第百四十八話『動くことで、己を知る』-【長崎篇】医師・博物学者 フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト-
2018-06-30 13:37

第百四十八話『動くことで、己を知る』-【長崎篇】医師・博物学者 フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト-

江戸時代、末期。
鎖国時代の日本に、ひとりのドイツ人がやってきました。
フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト。
シーボルトは、長崎の出島にあったオランダ商館の医師として、西洋医学の実践や啓蒙を行い、日本の近代化のために貢献しました。
さらに彼は日本の植物学、民俗学、地理学にも興味を持ち、地道な研究を重ね、日本人が成しえなかった学術的資料の構築に尽力したのです。
彼はジャカルタで軍医として働いていたときに、オランダ領東インドの総督に、こう言われました。
「あらたに、日本に向けて出発する、オランダ使節団があるんだが、どうだろう、もしキミが望むのであれば、随行してみる気はないか?長崎の商館の医者として駐在し、さらにはキミがやりたいと言っていた自然科学の研究にも従事できると思うが」
シーボルトは、二つ返事で快諾しました。
「ぜひ、行かせてください!」
でも、船旅は過酷で、命を落とす危険性も決して低くはありません。
それでも、彼は異国に飛びだしたかったのです。
東シナ海で嵐に遭遇。
海に落ちないように、甲板に自分の体をしばりつけて風雨をしのいでいるときも、「大丈夫!大丈夫!オレには、オレを守ってくれる神様がいる」そう信じて乗り切りました。
荒海を経て見えてきた島国を、彼はこんなふうに日記に書いています。
『あざやかな緑色の丘。耕された山の尾根が前景を彩り、後方には青みがかった山の頂が、くっきりと輪郭を描いている。海岸にそそり立つ岩壁は朝陽を浴びて、時間とともに、その色を変えていく。実にうっとりとする眺めだ…』
命の危険もかえりみず、そこまでして異国を目指したのは、どうしてだったのでしょうか?
シーボルトが、波乱の生涯でつかんだ、明日へのyes!とは?

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