第百二十七話『おかげさまで、を大切にする』-【島根篇】陶芸家 バーナード・リーチ-
2018-02-03 14:03

第百二十七話『おかげさまで、を大切にする』-【島根篇】陶芸家 バーナード・リーチ-

世界的な陶芸家、バーナード・リーチは、昨年、生誕130年。
千葉県我孫子市に窯を築いて、ちょうど100周年にあたります。
リーチは、島根県出雲地方を頻繁に訪れました。
雑誌「ひととき」で「『リーチ先生』が愛した出雲」という特集が組まれるほど、日本神話の里は、イギリス人である彼の魂を激しく揺さぶったのです。
イギリス領だった頃の香港に生まれたリーチは、幼い頃、日本に住んだこともありました。
イギリスに戻ってからも日本への憧憬は強く、たびたび来日して、全国の窯元を歩きました。
そして、出雲は彼に陶芸の道を示した場所です。
彼の目に映った宍道湖は、たとえようもなく美しく、いくつもの作品のモチーフになりました。
彼は窯元で土に向き合う陶芸家に、流暢な日本語で、こんなふうに説いたと言います。
「いいですか、天狗になってはいけません。うまくいったからといって、それはあなたの手柄じゃあ、ないんです。全部、自分以外の誰かのおかげ。他のひとのおかげ、土のおかげ。みんな、おかげさまなんです」。
かつて、日本人の多くが口にした言葉、「おかげさまで」。
それは世界中探してもどこにも見当たらない素敵な言葉だと、リーチは思いました。
万物と寄り添う心。異文化と混じり合う優しさ。
目の前に戦争があった時代に、東洋と西洋の交流を心から臨んだ芸術家、バーナード・リーチ。
彼は、美術品としての陶器より、日用品としての陶器を重んじました。
器は、使われてこそ味が出る。
コーヒーカップを口にあてたときに「唇が喜んでいるか」を大切にしたと言われています。
陶芸を通して東と西の融合を目指した芸術家、バーナード・リーチが人生でつかんだ明日へのyes!とは?

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

14:03

コメント

スクロール