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2020-12-15 14:39

#49 消費させないアートフェスにいってきた

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奈良で開催されていた「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」というイベントにいってきた話をしました。

MIND TRAIL
https://mindtrail.okuyamato.jp/

MIND TRAILプロデューサー齋藤精一×建築家/美術家 佐野文彦が思う、芸術祭で感じた“奈良の木”のストーリー
https://www3.pref.nara.jp/naranoki/magazine/nara-interview-fumihikosano-seiichisaito/

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どうも、たにしです。
たにもとです。
えっとですね、最近ちょっとお出かけをしまして、関西の方に遊びに行ってたんですけど、
で、大きな目的の一つが、奈良で開催されてたマインドトレイルっていうアートフェスティバルとか芸術祭を見に行ってたんですけども。
マインドトレイル。
マインドトレイル知ってました?
知らない。なんか若干怪しいそうな匂いにつく。
確かに初見でマインドトレイルって怪しい匂いするわな、確かに。
マインドって入ってると。
マインドフルネス的なね。
マインドフルネスとか。
スピリチュアル感ね。
はいはいはい。
今見てる。
ライザーマティックスっていう結構有名なデザインとかメディア系のデザイン事務所と言ったらいいのかな。
の斎藤さんって代表の人がプロデューサーを務めている芸術祭なんですけど、
このコロナ禍でなかなかこの間観光に来る人が減っている中で、
どうやって観光客をGoToなんかで呼び込むかっていうことを考えていて、
その奈良の奈良市よりももっと山側の奥山戸って言われているエリアで、
お野外のアートイベントっていうのができないかっていうことで企画されたアートフェスなんですけど、
これが奈良の3つのエリアで開催されていて、
歩いて2時間なり3時間なり最長5時間とかっていうコースが、歩いて回れるコースが組まれていて、
そこに作品が点在していて、それを見つつ楽しむっていうようなアートイベントなんです。
森林浴もしながらアートも楽しめるみたいな。
そうですね。
建物の中で見るわけではないので、特に密にはならないし、
野外、森の中とかも歩きつつ楽しむみたいなコンセプトなんですよね。
僕、いくつか地方でやっているアートフェスみたいなものに行ったことがあって、
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例えば、新潟の越後積森トリエンナーレっていう大地の芸術祭って呼ばれているものだったりとか、
あとは瀬戸内国際芸術祭とか、いくつか地方のところに行ったことがあるんですけど、
どちらもだいたい車移動で作品が展示されているエリアに行って、
車から降りて作品いくつか見て、また次のエリアに移動するみたいなものが定番というか定石というかなんですけど、
今回歩いて見て回るっていうのが一個特色になっているかなっていうものだったんですよね。
実際、ライドマンの斎藤さんもおっしゃっていたのは、
現代社会の基本主義的な原理のアンチテーゼとしてもっとゆっくり回るとか、
効率化から離れてみようみたいなところが裏テーマとしてあるみたいで。
自分の足で歩いて回らないと楽しめないような仕組みにしたって言ってたんですよね。
なるほどね。
車とか買わないとか、現代というか技術みたいなものから逆に離れたもの。
もっと自然とかを感じようっていうような方に振っているという感じが。
実際僕も結構ゆったり時間をとって、一日一箇所ぐらいのペースで回ったんですよ。
思ったのが、これは本当に時間と心に余裕がある人じゃないと楽しめないなって思って。
展示は何展示してるの?
展示はいろいろなんですよ。森の中に、木々の中に例えばオブジェみたいなのがあったりとか、
あとはそういうペインティングされた作品が展示されてたりとか、
風景に溶け込むように作られたオブジェがあったりとか、そういう感じだとか。
あとはマインドトレイルとか開催されている奈良の吉野だったりとか、
ソニーメラっていうところだったりとか、そういう土地の根差した、それを取り込んだ作品とか。
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あと面白かったのは、そういう土地だったりマインドトレイル自体のコンセプトを受けて、
いろんな人が選んだ本が森の図書館みたいな感じで、ボックスに入ってて。
で、なんでこの人はその本を選んだのかっていう選書理由とか書いてあったりするっていう展示があったりとか。
たしかにめちゃくちゃ時間入りそうだね、全部見ていくと。
そうなんですよね。
で、なんかぶっちゃけ、こう、アートイベントに行き慣れてる人で、例えば現代アートとかすごい好きで、
作品を見たいっていう、作品がすごい楽しみみたいな人には、ちょっと多分がっかりだったんだろうなっていうのは思って。
というのも、なんかこれ企画されてから3ヶ月ぐらいで作ったらしいんですよ。
結構特感で、7月ぐらいからバーって準備して作ったみたいなことらしく。
だからこう作品としても、すごい長い時間かけて制作されたものとかないし、
っていう意味で、なんか凝った作品があるっていうのは特になかったような印象があって。
アート作品としての面白さみたいなのは、そんなになかったなって思うんですけど、
個人的にはすごい満足度が高くて。
これは斎藤さんも言ってたんですけど、
そういう歩いて楽しむっていう中でどんどん五感が研ぎ澄まされてって、
作品ではない人工物ではない非人工物、
自然の造形とかすらも作品に見えてくるっていうようなことを実感したというか。
こんなにじっくり見ると自然美しいなみたいなことを思ったし、
こんな音が聞こえるんだなみたいなことも思ったので、
なんでしょうね。
確かにね。
今聞いてて思ったのは、
どちらかといえば、自然を楽しむの方に、
アートがその中にあるみたいな感じなんだろうね。
そう、美術の楽しみ方とは確かに違うというか、
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美術ってその作品の背景とかを楽しむとか、
その技法を楽しむとか、
想像するみたいなことなんだろうけど、
その展覧会、そのイベントはどちらかといえば、
自分の体で楽しむというか、
想像するみたいなことよりは、
もう風気持ちいいなっていうところから。
そうですね。
あと、奥山戸っていう奈良の奥江の方にあるエリアって、
大峰山って山があって、そこは山節の修行とか、
修玄堂とかがすごい有名な場所なんですけど、
そういう自然と歴史みたいなものがすごい根付いている場所なので、
そういうとこに行く、僕は多分ナチュラルに言ったら、
そこに観光に行くってことはほぼないと思うんですよ。
だけど行くきっかけをもらえたし、
歩いてる中でそういうものを感じれる場所にも出会えたし、
作品とかじゃなくて、その山と歴史すげえなとか思ったんですよね。
そういうのも面白かったなと思って。
確かにね。
何かのようなとこに行けるっていうのも、
そういうイベントの良さかもしれないね。
あと思ったのは、今の美術展とかそういうアートとかって、
映えるもの、作品がすごいSNSに拡散されたりとか、
それを見に行くみたいな要素もちょっとあって、
なんかそれってすごいアートを消費してる感っていうのがあるんですけど、
今言ったように単純に作品としての強さっていうよりは、
作品とその土地の風景とか、自然とか、
そこに流れてる空気とかっていうものを含めて楽しむような展示になっているから、
映えとかで消費されないような構造になっているなーっていうところも、
すごいアンチ、資本主義的な感じがする。
面白いな。
めっちゃ面白い。
森美術館とかはさ、
森美術館って今めちゃくちゃ流行ってて、
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入館者すごい多いっていうので、
結構話題になるんだけど、
その理由の中で、
最初にSNS映えをどうさせるかっていうのを考えて、
写真OKをちゃんと作るだったりとか、
あとSNSの投稿で作品の紹介をいかに映えさせるかだったりとか、
コロナ期だとインスタでライブツアーみたいなのやってて、
なるほど。
SNSでどう広げるかみたいなことを正しく考えてるっていうのが、
今の美術館のハイラリティとして言われたりするからね。
商業的にはね、マストだとは思うんですけどね。
それの良し悪しというのは議論の余地があるなっていうことで言うと、
そういう気づきもあった面白い展示でしたね。
答え合わせしに行くような感じだよね。
近代の、近代というか現代の美術館というか、他の美術展のとこに行くのは。
そうなんですよね。
なんかそれって別に美術展だけじゃなくて、
観光地とかにも言えることだと思うんですけど、
例えば田島春。
田島春、よく見てる絵を確認しに行くみたいな。
そうだよね。
それはそれで別に悪いことではないが。
ないが、そこに何らかの個人に深く刺さる価値があるのかって言われると、
どうなんだみたいな。
そうだね。
そんな感じで、残念ながらもう会期は終わってしまってるんですけど。
うん。
そうですよね。
うん。
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