傾聴のプロセスの紹介
はい、FeelWorks代表取締役の前川孝雄です。
今日はですね、傾聴スキルについて具体的なプロセスをですね、皆さんにお話ししたいなと思っています。
前回ですね、傾聴の本当の意味についてお話をしました。
その中で、傾聴スキルよりも傾聴マインドが大切なんだというふうなことをお話ししました。
まさにやり方の前にあり方が重要だということですね。
じゃあ、あり方は整いました。マインドはしっかり持ちました。
となると、やっぱりスキルは重要ですね。具体的にどんなやり方をすればいいのかというようなことが大切なので、
今日と、今回とですね、次回2回にわたってですね、僕たちFeelWorksが考える傾聴のプロセス。
6つのステップに置かれるんですけど、これを前半戦の、今回はステップ1からステップ3まで、
次回はステップ4からステップ6までということで、2回に分けてお話をしたいなと思っています。
さて、今日は前半戦ということで、僕たちが考える傾聴のプロセスのステップ1からお話をしたいなと思うんですけど、
傾聴のステップ1は何かというと、姿勢を整えるということです。
やはり、傾聴する上においては相手があることですから、相手に対してあなたの話を聞く準備、
心構えがしっかりできていますよということをちゃんと伝えないといけないんですよね。
そういう意味では、そういう姿勢が伝わるということが重要で、これが姿勢を整えるということです。
具体的にはリアルな面談とかの場であれば、よくカウンセリングポジションなんて言われますけれども、
対面に立って相手と向き合うんではなくて、ちょっと斜めになるような角度でリラックスして、
相手が話せるような姿勢を向けるというふうなことが大事かもしれませんね。
椅子に座ってやる場合であれば、例えば傾聴する側の上司が椅子に座って、
ドーンと深く腰掛けるとすごく居丈高な感じがしますので、威圧感も覚えますよね。
そうではなくて、浅めに腰掛けて少し前傾姿勢、前のめりになって、
あなたの話を聞きたいんですよというふうなことを伝えることが大事でしょう。
あとは、視線は相手を凝視するのではなくて、相手の目の中央あたりですかね、
ということを柔らかく見つめるというふうなことでしょうか。
そのような状況ですごく相手に対してリラックスして話せるような感じを伝えるということが大事でしょう。
一方で今はリモートワークなんかも盛んになってきてますから、
リモートワークだとなかなかリアルなようにこういう姿勢を伝えるということが難しいので、
そういう意味でいくと、できるだけ少し笑顔を見せてあげるということでしょうか。
仏頂面、どうしてもパソコンの画面で見ると仏頂面になりがちなので、
できるだけ笑顔で広角を上げて相手の話が出やすいような雰囲気を出してあげるというふうなことがとても大事だというふうに思います。
相手が話し始めたら、これはリモートであってもリアルであってもですね、
身振り手振りはしっかりして相手に聞き取りやすいような声で反応してあげるとか、
そして姿勢を整えていくということが重要なということでございます。
これがステップ1ですね。
さて、ステップ2ですね。
これは受容するということでございます。
受容するということは、相手が姿勢をちゃんと受け止めてくれて、
自分のことを話し始めたということでいくと、
相手がもっとなめらかに話せるように場を作ってあげるということですね。
これが受容するということなんですけど、具体的にはですね、
相手が話している途中の要所要所で、うんうん、そうかそうかというふうな感じで、
声を発していくというふうにですね、頷きをしっかり入れてあげるということでしょうか。
あとは、場合によっては相槌をですね、しっかり入れてあげて、
よくペーシングなんていうことを言いますけども、
相手の話のペースに合わせて、もしくはリズムに合わせて、
頷き方や相槌の速度や深さも合わせていくということで、
相手が非常に話しやすくなっていくようなことを整えていくということが
受容するということでございます。
リモートワークなんかの場合では、少しオーバーリアクション気味に反応をしたほうがいいんですけど、
それがですね、あまりオーバーアクション気味すぎたりとか、
リアクションが早すぎたりとか、かみあってなかったりすると逆に話しづらいので、
このタイミングなんかも意識しながら受容するということをやっていただきたいなというふうに思います。
ちなみに、僕自身はもともと前職がですね、雑誌とかウェブサイトの編集長をやっていました。
自分自身が取材する立場とかインタビューをする立場にもなりますし、
一方で今はこういう人材育成の専門家とかキャリア支援の専門家として取材を受けたりとか、
インタビューを受けたりすることもあるんですけど、
これまで何十年にわたって様々なインタビューのプロですね、
新聞とか雑誌とかテレビ、ラジオ等の聞くことがプロである方々のインタビューとか取材をたくさん受けてきました。
その中で感じたことがあってですね、同じことを大体僕のテーマが決まっているので、
人材育成、キャリア支援、上司力に関わることですね。
話すことは大体僕はですね、自分が言いたいことと主張が固まっているので、
大体インタビューに答えることは同じようなことを言うんだけど、
一方でインタビュアーによってすごく話しづらい方と、
すごくこの方と取材を受けて話しやすいなという風な方が結構違いが明確にわかったんですね。
なぜかというと、やっぱり今お話ししている受容するということがしっかりできておられる方は、
すごくやっぱり僕も話しやすかったんですね。
なので、やっぱりこの受容するということがとても大切なんだなということを身をもっても感じています。
ステップ3と共感の重要性
さて、ステップの3番目、ステップ3ですね。
これは何かというと、よく言われる共感するということでございます。
相手がひとしきり話してきたと、ある程度の段落を持って話をしてきたことに対して、
あ、なるほど、あなたはそういう風に感じていたんだね、
それはとてもうれしかったね、それはつらかったんだねというようなことで、
相手の気持ちや感情を汲み取ってあげるということが共感ですね。
それによって、相手に対して気持ちをわかってもらえている感をしっかり持っていただくということが共感だというふうに思います。
共感の重要性はあちこちで盛んに言われているので、皆さんもご存知だと思うんですけど、
一方で、我々はよく上司力研修で現場のお仕事で大変な上司の方々に部下に共感を示しましょうなんてことを言うと、
いや共感なんかできないよというふうな反発が出てくることがあるんですね。
このとき少し僕たちは丁寧に説明をしているんですけど、
共感ということの定義、意味を少し整理して考えましょうと。
今反発していらっしゃる方々の多くが同調とか、もしくは同意と共感を同義に考えてしまっているケースが多いようなケースなんです。
すなわち相手、部下が話していることに対して同意をしなければいけないとなると共感なんかできないというふうになってしまうんですけど、
でも共感というのはそうではないんですね。
共感というのは別に同意しなくてもいいんです。
自分は違う考え方を持っていても構わない。
でも相手が言っていることをしっかり認めてあげるということが共感なんですね。
すなわち僕たちが主張しているコミュニケーションサイクル理論のステップ1の違いを認めるということがまさに共感ということだと思います。
こう考えていくと、自分の考え方が違っていてもいいんだ。
であれば共感する努力をしてみようという姿勢になっていただく方が多いので、
そういう意味でいくと、もし共感に対して少し違和感を感じる方がいらっしゃれば、
同調、同意とは違うんだというふうに少しクールダウンして自分を見つめ直してあげて、
共感に向き合っていただきたいなというふうに思っております。
はい、ということで今回は僕たちFeelWorksが考える計調のプロセス、
6つのステップのうち前半戦ですね、ステップ1から3までお話しに参りました。
傾聴のスキル、プロセスに関しては様々な手法があります。
なので僕たちの考え方が絶対的には正解だというふうには思いませんけれども、
でも長年上司力の啓蒙活動していく中で傾聴というものを磨き上げた中のプロセス、
このステップが重要だと思っておりますので、皆さんなりにご理解いただいて、
現場で応用して活用していただければと思っております。
はい、では本日はここまでにしたいと思っております。ありがとうございました。