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#108 油圧で使うアルコール?水グリコール系作動油の世界
2026-07-05 20:18

#108 油圧で使うアルコール?水グリコール系作動油の世界

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#科学系ポッドキャストの日 の共通テーマ「アルコール」に関連して、アルコールの一種であるグリコールを使った油圧作動油について話しました!

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サマリー

今回のエピソードでは、「化学系ポッドキャストの日」の共通テーマ「アルコール」にちなみ、油圧作動油におけるアルコールの意外な役割が紹介されました。油圧の基本原理や作動油の多岐にわたる機能が解説された後、従来の鉱油系作動油が抱える引火性の問題が提起されます。その解決策として、エタノールとは異なる「グリコール」が難燃性作動油として利用される仕組みが詳しく説明されました。グリコール系作動油は、その低い揮発性や不凍性、水溶性といった特性から選ばれる一方で、使用上の制約や環境面でのリサイクル性の高さも語られました。

導入とテーマ紹介
こんにちは、かねまるです。 プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学を軸に、皆さんの視野を広げていく番組です。
今回は、「化学系ポッドキャストの日」という企画に参加しています。 化学系番組も、そうでない番組も含めて、共通テーマに沿って、月1回話しましょう、という企画でして。
毎月、共通トークテーマが決まっております。 今回は、「アルコール。夏だ。肉だ。アルコールだ。人との付き合いの深いアルコールについて、様々な角度からのエピソードを募集します。」とのことで、
この話を出していただいたのが、今回のホスト、工業高校農業部さんです。
いつも、リアルイベントで特にお世話になっているお二人。
もともと工業高校を出られて、最終的に農業に進んだお二人。
もしかしたら関係があるかもしれない、油圧の話をしたいと思います。
実は、アルコールを使って大きい機械を動かすっていうことができるんです。
しかも、ちょっとアルコールが入っているとか、そんなレベルの話じゃなくて、油圧に使う油を代わりにアルコールにして機械が動かせる、そんな話を今回していきます。
油圧の基本原理と応用
まずは、そもそも油圧って何なのかっていう話からしていきます。
油圧の話をするなら、パスカルの原理というものを押さえておかないといけません。
そんなに難しい話じゃないんですけど、液体に力をかけると、
そこの力をかけた場所だけじゃなくて、液体全体に等しく力が伝わるっていう法則でして、
言葉だけだとイメージが難しいんですけど、注射器がわかりやすいですかね。
注射器って出口と反対側の方から上からピストンでギュッと押して、
そうすると出す方、先端側から水が出てきたりしますよね。
これって、上からピストンで押した時の力が下の出口のところまで均等に伝わっているっていう意味なんです。
まさにパスカルの原理を表したものでして、
つまりは、あるところから液体に力をかけたら、
遠く離れたところにも同じ力が伝わるっていうことなんです。
もう一つパスカルの原理で大事なところが、力を増幅できることです。
液体は力を均等に伝えることができるので、
力を伝えた先の面積が広ければ広いほど、
ちっちゃい力で大きい力を伝えることができます。
ややこしい話は抜きにして、油圧っていうのは小さい力で大きいものを動かせて、
なおかつ離れたところに力を伝えられます。
じゃあこの油圧ってどこに使われているかっていうと、いろいろあります。
一番わかりやすいのが建設機械、ショベルカーですね。
大きなアームとかバケットっていうのは油圧のシリンダーで全部動いていて、
操縦席のところにあるレバー1本で人の何百倍もの力で掘削ができる、すごくわかりやすい例です。
その他にもダンプの荷台をがばっと傾けるやつも油圧です。
基本的にはエンジンの力を油圧に変えて、重いものをゆっくり大きな力で動かすのに向いています。
工場の中に据え付けられた機械にも油圧がたくさんありまして、
金属をどんと押しつぶすような油圧プレスとか、金属を叩いて形を作る単像とか、
型にプラスチックを流し込む射出性計器とか、
だいたい大きな力で押すようなもので油圧ってのは使われています。
とは言っても、だんだんと省エネとか精度の関係で電動式に置き換わってきてはいるんですけど、
まだまだ油圧機械の需要はあります。
作動油の役割と難燃性作動油の必要性
油圧を動かすために使う液体を作動油と呼びます。
この作動油、名前は油ってついてあるんですけど、ただの油ではありません。
1本でものすごくたくさんの役割をこなしています。
作動油の一番の役割は動力の伝達ですね。
例えばショベルカーだと、
エンジンで動かす油圧ポンプが生んだ圧力のエネルギーをアームやバケットに伝えます。
これが油圧のもともとの原理で、作動油がその原理を成り立たせるための液体です。
でも作動油ってそれだけじゃなくて、同時にいくつもの役割をこなしてまして、
まずは潤滑油としての役割です。
ポンプとかバルブとかが入っているので、
金属と金属がすれ合う部分に油の膜を作って摩擦とか摩耗を減らしてくれます。
そしてもう一つ、冷却です。
油圧って摩擦とか圧縮が起きるので、結構熱が出ます。
その熱を取り除くための冷却水みたいな役割です。
その他にも密閉性を上げたりとか、錆止めの役割になったりもします。
だから作動油っていうのはものすごく注文が多くて、
適度な粘度、つまりとろみが必要で、
温度が変わっても固まらなくて、錆びさせなくて、
圧力をちゃんと伝えられるくらい圧縮性がなくて、
泡立たないっていうのも要件にあります。
こんなにたくさんの条件を満たさないといけないので、
単純にサラダ油みたいなのでは努まらないです。
そんな作動油で圧倒的にシェアを占めるのが、
高油系と呼ばれるものです。
つまりは石油から作る油、
作動油という名前の通り油が使われます。
石油から取れる油を酸化防止剤とか錆止めとかを入れて、
性能を整えたものが作動油です。
これが一般的に使われるんですけど、問題はこの普通の油、
想像の通り燃えるんです。
石油系ですから当然火が近くにあると危ないので、
火災の原因になっていました。
そんな中で求められたのが、難燃性作動油、燃えにくい作動油、
ここで出てくるのがアルコールです。
グリコール系作動油の仕組みと利点
とは言っても、皆さんの想像するアルコールって燃えますよね。
今回はエタノールみたいなお酒で使うアルコールが使われているわけではなくて、
科学的に見ると広い意味でアルコールになるものが使われています。
それがグリコールと呼ばれるものです。
そもそもアルコールという言葉は、科学の用語で言うと相性なんですよね。
お酒に使われているエタノールもアルコールの一種です。
科学的には分子の中にヒドロキシキっていう科学結合が入っていればアルコールとみなされます。
エタノールも分子の中に1個ヒドロキシキがついています。
分子の中に2つヒドロキシキがついているものをグリコールって言います。
今回はこのグリコールを作動油として使っています。
意外とグリコールって身近にありまして、車のウォッシャー液に使われているのがグリコールです。
不凍液として水が凍らないようにするために添加しているものです。
水にエチレングリコールというものを混ぜて作動油として使っています。
火が出そうになると作動油の中に入っている水が消火の役割を果たします。
油系から水系に変えることで火災を防いでいる難燃性作動油です。
もはや油ではないので作動液と言っているところもあります。
この作動液にグリコールを使わずにお酒のエタノールを使っちゃダメなんですかっていう話なんですけど、
エタノールだと蒸発しすぎちゃうんですよね。
しかも比較的火がつく温度も低くて、アルコールランプの燃料に使うぐらいですから、火災を防ぐという役割には使いづらいものなんです。
しかもエタノールが飛んじゃうと中身の成分の比率も変わっちゃうので、作動油としての役割も果たしにくくなってしまいます。
そこでヒドロキシキが2つついたグリコールの出番です。
専門的には水素結合が増えるって言うんですけど、
ヒドロキシキがあると隣の分子同士で軽く手をつないで飛びにくくするような役割がありまして、
ヒドロキシキがたくさんついているグリコールは、1個のエタノールよりも沸点が非常に高くなっています。
エタノールの沸点が78度、それに対してエチレングリコールは200度ぐらいの沸点なので、全然起発しないんですよね。
しかもある程度とろみを出す役割もあって、水にいくらでも溶けます。
おまけに水に溶かすと水を凍りにくくする。
車の汽車駅みたいな感じで不凍液の性質も持っています。
起発しなくてとろみがつけられて、水と混ざるし凍りにくくする。
作動液に欲しい性質が最初からセットになっているんですよね。
だからグリコールが選ばれます。
水とグリコールの液に作動油としての性能を上げるために、増粘剤、粘土、つまりはとろみを調整する添加剤を入れたり、防製剤、錆止めを入れたりして、水グリコール系の難粘性作動油の完成です。
水グリコール系作動油の課題と制約
これでショベルカーも燃えにくい難粘性作動油で動かせると思いたいんですけど、そうもいかない弱点があります。
ここまで水グリコールのいいところを話してきたんですけど、当然弱点もあります。
まず扱いが面倒です。
中に水が入っている分、含水率をこまめに測って管理しないといけません。
使用する温度もだいたい50℃くらいまでしか上げることができません。
つまりは便利なんだけど使える範囲に制約があります。
水が使われているのはもちろんのこと、液はアルカリ性に振ってあるので、
例えばアルミニウムの材質とか、ゴムとしてウレタンゴムを使っていたりとか、そういう場合だと適合しないんです。
材質に制約が出るのが難しいところですね。
何年製の茶道油っていうのは便利ではあるんですけど、
結局のところ、使用温度帯とか材質の適合性とかの関係で、
使われているのは茶道油全体の5%程度だと言われています。
水グリコール系作動油の環境面での利点
最後に水グリコール系茶道油の環境面についてお話しして終わります。
リサイクル性がすごくいいんです。
基本的に油、石油から作った鉱物油の茶道油っていうのは、
使い終わったらリサイクルするのはするんですけど、燃料として生まれ変わらせることが多いです。
茶道油には戻らないっていうことなんです。
燃料として生まれ変わらせる場合は再生重油っていう言い方をして、
ボイラーなどの燃料として使います。
その一方で水グリコールの茶道油っていうのは、
水と一連グリコールのようなグリコール系のアルコールと添加剤の混ぜ物です。
添加剤はさすがに難しいんですけど、
水と一連グリコールは蒸留で蒸発させて分離することができます。
茶道油の大半の成分を蒸留でリサイクルできるんです。
もともと一連グリコールは気圧性が低いから茶道油として使われてはいたんですけど、
蒸留してリサイクルするときは減圧して沸点を下げて蒸発させます。
だいたい一連グリコールの沸点が200度くらいで、
真空にするとおそらく100度くらいまでには下げることができます。
100度だったら水の沸点くらいなので全然問題なく蒸発できます。
この特徴を生かして使い終わった水グリコール系の茶道油を蒸留して、
水と一連グリコールだけ取り出して、そこに新しい添加剤を加えることでまた浅襟をすることができます。
すごく環境に良いんです。
そもそも本来だったら石油系の油を使うところを水に変えているわけですから、
ものすごく環境に良い製品なんです。
アルコールの多様な種類と役割
今回は何年製茶道油ということで水グリコールを紹介してきました。
アルコールと言っても実はエタノール以外にもあるんですね。
そして飲む以外にもアルコールって意外な役割がありました。
大きな機械を力いっぱい動かすことができます。
ちなみに分子に1つだけヒドロキシキが入っているのがアルコール、
2つでグリコール、
3つになるとグリセリンて呼びます。
化粧品とかで入っている保湿成分ですね。
そういう感じで化学で言うとアルコールっていろんな種類があって様々な役割があります。
飲んだり消毒するだけじゃないっていうのだけでも覚えて帰ってください。
まとめと告知
今回はここまでです。
プラントライフでは化学や工場に関するトピックを扱っています。
配信は毎週水曜日と日曜日の朝6時ごろを予定しております。
こんなところにアルコールって使われるの?とか
うち実は水振りコール使ってますっていう珍しい方いらっしゃれば
ハッシュタグプラントライフをつけてXで感想をつぶやいてみてください。
そして最後にメンバーシップの紹介です。
ノートでかねまるのここだけの話というものを公開しています。
情報発信にあたっての試行錯誤とか
技術者のキャリアの話とか
今こんなプロジェクトが進んでますとか
あまりオープンな場では少し話しにくいけど
残しておく方がいいかなって思う本音をお伝えしています。
興味のある方はぜひ覗いてみてください。
それではお聞きいただきありがとうございました。
20:18

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