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始まりました、佐々木亮の宇宙話。こちらのチャンネルでは、天文学で博士号を取得した私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けしております。
この放送は、甲府市石川治療院さんの提供でお送りしております。甲府市石川治療院さん、どうもありがとうございます。
冒頭で読んでいるこちらのスポンサー枠についてはですね、オンラインショップ天文屋で販売しております。
天文屋スペースベースで検索してみるか、概要欄のリンクから興味ある方はぜひ覗いてみてください。よろしくお願いいたします。
ということですね、早速今日の本題のお話です。
今日の本題は、ハワイが日本に近づいてきている。そのスピードはなんとブラックホールの観測によってわかる。
こんなお話をしていきたいと思います。
今日のお話は、ハワイが近づいてきているってすごいキャッチーなお話にも関わらず、そこにブラックホールの観測っていう宇宙っぽいお話が近づいてくるという、なんとも不思議なお話になっています。
どうでしょう。皆さん一度は聞いたことあるかもしれないなと思ってるんですけど、ハワイが日本に近づいてきているっていう話聞いたことありませんか。
実はこれ本当で近くの動きとか、地面ですね。近くの動きとかでハワイは日本にちょっとずつ近づいてきていると。
その速さが今だとだいたい1年間で11センチとか12センチとか動いているそうです。
1億年後には日本とハワイがガッチャンコするみたいなお話があったりするそうなんですけど、
このハワイが日本に近づいているっていうお話、これ自体がなんと宇宙の観測によってお互いの位置が明らかになるみたいなお話になっているらしいので、
今回はそちらについてお話ししていこうと思いますので、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
ということで、毎日恒例の緊急報告というか活動報告になりますが、話題がハワイになったのを思い出してみると、
コロナ禍になる前の最後の旅行って多分ハワイだったかなっていう印象が思い出が浮かんできました。
旅行といってもアメリカ天文学会っていうのに参加するために行ったものです。
でも正直発表15分とかで人の話は聞きますが、基本的には半分旅行みたいな感じだと思って学会には行っておりました。
アメリカの天文学会ってこれすごいお祭りみたいな感じなんですよね。
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そもそも日本と比べると天文人口とかも大体10倍ぐらいいたりするのかな。
だからとにかく母数が違うと。
プラスして非常に盛り上がるんですね。
大学の説明会とかをやっていたり、大学院生を確保したい大学がいろいろ説明会とかやってたり、
オプションでグッズとかまで渡してたりするんですね。
あとは企業ブースとかもあったりします。
大きいホール、コンベンションセンターっていう州立のめちゃめちゃでかいホールであったりするんですけど、
そのホールに企業ブースとか、例えば望遠鏡を作ってる企業だとか、
あとは簡易プラネタリウムとか、そんなのをやっている企業とかが集まっていたりするんですね。
もちろんその中にはNASAのブースがあったりとか、
あとは日本からだと国立天文台とかもそこにブースを出してたりします。
やっぱりアメリカ中の優秀な天文学者とかがそこに集まるわけなので、
企業とか研究機関というのも必死にそこでリクルーティングをしていく。
そんな結構活発な場になっていたりするんですね。
一方で日本の天文学会っていうのは基本的には共産の企業とかはあれど、
基本的にはやっぱり天文学者の方が多くて、
しかも州立のそういうでっかいコンベンションセンターみたいな感じってよりは、
大学に集まって研究報告が基本になるみたいな感じですね。
なので結構雰囲気は違うと。
一方でアメリカの天文学会もその前に、
一年前とかにシアトルのアメリカ天文学会も行ったりしてたんですけど、
その時も同じような感じだったので、
きっとアメリカの天文学会っていうのはああいうお祭り騒ぎ感があるんだろうなぁなんて思ってます。
学会とかいろいろ出てた頃、すごい懐かしいなと。
どうしてもコロナ禍で海外に行くことできなかったんですけど
最後の年フランス行く予定あったのに残念だったなっていう思い出が
フツフツと蘇ってきた
そんなポッドキャスト収録前でございました
そんな感じでただ思い出話をした感じになりますが
早速今日の本題入っていきたいと思います
今日の本題はハワイが日本にくっつく
そのスピードっていうのがブラックホールの観測でわかる
このお話をしていきたいと思います
これどういうことかっていうと
そもそもこのハワイが日本に近づいてきてるみたいな話って
皆さんご存知でしたかね
冒頭にも話したんですけど
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なんとこれ1年間に11センチとか12センチとかっていうペースで
日本に近づいてきてるんですね
これは地球の近くの動きによって変わっていて
じゃあこれどうやってそんなでっかい
例えばハワイだったらハワイの島
で日本っていうこの大きい大陸
これらの距離っていうのがわかるのかっていうと
これは実は天体観測によってわかるっていうところなんですね
これをやってるのがどういう原理かっていうと
言葉だけ聞き流してくれればいいんですが
VLBIと呼ばれる装置を使って
この2つの島 大きい島 大陸っていうところの距離を測ってると
じゃあどうやってやるのかっていうと
必要になるのはパラボラアンテナですね
もしかしたら皆さんのこのベランダとかにも付いてるかもしれない
あのお皿型のやつですね
で そのパラボラアンテナで
めちゃめちゃでかいパラボラアンテナを使うんですね
で 日本のだと例えば筑波にある巨大なやつだったりとか
あとはハワイの巨大な望遠鏡だったりっていうのを使ったりするんですけど
大きさはどのぐらいだろう
30メートルは嘘かな
それぐらい 本当に数メートルとか
32メートルとかですね イワラギのやつだと
30メートル級のお皿型の望遠鏡
パラボラアンテナっていうのを使って
ある天体を観測してあげるんですね
そのハワイにあるアンテナと日本にあるアンテナで同じ天体を観測してあげる
で その観測対象っていうのが
宇宙のすごい遠くにあるクエーサーと呼ばれる天体です
で このクエーサーっていう天体
皆さんどうですかね 今まで聞いたことありますかね
ポッドキャストでも何度か紹介はしてるんですけど
やっぱりイメージしづらいかなと思って
今まであんまり紹介してきていない天体ではあるんですね
で これ10億光年先とかにある
すごい電波の信号を飛ばしてくるような天体で
10億光年も先にあるので
実際はどんな姿 形をしているのかっていうのは
今のところまだ分かっていないんですが
このクエーサーっていうのがどうやって光っているかっていうのの
最有力の候補としては
ものすごく大きいブラックホールがあって
そのブラックホールが周りの星とか
周りのガスとか塵とかっていうところの物体をどんどん吸い込んでいく
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で その吸い込んでいくときに
ブラックホールに落ちていく摩擦とか
そういうところから出る光
これがクエーサーが勢いよく光っている正体なんじゃないかって言われてます
そんな感じの10億光年先にある星
クエーサーっていうのを
このパラボラアンテナ2つを使って
同時に観測してあげるんですね
そうすると だいたいハワイと日本だと6000キロとか離れてる
そうするとですね
同じ天体を2カ所で見ると
その光をよく見てると
光の到達する
アンテナに到達するスピードっていうのが
タイミングが若干ずれるんですね
でも本当に 本当に若干です
そこのパラボラアンテナってやつに
原子時計っていうものすごく正確に時を測る時計っていうのがついていて
その2つのパラボラアンテナがそれぞれ何時何分に
何時何分何秒みたいな
1000億分の1とかまで確か測れるんですけど
そのレベルで到着時間っていうのを見積もるんですね
で これ 例えば
電波っていうのは1秒間に30万キロとか確か進むのかな
そうすると それだけの ちょっとだけの
何ミリとか動いても望遠鏡に光が到達するタイミングのズレによって
そのパラボラアンテナ2つがどれだけ離れてたかっていうのが分かるんですね
この信号の到達時間の差と光の速さとかっていうのを
もろもろ計算してあげることで
数ミリ単位で日本とハワイの距離っていうのを計測できると
そうすると なんと今 現在ですね
日本とハワイの間っていうのは年間で11センチも近づいてきてるっていうのが
宇宙の観測によって明らかになったと
つまり これをまとめるとタイトルみたいな通りになっていて
結局はブラックホールを日本とハワイ 両方で観測してあげることで
そのアンテナ2つの距離が分かる
つまりはブラックホールが日本とハワイの距離を明らかにしてくれてる
なんていうようなことになったりするわけなんですよ
これが今回のお話で
これ 初めて聞くなみたいな あんまりピンとこないななんて思う方
いるかもしれないんですが
じゃあ このポッドキャストでも話したりとか
あとはニュースでも何回も見たかもしれないんですが
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ブラックホールの写真を撮るっていうお話 見かけませんでしたかね
あれって地球の 例えば南極とか あとはスペインとか
そういったところに望遠鏡を置いて
あれもパラボラアンテナなんですね
パラボラアンテナを置いて それぞれに入ってきた光っていうのを
コンピューターでシミュレーションして
入ってきた信号っていうのを組み合わせて
まるで地球サイズの望遠鏡にしてあげるみたいなお話
何度か聞いたことあるかと思うんですよ
ない方はぜひ ブラックホール 写真 方法 なんていうふうにググってみたら
もしかしたら出るかもしれませんが
それってどうやってたかっていうと
結局は世界中に点在しているパラボラアンテナ
それで同じ天体を見たときに
それぞれが受ける信号っていうのを 別々で検出するんですね
で そのときはそれぞれ若干ですよ
若干 本当に0.00何秒とかの差で
例えば違う 少しだけ遅れて光が飛んできたりするわけじゃないですか
でも写真を作りたいってなったら
同じタイミングの同じ光っていうのを なるべく使わないといけないっていうところで
あのブラックホールの写真を撮ったときっていうのは
今の日本とハワイの距離を繋いだっていうのを 逆をしなければいけなくて
それぞれで検出したときの時間の誤差っていうのを
お互いの距離とかを考えて補正してあげて
一つの画像っていうのを作ってあげる みたいな感じでやっていくんですね
なので 今まで他で聞いてきた話の逆バージョンっていうのが
ハワイと日本の間の距離っていうのを測定するために 使われていた手法でしたというお話でした
ということでですね まさかブラックホールと日本とハワイの距離が繋がると
思ってもみなかったんではないでしょうか
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