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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
今回は、アウトドア歌会の様子をお届けいたします。
仲間と山に入って、ハンモックを張って、のんびりとみんなで短歌を作り、発表し合いました。
どんな短歌のセカイが生まれたのでしょうか。
現地での歌会の様子をお届けします。
短歌のセカイの歩き方。
短歌がもっと楽しくなる15分です。
はい、今回は山の中で行った歌会の様子をお届けいたします。
短歌を読むのも、鑑賞するのも初めてというお二人と、私の3人での初めての歌会です。
まずは、短歌のルールと作り方の説明からスタートしました。
それでは、現地の歌会の様子をお楽しみください。
短歌とは、5・7・5・7・7ですね。
全部で31文字で、感じたことを読む。
やっちゃいけないこととかあります?
ないです。やっちゃいけないことはない。記号もない。
でも、いい感じの短歌を作ろうと思ったら、言いたいことは言わないほうがいいです。
例えば、山がすっごい綺麗だなっていう短歌を作りたいと思ったら、
綺麗だなっていう言葉は入れないほうがいいです。
匂わせる。匂わせたほうがいい。
はい、短歌の基本ルールだけを説明して、制作がスタートとなりました。
参加者の声に混じって、鳥の鳴き声も聞こえてきますね。
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この日は山の中でハンモックを張って、のんびり過ごしました。
短歌のテーマは、山での一日を振り返って感じたことにしました。
鳥の声をBGMに、短歌作りに勤しむ様子をお聞きください。
それでは、続きをどうぞ。
はい、マジックペンで一心不乱に短歌を書く様子をお聞きいただきました。
自然の中で短歌を作る心地よさが皆さんにも伝わりましたでしょうか。
さて、参加者のお二人は短歌作りが初めてだったのですが、
なんとほんのちょっとの時間で三つも短歌を作りました。
まずは参加者の一人、かなさんの短歌をご紹介します。
静けさがベテランカップルみたいなの。
あなたとあなたと私の山時間。
さて、かなさんはどんな気持ちでこの短歌を読んだのでしょうか。
ご本人の解説をお聞きください。
それでは、続きをどうぞ。
まず今日、ありえない打ち上げだなっていう。
あ、そうなんだ。そこからこの詩はそうなんだ。
全体的に、さっきのとこれとこれは共通している部分があるんですけど、
それが心地いいっていう意味でこっちは作りました。
ベテランカップルの心地よさ。
静けさがベテランカップルみたいなの。
静けさがベテランカップルみたいなの。
あなたとあなたと私の山時間。
マイナスに捉えた?
違う違う。ベテランカップルはどこで出会ったのかなと思って。
どこで出会ったのか。
だからなんか、んーって思ってて。
違う違う違う。
だからこの静かな空間を共有できる人って多分そんなに多くないですか。
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楽しい時間を共有する人って多分ね、たくさん。
走って走ってはできるかもしれないけど、
なんか別に喋らなくてもOKっていう時間を過ごせる人って実はそう多くない。
無言時間みたいな感じだよね。
そうそうそうそう。してるので、
なんかそれがOKだっていう、
あなたとあなたと私の山時間っていう風に思いました。
山時間がやっぱ地余り。
地余り。めっちゃくちゃ地余りになるんで、
あなたとあなたと私の、なんだろうな、
あと3文字くらいに浮かべられるといいですよね。
そうそうそう。
でもここも地余らしても分かった方がいいなと思って、
もうとりあえずこれにしちゃったの。
なるほどなるほど。
なんか地余らせるも全然アリなんですよ。
わざと地余らせるもアリなんですけど、
頭が静けさがあってから始まってるんで、
静けさが際立たせるんだったら、
うまくあなたとあなたと私の山ぐらいで、
じたらずぐらいで終わらせた方が、
ちょっと静かな感じが出るような気がしますね。
なるほど。山静かみたいに字を作ってもいいんだよね。
あ、そうだね。
造語でも。
はい、かなさんが初めて作った短歌、
静けさがベテランカップルみたいなの、
あなたとあなたと私の山時間、
のご本人の解説をお聞きいただきました。
解説では血余りが気になるというお話をしました。
あらためて聞くと、
山時間という言葉が山での心地よい過ごし方を
表しているような気がしてきました。
みなさんはどのような感想を持ちましたでしょうか。
静けさがベテランカップルみたいなの、
あなたとあなたと私の山時間、
ここは大胆に登場人物を2人に絞って、
あなたと私の山時間、
という下の句にするのもいいかもしれないですね。
実際は3人で山時間を過ごしたんですけれども、
登場人物を2人に絞ることで、
上の句のベテランカップルという言葉が生きてくるような気がします。
静けさがベテランカップルみたいなの、
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あなたと私の山時間、
これもちょっとじたらずなんですけれどもね、
このように登場人物を削っちゃうとかですね、
そういった大胆な解策をしてみるのも楽しいかなと
思いました。
さて、お次はもう一人の参加者、
マーちゃんの単歌をご紹介します。
雨打たれ、潮音で過ごすハンモック、
緑笑えば鳥がさえずる、
こちらもご本人に単歌の解説をしていただきました。
それではお聞きください。
これね、いっぱいね、5文字の文字を書いてたんだよね、最初。
雨打たれとか、ハンモックとか、
で、やっぱ7が難しくてと思っても、
ここはどこだ、潮音だよな、潮音で過ごす、あ、7だったみたいな。
鳥がさえずる、鳥鳴いてるか鳥がさえずるって、
なんかここを緑笑えば、そのまんま、なんだろう、
日が射すとかよりも、
ちょっとなんていうの、
暗雄表現みたいにしたほうがいいかなと思って、
今ちょっと日が射してきたときに、
緑が笑っている感じがするな、というので、
緑笑えば、というのでとても地下図的にもいいかなと。
そう、そう。
これが一周目で、とにかく字が出てきたのを当てはめたらこうなった。
私、これむしろ雨が降ったことかと思ったんだけど、
緑が笑う。
ああ、もちろんそれもあるだろうね。
人によって多分捉え方が違うんだよね。
一番頭が雨打たれだから、
やっぱ雨で緑がざわめいているのが、
笑っているっていう感じで、
雨ってちょっと嫌なものだけど、
笑うって言うとポジティブに聞こえるよね、
みたいな感じかもしれないし。
意外とこのタープの雨がポツンポツンと音が心地よかったっていうのもあるんだよね。
今回。
音楽っぽくて、好きって。
結構なんかこの、なんだろうな、ミュージカルっぽい感じ。
雨も緑も鳥も、山の騒がしさが出ている。
いいですね、にぎやかな。
ありがとうございます。
なんかあの、褒められると嬉しいです。
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はい。
まーちゃんが初めて作った短歌。
雨打たれ。
潮音で過ごす半木。
緑笑えば鳥がさえずる。
の、ご本人の解説をお聞きいただきました。
潮音というのは山の音のことで、
大きな音から派生している細い音のことです。
まーちゃんは半木で瞑想をする半木フルネスのトレーナーさんなので、
短歌に山の専門用語を読み込むところが山のプロっぽいですよね。
雨打たれ。
潮音で過ごす半木。
緑笑えば鳥がさえずる。
緑笑えばですとか、鳥がさえずるなど、
山で聞こえる音に注目しているのが特徴的です。
この日は小雨が降っていたので、タープを貼って、
そのタープにパラパラと落ちてくる雨音も心地よかった、
というふうにご本人も言っていましたね。
同じ体験をしているのに、人によって注目するポイントが違うところが、
短歌の面白さだと思います。
かなさんは静けさが大事。
というふうに3人でいるのに、
それぞれが思い思いに静かに過ごしたことに注目していました。
一方まーちゃんは、
雨打たれ。
潮音で過ごす半木。
緑笑えば鳥がさえずる。
緑笑えば鳥がさえずるなど、
山の専門用語を読み込むところが山のプロっぽいですよね。
潮音で過ごす半木。
緑笑えば鳥がさえずる。
というふうに山で感じた音に注目した短歌を読みました。
さて、かなさんとまーちゃんにとっては初めての短歌作り、
短歌鑑賞となりましたが、
どのような感想を持ったのでしょうか。
お二人の感想をお届けします。
それでは続きをどうぞ。
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ちなみに短歌作るのは初ですよね。
初めて初めて。
学校の時に多分作ったことがあるんじゃない。
小学校か中学校の時に。
でも記憶はない。
合七号はあるかもしれないけどね。
でも短歌作ったことあるんじゃないかな。
でも作れましたもんね。
作れたよね。
合七号はいけるなぁと思ってたんだけど、
ワークショップとかの時にね、合七号で最後シェアリングとかの時に、
今日の受け取ったこととか、今日の感想を合七号でお願いします。
みんなえーとかって言うんだけど、
それなりに作るんだよなーっていう。
意外と出てくるんですね。
今回でもすごく、ずめちゃんが聞いて面白かったのは、
他人の歌を聞く良さ?
そうなんです。
それが面白いんだっていう。
面白いですよ。
そういう風に見えてたのねっていう。
人によって捉え方が違いますよね。
違う違う。
どんな景色を見てたのかっていうのが分かるっていうのは。
脳内のシェアリングみたいな。
脳内シェアリング。
だから人って違うよねっていうのとか、
あと一緒だよねみたいな。
あー分かる。
でも大体でもわー分かるかもしれないけど。
分かるか、あとえーなるほどね。
あーそれあるよねみたいなね。
何が面白いっていうか、
癖っていうかさ、あるよね。
個性っていうかその人らしいなっていうのが。
そう思ったのは。
テクニックとか全くなくても、
面白いと思えるっていう。
上手いだけが良い訳ではないみたいなのをすごく感じた。
そうですね。
あとなんかその人がどんな性格なのか、
あとなんかその人がどんな世界を見てるのかっていうのは、
結構タンカって分かりやすいなって思う。
確かにそれはそう思う。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回はアウトドア歌会の現地の様子をお届けいたしました。
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今回ご紹介したタンカは、
カナさんの初めて作ったタンカ。
静けさがベテランカップルみたいなの。
あなたとあなたと私の山時間。
そしてマーちゃんの初めてのタンカ。
雨打たれ潮音で過ごすハンモック。
緑笑えば鳥がさえずる。
の2つのタンカをご紹介いたしました。
タンカの世界の歩き方は毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それではおやすみなさい。