第百二十五話『理解して、共感する』-【三重篇】国学者 本居宣長-
2018-01-20 12:35

第百二十五話『理解して、共感する』-【三重篇】国学者 本居宣長-

伊勢国松坂に、日本人の古き良き心を大切にした、国学者がいました。
本居宣長(もとおり・のりなが)。
彼は『古事記』の研究に取り組み、三十有余年、注釈書『古事記伝』をまとめあげました。
それ以外にも『源氏物語』の中の「物のあはれ」という価値観に着目。
日本人が決して忘れてはならないものを必死で守ろうとしたのです。
彼が生きた江戸時代中期は、仏教や儒教などの外来文化が、盛んに取り入れられていきました。
外の風を入れることは決して悪いことではない、でも、それにともなって国学や日本の古代研究がすたれていくのは、いかがなものだろう。
強い危機感を持った宣長は、「物のあはれ」がわかることこそ、日本人の素晴らしい本質であると説いたのです。
彼の生き方もまた、当時としては一風変わっていました。
小児科の医者として地域医療に心を砕きながら、夜は国学の研究に寝る間も惜しむ、二足のわらじ生活。
国学の巨人と評され、再三の江戸への誘いもあったのですが、中央志向ばかりでは国は豊かにならないと、それを断り、70年あまりの生涯をほとんど全て、ふるさと、伊勢・松坂で過ごしました。
彼が説いた「物のあはれ」とは、五感に根差した、感情の動きばかりではありません。
もしそこに哀しんでいるひとがいれば、なぜ哀しんでいるかを理解しようと努め、必死で寄り添い、そのうえで、感情を同化、共感させるということ。
本来、日本人とは、「物のあはれ」を知ることで、さまざまな困難に立ち向かってきたのだと、彼は言います。
時代の波にのまれず、我が道を歩き、日本人の魂を説いた、国学者・本居宣長が人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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