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こんにちは。お聞きいただきありがとうございます。あきねです。
こちらは、2人の小学生の子を持ついちお母さんの私が、ASDの息子を通して出会った行動分析学について語るチャンネルです。
前回、犬死出現による行動の弱化についてお話ししました。
簡単に言うと、行動を起こした直後に何か嫌な事柄があると、次からその行動を起こす頻度が減るというものなのですが、
これは、速攻性は高めだけれど、大人の都合に子どもを従わせるために使うとデメリット分かりだと思います。
資料を参考に、個人的に挙げたデメリット8項目が、
1.問題行動の根本原因が解決されない。
2.本来引き出したい望ましい行動を子どもに具体的に示せていない。
3.犬死にはなれる。
4.犬死を停止する側の行動が強化され、エスカレートしがち。
5.関係性の悪化で子どもからの反発を招き、サポートしようにも協力関係が築けなくなる。
6.子どもが犬死を回避したいと思うがために、成長や生産性が阻害される。
7.長期的な効果が不安定。簡単に復帰が起こる。
8.犬死を停止された子が、他の人にも同じように嫌なことをしてしまう可能性が出てくる。
この8つで、今日は前回の続きで3番目から中身を見ていきます。
3と4は関連性も強いように思います。
3.子どもが犬死、本人にとって嫌な刺激に慣れてしまう。
例えば、家で親御さんが宿題しなさいと大声を出すことで、最初のうちはびくっとしてすぐに宿題に取り掛かっていったお子さんも、
毎日だと怒られることにも大声にも慣れて、ああまたかと反応が鈍くなる。
よく聞く状況ですが、これを親御さんの視点で見るとどうでしょう。
怒鳴るという行動で、これまで子どもを動かせていた。
速攻性があったから、親御さんは怒鳴るという行動がだいぶ強化されていたはずです。
だけど、だんだん効果がなくなってきた。
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そんな時は、つい行動を強めることで、また同じ効果を得ようとする傾向があるんです。
それについての詳しくは、またの機会にします。
ここでもし、動きを強めたことで子どもをまた思うように動かせてしまった際には、
親御さんの方のより強度の増した隣行動が強化されてしまいます。
デメリット3の献死への子どもの慣れと、
4番の大人の側の行動の悪化が悪循環になるかもしれません。
そうすると、怖いのが5番で、大人と子どもの関係性の悪化です。
信頼関係はなくなり、それが長い期間続いた場合はサポートどころではないでしょうし、
真面目な話、子どもが大きくなって力も強くなった時には何が起こるか分かりません。
その頃のその子が社会全体にまで不信感を抱いていないことを願うばかりです。
6番、献死を回避したいと思うがために成長や生産性が阻害される。
これは例えば、会社を例にした方が分かりやすいかもしれませんが、
新入社員が上司からの強い失績を避けるため、その上司に相談や質問をしなくなったり、
怒られたくないからとミスを隠して、むしろ新たな問題が発生するきっかけを作ってしまうかもしれません。
7番、長期的な効果が不安定で簡単に復帰が起こる。
これは献死がない状況では問題行動が抑制されないということです。
復帰というのは、行動分析学では、これまで弱化されていた行動に対して、
弱化の手続きを中止すると、手続き以前の状態まで行動が増加する。
つまり、以前の状態まで戻ることを意味します。
なので、学校で言えば、おしゃべりを注意する先生がいなくなると、おしゃべりが再開します。
咎める人がいる状況でだけ従順というのも、後々怖いなと個人的には思います。
8番、献死を提示された子が他の人にも嫌なことをしてしまう。
例えば、親御さんに力で従わされた子どもが、弟や妹、お友達に対して同じことをしようとするのは想像に固くありません。
はい、今日は前回に引き続き、献死の出現による行動の弱化について、そのデメリットのお話をしました。
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これらは長い目で見て、本当に怖いと思っています。
さて、行動を減らすのが弱化でした。
献死出現による弱化は、デメリットがもりもりで使えないとして、
では、子どもの問題行動を減らしたいときにどうすればいいのでしょうか。
次回は、行動の消去の手続きについて見ていきたいと思います。