第八十八話『未来を語れ!』-【日光篇】 ソニー創業者 井深大-
2017-05-06 12:19

第八十八話『未来を語れ!』-【日光篇】 ソニー創業者 井深大-

ソニーを創った男、井深大(いぶか・まさる)は、栃木県の日光に生まれました。
彼が生まれた清滝という村は、東照宮がある中心地から、中禅寺湖に向かう奥日光に位置する山里です。
父は古河鉱業 日光電気精銅所に勤務していて、一家は社宅で暮らしていました。
井深が生涯大切にしていた、1枚の写真があります。
口ひげをたくわえた父は堂々としていて、生後9か月の大を抱く着物姿の母は、驚くほど美しい。
父と同じ紋付き袴姿の大は、目を見開いてこちらを見ています。
この写真のわずか1年後、父は、病に倒れ、亡くなってしまいます。
東京高等工業、現在の東京工業大学の電気化学科を出たエリート技術者だった父。
学生時代に、静岡の御殿場に、日本で最も古いと言われている水力発電所をつくったという功績もあり、将来を嘱望されていました。
志、半ば。さぞ無念だったろうと、井深は述懐しています。
4歳のとき見たある光景を、井深は覚えていました。
それは母と身を寄せた祖父の家に初めて電気がきたときのこと。
「大人も子どもも、工事の現場をワクワクして見ていた。はっぴを着た工夫がなんと、いなせに見えたことか。天井に二本の黒い線をバリバリと、とめていく。ああ、今日の夜、電気がくる、電燈が灯る。夜が待ち遠しい。まだか、もうすぐか。そうしてついに電気が来る瞬間がやってくる。しかし、私は電気のついたそのときを覚えていない。おそらく待ちくたびれて眠ってしまったんだろう。しかし、その工夫たちの手際のよい仕事ぶりだけは、目にやきついていた」。
その原風景こそが、井深の後の人生を決めたのかもしれません。
電気は、今を照らし、未来を映します。
天才的な発明家であり、日本経済界が誇る経営者、井深大が、その生涯でつかんだ明日へのyes!とは?

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

12:19

コメント

スクロール