グレイス・ケリーの時期の映画
お聴きの皆様、おはこんばんちは、現役リフォームプランナーの寸尺かんなです。 今日もヒッチコック界をやろうと思うんですけれど、それにしても暑いですよね、毎日ね。
皆さんね、お体っていうか、大丈夫ですかね? こちらはですね、リフォームの仕事をしてるんで、職人がね、もう倒れるんじゃないかと思って心配で、
やっぱりね、案の定外の工事をやってた職人がね、やっぱり熱中症でちょっとダウンしちゃったりとかがありまして、本当にね、外回りの仕事をされている人とか、
内勤の仕事であったとしてもね、行き帰りとかね、移動もありますので、皆さん本当に気をつけましょうね。
思えばですね、ヒッチコック界の最初にご紹介しました裏窓、これってもうあのうだるようなね、夏の暑い日が舞台の映画なんですよね。
ニューヨークの暑い夏で、あの時代なのでエアコンもないような時にですね、みんながもう暑くて暑くて窓を開けっぱなしにして、
その真向かいに住んでいる主人公が、この隣のマンションを存分に覗いているというね、そういう設定の映画だったんですよね。
なのでね、この暑い時に裏窓ってね、なんかぴったりだなっていう風に思いました。
で、今日はね、この中期の中でも、私はグレイス・ケリー記と名付けている期間の映画をちょっと今日はね、しようと思うんですけれども、
これはグレイス・ケリーをとにかくね、ヒッチコックはもう一番のお気に入りの女優だったんですよね。
インクリッド・バーグマンのこともね、実はすごく好きだったというふうに言われてるんですけれども、
でもこのグレイス・ケリーのね、このクールな、上品な、美しい人なんだけれども、実は裏に秘めたワイルドな一面というかね、
すごくね、あの実は、ちょっと端的に言っちゃうと、ヤリマン、ヤリマンだったというところを見抜いていたんでしょうね、ヒッチコックはね。
この愛反する二面性を、こよなく愛していたんですよね。
とにかくグレイス・ケリーをスケジュールを抑えたくてですね、この期間はもう一気に3本ぐらい、3本ですね、グレイス・ケリーで映画撮ってるんですよね。
何人かね、コメントでも寄せていただいていた、泥棒なりきんっていう映画と、あとダイヤルMを回せ、これが確かグレイス・ケリーのデビュー作だったと思うんですけれど、
そしてこの裏窓っていうのを立て続けに、この数年の間にヒッチコックは撮ってるんですよね。
願わくば、もっともっとグレイス・ケリー主演で映画を撮りたかったんだと思うんですけれど、
グレイス・ケリーはね、結局モナコの王様とレイニエコーと結婚してしまうということで、女優業を引退してしまうんですよね。
このね、グレイス・ケリーの結婚による引退に関してはね、もう繰り返しヒッチコックはブチブチ言ってる証言が残ってますよね。
もうなんだ、みたいなね。なんですけれどね、このグレイス・ケリーとの出会いというか、この時期のヒッチコックの作品はどれも華やかで、
一つのピークというかね、すごい作品がいっぱい結果的にできてますよね。
グレイス・ケリー及びハリウッドでの映画制作の一つの頂点を極めているというか、予算も潤沢にあって、
こういうね、グレイス・ケリーを筆頭にしたすごい一流の俳優を自分の映画の主演に迎えてね、
このやっぱり、なんていうのかな、もういろいろ豪華絢爛なんですよね。そういった意味でもね、楽しい作品がいっぱいあると思います。
そんなね、この華やかな時期に、ちょっと異色の作品をね、2つ今日は紹介しようかなと思うんですよね。
その一つがハリーの災難。これはなおさんからもね、リクエストがあったんですけれど、すごいね、いろいろ数あるヒッチコックの作品の中でも異色の映画なんですよね。
ユーモラスなブラックコメディ『ハリーの災難』
どう異色かっていうと、これはシチュエーションコメディで、これだけはね、皆さんにホラーがね、とか怖いのが苦手だっていう方も、これは見ていただける映画になるんですよね。全然怖くないんですよ。
死体は出てくるんですけれど、何も別に怖いことは起こらない。ヒヤッとすらしない。そういう映画なんですよね。
これはハリーの災難っていうタイトルは、ハリーっていうのが実はこの死体なんですよね。ある時、バーモントの美しい紅葉の綺麗な腹っ端のところにね、ある時、死体がポロンと横になってるんですよね。
これにいろんな人が、通行人でね、散歩してたり寮をしたりね、いろいろしてて通りかかったら死体がいるんで、それをめぐってひょっとして私が殺しちゃったんじゃないのとかね、寮をしてたおじさんは自分がね、うさぎを狩りに来てたんだけれど、間違ってこの男の人に当たっちゃったのかなとかね、いろいろみんなこうちょっとこの死体は自分が原因でみたいに思って、
いろいろこういろんな人の思惑が交錯して、果てどうしようっていうね、そういう映画なんですよね。これはあのだから、なんかちょっとある種の舞台劇みたいなね、そういう映画なんですよね。
一応ね、ヒッチコックの映画としては珍しく、外部でのロケもたくさん使用されている映画で、ロケといえばね、ヒッチコックは外部撮影が大嫌いだったと言われています。
っていうのがね、やっぱりこの人は光と影を完全にコントロールしたい人なので、外はね、もう予測できないことがいっぱいありますよね。光も決まった時間しか撮影できませんしね。
なので、あんまりね、この実は外部で撮影している作品って少ないんですけれど、これはね、結構ふんだんに外で撮影しているシーンが多い映画なんですよね。
さらにね、話を戻しますね。このハリーの災難のハリーっていうのは、実はこの死体のことなんですよ。
だから、出てきてから最初から最後までずっとこのハリーって言われている人は死体なんですけれど、この死体をめぐっていろんな人たちがドタバタするっていうね、そういうちょっと舞台劇のような作品で、
もう大変面白い映画なんですけれど、ちょっとね、異色であるがゆえにね、地味だし、そんなにね、これが一番好きだっていう人は少ないんですけれども、すごく面白い映画で怖くないヒッチコックとしておすすめの一本です。
そしてこの映画はあともう2つね、すごく見どころがあって、今後ずっとヒッチコックが長らく組むことになる作曲家と、これが最初の出会いというか、初めて組んだ映画がこのハリーの災難になるんですよね。
その作曲家はバーナード・ハーマンですね。この人はもう超超有名な上に、特にヒッチコックと組むことによってさらに有名になった人ですよね。もうこの組んだ時にはすでにね、もうすごく成功している人だったんですけれど、もうこれ以来ですね、ヒッチコックの映画はずっとバーナード・ハーマンが作曲してるんですよね。
今で言うと、スティーブン・スピルバーグとジョン・ウィリアムズの関係性のような感じになると思います。一番有名なのは、最古のキュインキュインキュインキュインっていうね、バイオリンの弦だけでね、音響を作ったという有名なキュインキュインっていう音楽とかが有名だと思います。
ここでもね、ちょっとユーモラスな、でも一応やっぱり死体を巡るブラックコメディだよっていうね、こういうのが端的に音でも表現されている、すごいね、二人の間でね、ちょっと科学反応が起こって、この人こそね、僕が望んでいた人だみたいなね、ヒッチコックの喜びの出会いの作品だったということでね。
このハリーとサイナンはね、興行的にはね、苔けたんですよね、アメリカではね。なんだけどもヒッチコックはね、すごいこの絵がお気に入りだったみたいですね。こういう、だから嬉しい出会いがあったことも大きいんじゃないかなと思います。
もう一つのね、このハリーとサイナンの特徴が、シャーリー・マクレーンっていうね、私が大好きな女優さんのデビュー作でもあるんですよね。このハリーとサイナンの中でもね、本当に可愛いんですよね。
ヒッチコック美女といえばね、ブロンドで、このグレース・ケリーを代表するようにね、ミステリアスなクールビューティーが多いんですけれど、このね、唯一と言っていいんじゃないですかね、このハリーとサイナンの中のシャーリー・マクレーン演ずる、この可愛い女性、こういうのはちょっとね、ここも通常のヒッチコック作品にはないヒロインとしてね、すごいね、特筆すべきことじゃないかなと思うんですよね。
シャーリー・マクレーンはこれがデビュー作と思えないぐらいね、光り輝いていて、この後、私がもう一人大好きなね、ビリー・ワイルダー監督のアパートの鍵貸しますというね、大傑作があって、ここに主演して、もう更なるスターに上り詰めていくんですよね。
なのでね、デビュー当時のういういしいシャーリーが見れるという意味でもね、おすすめの一本になります。
スパイ作品『知りすぎていた男』
次がですね、知りすぎていた男、これもね、本当大大大傑作なんですけれど、これもヒッチコックの作品、そうそうでね、ちょっと話が前後するんですけど、ヒッチコックってね、そのサスペンスの神様なんですけれど、このサスペンスの中でもね、本当にいろんな作品があるんですよね。
先ほど紹介しました、ハリーの災難が、まぁちょっと舞台劇のようなブラックコメディだとするとね、この知りすぎていた男っていうのは、スパイ作品なんですよね。スパイというか、ちょっとね、どう言ったらいいのかな、ミッション・インポッシブルみたいな、いろんなね、海外を舞台にした、一大アクション映画みたいなね、そういう作品の一つなんですよね。
このジャンルはね、結構ヒッチコックはいくつか撮ってるんですけれど、その中でもですね、本当に群を抜いてね、大傑作なんじゃないかというのが知りすぎていた男なんですよね。
この映画はお気に入りの俳優であるジェームズ・シチュアート、先ほど裏窓ね、一番最初にちょっと話をしました。裏窓っていう隣のマンションを覗いている映画、この映画でも主演がジェームズ・シチュアートなんですけれど、この人と、あとケイリー・グラント。
ケイリー・グラントは一番最初のボリュームワンで男外というね、奥さんを殺そうとしているかもしれないハンサムな夫の役をやった人なんですけれど、このケイリー・グラントとジェームズ・シチュアートっていうのは特に男優の中ではお気に入りの二人だったんですよね。
この二人は4回ずつ主演に使っているぐらい気に入っていた人たちなんですよね。裏窓に続いてこの知りすぎていた男でまたジェームズ・シチュアートが主演しているんですけれど、こちらは本当に善良な家族が海外旅行行ってるんですよね。
そこで全く関係ないのに本当普通のファミリーでね、そうそうだからヒッチコックの作品では珍しいファミリーものでもあるんですね。これね、で、お母さん役やってるのはこれもね、またちょっといつものヒッチコックヒロインと違ってすごく安定感のあるね、ケセラセラっていう曲、これ聞いたこと、もしかければ多分聞いたことある人が多いと思うんですけれど、この曲がね、この映画の中の歌として使われて大ヒットするんですけれど、
これを歌っていた歌手のドリス・デイ、この人をね、お母さん役に招いて、これがまたいいんですよね。ジェームズ・シチュアートとドリス・デイ夫婦が子供を連れて旅行に出かけているというファミリーもので、スパイものでというね、このジェームズ・シチュアートが荒ぬ疑いね、やってもない殺人に巻き込まれていくという話なんですよね。
この巻き込まれ者っていうのもね、一つヒッチコックの作品にはね、いくつもね、あるお得意のジャンルの一つなんですけれど、これもね、いろいろ映画的なね、ヒッチコック的なね、このテクニックがね、もう存分に出てくる、しかも楽しい映画で、怖いというよりはね、ハラハラドキドキするアクションものなんでね、これもそんなに怖いのが得意じゃない人にもね、見ていただける映画じゃないかなと、
思うんですけれど、これはもうね、あのヒッチコックファン、だから怖いヒッチコックが好きな人にとっても、まあね、あのハラハラワクワクするような映画が好きな、普通のアクション映画が好きな人にもね、おすすめの一本ですね。
でも、とにかくね、あの最後のこのオーケストラのシーンが出てくるんですけれどね、もうここはちょっとね、ヒッチコックの新骨頂ですよね。大迫力なんですよね。
うん、まあちょっとぜひ見てください。これもね、まあこの時期のね、ヒッチコックは、あの先ほどもね、お伝えしたようにグレイス・ケリーという人との出会いもあったり、そしてこの自由にね、このジェームズ・シチュアートとかね、ケイリー・グラントを含めた一流のハリウッドスターをね、もう自由に使える、まあ切符を手に入れてね、なんかもう生き生きのびのびとね、映画を制作しているような感じがしますね。
あのどれもゴージャスでね、楽しい作品がいっぱいあるんですけれど、ここでもう一つね、あのまた別の意味でちょっと異様な映画を撮るんですよね。この豪華絢爛期のヒッチコック作品の中で一つ、まあ大変異色な、異色ってね、ハリーの災難と、あのもう異色だったんですけど、そういう意味ではなくてね、あのまあ一つ、どう言ったらいいんですかね。
ヒッチコックのあの暗い面ですね、あのダークな面をあの、まあ全面に出した映画を作るんですよね。それがメマイという映画になります。これがあの一番ヒッチコックの映画の中で好きだという人がね、特に男性に多いようですね。
ヒッチコックの異色作とメマイ
これはね、私はもうヒッチコックにも魅せられて、あのもう一気にね、高校生の私はもう一気にヒッチコックの作品をね、あの制覇するんですけれど、その中でね、このメマイっていう映画は、あのちょっとね、とっつきにくいというか、あの一体この映画は何の映画なのかっていうことがね、全くこの若い頃には理解できなかったんですよね。
なんですけれど、これもヒッチコックタッチと言われている、いろんな映画技術、あのカメラワーク、そういったものがね、たくさん盛り込まれている映画でもあるので、そういったところで、これが有名な螺旋階段のシーンだとかね、これがあの目前でぐるぐるするところだとかね、そういうのがあるので、そういう仕掛けでね、楽しく見てはいたんですけれど、これが一体何の話なのか、どういった内容なのかっていうことまではね、
若い私には知るよしもないぐらい、ちょっとね、異常な映画なんですよね。これに関しては、もう私ごときが、あの語ることは、あのもうちょっと到底できないというか、あのすごい、あの映画評論家の方とかがね、この映画に関してはね、素晴らしいあの、あの評論をね、出しておられるので、ぜひね、そういったところで詳しく見ていただきたいんですけれど、
まあ私はね、軽く言うとするならば、これはもう、あのヒッチコックのね、非常に歪んだ、あの女性感であったり、その性欲とかね、そういったことがね、もうこの一方にね、もう詰め込まれてるんですよね。
で、あのでも、この映画はね、実際この公開当時はね、コケてるんですよね。あの全く興行的には失敗していて、主演には、あのいつものね、お気に入りのジェームズシチュアート、そして主演女優はキムノバックというね、あのこの当時、あの非常に人気がある、あの俳優が出てるにも関わらずね、ちょっとこの暗い作風のせいかね、コケてるんですよね。
なんですけれど、この目眩というこの映画一本でですね、おそらくヒッチコックは単なるサスペンスの神様では済まされない、まあ芸術作品の、あのすごい芸術家だという評価をね、あの決定づけたのがこの目眩を取ったせいじゃないかなという映画なんですよね。
だからこの目眩は、どの他のね、どの作品よりもヒッチコックの、その映画人としてのヒッチコックというよりは、一人のその病んだ男としてのヒッチコックがものすごくね、正直に描かれてるんですよね。てか出ちゃってるんですよね。
それをとても、あの誠実で真面目で清潔感のあるジェームズ・スチュワートに、ある種その自分の異常性を演じさせているんですよ。なのでそんな異常に一見見えないんですよね。
もっとも清潔感のあるジェームズ・スチュワートに、ある種異常な行動をとらせている作品なんですよね。だからあのわかりにくいんですけれど、これは正直にヒッチコックが自分の女性に対する変なこだわりであったり、あの征服欲とかね、支配欲とか異常性欲とかね、そういったこともね、全部出してしまってる映画なんですよね。
なので、死後、もっともヒッチコックを愛する人たちから愛されている映画といえばこの目前になるんじゃないかなと思います。
そして、この映画を見るとですね、その後ね、これはどんなにヒッチコックを愛していてもね、触れないわけにはいかない。この後、いろいろヒッチコックには闇の部分があるんですよね。この闇がね、この目前を見ればね、よくわかるなという映画にもなるんですよね。
というわけでね、今日は目前でね、一応終わろうと思うんですけれど、ちょっとね、目前はね、かなり重要な作品なので、また次回もね、少し触れるかなと思います。はい、では今日はこれで終わります。ごきげんよう。