ところで、南口さん。この人、会うたびに雰囲気違うなとか、なんか毎回ちゃうやん、っていうことあります?
お友達で、例えばお付き合いする人が変わりましたとかっていうのが、服だったり雰囲気だったり、髪型とかお化粧とかで、結構わかる子がいて、
で、割と華やかにしてた人が、結婚して突然絵に描いたようなお母さんというか、そういう感じで、まるで別人みたいな、なった人がいて、
で、これがまたですね、その先、一周回ってっていうのが、今の私たちの年齢になってくると、一回転したんか、あ、そうそう、そういう感じ好きやったよなっていう、
一周回って元に戻ったみたいな感じで、結構展開があった子はいますね。
なるほどね。今日は、そういうふうに周りの影響を受けたり、その周りから学習していって、行動パターンが変わっていくっていう角度から、犯罪を語った文化的接触理論というのについてお話しします。
丸ちゃん教授の罪な話 市民のための犯罪学
刑事政策犯罪学を専門とする立証大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。
同じく刑事司法未来の南口文です。
このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送る、これまでとは異なった視点から罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話について、わかりやすく解説をしていきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日は、時々あまり話せてないっておっしゃってた犯罪学の話っていうことになりますか?
そうですね。なんかさっきのこのトーク番組はとかでも言ってるんですけど、
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話についてと言いながら、ほとんど刑事政策の番組やんけと。
そうですね。
いう、沈黙しながらも皆さんからの、おいおい犯罪学語れよというプレッシャーを感じなくもないんで、
最近ちょっと犯罪学シリーズにこだわり出してまして、その一つが文化的接触力ですね。今日話す。
そうなんです。最近少し犯罪学を振り上げておりまして、例えばですけど19回のラベリング論、
それから29回の生来性犯罪者説、そして31回の環境犯罪学ってことで、
結構犯罪学の話をしてますよね。やっぱり期待を感じて取り上げてもらってるんですよね。
まあ確かに数字言われてそうかなと思ったけど、29、31で今回33でしょ。ここ急にまとめてきてる感半端ないですね。
まあ辻褄を合わせてですね、やっぱり我々のこの番組は最初の概要説明は、実はずっと変えずに来てるんですね。
はい、そうですね。
ということでやっぱり犯罪学と刑事政策の話を、最終的にはしてる必要があると思うんですよ。
なんかニュースでは取り上げないって言ってるから、確かにニュースで取り上げるんやろうなって感じがしますね。
別に何かニュースを語ってるわけでもなく、さらにこの学も語るニュースなんかあるわけないですね。
そうですね。なので聞いていただいている皆さんには、ニュースを聞いている時に、こういうことを説明するのに、
こういう学説があったなあみたいな。とか、こういう時にはこんな考え方があるっていう風に言ってたなとかって受け取ってもらえるといいなと思って、
ちょっと最近ね。
そうなんですよ。そうなんです、そうなんです。
これ29回でもちょっと取り上げてお話ししたんですけど、いろんな学問分野がその時急激に発展したんですけど、
その一つがやっぱり社会学として、シカゴ学派の人たち。
シカゴ学派って言っても、経済学とか他の学問でここが発展してるのもあるんですよ。
別に社会学だけじゃなくてね。
で、もうその有名なものの一つが、その社会学系のシカゴ学派の人たちの発展っていうのがあって、
で、29回をもう一回聞いていただくのが一番いいんですけど、また繰り返しになっちゃうので、
やっぱりこの時のアメリカのそのシカゴっていうのが急激に街が発展していくわけですね。
なんかたくさんのアメリカの人も来るし、アメリカ外からもアメリカに渡ってきた人たちが経済的にガンガン発展していくと、人口が急激に増えてですね。
で、街が発展していって経済も発展していくんだけど、同時に社会病理と言われるような自殺とか犯罪とかこういった問題も急激に増えまして、
で、そこにいろいろ研究した人たちが集まってきて、いろんな研究をしていくっていうのが29回目の時にお話ししたもんなんですけど、
で、このシカゴ学派の人たちのこの延長戦でいろんな天才たちが出てきまして、
で、今日はこのサザランド文化的接触理論ですね。学習理論でくくられるんですけど、これをテーマにお話ししていきます。
で、学習理論といえば第一人者とか超有名なところでいくとエドウィン・サザランドなんですよね。
で、彼が文化的接触理論っていうちょっとこれ聞くだけだと全然わからんやんけっていう理論をぶち上げていくんです。
それはやっぱり人が接する文化が異なると人の何かそういう犯罪にまつわることが違うみたいな。
例えばですよ、地元は割とヤンチャーの友達とかもいて、夜みんなで遊ぶとかそういうの普通やなって思ってた人が、
まあ例えば大学に入ったら私立の女子校から来た人が結構いて、こうなんか夜遊びみたいな。
やっぱりもう明らかに文化が異なる社会にいると犯罪との距離感が違うみたいなことでしょ。
なんかねものすごくいい間違いしてくれてすごい嬉しいですね。
あ、そうですか。
サザランドの言ってる文化的接触理論の文化ってカルチャーの文化じゃないんですよ。
漢字が違う。
そう、分かれる化け学の文化って書くんですよね。
これは罠ですよね。
あーなるほど。
これだって文化って聞いたら一般的にはカルチャーの文化ですよね。
って思いますよね。
これ何がいいって思ってるかっていうと、とりあえずこのサザランドの文化言いますけど、
これはDifferential Association Theoryって言って、Differentなんです。異なるって意味の文化なんですよ。
なるほど。
で、異なる団体とか異なる人間関係とか、そこに異なる強度で付き合っていくとどう学習していくかみたいな、
分かれてるって意味で文化的接触理論なんですね。
今、南口さんが言ってくれたカルチャーの方、文化によって葛藤が起きるっていうのは、
トーステン・セリンってまたこれ超有名な社会学者がいらっしゃって、
で、それちょうどいい間違いですねって言ったのって、
例えば今世界最大とも言えるアメリカ犯罪学会っていうのが、やっぱりこれ世界最高峰の学会なんですね、アメリカ犯罪学会。
で、ここが毎年賞を出すんです。
例えば野球で言ったサームラ賞とか、1年間の賞を与える人、すごい研究した人とかっていうのがあるんですけど、
それサザランド賞っていうのを出してるんですよ。
なんで、こんだけアメリカ犯罪学会で、もしくはさっき言ったシカゴ学派の中で超天才たちが集まってきたって言ったんですけど、
それが今でも輝くサザランド賞っていうのがアメリカ犯罪学会が授与する賞がありまして、
で、それの第1回目の受賞者がトーステン・セリンなんです、さっき言った。
分かりにくい。
カルチャーの方。
分かりにくい。
で、カルチャーのよって違いが出て、それによる葛藤がどういう風な影響を与えるかっていうことを研究したのはトーステン・セリンっていう人なんですけど、
これまた今度どっかで話すんですけど、今回はサザランドが立ち上げた理論ですね、学習理論の中の1つ文化的、
ディファレンシャルっていう意味での文化的接触理論っていうものなんです。
これすごい超天才すぎて、いきなりこういうテーゼを、もちろん研究されて、論文発表されてって組み上げていくんですけど、9つのテーゼ出されるんですね。
で、これ9つのテーゼ今読み上げても、ほぼほぼポッドキャストとかこの音声聞いてて、パーって頭から抜けていくじゃないですか。
ちょっとそれは無理だと思いますね。
でしょでしょ。
なんでこれは刑事司法未来のホームページに掲載するとして、じゃあどういうことを言ってたかっていうとちょっと事例を出しながら、
どんなことを言ったかっていうことをちょっと考えていきますね。
お願いします。
で、これ今後定着するかどうかわからないけど、やっぱ刑事ちゃんと司法ちゃんと未来ちゃん、刑事司法未来のその司法ちゃんを主人公としてちょっとやっていこうかなと思います。
お願いします。
はい、じゃあまずこんなストーリーがあったということで考えていきますけど、まず仲の良い両親の元にすくすく育っていた司法ちゃんがいました。
で、これが非公衆団のリーダーになりましたっていうストーリーがあった。これどう思います?
ちょっと結構今前半と後半が凍突すぎますよね。
すくすく育ってた司法ちゃんが非公衆団のリーダーになりましたって、もうちょっと段階があると思うんですよやっぱり。
例えばですけど、司法ちゃんが何らか親と喧嘩するとか、なんかうまくいかなくなるとか、いろんな事情で、まず家にいたくなくなるとか、例えば、それで外で時間を過ごすようになる。
で、非公行為のある仲間ができて、その仲間と仲良くなって一緒にいることになる時間が多くなることによって、いつしかリーダーになるもんですよねやっぱり。
もうなんかほぼ全部言うたんちゃうんっていう感じですけど、ちょっとそんな感じのストーリー言ってみましょうか。
お願いします。
たとえばですよ、たとえば皆さん想像しやすいようにね、司法ちゃんがすくすく育ってたんだけど、両親からちょっと学校の成績が悪くなってきてんじゃないの、勉強しなさいとか、なんでこんな点数取るんやとか、小言いわれるようになってって、なんかうぜーうっせーとか言って家から飛び出したとするじゃないですか。
で、これで繁華街をうろつくようになっていくんですね。で、そこを活動の中心としている非公集団のメンバーたちがいて、その非公集団のメンバーの中にミライ君がいるんですけど、ミライ君たちと繁華街で知り合っていく。司法ちゃんが繁華街に出てってミライ君たちと知り合っていく。これがこういうストーリーのスタートとしますよ。
で、次に2番目として、彼らとは趣味が似通ってて、なんか楽しい年齢も近いし、で、そういうふうに遊んでいくと、両親からそんな繁華街行くなとか、そんなちょっとわけわからん奴らと遊ぶなよとか付き合わんように注意されてたんですけど、これでこれちょっと無視して親しくなってった。これが2番目としますね。
で、次3番目いきますよ。しばらくしてきて、もともとずっと仲が良かった地元の友達たちがいるんですけど、これケイジ君ね。ケイジ君が地元のサッカーチームのレギュラーになったのをきっかけに、ずっとそれまで仲良かったんだけど、なんか地元のその友達たちと距離を感じ始めちゃって、さっきの非公集団のメンバーと行動を共にすることがどんどん多くなってた。
もともと地元で仲良かった子たちともちょっと距離を感じて、繁華街の集団のメンバーと仲良くなってった。これが3番目ね。で、4番目。行動を共にすることが多くなるにつれてって、彼らの非公行動にも関与するようになってきて、だんだん。
で、その実践を通じて、だんだん万引きとか、器物損壊とか、こういうものを見つからずにどうやってやれるかとか、その方法とかスキルとか、あと発見されたときはどうやって逃げようかとか、仲間が捕まったときとか自分が捕まったときはこういうふうに返事しよう、公弁しようぜとか身につけていって、こういった活動とか行動が司法ちゃんの生活の中心を占めるようになってったと。
だんだんちょっと非公集団のあれになってきましたね。で、5番目ね。何年か経って司法ちゃんは非公集団のリーダー的存在になっていましたと。こんなんどうですかね。
そうでもあって、そうでもないってところがあるんですけど、今のだとそういう集団が別々に分かれてきますよねっていう文化は説明できてるんですよ。社会組織の文化。守る人もいれば守らない人もいますよねっていう文化だけを言ってるんですけど、さらに言うとサザランドが言ってる文化の中にもう1個、接触過程の文化っていうのも言ってて、これがちょっとややこしいんですけど、文化ってこうディファレンシャル分かれてるっていう時に、今ミナミグさんが言ってくれた通り、
まあいろんな法律を守りましょう、守らなくていいですよとかいろんな立場の文化の人たちは違いますよね。それもなんかそれぞれ強度が違います。むちゃむちゃ守らないといけない。守ったらちょっとは破ってもいい。ちょっとは守ったけど破っていいとか、なんかこう全然守らなくていいとかそれぞれの強度も違うでしょ。
そうですね。それも文化してるし、社会組織も文化してるんですよ。さらにそれぞれのそういう集団にどれぐらい自分たちが人生のポイントポイントで優先順位が高かったり、持続期間がどんだけそこに関わってたり、あとは自分の中で強度が全然違ったりするわけですよね。
そういう文化も言ってるので、だから大人になっていくに従って信号を守らないっていう人たちの文化された組織はいても、自分の中では守るっていう人への強度が高かったりしたら守り続けるわけじゃないですか。なのでちょっと文化的って言ってるのに社会組織が分かれてるってだけじゃなくてそれぞれにどんだけの頻度強度接続期間とかが違うかってことでも学習されていく内容が異なるんだみたいなこと言うんですよね。
なるほどな。確かにこれ我々さんおっしゃってるように1回耳で聞いて理解するのはちょっと結構難しいですね。
大変ですよね。これやっぱ授業で言うのもね結構大変なんですよ。なのでこういう事例を挙げながら言っていくんですけど、ただサズランドのテーゼで大事なのは、ってことはですよ、今のって犯罪者になるような説明もできるけど犯罪者にならないっていう説明にもなってくるんですね。
その強度が変わったり社会組織が変わったら変わるわけだから。そうですよね。なるほど。ってことはさっきの事例の続き言ってみますね。お願いします。
例えばですよ、さっきの志穂ちゃんの話ね。何年か経ってきて飛行集団のリーダー的存在になってたんだけど、もうあんた18歳やでとどうすんねんこれからみたいなことで両親から経済的自立を迫られてくるわけですよ。いつまでいいよんねんと。
なるほど。みたいなこれ本当特にアメリカ社会だと18歳になったら大学とかになってくるとね、ドミトリーとか寮に入って家を出ていくんですよね。なるほど。
これが一人立ちみたいな、大学生にもなって家から通っての的な文化があったりするわけですよね。ほらトイストーリーでも最後ウティとかを別れていくじゃん。すごいセンシティブなシーンがあるでしょ。
あの風にちょっと大学行くから家出るみたいなのが普通なんですよ。なのでまだずっと大学生になっても家にいるみたいなのって、ちょっとどうなんみたいな文化があって、これね面白いのが、僕アメリカ滞在中にすごい訴訟のニュースが流れてて、30歳になっても家を出ていかない人に対して親が訴訟を起こしてましたね。いつまでいるんだ出て行けっていう訴訟。
みたいなぐらい自立を迫られるわけですね。で、志穂ちゃんは勉強は嫌いだったんだけど、昔から中学旅行とか行った時に神社とか仏閣とかお寺とか構造が大好きだったとしましょう。で、これかっこいいなと、金具を使わずにこんなに何百年も保つような建物を作るなんてかっこいいなとか常に思っていて、宮大工になることを目指されたわけですね、志穂ちゃんは。
めちゃくちゃいいじゃないですか。
でしょ。で、宮大工みたいなことを専門にする公務店に勤めるようになりましたと。これが5番としますね。
で、6番目ね、大工の親方は志穂ちゃんの木造建築に関する知識とか技術とか一生懸命仕事することとかこういうことを評価してくれて、
で、仕事が終わってからも、もちろん仕事中はもちろんですし、仕事が終わってからも、じゃあちょっとご飯行くかとか、ちょっと一緒に勉強しようかとか連れて行ってくれたりとか、可愛がってくれるようになっていきました。これが6番ね。
で、7番目にそういう経験をどんどん積みに連れて行って、だんだんいろんな、じゃあここの建物を任そうかとか、責任のある仕事が任されるようになっていって、仕事もどんどん忙しくなっていった。これが7番目ですね。
で、8番目、親方の信頼とか仕事への情熱が増すにつれて、ずっと付き合ってきてた、それまでね、飛行集団のメンバーとはだんだん疎遠になっていって、もうここまで来ると志穂ちゃんというより志穂さんですね。
志穂さんの生活の中で、もういろんな人たちとの付き合いは完全に過去のものとなっていった、みたいな、こういう飛行から脱出するっていうことも実はサザランドが言ってるテーゼとかからも説明されるんだってことです。
もう私今、宮大工になっていく志穂さんをイメージして、なんなら涙が出そうです。
そうですか、完全に作り話ですけどね。
もうね、また宮大工っていうのがいいなと思って。
あーなるほど、選んでよかったです。
なんかね、いい宮大工になってほしい。
で、今丸山さん番号を付けながら言ってくださったってことは、これもテーゼと関わってるんですよね。
なので、今言ってきたサザランドのテーゼと今言ってるストーリーがどういうふうにリンクするかっていうのは、こんな本とかでも勉強できますよって教科書も紹介しますし、刑事司法未来のホームページにもちょっと掲載しますので、ぜひそれもチェックしてほしいですね。
さてここで犯罪学をもっと身近に感じてもらうために、犯罪学の観点からエンタメを見ていきたいと思います。
今日おすすめする映画はゴッドファーザーです。
ゴッドファーザーは、アメリカのマフィアの内幕を描いたベストセラー小説を、当時32歳のフランシス・フォード・コポラ監督が映画化した壮大なファミリードラマです。
イタリア・シシリー島からアメリカに移住し、巨満の富を築き上げた一族の後目相続や、世代交代を企む周囲のマフィアとの間に起こる暴走が、重厚なタッチで綴られています。
主演はマーロンブランドとアルパチーノ、72年のアカデミー賞では作品賞を含む3部門受賞、2本でも72年に公開されて、その後デジタルリマスター版のリバイバル上映や午前10時の映画祭にも取り上げられているなど、根強い人気があり、また3までありますね。
いつ見ても何回見ても面白い映画です。
これも超有名な映画ですね、ゴッドファーザーは。
名作です。