダクト化されたツールだけで済ませられるんだったら
コスト的にもいいし、連携も取れやすくていいよねというところを目指して
マルチプロダクト化をしているところが多いということだと思います。
Zoomの場合だとビデオ会議ツールだけを提供し続けていても
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どんどんライバルも出てくるし、ユーザー数の増加も先細りしていくので
ライバルに勝つため、選ばれるための戦略として
機能を強化していくだけではなく、本来のビデオ会議だけではないツールも増やしていく
マルチプロダクト化を進めているということになると思います。
Zoomはさらにいくつかの新機能を発表しています。
先ほどノートというドキュメント作成のツールがあると言いましたが
それをさらに強化したような、よりノーションに近いような
Zoom Docsというツールを提供する予定です。
ドキュメント、Wiki、作業管理に役立つと言っているので
まさにノーションを意識していると思います。
このZoom DocsにはAI機能も搭載されるそうです。
AIを使った機能はZoomも力を入れているんですが
他社のツールはだいたいAI機能を使うには
従来のサブスク料金にプラスいくらかかるみたいなものが多いのに対し
追加料金なしでAI機能も使えるというのをZoomは宣言していました。
AI機能はすでに搭載されているものもあって
Zoomの会議中に気づいた人もいると思うんですが
会議中下に並んでいるボタンにAIコンパニオンと
要約という機能が追加されています。
要約機能を使って会議が終わった後に
自動で会議の概要を要約してくれたものを作ってくれるらしいです。
あと会議中にAIコンパニオンにチャット形式で質問することで
この会議で話している内容について答えてもらえるらしいです。
なんかすごそうですね。
会議中に聞き逃したところを確認したり
途中から参加した時にそれまで話していたことについて
教えてもらったりできるんでしょうね。
これは面白そうな機能だなと思いました。
Zoomがマルチプロダクト化して目指しているのは
ユーザーが仕事をする時に最初に開く場所
ホームと言っていいような場所
ノーション風に言えばワークスペースとなる場所を目指している
狙っているんだと思います。
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グループウェアのような場所を狙っているとも言えると思います。
ビデオ会議ツールというのは乗り換えがしやすいよねと
昔も話したことがあります。
複数のビデオ会議ツールを使っている人も多いと思います。
ここの会社との会議はZoomじゃなくてGoogle Meetですというようなケースでも
さほど困ることってないですよね。
でもZoomのマルチプロダクト化したいろんなツールを使って
ドキュメントとかホワイトボードのデータとか動画のデータなどがたくさんたまっていて
ユーザーが仕事をする上で最初に開くような場所になれば
なかなか他のツールには移行しにくくなってきますよね。
そういうところを各社狙ってマルチプロダクト化を進めているんだと思います。
Dropboxもマルチプロダクト化を進めているなと私が感じているツールの一つです。
Dropboxはユーザーのファイルを預かっているので
なかなか他に移行しづらいツールではあると思うんですが
それでもやっぱりマルチプロダクト化を進めてきています。
Dropbox Paperは歴史が古いですが
Notionなどと競合するドキュメント作成共有ツールですね。
他にもDropbox Replayという動画のレビュー構成ができるツールも提供しています。
制作途中の動画に対してここのシーンのここの部分をもっとこうしたらとか
画面の中に注釈を書き入れたりコメントのやり取りができるツールです。
Dropbox Captureというルームと競合する画面の操作などを動画で撮影して
共有してやり取りするツールも提供しています。
他にもファイル送信やパスワード管理ツールなどもありますね。
Dropboxは最近web版のインターフェースをリニューアルしましたし
新しいツールが登場することも発表しています。
新しいツールはやっぱりAIを活用したものです。
生成AIを使用して質問に答えたり
契約書や会議記録などの大きなファイルの概要をファイルプレビューで把握できる
Dropbox AIというツールが発表されてアルファ版が提供されています。
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Dropbox AIはドロップボックスビジネスユーザー
ビジネス以上のユーザーが対象のようで
安いプランの人は使えないようです。
AIを搭載したユニバーサル検索ツールの
Dropbox Dashというのもあります。
こちらはベータ版で安いプランのユーザーでも使えます。
Appleのスポットライト検索みたいな感じでファイルを検索できるんですが
ドロップボックス上のファイルだけでなく
GmailのメールやNotionのドキュメントなども検索できるようになっています。
マルチプロダクト化してユーザーが仕事をする上での最初に開く場所
ワークスペースになることを目指しているというのは
ドロップボックスもZoomと同じだと思います。
ドロップボックスもZoomも
Roomと競合しているツールを作っているという話をしましたが
そのライバルが増えたRoomはどうなっているかというと
Atlassianという会社に買収されました。
Roomがマルチプロダクト化していくのではなくて
ジラとかトレロといったコラボレーションツールを提供している
Atlassianの参加に入って
Atlassianのマルチプロダクト化の一つのツールになるという道を選んだわけですね。
ちなみに買収額は約9億7500万ドルらしいです。
AdobeがFigmaを買収した200億円に比べれば小さいですが
9億ドルで1300億円以上なんで相当な金額ですよね。
Roomは応援していたのでそれだけの価値が認められたというのは嬉しく思います。
なおFigmaがAdobeからの買収を受けた理由もマルチプロダクト化だと
Figmaの代表の人は言っていました。
FigmaはグラフィックツールのFigma以外に
オンラインホワイトボード的なFigJamというのを出して
マルチプロダクト化を進めようとしていたんですが
実写だけでマルチプロダクト化をどんどん進めていくのが難しいと感じて
Adobeの参加に入ることを選んだんだと思います。
今回は以上です。アシカガコウジがお届けしました。
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