あなたの中にも、この物語の主人公トラヴィス・ビックルはいるのでしょうか?
第25回は、1976年公開の名作『タクシードライバー』を取り上げます。今年、公開50周年を迎えた作品です。
監督はマーティン・スコセッシ、主演はロバート・デ・ニーロ。不眠症を抱えたベトナム帰還兵のトラヴィスが、眠れない夜のニューヨークをタクシーで走り続けながら、孤独と怒りを募らせていく物語です。
公開当時、トラヴィスは「社会のはみ出し者」として描かれていました。しかし今、2020年代の目線でこの映画を観返すと、彼の心の動きは、SNSのそこかしこで目にする誰かに、怖いくらい重なって見えてきます。
今回は、その理由を3つのステップで読み解きます。「自分が正しい、世界が腐っている」という思想の固定化。承認欲求と被害妄想のこじれ。そして、本人の意図とは無関係な形で世間から受け止められるという皮肉な結末。
これは50年前の孤独な男の物語ではなく、スマートフォンを持つすべての人の、潜在的な物語かもしれません。
これから観る方には「観たくなる予習ガイド」を。すでに観た方には「納得のいく解釈の一つ」を。そして、この親子には今この映画がどう見えているのかも、一緒に紐解いていきます。
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