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こんにちは。お聞きいただきありがとうございます。あきねです。
こちらは、2人の小学生の子を持ついちお母さんの私が、ASDの息子を通して出会った行動分析学について語るチャンネルです。
私が配信で語りたいのは、特に子育てや発達支援の場での行動分析学的アプローチなんですが、
となると、実際に大人側がやることといえば、子供の望ましい行動への対応と、逆に望ましくない行動への対応、この2つが大きな軸になります。
望ましい行動は、強化・増やす、対して望ましくない行動は、もちろん減らしにかかるわけですが、その減らす手続きに、弱化と消去があります。
消去は、前回の放送でさらっと触れただけになっているので、また改めてお話ししたいところですが、
その前に今日は、もう一つ、行動の弱化手続きの話をしていきます。
前々回の放送で触れたのは、献死出現による弱化でした。
簡単に言うと、ある行動の後にその行動主にとって嫌な出来事があると、行動は減る、というもの。
例としては、子どもが大人の話を聞かずにおしゃべりしているところへ、大人がどなって押さえつけると、おしゃべりがやむ、一時的に、といった例があります。
放送でもお話ししたように、デメリットが多い、かつ深刻なので、おすすめできない方法です。
でも実は、行動の弱化の手続きには、大きく分けてもう一つあります。
今お話しした献死出現による弱化よりは、遥かにマイルドな行死の消失による行動の弱化です。
行死というのは、行動の主にとって好ましい刺激、ご褒美になるようなものと、ここではご理解ください。
ですので、行死消失による弱化の定義は、行動の直後に行死がなくなったり減少するという経験をすると、その行動は将来起こりにくくなる、です。
これもとても私たちの生活に当たり前にあって、例えばテレビゲームなどで下手なプレイをすると得点が減らされたりする。
なので、次からゲーム内のルールに注意して、無謀なプレイはしなくなるというのもこの原理です。
それから金銭も行死に位置づけられるので、交通ルールの違反に罰金を課して、ルール違反を抑制するのもそうですね。
メリットとしては、行動を減らす効果が高いということと、また制御性も高いと思います。
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こういう行動をしたからこういった仕打ちに遭うという関係性が分かりやすいので、じゃあもうその行動はやめとこうとなりやすいからです。
逆にデメリットは、そうやって分かりやすいから怒鳴られたり殴られたりのような、剣死による弱化手続きよりは反発も起きにくいのですが、
それでもやはり罰を与える的な手続きにはなるので、相手との関係性が悪くなる可能性はあります。
私もよく子供が約束を破ったときにゲーム時間を没収する方法をとったりしますが、
一回破って嫌な目にあったらもう二度と約束は破らないかというと、現実にはそうもいきません。
格子が消失したときには効果を発揮しても、その後に反省しました、もうしませんということで格子がまた戻れば、元の問題行動も再び現れることがあります。
我が家を含む多くのオタクのゲーム時間問題は没収と再発の繰り返しで喧嘩に発展しているのではないでしょうか。
ただ、うまく定着すれば問題行動そのものを減らせることもあります。
発達障害への関心の高まりとともに注目度が上がっているペアレントトレーニング、この分野でもよく聞くのがタイムアウトの手続きです。
タイムアウトは、例えば子どもが物を投げたり叩いたり、ヒートアップして対話にならないような状況において、一時的に部屋の隅に壁の方を向けて座らせるとか、またはおもちゃも何もない部屋に移動させたりして、その子にとっての行使に触れさせなくする手続きです。
この時に子どもを怒鳴って無理やり引っ張っていくと、犬死による手続きになってしまうので、あくまで冷静にスススッと本人に近寄って、声のトーンを落として、
落ち着いたらお話ししますとか、話ができるようになったら教えてね、など淡々とした口調で対応します。
どんなに荒ぶっても、それによってあなたに何もいいことは起こらないんだよ、という思いを込めます。
この方法は、定着すれば本人も荒ぶらなくていい分、楽になって行動が改善される可能性があります。
そのためには、本人が落ち着いてきたタイミングを見計らって肯定的な声かけをすることや、暴れる代わりに本来やってほしい望ましい行動を根気よく教え、耳を傾けてくれたら褒める、など、最後は肯定的に終わることを忘れずにいたいと思います。
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さて、今回は問題行動を減らす弱化手続きのもう一つ、孔子の消失による行動の弱化について、やはり罰的な手続きにはなるので、デメリットが気になるところですが、ポイントを抑えて効果的に使っていきたい、というお話をしました。
ついさっきまで暴れられて手を焼いていた身からすると、子供が落ち着いた後にも、つい肯定的な声かけを忘れて、「わかった?はい、もうしないでね。」みたいなつっけんどんな態度で終わったりするんですよね。これはもったいないです。
次回も、望ましくない行動を減らす手続きについて、また語ってみたいと思います。
ABAで広がれ!シンプルで楽しい生き方。
今日も大事なものを大事にできる一日を。
秋根でした。