2023-09-18 18:19

宮内 隆行 (株)ジオロニア 代表取締役CEO

ロボット・機械が読むデジタル地図データを提供するジオロニアを2019年にプロダクトドリブンでベンチャー創業。スマートシティ関連のソリューション事業を中心に、自前の地図インフラ、プライベートクラウド向けのセキュアなサーバーレスソリューションなど、(とってもいい意味で!)技術ドリブンな事業展開を拡大しています。ハザードマップへのイノベーション、AIと地図の次の一手、SaaSビジネスモデルの苦悩、女性活躍推進など、さまざまな切り口で語って頂きました。

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Location Weekly Japanです。今週はジオロニアの宮内さんに来ていただきました。宮内さん、よろしくお願いします。
はい、どうも初めまして。株式会社ジオロニアの宮内と申します。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。では、ジオロニアさんのご紹介をお願いします。
弊社は、2019年に創業した位置情報関係のスタートアップでして、主にデジタル地図というものを扱っているんですけど、
従来のデジタル地図というのが、人が見ることを想定した地図のソリューションが多かったと思うんですけど、
弊社の場合は、ロボットとかAIとか、機械が読む地図というコンセプトでやっておりまして、
最近ですと、スマートシティであるとか、某放送局さんであるとかですね、
そういうところ向けに、ソリューションを色々と提供させていただいているという会社です。
一つ、ぜひアピールしたいポイントがございまして、
ITスタートアップという割に、女性の比率が割と高い会社で、現在13名の従業員のうち6名が女性ということで、
割と女性でも活躍しやすい状態をうまく作れてるかなっていうのを勝手に自慢に思っているのと、
あと従業員13名が、11都府県で働くリモートワークの会社というところも我々の特徴で、
こんなところでいきなり宣伝から始めて恐縮なんですけど、
もしどっちで働きたいなという方がいたら、ぜひぜひお問い合わせください。
ありがとうございます。
ジオロニア誘うか4年目ですかね、そうしたら今。
そうですね、入会していただいたのは確か2021年かな、22年かなという感じですかね。
当時まだ3、4人でやられてたような。
確かにそうだったかもです。
全然5人足りるかいないかぐらいの。
じゃあしっかりと成長されてって感じですかね。
そうですね、おかげさまで。
元々創業された経緯っていうのはどんな感じなんでしょうか。
実は元々僕はオープンソースのCMSにずっと関わっていて、
ワードプレスっていうやつなんですけど、
ウェブのコンテンツってどんどん進化してるじゃないですか、すごい進化してるわけですよ。
だけどですね、僕当時からずっとCMSやってる人間として、
ずっと課題感として感じてたのは、
実はウェブコンテンツっていつまでたってもグラフとかですね、
解析が苦手じゃないですか。
例えば災害関係の日本地図を色塗りしたような図解とかあったりするじゃないですか、
ああいうのって別のところでデータをプロットして、色塗りをして表示をするっていうのをやっていて、
実際僕の周りでよくディスカッションに上がるのが、
エビデンスがもうわからなくなっちゃってる。
そのデータの元が。
要はインターネットってリンクでつながってるのに、
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実はデータっていうのはですね、つながってないんですよね。
全然コンテンツの中に埋め込まれてる。
割と簡単に嘘を入れられてしまう。
嘘が入ってても誰もわからないっていう課題があって、
図解なんとかならないのかなっていうのはずっと思ってたんですよ。
そんな中で、地図とかだったらGoogleマップのデジタル地図とかがあって、
みたいなことを思ったときに、
もうちょっと図解に寄せた地図っていうのがないのかな。
要は白地図ですね。
あそこをもっとデータドリブンな状態を作れないかなっていうところから始まって、
その後何回か儲からなかったりとか緩まっていくようとしたりして、
今に至るという感じですね。
初期に思ってた課題感は今でも相変わらずできてないんですけど、
そういう感じですね。
結構長くやってらっしゃったので、
ワードプレスを作った方なんですか?
作った方というか、
ワードプレス自体はアメリカのAutomaticという会社が作ってるんですけど、
オープンソースプロジェクトなんで、
ボランティアがみんなで寄ってたかってやるんですよね。
その開発チームっていうのがあって、
その開発チームの中のメンバーの一人だったんです。
僕はAPIの開発であるとか、
CLIって言ってですね、
クラウドにワードプレスのサイトをデプロイするとか、
あとワードプレス本体を配布する用の、
世界中のユーザーさんがワードプレスをダウンロードしてインストールするじゃないか、
そのダウンロードするサイトの自動化用のツールとかの開発を担当していた、
エンジニアという感じですね。
あとは例えば日本の大きなセキュリティリスクがあるようなバグが出たときに、
日本のホスティング会社さんにコンタクトを取って、
ちょっとこういうセキュリティホールが分かっちゃったから、
ちょっと秘密で今のうちに対処してほしいみたいな、
そういうやり取りをしたりとか、
いろいろありましたね。
Googleさんとちょっとやり取りをしたりとかですね。
そういうこともやっておりましたね。
そうすると、ちょっと聞き方を変えますが、
ジオロニアさんのビジネスってどういった形で
デジタル地図のソリューション提供される感じなんですか?
開発でやりたいとはずっと思ってるんですけど、
正直、某大手プラットフォーマーさんがめちゃくちゃ強いというのがあって、
なかなかそこはうまくいっていないという中でですね、
スマートシティ向けのソリューションに組み込んだ状態でというのは、
割とうまくいっている、いきつつありまして、
今はですね、地方自治体さんとか政府向けにですね、
スマートシティとかそういう文脈でのソリューション、
例えばなんですけど、GISソフトウェアに組み込んで
納品させていただいたりとか、
そういう形で使わせていただいてますね。
なるほど。
ジェロニアさんのソリューションを使うのに、
特別なスキルセットとか知識って必要だったりするんですかね?
うちのJavaScript APIは割とですね、
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オープンソースのそういうライブラリに比べると、
結構簡単には使えるようにしてあるつもりなのと、
あとMapboxさんとかMapLibreさんとかと互換性があるというか、
同じAPIにはなっているんで、
その辺はちょっとうまく連携はしているかなとは思ってまして、
割と仲良くですね、やりとりも実際させていただいてますね。
なので学習コストの部分は、
結構ちょっと意識して下げたいとは思っているものの、
やっぱりこれだけGoogleさんが圧倒的な状態を持ってらっしゃるので、
Googleがやっぱり世界標準で、
それ以外は全部学習コストっていう見方もある意味あるじゃないですか。
そういう意味ではなかなか難しいなというふうには、
ちょっと今感じているところですね。
さっきの話に戻ると、
今はSaaSはまだ展開されていらっしゃらないって感じですかね。
してるんですけど儲かってないって感じですね。
なるほど、そう。
基本的なビジネスモデルとしては、
政府だったり自治体向けにそういったソリューション提供しつつ、
SaaSサービスを育てていらっしゃるっていう感じなんですかね。
そうですね。
例えばスマートシティとか、
自治体さんの場合公開型GISとか統合型GISとかいろいろあるんですけど、
そういうソリューションってですね、
既存のベンダーさんって自社自身では地図インフラをお持ちじゃないじゃないですか。
大体外の地図インフラを使って作るわけですね。
そうするとうちは自分で地図インフラを持ってるんで、
そこは開発コストであるとかスピードであるとか、
なんていうんですかね、
ライセンス上の自由度とかでやっぱりアドバンテージがあって、
マニアックなライセンス上の要望とかには、
ソフトでアイスをそのように買いますわみたいな、
そういうことができるっていうのは結構強みかもしれないですね。
なるほど。
独自で地図インフラを持たれてるっていう話ですけど、
それは作ったんですか?
作りましたね。
そこからまず始めて、
一人でやって1年くらいかかります。
1年かかったって言ってもずっとそれをやってたわけではないんですけど、
1回挑戦してあれできないなと思ってて、
1年くらい経ってからもう1回挑戦して、
できた、会社作ろうっていう感じ。
じゃあ作ってできたから会社を作ったって感じなんですね。
そうなんですよ。
だからすごい悪いパターンなんですよ、
うちの会社。
技術ドリブンというか、課題ドリブンで始まってないんです。
なるほど。
だからそれは本当に何回も何回も後悔してますね。
毎日のように後悔してます。
いやいやいや。
なるほどね。
でも地図インフラって日本だけじゃなくて世界中のものを?
そうですね、今世界を。
すごいですね。
どうやって作るんですか?
でもネットとかを見て海外のユーファレンスとか、
たまたまちょっとSNSで、
僕の前にシビックテック界隈の方が多かったんですよね。
シビックテックの人ってみんな地図使うじゃないですか。
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そうすると地図に詳しい人もちらほらいるんですよ。
なるほど。
そういう人、特にその中の知人の方とか、
そういう方の投稿とか見ながら、
こういう技術があるんだ、へーみたいな。
これから徐々に徐々に個人的に聞いたりしてやってます。
結果的にできたという感じですかね。
それを日々メンテナンスされてっていうような。
そうですね。
幸い大きなグローバルなCMSをやってた関係で、
自動化に関してはプロ中のプロなんですよね。
そこはめちゃくちゃ得意な分野なんで、
ですからサーバーレースとか自動化という文脈では、
うちは聞い出てる人間が周りにちょっと多かったというのもあって、
それから地図みたいな巨大インフラっていうんですかね、
膨大なデータを使うようなインフラでも、
当時は多分本当に珍しかったと思うんで、
今は多分他にもあるかもしれないですけど、
サーバーレースという技術で固定のサーバーを建てずに、
地図インフラを構築するっていうところから始まってるんで、
実はうちはインフラコストがですね、
本当に笑われるぐらい安く、びっくりされるぐらい安い。
地図のインフラコストは本当に言うのもはばかられるぐらいの安さですね。
そんなお話聞いてると、
サースよりもなんかうちのシステムも何とかしてよっていうような
引き合いの方が多そうな気がしますけど。
そうなんですよ。結局そうなっちゃうんですよ。
例えばこの間、住所の正規化のサービスをリリースしたんですよ。
そういうのもインターネット繋がってないような環境で、
まるごとくれませんみたいな引き合いが多くて、
実際地図もそういうパターンが結構多いですね。
要はプライベートクラウドであるとか、
オンプレの引き合いというのは今すごく増えていてですね。
わりとそういう需要というのは超大手さんが多いんで、
ありがたくいろいろとやらせていただいてますね。
なんかそのプライベートクラウドだったりオンプレが増えてきてるって、
やっぱりそういう潮流なんですかね、今は。
いやー僕も逆行してると思って、
ちょっと前まではダサいぐらいに思ってたんですけど、
とはいえやっぱりすごいセンシティブなビジネスであったりとか、
事業をされている団体さん、企業さんというのは絶対あるんで、
そういうところにとっては確かにすごい重要なんだろうなというふうには思ってますね。
やっぱり聞けば、なるほど無理だなこれは、
みたいなビジネスというのは実際ありますから。
これはネタでよく話すんですけど、
一回実際警察署さんと打ち合わせしたときに、
お客さんではないんですけど、
彼らってZoomの打ち合わせでですね、
これちょっと余談なんですけど、
映像を出さないで、Zoomの人が並んでるとこあるじゃないですか、
あそこに警察署、警察署、警察署って5人くらい並んだんですよ。
圧迫感あるんですけどとか言って、
誰か顔出してくださいよって冗談言いながら打ち合わせしてたんですけど、
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こういう事業者さんとか、もしかしたら自衛隊さんとかもそうかもしれないですし、
銀行、空港とかですね、
そういうネットにつながってるAPIは結構たくさんあるんだなっていうのは最近思ってますね。
それはそうですね。
これだけ世の中でセキュリティに対しての対策が騒がれてる中で、
でもAPIって基本みんなインターネットだしっていうそこの矛盾っていうのがありますしね。
だからどこまであれですけど、地図に対してそれが求められるって面白いですね。
そうなんですよ。あんまり想定してなかったんですけど、
さらに言うとデジタルツインっぽいユースケースで、
デジタルツインっていうのも幅が広いんですけど、
世の中のシミュレーションをするっていう意味では、
やっぱりいろいろとソリューションのアイデアというのは現実的に増えてきて、
そういうユースケースもセンキブなデータを地図上に乗っけることが多いんで、
やっぱり同じくちょっとネットは怖いみたいな、
クラウドサービスはちょっとということでプライベートクラウドっぽいところに入れるみたいな、
そういうのはやっぱり増えてますね。
へー。
ここは音子社のアピールポイントですかね。
そう。あんまり今までアピールしなかったんですけど、
そんな問い合わせばっかりが来るんで、
結果的にはそこにも対応できますよというのは実はアピールポイントですよね。
発想がないのがジオロニアとはよく冗談で言ってますね。
いやいやいや、でもそれは確かに初めて聞くお話だったりするんで面白いですね。
ちょっと最初の方におっしゃってた話に戻りたいんですけど、
デジタル地図でロボットだったりとか機械が読む地図データっていうお話なんですけど、
そうなんですかね。それを今後、生成AIというか、
ああいったものに影響していくみたいなことは考えてらっしゃるのか、
それとも嘘がわからないっていう言葉もあったので、
あれこそ誰が言ったかわからないっちゃわからない状況かなと思うんで。
その辺どうお考えですか。
もしかしたらまだAIの出番ってほどでもないのかもしれないんですけど、
たとえば少なくとも最近の災害、増えてるじゃないですか。
災害のときによく言われる言葉で、前提にとらわれるなみたいなのはよく言われることなんですけど、
ハザードマップって前提の塊じゃないですか。
あれってめちゃくちゃよく見るとわかるんですけど、
たとえば洪水のリスクがあるよって書いてあるんですけど、
何ミリの雨がどれぐらい降ったらそのハザードマップの色を塗られたとおりになるのかとか、
書いてないんですよ普通に。
要はですね、このハザードマップに書いてある状態ってどうなったらそうなることを想定してるのかって、
もはや誰も知らないんじゃないのかなって不思議になるぐらいですね。
ちょっとあまり言うと怒られそうなんですけど。
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そんなときにデジタルテスト上で、Weather Newsさんの天候データであるとか、
いろんなデータ、ジオテクノロジーさん、全輪さん、いろんなデータが集約されてですね、
それがコンピューターで解釈されて、ここ危ないよっていうのがわかる状態を作れると思うんですね。
そういうことを当面はちょっと目指していきたいなと。
その中でAIとかもかなり活躍できる要素があるんじゃないのかなっていうのを、ちょっと漠然と思ってるんですよ。
さらに言うと災害が増えたことで、過去の災害情報を共視データとして扱うこともできるんで。
ですから、実際予測させてみて、過去の実際のデータと照らし合わせて、
だいたい合ってるねみたいな、そういうフィードバックを回すっていうことも実際にちょっと見えつくあるなとは思ってますね。
だからAIとの連携というのは今年度、これからですね、ちょうど今ちょっといろいろ事業計画をやってるんですけど、
かなり今後手を入れてやっていこうと思っている部分ではあります。
で、それをSaaSにすると。
そうなんでしょう。わからないですけどね、SaaSもわからない。うちはなんだかわからないんですけど、SaaSででもわからないんでわからないですけど。
いやSaaS難しいですよ。
難しいですよね。
難しいですね。
そうですよ。
ファイナンス系の方々SaaSSaaS言いますけど、まあ難しいですよ。
本当そうですよね。ローンチして滑ってからだとファイナンスの人そっぽ向くし、作ってる最中でもそっぽ向かれるし、
ほんと上手くいってからだと別にファイナンスいらないしみたいなね。本当にね、どうしたらいいんだっていう。
ジレンマですね。
そうなんですよ。
いやでもね、せっかくなんでぜひいろんな新しいビジネスモデルも含めて展開していただけると心強いなと思います。ありがとうございます。
じゃあちょっと最後にジオロニアさんの今後の展望を教えてください。
今ですね、スマートシティ関係いろんな事態さんとやっていて、結構ちょっと褒めていただいているというかですね、評判がいいソリューションになっておりまして、
これからしばらくスマートシティを頑張っていきたいなというふうに思ってます。
結構うちは真面目にやろうとしていて、最近ですとWellbeingが、要は幸福度を実際に上げるためのITソリューションを学んだみたいなこともですね、
結構本気でちょっと検討し始めたりしていて、
そういう道のことに手を突っ込むのが好きな会社ではあるんですけど、
今後もそんな感じで頑張っていきたいなというふうに思っております。
ありがとうございます。
1年後とかどのぐらいの規模の会社にされてる感じですか?
いやーどうですか、今そのネタはちょっと言いづらいのでやめてください。
そうですね、ぜひちょっと1年後にお話に聞かせていただいて、
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こうなりましたよみたいなのがあればと。
ありがとうございます。
ありがとうございます、どうも。
そしたら今日はジオロニアの宮内さんでした。
どうもありがとうございました。
はい、今後ともよろしくお願いします。
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