00:02
今回は、FeelWorksのホワイトペーパー、前川孝雄のFeelWorksエッセンシャルズ3、ミドル・シニアのキャリア自律支援の一部を抜粋してご紹介します。
日本企業で働くミドル・シニア社員は着実に増えています。少子高齢化が進む中、ミドル・シニア社員は今後も増え続けるでしょう。
2021年4月に、改正高年齢者雇用安定法が施行となりました。これまで、企業に義務づけられていた65歳までの雇用確保が、努力義務ながら70歳までの就業機会確保に拡大されたのです。
これに伴い、企業における定年の延長廃止や再雇用なども促進されつつあり、シニア社員の割合はさらに増えるでしょう。
これは、若手や中堅の管理職が自分よりも年上の部下を持つ可能性がより高まることを意味します。
人生の先輩をいかにマネジメントするか。この悩ましいテーマはすでに上司の必須課題となっているのです。
多忙を極め業績目標達成のプレッシャーもある上司は、定年間近の年上部下は所詮やる気がない。
頭が固くてもう変わることなどできないと、さじを投げがちです。
無視か敬遠をするか、さらに厳しく管理するか、二者択一を迫られる場面にも直面することでしょう。
しかし、そのいずれでも状況は好転しません。
真面目なシニア社員ほど、終身雇用と年功序列を前提にモーレツに働いて社内での地位を築いてきました。
課長・部長という肩書きが自身のアイデンティティになっている人も少なくないのです。
役職定年は想定していたものの、いざ実際に対象者になってみると喪失感は大きく、プライドも打ち砕かれています。
70代以上でも働くことが一般化しつつある現代、上司にとってミドルシニア社員の不安や悩みはひとごとではありません。
腰を据えて長い目で複雑な気持ちに寄り添い、共に解決に向けて取り組むことは、
30~40代の若手上司やリーダーにとっても将来の自分に向き合うことでもあるのです。
では、上司は年上部下に対しどのような姿勢で臨むべきでしょうか。
ミドルシニアをマネジメントする際の心得を挙げておきましょう。
第一に、人生の職場の先輩としてリスペクトする姿勢を持ち、本人の持ち味を活かす役割を作ることです。
そして第二に、今後の仕事について給与肩書というものさしではなく、働きがいというものさしで対話をしていくことです。
03:10
定年をゴールと捉えて、給与の高さや社内での肩書でアイデンティティを保つ状態から脱却してもらいましょう。
定年後もイキイキと働く将来像をイメージしてもらい、そこから逆算すると、今の仕事が自分の人生にどういう意味があるのかが見えてきます。
何より、自分らしい働きがいを感じることでアイデンティティを醸成できるよう、本人のマインドシフトを支援していきましょう。
人生100年時代を迎えた現在、定年イコールリタイアという認識を本人も周囲も払拭していかなければなりません。
定年はセカンドキャリアのスタートに変わったのです。
そのため、定年が見えてきた社員に必要なのはキャリア自律です。
上司にはその良き相談相手となり、現在の仕事だけでなく、定年後の働きがいや生きがいまでを視野に入れた対話が求められるのです。
上司は本人のこれまでの経歴や実績などを可能な範囲で把握した上で、キャリアの棚下ろしを支援し、今後のビジョンを話し合いましょう。
年上部下がこれまで管理職だった場合は、プレイヤーとしての筋力が弱っている可能性があります。
かつての成功体験にこだわらず、新たな情報や技術も学び直して取り入れるように促しましょう。
いかがでしたでしょうか。
FeelWorksのホワイトペーパー、FeelWorksエッセンシャルズ3、ミドルシニアのキャリア自律支援では、
今回抜粋してご紹介したミドルシニアのキャリア自律の意義とマネジメントの心得を踏まえた上で、より具体的な支援方法について詳しく解説しています。
FeelWorksエッセンシャルズ3、ミドルシニアのキャリア自律支援は、FeelWorksのホームページからダウンロードできます。ぜひお読みください。