第十四話『ひとに助けられる』-川端康成-
2015-12-05 10:57

第十四話『ひとに助けられる』-川端康成-

日本で初めてノーベル文学賞を受賞した文豪、川端康成。
彼が軽井沢を訪れたのは、昭和6年の夏、菊池寛に連れられてきたのが最初だと言われています。
その後、彼が37歳の時、今度はひとりで、芥川龍之介や室生犀星が愛した『つるや旅館』に泊まろうとやってきたと言います。
しかし、つるやは、満室。番頭は丁寧に詫びをいい、藤屋という旅館を紹介しました。
川端が藤屋に行ってみると、一室しか空いていません。
しかも、その広い部屋には学生がひとり泊まっていて、相部屋はどうかと持ちかけられました。
川端は「いいよ、それで」とにこやかに承諾。
翌朝、宿泊したのがあの川端康成だと知って旅館中、大騒動。
学生も驚いたと言います。
ぎょろっと見据える大きな目。無口で無愛想。
そんなイメージの川端康成にも、気さくな一面があったのです。
彼は軽井沢をたいそう気に入り、のちに別荘を購入します。
名作『雪国』がとった文学賞の賞金をその資金にあてたのです。
夏の間、避暑で過ごす軽井沢の空気を、川端は愛しました。
彼の別荘には、いつもたくさんの来客があったと言います。
決して人付き合いがうまい人間ではない彼のもとに、ひとが集う理由。友人や同志の笑顔を見て満足そうに腕を組む彼の姿には、彼が長い年月をかけて得た、人生のyesが見え隠れします。
作家、川端康成が生涯をかけて大切にしたものとは・・・。

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